時の勇者に成り代わったがオチを知らねぇ【完】 作:はしばみ ざくろ
ここからだいぶ改変が入ってくるぜ!振り落とされないように気をつけてほしいんだぜ!
主人公は前世でゲームをしていた時から息吹の容姿を気に入っています。ヒュー!イケメン!的な意味で。
なのでそれと似た雰囲気の自分の容姿も気に入ってます。フゥー!俺美青年!
『恐怖のクモ館 この先すぐ』
「(ウワッ)・・・ど、どうしました?」
「あっ助けてくれ~。バ・・・バケモノじゃないんだ・・・。クモの呪いで・・・こんな姿に・・・」
「呪い?(まーた黄金のスタルチュラか)」
「おねがいだ・・・この中にいる黄金の・・・呪いのクモ・・・。全部・・・たおして・・・はやく!」
一眠りして二日目の朝。
ウッドフォールの神殿に行く途中で見つけていたクモ館とやらに入ると、人の顔が浮かび上がったスタルチュラが話しかけてきた。
カカリコ村にもいたなこんな奴・・・。なぜすぐにクモを怒らせるのか。あと頼んでいる分際で急かすな。
しょうがないので綺麗に掃除してやった。カサカサ音がしてわかりやすいのはいいが、あちこちから聞こえるとちょっとぞっとするな。
「おわったぞ」
「ありがとう!あ~助かった。いや実は以前にあるヤツからお金持ちになれるから、と言われてここでこのお面をもらったんだ」
「!・・・それはまことの」
「そうそう!でも館に入った途端このありさまさ。こんな思いをするぐらいなら、こんなモノはいらないからキミにやるよ!」
まことのお面を いただいた!
(これがあるってことはやっぱりシーカー族がいたのか。・・・ハイラル以外にも?女神ハイリアの名はここ数年聞いてない・・・)
「・・・とりあえず、町に戻ろうか」
「そうね。聞き込みでもしましょう」
クロックタウンの東には町長公邸がある。一般公開をしているらしく、朝の十時から中に入れるようだ。
折角だからお邪魔して、ついでに市長に月の話を聞けたらいいのだが・・・。
立派な町の全貌模型図を眺めていると、受付の女性が話しかけてきた。
「いらっしゃ~い。やだ、イケメン・・・」
「お邪魔しています。町長さんはいらっしゃいますか?」
「い・ま・す♪左の部屋がぁ、町長さんのお部屋・・・でもなんかぁカイギっていうの?してるみたいなんですよぉ」
「そうですか・・・。なら出直しますね」
「・・・あ!もしかしてぇ、アロマ夫人が呼んだって人ですかぁ?それなら右の部屋でぇす。どうぞ!」
なんか通してもらった。まあ
「失礼します」
「あらあなた・・・お願いしていた人探しのプロの方かしら?」
「初めまして。遅くなって申し訳ない」
チャットの視線をちくちく感じながら対応する。いいかいチャット、世の中には必要な嘘もあるんだよ。
「やっぱりそうよね。だってあなたプロの顔しているもの。あらやだ!忘れていたわ!探す人の特徴よね。そうそう、わかっているわ。捜索を依頼したいのは、わたくしの息子のカーフェイよ」
「息子さんですね。いつから姿が見えないんですか?」
「ひと月前に姿が見えなくなったの。大変なの!!わたくし心配で心配で・・・食べ物がノドにつかえて体重が2キロも減りましてよ」
「それはご心労お察しします。ではこのお面はお借りしますね」
カーフェイのお面を 手に入れた!
ところでそっちのソファーに座っているゾーラさんは誰だろう。だいぶつつきたいぽっちゃり感。話しかけても大丈夫かな?
