みんなが体育館に集まったが16人以外誰もいなかった。
星野「ぐうぐう」
上条「星野、起きろって」
なんとか星野を連れて来たがこの状況で爆睡出来るなんて……。超高校級の居眠りかな。
監原「なんだ?誰もいねぇじゃねぇか」
深沢「はいはーい、ワタシが探すよ!」
上条「本当に魅才学園なのか……?」
香月「私たちを嘲笑ってるみたいね」
弓長「やっぱり罠だったのね」
加賀美「一体これはどうなってるの」
絵馬「終わりだ!あたしたち誘拐されたのよ!」
蹴上「誘拐なんて……ほんとにそんなことが出来るのか」
式野「実際に誘拐されたようなものじゃないか」
岩田「おおーい!さっきの奴出てこーい!」
加賀美「なに呼んでるのよ!危険人物だったらどうするの!?」
籠森「それにさっきの抜けた放送はなんだったんだ。まさかここに集めて俺たちを殺す気か!?」
「もう抜けたなんて生意気だね」
さっきの体育館への集合を呼びかけていた声が聞こえた。
ピョンとクマのぬいぐるみが飛び出してきた。
絵馬「ぎゃあ!?ぬいぐるみが動いた!喋った!」
「ぬいぐるみ?違うよ、僕はモノクマだよ」
自称モノクマという白黒のクマのぬいぐるみが歩き、くるりと一回転する。夢でも見てるのか俺たちは。
香月「趣味の悪いぬいぐるみねですね。誰の所有物でしょうか」
モノクマ「誰が趣味悪いだ!僕は愛されマスコットのモノクマだよ!」
監原「じゃあモノクマ。お前は一体なんなんだ」
受け入れるの早いな監原。
モノクマ「ん?僕?僕はこの魅才学園の学園長だよ」
弓長「バカ言わないでここが魅才学園なはずないでしょう。他の人は?ぬいぐるみが学園長なんて聞いたことないわ」
モノクマ「今聞いたんだよ!ほら!」
籠森「うるさい!とっとと俺たちをここから出せ!」
モノクマ「ダメダメ!オマエラにはこの学園だけで共同生活を送ってもらうんだから!」
将口「学園だけで共同生活?どういうことだ」
佐藤「……いつまで」
佐藤が小さくでも聞こえる声で呟いた。
佐藤「いつまでこの学園にいなきゃいけないの?」
モノクマ「そんな期限はないよ。オマエラは死ぬまでこの学園で共同生活をして貰います!」
みんな驚愕した。急にわけのわからないぬいぐるみが俺たちを閉じ込めた。いや、まだ閉じ込められたと決まったわけじゃない。みんなで出口を探せば良いんだ。こんなぬいぐるみの言うことなんか気にしちゃダメだ。
モノクマ「心配しなくても寝食は大丈夫だよ」
岩田「そういうことじゃねぇよ!一生学園にいろなんてそんなバカなこと」
蹴上「僕らを誘拐したって言うのか!」
式野「理不尽にも程がある。僕らが何をしたというんだ?」
弓長「くだらない茶番に付き合ってる暇ないわ。私はここから出る」
モノクマ「無理だよ。全部鉄板で覆われてるから出られないよ!」
絵馬「やっぱりあたしたちを閉じ込めたのね!」
知念「そんな……」
モノクマ「ああ、でもなんか超高校級の力で壊そうとしてもダメだからね。あそこにある学園中にあるガトリングガンで蜂の巣だよ」
モノクマに指摘された箇所を見ると今までなぜ気づかなかったのかと思うくらい、ガトリングガンが設置されていた。それに、監視カメラやテレビらしきものがいくつもあった。
弓長「っ……」
おびただしい数のガトリングガンにさすがの弓長が警戒していた。
籠森「くだらない!そんなことで俺を留められると思うなよ!」
籠森はモノクマを鷲掴みにした。
モノクマ「あーっ!学園長への暴力は校則違反ですよ!」
ブォンブォンとモノクマから警報音が鳴る。不安を煽ってくる。
メイビー「……!!早くそれを投げろ!」
メイビーがさっきの会話の声の小ささが嘘のように大きな声を出した。
籠森「あぁ?」
監原「いいから投げろって!」
監原は籠森の手からモノクマを奪い取り投げたと同時に爆発した。
みんなさっきよりも驚愕し、悲鳴も上がる。
