時の勇者に成り代わったがオチを知らねぇ【完】 作:はしばみ ざくろ
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とはいえノーヒントである。どうしたもんかな。
開いたのは時計塔の扉だった。どこかの町の広場にたどり着く。
先ほどの柱は時計の時刻を回していたようだ。大きな歯車がぐるぐる、ぐるぐる動いている。
広場の中央にはやぐらが組み立てられており、大工たちがせわしなく働いていた。門の周りには出店が出ていあっ食べ物屋じゃん後で調査します。
「(まず地図がほしいよな~。そしたら誰かに話を聞いて・・・)・・・そこの君」
「!」
むむ、視線!
好奇心に満ちた瞳が看板の影からリンクを見つめている。7、8歳だろうか。幼い男の子だ。
「ハロー!町の子かな?ちょっと話を聞きたいんだけど」
「そうだよ。兄ちゃんどっから来たの?それ剣?剣士?」
「剣士だよ。俺はリンク、君は?」
「ソーン!」
ソーン、りんご飴とか食べたくない?食べる!
出店のりんご飴で買収し町の案内を頼む。俺もいただきますね。これは調査なので。
この町の名はクロックタウン。リンクが出てきたのは南の広場。外はタルミナ平原。
しかし町の外には魔物が出るため、子供だけでは出られないそうだ。
「町の西に店があるんだ。雑貨屋に大概のものがあるよ」
「このマニ屋っていうのは・・・」
「夜しかやってないから知らなーい」
階段を下ると先ほどの広場に戻ってくる。町の裏には洗濯場、綺麗な水路が通っていた。
「西は遊ぶ場所とー泊まる場所。この町はかんこーちだから。でも今はナベかま亭しかやってないかも」
「確かに閉まってる所もあるね。なにかあったの?」
「・・・兄ちゃん知らないの?知らないのに来たの?」
「・・・うん、実は詳しくは知らないんだ。こっそり教えてくれる?」
屈んで視線を合わせると、周りをきょろきょろ見渡した後教えてくれた。
「―――――だって、月が落ちてくるから」
「・・・月って、あの空にある月?夜になるとよく見える」
「そうだよ。カーニバルの日に落ちてきて、世界が終わるんだ」
・・・黒い太陽の次は月ですか。世の中コンスタントに終わりすぎじゃない?
もうすぐ年に一度の刻のカーニバルが行われる。今日は開催3日前。なので町では下準備が進められているが・・・。
「信じてて、逃げられる人は逃げたんだね。町が静かなのもそのせいか」
「うん、市長が観光を制限したんだって」
ということは市長は噂を信じている?そもそも月が落ちてくるのって、あの仮面の仕業か?
「時の勇者」の続編ならわりと大事だよな。でもハイリア云々は関係なさそうだし・・・。マスソも置いてきちゃったし・・・。
いやそれにしたって3日はスケジュールがタイトすぎる。RTAか?
つらつらと考えながらも歩を進める。大きな滑り台のある北門前に来た。
「こっちには大妖精さまがいるんだ。・・・あっリーダー!」
「ソーン!そいつ誰?」
吹き矢の練習をしている子供はケイン。そしてボンバーズのリーダー。
ボンバーズは子供しか入れない正義の秘密結社だそうだ。かっこいいね。
「ハロー、ケイン。早速で悪いけど、あの風船で浮いてる人について教えてくれる?話しかけてもいい人?」
「あいつはチンクルだよ。地図屋なんだ」
「チンクルは変な奴だよ。風船を割ったら降りてくるよ」
「地図屋・・・。ちょっと彼と話してくるね」
ガンドで撃ち落とす。あっ落ちてきた・・・。
なんで全身緑タイツなんだろ・・・。趣味・・・?その風船地味に凄くないか・・・?