「アロマ奥様、ゴーマンでございます」
「あらヤダ・・・ゴーマン!ちょっと大変よ!」
退出しようと後ろを振り向くと、ノックの音と共に男が入っている。・・・とても見覚えのある顔と名前だ。
さりげなく進路を譲りソファーに座る。ゾーラさんからもぜひ話を聞きたいので。
「あなたの所にお願いしたステージの前座だけど・・・キャンセルになったの!たった今!」
「な、な、なんですと!!!」
なんと。それは一大事だな。
「ワタクシから説明しましょう。いや失礼・・・ワタクシは今回ショーをつとめさせて頂く・・・予定でしたゾーラバンド。ダル・ブルーのマネージャーのトトです」
トトさん曰く、ゾーラの住むグレートベイの海岸で異変がおこっているらしい。
そしてダル・ブルーの歌姫ルルが、その異変のため声を失ってしまったという。
「そ、そんな・・・!」
「以上よゴーマン。また来年ね。わたくし別件で忙しいの」
「わし・・・いやゴーマン一座はいったいどうしたら・・・」
意気消沈している座長を横目に、トトさんにすすっと近寄る。
「ハロー、マネージャーさん。少しお話を伺っても?」
「やあ、最近どう?ヒレのしめり具合は。あっこれはわれわれゾーラ族の業界のあいさつ。失礼。さっきも言ったけどワタクシ、バンド〈ダル・ブルー〉のマネージャー。トトです。名刺切らしちゃってるんでアイサツだけ」
ゾーラバンドなんてあるのか・・・。世界は広いな・・・。
「リンクです。こちらはチャット。あまり詳しくなくて申し訳ない。ダル・ブルーについて教えてもらっても?」
「え!知らない?ホントに?あんな有名なのに??・・・ダル・ブルーはわがゾーラ族の誇るスーパーバンドでね。多くの名曲を世に送り出した。有名なところで言えば・・・〈風のさかな〉って曲。今回の公演がキャンセルにならなきゃキミに聞いてもらえたんだけどね。ザンネンだね」
風のさかな?夢をみる島の?フルリメイク版なら知ってるぞ。
「トトさんはこの後海岸に帰るんですか?」
「いや・・・折角来たんだ。サウンドチェックくらいしていこうかな。いいバーがあるんだ」
項垂れる座長に続いて公邸を出る。
グレートベイの海岸か・・・。
「で、カーフェイとやらは探すの?」
「うーん。探すにしてもまずスタルキッドのことをどうにかしないとね。明日以降まで待ってもらおう」
ナベかま亭は、現在のクロックタウンで唯一営業している宿屋だ。
流石に泊まりもしない宿をウロウロするのはまずそうなので、デクナッツに変身して行くことにする。
扉を開けるのがちょっと大変だが、そこは目をつぶろう。
「・・・おや、トータス?父ちゃんの手伝いはすんだのかい?」
「んえ?」
部屋の中から声をかけられる。わずかに開いていた隙間から姿が見えたようだ。
・・・トータスとやらではないが、こういうフラグは逃しちゃいけないよね。
「お婆ちゃん。もう手伝いは終わったよ」
「じゃあ今日もかあちゃんがお話を読んであげよう。ときのカーニバルと4にんのきょじん。どっちにする?」
「やった!俺どっちも聞きたいな~」
「しょうがないねぇ。気合いをいれて読むからね」
〈4にんのきょじん〉
民が今のように四界にわかれず ともに暮らしていた むかしの話。そのころは4人の巨人たちも 民とともに暮らしていた。ある 収穫をいわう 祭の日 巨人たちは民に言った。
われらは 眠りながら みなを 守ることにした。東に百歩 西に百歩 北に百歩 南に百歩。ことあれば 大きな声で呼べ。たとえ 山の雪に閉ざされようと たとえ 海原に飲みこまれようと 叫びは とどくだろう・・・
さて・・・これを聞き おどろき 悲しんだ者がいた。 小鬼たちだった。小鬼たちは 巨人たちが 大地を創る前からの 友であった。
なぜ 去りゆくのか! なぜ とどまらぬのか!
幼なじみに なおざりにされたその怒りは 四界におよんだ。小鬼たちは 民に 悪さをくりかえした。民は ほとほとこまりはて 四方に眠る巨人たちに いのりの歌をうたった。それを聞いた巨人たちは怒号をあげた。
小鬼よ 小鬼よ われらは 民を 守護する者なり。おまえは 民を 苦しめた。 小鬼よ 四界から され!さもなくば 民にかわり われらが おまえを ひきさこう!
小鬼たちは おびえ 悲しんだ。 幼きころよりの友を 失ったのだ。小鬼たちは 天界に帰っていった。こうして 四界に 和が戻った。民は喜び 四界の巨人を 神として まつったとさ。めでたし・・・めでたし・・・。
〈ときのカーニバル〉
毎年 太陽と月が同じカサに入る 和の季節 おおいなる自然をうやまい たゆみない時をとうとび その年のほうじょうをねがって ときのカーニバルは 四界の民の手によってひらかれる。
そのむかし 四界の神である 巨人の顔をかたどった面を 祭でかぶったことから ときのカーニバルではおのおの手作りの「お面」を 持ちよる習わしになっている。
カーニバルの日に 結ばれた2人は そのあかしを お面で奉納するのが 最良の吉とされている。
カーニバルの シンボルである 時計塔では 前夜に屋上を開き 祭壇をしつらえ いにしえの習わしにしたがい いのりの歌をうたって 神を呼ぶ儀式がおこなわれる。
ときのカーニバルは 四界の収穫の願いを 神にいのる祭なのである!
