ウルトラダンガンロンパ 才能を魅せる学園   作:ユキミス

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プロローグ ようこそ魅才学園
プロローグ 


 魅才(みさい)学園……俺、上条翔太が通うことになった高校だ。ここに入れば将来の成功は間違い無しと呼ばれ、多額の奨励金が授与される。魅才学園には、超高校級と呼ばれる才能がある生徒だけがスカウトされ入学が許可される。例えば、超高校級の探偵や超高校級の映画監督とか超高校級の美化委員なんて才能もある。そして俺は『超高校級の陸上選手』として入学することにされた。

 されたって言う言い方なのは、親が無理矢理入れたからだ。俺の家系は代々スポーツ、特に陸上が得意でそれが故に俺にはその才能が……。いや、こんなことを考えるのはよそう。入ることになったのは仕方ないんだ。

 俺は魅才学園に足を踏み入れた、その時、俺は気をし失った。

 

 

 

 

 

 

 

上条「ここは?」

 

目が覚めると俺は教室にいた。確か、入り口に入った途端、気を失って……。誰かが運んだのか?

 

俺は教室から出て見たが誰もいなかった。

 

上条「ここ、本当に魅才学園なのか?学校なのに誰もいないなんて……」

 

 そもそも教室からしておかしかった。窓には鉄板が張られ、教室から廊下まで監視カメラがあちこちにあって学校とは思えない異様さだった。

 

上条「とにかく人を探さないと」

 

俺はとりあえず、外に出るために玄関に向かうことにした。そこまでの道にも相変わらず誰かもいない。

 玄関ホールにつくと15人の姿が見えた。その玄関ホールでさえ、禍々しい扉に固く封じられていた。まるで閉じ込められたみたいに。

 

 

「お前も新入生か?」

 

金髪の子がいきなり俺の肩を掴んで話しかけていた。慣れ慣れしい奴だ。

 

「俺は監原誠也、超高校級の映画監督だ!」

 

 思い出した。超高校級の映画監督。世界一の興行収入を叩き出した監原正二の息子で彼もまた大ヒット映画を何本も撮って、賞も受賞した男だ。よくテレビにも出てインタビューを受けている。

 

監原「なんだなんだ?お前も俺のことチャラいなーとか思うのか?」

 

事実じゃないか。

 

監原「これからクラスメイトなんだからよろしくな」

 

「全くもう、困ってるじゃないの、それくらいにしなさい」

 

上条「君は?」

 

「あたしは加賀美優子。超高校級の美化委員としてこの学園に入学したのよ」

 

 美化委員、そんな才能でも学園に入ることが許される。しかし美化委員って才能はどう使うんだろうか。

 

加賀美「あなたの名前も教えて欲しいな」

 

上条「え、えっと……俺は上条翔太。超高校級の陸上選手です」

 

監原「陸上選手!あの上条翔太か!テレビで見たぜー!」

 

上条「あ、あの、君たちも俺と同じなのか?」

 

監原「同じ?この現状?ああ。魅才学園に入ったら気を失って教室にいたことだろ?みんな同じらしいぜ」

 

16人がみんな一斉に!?おかしいだろ!?なんでこんな落ち着いてるんだ!?

 

「はいはーい!次はワタシだね!ワタシは超高校級の探偵だよ!探し物はこの深沢由奈にお任せあれー!」

 

背の小さい子が俺たちの周りをぐるりと駆け巡り、「深沢由奈だよー!覚えてって!」と一人一人に言い続けた。

 

「あはは、可愛い子だね」

 

 こいつ、どこかで見たことあるな。

 

「久しぶりだね、上条くん。中学の学校対抗のリレー以来だね」

 

上条「えっと、蹴上秀だっけ?」

 

蹴上「うん、超高校級のサッカー選手、蹴上秀だよ。あの時は負けちゃったけど次は負けないから」

 

 蹴上秀。プロリーグから既にスカウトを受けた超高校級のサッカー選手。弱小サッカーチームを全国大会優勝まで導いたんだよな。性格も良くてファンもたくさんいるんだとか。中学の時に学校対抗リレーで俺と良い勝負したんだ。サッカー選手だけあって足は俺並みなのがすごいところだ。

 

 

「俺も自己紹介しなくちゃだな!」

 

筋肉ムキムキの奴が出てきた。

 

「俺は岩田圭介!超高校級のロッククライマーだ」

 

 超高校級のロッククライマー……テレビで見たことがある。最年少でボルタリングの大会で優勝して、難関ロッククライムも簡単にクリアしたとも聞いた。にしても声がうるさいな。

 

岩田「お前、スポーツ選手にしては筋肉が足りないな。もっと鍛えた方がいいぞ!」

 

 余計なお世話だ。

 

「ああ賑やかですね」

 

すごい目を引く美人さんが言った。

 

上条「君は……」

 

「私は香月薫です。超高校級のセラピストです」

 

超高校級のセラピスト、少しだけ雑誌で取り上げてたの見た。彼女のアロマセラピーで元気になる人が続出したらしい。引きこもりがちな生徒も学校に行けるようになったんだっけ?そんだけ元気になるなら試してみたいな。

 

上条「すごい、なんかやって見せて!良い匂いの!」

 

香月「はあ?何言ってんの?」

 

上条「え……」

 

香月「ハッ、い、いえ今はセラピー道具を持っていませんので今度の機会に」

 

なんか一瞬口悪くなかったか?