「ボクは森の妖精・・・だと思うんだが、35才になってもまだ妖精が迎えに来ないんだ」
「なるほど。待ってるだけじゃなくて、自分から迎えに行ってみたらどうだ?あと地図買えます?」
「その手があったか・・・!アドバイスありがとう!お礼に安く売ってあげるよ!」
緑の服、妖精。ワードに凄まじい既視感。お兄さんこの人は無碍にできねぇわ・・・。
地図を購入し、ケインにねだられたので広場に戻ってサイダーを買った。しゅわしゅわがうまい。
「二人ともありがとう。またな」
「うん」
「じゃーな兄ちゃん」
「大妖精さま!?(ナンデ!?バラバラナンデ!?)」
「若者よ。私の願いを聞いてください・・・」
スタルキッドによるバラバラ事件はスマートに解決した。心臓に悪いわー。
「町の外の天文台に住んでいる人が、スタルキッドの居場所を知っているはずです」
「わかった、行ってみます」
「・・・それと。一緒にいた妖精の片割れがはぐれてしまっているようで・・・。アナタさえ良ければ、一緒に探してあげてくれませんか」
「妖精が・・・?構いませんよ」
妖精はタルミナ平原のウッドフォール方面にいる。先に会いに行った方がいいかな。
ところで大妖精さまはどこまで事態を把握しているんだろう。町の中のことは知ってるのかな?
「大妖精さま。月が落ちてくるというのは本当なのですか?それもムジュラの仮面が?」
「・・・わかりません。月の噂は、仮面がこの町に来る前からありました。最近は町全体に魔の気配が満ちていて、私の力も弱まっているのです・・・」
「なるほど・・・。あとは俺に任せてください」
「ありがとう、親切な若者よ。せめてものお礼にこのお面を差し上げます。きっとお役にたつでしょう」
大妖精のお面 を手に入れた!
「アンタ!あの馬なんなのよ!おかげで弟たちとはぐれちゃったじゃない!」
「わあ元気」
「かよわい女の子が困ってるのよ!なんとかしなさいよ!」
妖精の子はちょうど天文台の近くにいた。
想像の5倍強気な女子だったな。ナビィとはまた違うタイプだ。
「大妖精さまから君のことを頼まれたんだ。お詫びに探すのを手伝うから」
「大妖精さまが?・・・しょうがないわね。じゃあとりあえずスタルキッドを捕まえるまで、アンタの相棒になってあげるわ!」
「相棒・・・。ふふっ、よろしくな。俺はリンク」
「チャットよ、よろしくね。そーと決まったらグズグズしないで行くわよ!」
相棒とは懐かしい響きだ。ナビィ元気かな。ゼルダと仲良くやれてるかな。
天文観測所はシカシという天文学者が在中していた。部屋は一面夜空の壁紙だ。星がちらばり美しい。
「おや、見なれんヤツじゃな・・・。ワシに用か?」
「ハロー博士。私はリンク、しがない旅人です。貴方は天体に詳しいと聞きまして、ぜひお話を伺いたく」
「おお・・・そうか。ワシは子供のころから月に魅せられて、こうして毎日観察しておるのじゃ」
月は昔から太陽と並んで神秘的なモノとされ、人々にあがめられたり恐れられたりしてきた。このタルミナでもそれは同じだ。
「だがなぁ、ここ最近月がおかしな感じなのじゃ」
「おかしい?それはどのくらい前からですか?」
「3日くらい前かのう。月がまるで何かに吸い寄せられて、近づいてきているように感じるのじゃ」
促されるまま望遠鏡を覗いてみる。クロックタウンの時計塔の上にスタルキッドが見えた。
ついでに月を観察してみるが、確かに少し大きいか・・・?
・・・ん?なんか落ちた?
「月の件は念のため市長には伝えたが・・・」
「よい判断だと思いますよ。ところで・・・月からなにか落ちたように見えたのですが」
「ほう。それは月の涙とよばれるものじゃな。外に出て拾ってくるといい」
お言葉に甘えて貰うことにした。妖しい輝きの月の石。青くて綺麗だ。
「チャット、あの月どう思う?」
「言われてみれば、いつもより大きいかも・・・。って、今はそんなことよりスタルキッドよ!居場所もわかったしもうココに用はないわ。でも、時計塔はカーニバルの前夜に開く扉でしか上がれないのよね。どうやってあそこに行ったのかしら・・・?」
「うーん・・・、仮面の力を借りたのか・・・」
当日までできる限りの情報収集をしておこう。
ぜっったい仮面を斬るだけじゃ終わらない。わかるもん・・・。
いざとなったら歌います。旅の間にアレコレ試して要領は掴めてきたからね。
俺の時の歌は最強なんだ・・・!