お婆さんにお礼を言って宿を出る。なかなか興味深い話だった。
デクナッツリンクのまま木箱に腰掛け、少し休憩することにする。話をずっと聞いているというのも疲れるものだ。
「チャット、スタルキッド以外の子鬼に会ったことある?」
「ないわよ。でもあの神話が事実ならほかにも居るって事よね?天界ってどこかしら・・・?」
現代まで語られてきた神話があるからといって、それが全て事実とは限らない。しかしこの話は限りなく真実に近いだろう、とリンクの勘が告げている。
四方の守護神は弱っている。デクナッツのウッドフォール、ゾーラのいるグレートベイ、ゴロンのいるスノーヘッド、ゲルドのいるイカーナ。
つまりあと三人の巨人を助けなければ、月をどうにかしても結局タルミナは滅んでしまう。
もしかしたらムジュラの仮面は、魔に支配されかけているこの土地に吸い寄せられてきたのかもしれない。負の感情が町を支配すれば、人々の心は荒んでいく。あの手の呪具に取っては居心地がいいだろう。
ではなぜ巨人は弱ったのか?
ウッドフォールの神殿から推察する限り、原因は地下にあるように思える。もちろんただの予想だが、巨人たちは何かを封じていたのではないか?そして何らかの理由によってその封印が解け、禍々しきものが地上に漏れ出している・・・。
「・・・・・・そこのレディ。俺に用かな?」
「! あ、ごめんねじろじろ見て・・・」
「大丈夫だよ。俺はリンク、こっちはチャット。君の名前は?」
「プラムだよ。リンクたちはカーニバルに参加しに来たの?」
「そんな感じかな」
幼い少女、プラムはボンバーズの一員らしい。
デクナッツの体を物珍しそうに見つめている。手を差し出して握らせてやると、にぱっと笑った。
「リンク、チャット。アジトへの秘密のルートを教えてあげる。みんなには内緒だよ!」
「本当?嬉しいな」
クロックタウンの東には地下道がある。
昔は荷物を運んでいたとか、魔物を避けるために造られたとか。色々噂はあるが、今はほとんど子供たちの遊び場になっている。
水路をまっすぐに進む。広くなっている部屋からハシゴを登れば、天文観測所の部屋に出るようだ。
地球儀、時計、コッコ、家庭菜園にささるカカシ。七色の鉱石。
なるほど、ここに繋がっていたのか。
「カカシ元気?」
「ようベイベ~!元気だぜ!」
「おやおや、今日は変わった子供のおでましじゃな。ボンバーズの新しい仲間かの?」
「あっおじいちゃん!」
「こんにちは(チャットは外套の中にいてね)」
(もーしょうがないわね!)
博士とは大人の時会ってるんだった。怪しまれないようにしないと。
プラムは遊び相手が居なくなって退屈していたようだ。なんだかみんな忙しそう、らしい。
しばらく博士に星座の話を教えてもらったり、カカシと合唱したりして過ごした。
「そういえば博士、ロマニー最近来ないね」
「牧場が忙しいのかもしれんな」
「ロマニー・・・って子がいるの?友達?」
ミルクロードの先にあるロマニー牧場。そこの姉妹の一人がロマニーという名前だそうだ。
たまにお姉さんの配達に着いてきては一緒に遊ぶのだが、最近姿を見ないとか。
もしかしてエポナそこに居るのかな。いざという時はエポナの歌で召喚できるため、あんまり心配していなかったのだが。明日迎えに行くか。
「プラム、暗くなる前に帰ろう」
「うん、ばいばい~」
「またいつでもおいで」
「oh!イヤーッ!気いつけてな!」
プラムが友達の証としてボンバーズ団員手帳をくれた。ありがたく使わせてもらおう。
プラムを家まで送り、小腹を満たしたらもう夜だ。洗濯場から音色が聞こえるので覗きに行く。
・・・・・・・・・・・・・嵐の歌のおじさん?