 

「私も自己紹介しなければならないな」

 

上条「君は……」

 

「私は将口歩夢。超高校級の棋士だ」

 

将口歩夢。将棋で最年少の8歳で竜王を打ち破り、最年少で数々のタイトルを取った棋士だっけ?将棋だけじゃなくて囲碁も段位を取っていて、オセロやチェスの大会でも優勝してるボードゲームの神とか呼ばれていたような。

 

「次は僕か。僕は超高校級の指揮者の式野龍馬だ」

 

 式野龍馬。確か中学生にして有名なオーケストラの指揮をしたんだっけ?オーケストラとかあまり興味ないからよく分からないんだけど……。

 

式野「皆、興味ないって顔してるな」

 

上条「いや、その」

 

式野「高校生でオーケストラに興味があるのは吹奏楽部ぐらいだし、僕は気にしていない」

 

 最初に言ったのはお前じゃないか。

 

 まあ良いか。他に自己紹介してないのは。

 

「……」

 

加賀美「やあ、君は誰かな?」

 

「超高校級のゲームクリエイター、メイクビット・松原・テル。略称メイビー。以上」

 

メイビー?あのスーパーモンスターパニックシリーズの制作者じゃないか。最初はギャルゲーとホラゲーの同人ゲーム制作から始まり、企業に目をつけられ、スモパて世界で既に累計で3000万本突破した。けど最近は企業を離れているみたいだけど。

 

上条「すごい!俺、スモパのファンなんです!」

 

メイビー「……で?」

 

上条「でって……」

 

メイビー「スモパは別に俺だけが作ったわけじゃない。シナリオ、一部背景、基本システム発案、一部音楽だけだよ。そんなことも知らないの?」

 

なんだよ、スモパの制作者ってこんな性格なのか。

 

監原「その気持ち、俺にもわかるな」

 

上条「え?」

 

監原「映画だって俺だけが作ってるわけじゃない。役者、音響、カメラマン……たくさんの人が集まって出来るものを俺だけの功績にして欲しくない」

 

そっか、そんな考えもあるのか……。俺も気をつけないとな。

 

 

監原「気を取り直して」

 

切り替え早っ!

 

監原「よー!お前?誰?」

 

「え、え……あの、僕は」

 

困ってるじゃないか、いきなり話しかけてやるなよ。

 

「僕は知念悠馬です……」

 

知念悠馬か……聞いたことないな。

 

監原「で、お前の才能はなんだよ?」

 

知念「え、えっと」

 

上条「お前の才能を教えてくれたらテレビで見たってこと思い出すかもしれない」

 

知念「……」

 

それでも知念はもなかなか答えない。

 

監原「ん?どうしたんだ?言えないのか?もしかして恥ずかしい才能とか」

 

上条「そんな才能でこの学園に入れないよ」

 

もしかしたら知念は俺みたいに才能がコンプレックスなのかもしれない。

 

知念「……分からないんだ」

 

監原「ん?どういうことだ?分からないで学園にスカウトされたのか?」

 

知念「覚えていないんだ、名前以外。才能も家族も、今までどんな人生だったかも」

 

 ……!?なんだよそれ……

 

監原「やばいレベルの記憶喪失じゃねぇか」

 

岩田「大変だー!医者ー!この中にお医者様はいませんかぁー!」

 

加賀美「いるわけないでしょ!」

 

深沢「私が探すね!人探しなら任せて」

 

加賀美「だからいないって」

 

「さっきからぎゃーぎゃーうるさいわね」

 

急に遠くから俺たちを睨んでくる奴。

 

上条「あいつは……」

 

加賀美「確か、彼女は超高校級の弓道家よ。名前は弓長詩織」

 

弓長「あんたたち、状況が分かってるの?友達ごっこしてる場合じゃないんだけど」

 

感じ悪い奴だな。確かテレビでも取り上げられてたっけ。選手権優勝したって。テレビでは普通の受け答えしてたのに。

 

加賀美「そんなこと言わないでよ、クラスメイトじゃない」

 

弓長「目が覚めたらこの状況で、クラスメイトどころじゃない」

 