タルミナ平原の南に広がる湿原帯には、デクナッツ族の王国があるらしい。
スタルキッドとチャットの弟(トレイルというらしい)も心配だが、あの仮面になってしまった子も心配だ。少し様子を見てこようと沼地への道を進むと――――――。
「ホーホッホッホ、これはめずらしい。お前は巫女の子じゃな」
「――――――」
「こんな毒におかされた沼地に何の用じゃ?用がないのなら悪いことは言わん。早く人里にもどった方がよいぞ」
「誰よアンタ?巫女?リンク、アンタ巫女の子なの?」
「ホッホッホ、ワシの名はケポラ・ゲボラ。時の女神の遣いである」
「・・・・・・あいにく両親の顔も知らなくてね。貴方が言うならそうなんだろう。ここの地について何か知ってるなら教えてほしい」
非常に見覚えのあるフクロウが話しかけてくる。リンクの思考がわずかに飛んだ。
・・・だけど向こうは初対面のように、リンクに挨拶をした。リンクのことを知らぬケポラ・ゲボラという存在。
・・・・・・つまり俺はどこにたどり着いたんだ?
「お前がいるこの沼地は守護神を失っていずれ消え去る運命じゃ。まあそれは沼地にかぎったことではないが・・・」
「それでも先に進む理由があるんだ。心配してくれるところ悪いけど、俺たちはもう行くよ」
「ふむ・・・。お前からはとても強い勇気と決意を感じる。お前ならこの歌を奏でられるかもしれん」
「歌?」
フクロウが居るのはただの石ではなく、音符のきざまれた石碑だった。
オカリナを取り出して奏でる。大空に羽ばたく翼をその胸に。これなるは大翼の歌――――。
「この歌を奏でれば、一度訪ねたことのある場所に瞬きの合間に飛んでいける」
「空間転移ってこと?すごいな・・・」
「この歌の旋律のもと。時と場所を越え、ワシらは永遠に友達じゃ!また会おう!」
・・・行ってしまった。
いろいろ思うところはあるが、とりあえず先に進むことにする。沼の観光ガイドがあったので話を聞こう。
なんかすでに疲れたな・・・。
「いらっしゃい!お客さん沼ははじめてかい――――――」
「ホッホッホ…いらっしゃい。あたしのクスリはよう効くでのぉ~。・・・もしかしてボートクルーズのお客さんかい?あいにくコウメさんなら裏の森にキノコを取りに行っているよ。・・・そういやあちょっと帰ってくるのが遅すぎるねぇ! あんたついでに見に行ってくれないかい?そうそう、森は迷いやすいから道は森の中にいるサルにでも聞きな!」
コウメ、コタケ、薬屋。・・・・・・いや、ええ・・・。
もしかしてうっかり違う世界にでも来ちゃった?鳥居か?あの鳥居がまずかったのか?
俺も横の世界線を越えるのは初めてだよ。初体験しちゃったな・・・。
「えっと、ここ!」
「ありがとうサルくん。・・・もしもし、大丈夫ですか?」
「あいたた・・・。スタルキッドにあんなに力があったなんて・・・おかげで腰が動かなくなっちまったよ!あんたなんか元気がでるモノ持ってないかい?」
「じゃあ赤いクスリをどーぞ」
「おお!気が利くねぇ!」
元気になったコウメさんはホウキに乗って森を出ていった。
魔女の飛行術だ。いいな~。
リンクが魔力をいっぱい持ってるのは巫女さんの子だからです。
大妖精のお面
能力:妖精に反応する。髪が動いて知らせてくれるぞ。
お面屋のコメント:これは珍しい。普通では手に入りませんよ。アナタは妖精に縁がお有りなのですね。