「ハロー、素敵な歌ですね」
「らら~ありがとう~。部屋で演奏していたら、うるせーっておこられちゃったんだ~」
「まあ夜ですので・・・」
ベンチに隣り合いしばらく聴かせてもらう。
おじさんはグル・グルさんという名前だった。あのゴーマン一座の音楽係で作曲もしているらしい。
そういえばゴーマンさんは、ステージが中止になったって皆に伝えれたんだろうか。あの落ち込みようだと少し心配だな。
「らら~こんな夜は~、むかしのことを思い出す~。お客さん~聞いてほしい~」
「いいですよ」
「ボクはね昔、動物楽団にいたんですよ。イヌとかロバとかの。
なんでヒトがいるのか~なんでヒトがいるのか~。それはヒトも動物だからさ~
みんないいヤツだったよ。でもね、気に入らないことがひとつあったんだ・・・それは・・・」
それは?
「なんでイヌがリーダーなのさ~なんでイヌがリーダーなのさ~。それはボクが悪いのか~
そのイヌがさ、すごいヤツでどんな動物相手でもりっぱな楽団にしちまうんだ。
だからボクは盗んだのさ~イヌのお面を盗んだのさ~」
ふむ・・・。
「リーダーは教え上手でね。団員の成長早かったな。あっという間に一人前さ。リーダーのお面だからほしかったのさ・・・」
夜風がなびく。
水の流れるさらさらとした音がしばし二人を包んだ。
「・・・これはもうボクには必要ないよ~。お客さん~貰ってほしい~」
「いいんですか?」
「らら~ボクにできるのは~今を真面目に生きるだけ~。ボクの代わりに~大事にしてほしい~」
「わかりました。本番、頑張ってくださいね」
ブレー面を もらった!
グル・グルさんは少しだけ笑みを浮かべて、また練習を再開する。
リンクとチャットは振り向かずに、そっと洗濯場を後にした。
プラムから聞いたのだが、夜遅くタルミナ平原の山と海の間あたりを歩くと、音楽が聞こえてくるらしい。
音楽、というワードからしてただの悪霊ではなさそうだ。眠たげなチャットを抱え様子を見に行くことにした。
あのキノコみたいな形をした岩だろうか―――・・・・・・誰か居ますね。
「ハ、ハロー(なぜ半裸・・・)」
「われ死して・・・月になげき・・・。我が舞いを世に残せず・・・ただ悔いるばかり」
「はい」
キャラが急に濃いな。いやしの歌で成仏するかな。
「おお・・・我が弟子よ・・・」
「違います」
「さあ・・・われの舞いを覚えよ・・・」
「えっ」
えっ?
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・・・・・・・・・・・・。
「ふぁ~よく寝たわ。・・・ん?アンタ何してんの?」
「ぜーはー・・・ぜーはー・・・」
「わが舞いを世にまき・・・育てよ・・・」
まさか一晩中踊りを叩き込まれるとか誰が予想した???
普段使わない筋肉を動かしたから疲労がすごい。おい達成感のある顔してんじゃねぇ。おい勝手に成仏すんな!お面だけ置いていくな!
「たのんだぞ・・・」
「はい先生・・・・・・」
「アンタ今までで一番顔が死んでるわよ」
カマロのお面を さずかった!
リンクは踊りを 覚えた!
「ちょっと・・・休ませてほしい・・・」
「うん・・・すこし寝たら・・・?」
昼前には・・・昼前には牧場に行くから・・・!
こうして二日目が終わり、三日目の朝日が昇り、リンクはキノコ岩の影で眠った。
カーニバルが始まるまで、あと24時間―――――。
まことのお面
能力:シーカー族に伝わるふしぎなお面。ゴシップストーンや動物の心を見通せる。
お面屋のコメント:人の心を見通せる、べんりなようで恐ろしいお面をお持ちで。
カーフェイのお面
能力:行方不明のカーフェイの聞き込みができる。
お面屋のコメント:そのお面には母親の心配するキモチがよくあらわれています。
ブレー面
能力:動物楽団のリーダーのお面。動物をたちまち育てるぞ。
お面屋のコメント:それを持っているということはアナタ、人を育てる素質があるようですね。
カマロのお面
能力:遺言通りカマロの踊りを流行らそう!
お面屋のコメント:これはいいお面だ。後継者が見つかった喜びがいっぱいつまっている。アナタはいい仕事をしましたね・・・。