「その女の言う通りだな」

 

赤髪がそれに同調する。

 

「俺たち以外に人っ子1人いない状況でよく悠長に馴れ合いが出来るな」

 

蹴上「君は確か超高校級のバスケ選手、籠森健一だったよね。君もバスケ大会で負けなしだったよね」

 

聞いたことがある。無名の学校が全国大会で優勝し、地域別大会でもたった1人で圧倒したらしい。でもそれはワンマンプレーすぎて周りから評判良くないらしいが、あの性格なら当然だ。

 

籠森「俺にかかれば当然のことだ。それより、お前たちは自分たちが犯罪に巻き込まれたと思わないのか?」

 

「いやあぁぁぁあ、ははは、犯罪!?あたしたちそんなことに巻き込まれたの!?」

 

加賀美「落ち着いて一帆ちゃん。あ、あの子は絵馬一帆。超高校級のイラストレーター。あたしとは中学の同級生よ」

 

絵馬「いやあああああ」

 

絵馬一帆、アニメやゲームやラノベが好きなら知らない人はいない売れっ子イラストレーターじゃないか。彼女の描くイラストは大人気でどの業界も彼女を取りあっている。まだ高校生だったのか。

 

 

「上条くん……」

 

上条「え?君は?」

 

「やっぱり、覚えてないんだ……」

 

え?俺の知り合いにこんな子いたっけ。

 

「超高校級の……パティシエール、佐藤……雪香。本当に……知らないの?」

 

佐藤雪香、佐藤雪香か…あ!

 

上条「小学校の時に6年連続で同じクラスの!」

 

彼女が作るスイーツ店はいつも行列で、予約は年単位待ちで、その年のトレンドも司るパティシエールだ。それに小学校の時は6年連続で同じクラスだった。でもあんまり話したことないんだよな。

 

深沢「ワタシもあのスイーツ食べたよー!美味しかったよ!」

 

「私も食べた。あそこのミルクプリン美味しかったよ」

 

佐藤「ありがとう」

 

加賀美「君は確かえっと」

 

監原「超高校級の天文部だったよな。名前は確か星野リコ。学校は違うが地元だから知ってるぜ。新しい星をよく見つけるんだよな。すごいなぁ」

 

星野「……つまんない」

 

監原「はぁ?」

 

星野「学校なんてつまんない。ずっと星見ていたい」

 

監原「じゃあなんで魅才学園に入ったんだよ!」

 

星野「親が無理矢理」

ああ、そこは俺と同じなのか。それは少し同情したい。親なんてどうせ多額の奨励金目当てで俺たちの気持ちなんか考えてないんだ。

 

 そんなことを考えていると……

 

 キンコンカンコーン

 

 「あー、マイクテス、マイクテス、校内放送校内放送」

 

気味悪さを増大させる気の抜けた声が響き渡り、近くにあるモニターは故障したように砂嵐だ。

 

「入学式を執り行いますので、至急体育館までお集まりください」

 

 

監原「なんだよ、普通にやるじゃねぇか」

 

香月「段取りがゴm……いささか悪いようですが、入学式とあらば行きましょう」

 

蹴上「良かった、無事にやるんだね」

 

岩田「体育館に集合だー!」

 

式野「そうしようか……」

 

加賀美「なーんだ犯罪じゃ無かったのね、みんな、行こう」

 

絵馬「同然よね。超高校級のイラストレーターのあたしがここで死ぬわけないもの」

 

籠森「魅才だがなんだが知らないが、俺を手間取らせやがって」

 

弓長「こんな下らないどっきりなんか仕掛けるなんて……」

 

 安堵する者、愚痴る者いたが、それぞれが体育館に向かった。

 そんな中、俺はいいように知れない不安感があった。

 

佐藤「上条くんも不安なんだね?」

 

上条「う、うん。佐藤も?」

 

知念「僕も不安なんだ。まだ何かに巻き込まれている気がして」

 

将口「私もだ。犯罪に巻き込まれた線もまだ消えていないと思う。私たちは超高校級の才能がある。嫉妬や身代金目的で何かをされるかもしれない」

 

上条「そうだよな……」

 

メイビー「さらに俺らを驚かせるつもりだろうね」

 

上条「なんでわかるんだ?」

 

メイビー「これがゲーム、レクリエーションなら、ね」

 

 メイビーが意味深な言葉を呟いて体育館に向かった。

 

知念「でも行かないことには始まらないし、行こうよ」

 

上条「そうだな」

 

佐藤「あ、星野さんが……」

 

 寝てる……立って……。

 

上条「星野ォ!行くぞ!」

 

寝てる星野を俺と知念と将口で引っ張りながら体育館に向かった。

 

 

 

でもまだ知らなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 絶望の始まりが待っていることに。

 

 

 

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