そうでない方はこんにちは、arosです。
別の作品でも言った通り新作を投稿させていただきました。
ただ…今回の話はプロローグであり、タグのほとんどが使われません。
次の話からはどんどん使っていきます。
それと、タグのスーパー戦隊は作中で使った後からその戦隊に変えるまたは追加する予定です。
それでは参りましょう。
本編へどうぞ。
①
『{ドアが閉まります、ご注意ください。}』
プシュ~…バタン!!
ガタン、ゴトン…ガタン……ゴトン───
俺がホームに着いたと同時に電車が発車していった。
時間を確認しなかった俺の不注意が招いた結果だし、それに時間はまだたっぷりあるため、俺はそんなに落ち込んでいない。
その代わりに頭にあったのは───
(キラメイシルバー、すげぇ強かったな。)
今日のキラメイジャーの感想だった。
そうやってボーッとしていると、ホームに人がどんどんやって来た。
(お、そろそろ来るのか?)
次の電車が来るまでそう時間はかからないはずだ、そう思いながら電光掲示板へと視線を向ける。
と、その時───
ドンッ!!
いきなり横から強い衝撃を受け、まともな受け身も取れないままホームの床に倒れる。
その衝撃によるものなのか眼鏡がどこかに行ってしまったようで、周りがかなりボヤけて見える。
「痛った…!!」
倒れた時に強くぶつけたのだろう、鼻から熱い液体が流れてくるのにも関わらず元いた場所を見る。
ボヤけてよくは見えないため憶測だが…そこにいたのは、体型的にそこそこ太ったおっさんだった。
なぜか、俺に対して怒っているような…そんな感じが伝わってくる。
おっさんはそのまま俺の胸ぐらを掴んできた。
「おいコラお前なんでこんな一番前で待ってんだ!!
若ぇやつが調子にのってんじゃねぇぞ!!」
(はぁ!?)
おっさんの言い分に俺は意味が分からずただ驚くだけだった。
つか…このおっさんの吐く息、酒臭ぇ!!
「最近の若いやつは電車だのバスだのタクシーだのとなにかと楽しようとしやがって!!
お前みたいなやつがまともに仕事もしないから俺達みたいなのが苦労するはめになるんだろうが!!」
このおっさん、偏見がすぎるだろ…。
つかそれだと、だったらなんであんたはそんな酒の臭いプンプンさせて電車に乗ろうとしてんだよって話になるんだけど…。
そう考えていると、おっさんが俺を突き飛ばした。
「きさま、なんだその目は!?
俺は世間の常識も知らねぇガキに常識を教えてやってんだぞ!!」
あぁ…この手合いの人には正論なんて通用しないな…。
そう思った俺はこれ以上の厄介事は避けたかったため、ホーム床の黄色い線を頼りにその場を後にしようと体の向きを変えた。
「まったく…世の中にはあんな人もいるんだな…。」
さっきまでいた場所から少し離れた所で、リュックから取り出したスペアの眼鏡をかけながら俺はそう呟いた。
そして、あのおっさんとは別の車両に行こうと一歩踏み出した。
と、その時───
「キャーーー!!」
さっき離れた乗り場辺りから悲鳴が聞こえてきた。
なにかあったのか、と走ってそっちに向かうと…線路へ転落した、さっきのおっさんの姿があった。
『{まもなく、〇番乗り場を電車が通過いたします。
危ないですから、黄色い線の内側でお待ちください。}』
そんなタイミングで、最悪のアナウンスが流れていた。
“通過”だって!?
まずい、早くおっさんを助けないと…!!
───放っておけはいいだろ…やつは不当な理由で人を押し退けるようなやつだ…助けたって何の価値もありゃしねぇよ。
そう悪魔が俺に囁いた。
確かにあのおっさんの事は許せない。
でも、だからって見捨てる理由にはならないはずだ。
そう考え、俺は背負っていたリュックを下ろし、線路へと飛び降りた。
「おいおっさんしっかりしろ!!」
「………。」
おっさんの肩を揺するも、起きる気配は無い。
仕方ないと酒臭いのを我慢しておっさんを抱え、ホーム真下へと歩いていく。
「ぬぐぐぐ…!!」
後はホームに上げるだけとなった所で問題が発生した。
おっさんが重くてこれ以上持ち上がらないのである。
なんとかしてホームにあげようとしたが、腕を上げる事も跳ねる事も出来ない。
ふと横を見ると、少し遠い所に電車が見えた。
(ここまでか…。)
そう諦めムードだったその時、ホームから腕が伸びてきておっさんを掴む。
「何やってんだ、早く上がれ!!」
その腕を伸ばしてきた青年(俺と同じくらいの歳に見える)からの叱咤でハッとした俺は彼が引っ張るのに合わせておっさんを持ち上げる。
二人分の力が合わさったからか、おっさんをホームに戻す事が出来た。
そして次は俺を引き上げようと伸ばしてきた青年の腕とホームの一部を掴んで上がり始める。
「あら…おわガッ!!」
「うわっ!!」
おっさん持ち上げ続けていたから握力が落ちたのか…ホームを掴んでいた手が滑り、青年と共に線路に落ちてしまった。
「
「おい、大丈夫か!?」
落ちた時にホームの端に口をぶつけ、歯が欠けた事で悶える俺と、そんな俺に駆け寄る青年。
───そんな俺達に…電車は迫ってくる。
かなりの速度で迫る電車に俺達は足がすくんで動けなかった。
そして───
───俺達はその身だけでなく…命までも、線路に落としたのだった。
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「うぅ…ここは?」
気がつくと、上も下も分からない真っ白い空間にいた。
おっさんの台詞は自分でも書いていて気持ち悪かったです。
次回、二人は転生を書く予定です。
プロローグが長かったので二つに分けてます。