星野「なになに?」
加賀美「星野ちゃん、起きたのね!」
爆発でさすがの星野も目覚めたらしい。
籠森「嘘だろ……」
さすがの籠森も爆発を見てぬいぐるみが本気で殺そうとしたのが分かったのか、青ざめていた。
上条「さっきのぬいぐるみはいなくなったのか?」
モノクマ「僕はここだよーん!」
モノクマがまた飛び出して来た。
上条「嘘だろ?まだいるのかよ!」
深沢「どっから出てきたの?すごいねー」
絵馬「いやああああ!?な、なんなのぉ!」
モノクマ「さっきのは警告で済ませたけど、今度はそうはいかないからね!次、校則に違反したらグレートな体罰を執行するからね!」
加賀美「校則?」
モノクマ「そ、君たちが持つ、電子生徒手帳に書いてあるはずだよ」
上条「俺たちが持ってる?」
不意にズボンのポケットに手を入れると何やら機械が出てきた。ぬいぐるみの言うことが本当なら電子生徒手帳だ。
蹴上「こんなもの、僕持ってた記憶ないのに」
将口「私たちが気絶してる間に忍ばされたのかもしれない」
式野「まさか僕らを気絶させたのも奴か?」
監原「お前、こうまでして俺たちを縛りあげるからには、俺たちに何かやらせたいんだろ?」
上条「何かをやらす?」
モノクマ「さすが超高校級の映画監督。話がわかるねー。そうです!どうしても外に出たいという君たちのために出る方法を教えてあげるよ」
籠森「貴様さっきまで出られないとか言ってただろうが!」
モノクマ「それはそれ!だから出してあげる方法を教えるの!」
監原「その方法はなんだ」
「誰かを殺すことだよ!」
は……?
何言ってんだこいつ。
モノクマ「誰にも知られずに殺したら学園から出ることを許可しましょう」
絵馬「ああああいやあああ死にたくないぃぃぃ」
加賀美「大丈夫よ、一帆ちゃん」
モノクマ「殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺。殺し方は問いません。誰かを殺した生徒だけが出られる、簡単なルールだよ」
岩田「人を殺すことが簡単だと!?ふざけるな!」
岩田のもっとも意見に俺はうなづいた。
モノクマ「簡単だよ、コロシアイだよコロシアイ。人間ってね簡単に死ぬんだよ。階段からこけるだけとかさ。かーんたんだよねぇ」
加賀美「ふざけたこと言わないで!あたしたちをとっととここから出して!」
岩田「俺はお前になんか屈しないぞ!」
上条「そうだ!俺たちはコロシアイなんかしない!」
弓長「ここに人間は嫌いだけど、私はそんな悪趣味に付き合ってる暇ないわ」
籠森「いい加減にしやがれ!」
蹴上「なんの目的で僕らコロシアイさせるんだ!」
深沢「ワタシ、人を困らせる人、大嫌いだよ」
モノクマ「あーもう我儘な生徒たちだなぁ」
ドドドン!と設置してあったガトリングガンが発射された。
一同は息を呑み、静かになった。
モノクマ「あんまりしつこいと怒るからね。
監原「おちおち逆らえないってわけか」
モノクマ「というわけで豊かで陰惨な学園生活を楽しんでくださいな。まったねー!」
それだけ言って、ぬいぐるみ、モノクマが去ってしまった。
さっき爆発したもう一体のモノクマの残骸とガトリングガンの跡がこれが現実であることを物語っている。
監原「学園生活でデスゲーム……映画の設定がなんかかよ」
知念「そんな……記憶が戻ってないのに……」
岩田「みんなそんな深刻に考えるな!全部嘘っぱちだ」
弓長「ならさっきの爆発やガトリングガンはなんなの?明らかに私たちに殺意があったわ」
メイビー「嘘かどうかが問題なんじゃないよ。問題なのはこの話を本気にする奴がここにいるかどうかなんだよ」
メイビーにそう言われると一同が互いを見つめ合った。まるで、お互いを探るかのように。
俺は魅才学園で程々に暮らせれば良かった。そんな俺の望みを打ち消す、絶望の学園に魅才学園はなっていた。
生き残りメンバー 16人