10日目
目が覚めると腰が痛い。布団で寝たからだろうか。
上条「朝食に行かないと……」
グレープハウスを出ると雨が止んでいて綺麗な青空だ。これなら外の探索が出来る。
加賀美「あ、みんな来たね。今日は晴れてるし、探索行こうか」
朝食の後、みんなで外を探索しようとした時、
ザアアア
加賀美「えっ!?」
待ってましたと言わんばかりに土砂降りだった。
監原「…モノクマ」
モノクマ「はい、なんでしょ?」
速攻で出てくるモノクマ。
監原「これ、お前のせいだろ?」
モノクマ「熊聞き悪いなぁ。自然現象だよ」
監原「おかしーだろ!俺たちが探索しようとすると雨降るなんて!」
モノクマ「自然現象だよーーーっ!オマエラが良い子じゃないから神様が怒ってるんだよ!」
香月「コロシアイをさせておいてよく言う……」
モノクマ「言いたいことはそれだけ?」
監原「あーもう良いよ、帰れ」
モノクマ「もっと僕に優しくしてよね!」
そう言ってモノクマは消えてしまった。
監原「さすがのモノクマも天候は操れないか」
上条「撮影とかで雨を降らせたりしてたのと同じとか」
監原「あれは雨を降らせる機械で散水してるからこんな長時間、広範囲、大規模なんか無理だぜ?」
上条「監原は他に何か心当たりある?」
監原「うーん……」
香月「そういえば、髪がハネます。雨が続くのは困ります」
加賀美「そうね、雨の湿気みたいだね。これは雨降機くらいじゃあこんなにならないよ」
監原「人工的じゃないとするとマジの奴か。ついてないなー」
メイビー「……」
メイビーだけアップルハウスに向かった。
岩田「どうした、メイビー?」
メイビー「今日のところは部屋で眠らせてもらうよ」
絵馬「あたしも美術室にいるから!」
籠森「……」
岩田「あ、おい、籠森!どこに行くんだ!」
籠森「体育館だ、悪いか?」
岩田「あ、体育倉庫はまた閉めたからな。監原に頼まれて」
監原「おい、それは言わない約束だろ!」
岩田「あっ……」
監原「全く」
事件に使われたからまた閉めたのか。
岩田「他のみんなも、体育倉庫を使う時は言ってくれ!」
籠森「チッ」
スタスタと籠森が行ってしまう。
岩田「待てって、籠森!」
監原「さーて、俺らはどーする?」
将口「誰か私と将棋してくれないか?」
監原「いいぜ、やってやる」
佐藤「私はケーキ作るね」
加賀美「あたしはグレープハウスとアップルハウスの掃除しよーかな」
式野「僕も部屋に戻らせてもらう。収穫ないならずっと一緒にいる必要はないはずだ」
香月「私も髪をちゃんと解かさないと」
こうして残ったのが……
知念「上条くん、一緒に図書室に来て欲しいんだ」
上条「図書室?どうして?」
知念「僕の記憶についてだよ」
上条「図書室に記憶の手掛かりがあるのか?」
知念「うん、来て欲しいんだ」
知念と図書室に行った。探索の時に行ったことはあるけど、マジマジみるのは初めてだ。
知念「図書室に続くもう一つの部屋が開くようになったんだ」
確か、前は入れなかった場所か。
知念「見て、この日記」
6月10日
我々は人間の記憶の操作を実現した。事故のショックで引きこもりになってしまった人が事故の記憶を改竄し、事故を無かったようにすることで外出するようになった。虐待されていた人間が幼少期の記憶を消し、人間不信から立ち直れるようになった。我々は多くの人間を救った。
上条「なんだよ、これ、こんなことがありえるのか!」
知念「ありえる……と思う」
そうか、知念は記憶喪失だもんな。
知念「僕は何らかにトラウマがあって記憶を消されたのかな」
上条「でも家族も友達も才能も出身も思い出せないんだろ!?そこまで記憶を消す必要なんて……」
知念「あくまでこの日記は善意の人みたいだし、黒幕に全ての記憶を消されたって可能性ないかなって。こんな技術が本当にあるなら悪用されかねないかなって」
正直、この日記正しいなんて思えないな。確かに知念は記憶喪失みたいだけど……。
知念「モノクマが勝手に書いて置いて僕らを困らせたいのかもしれないし、仮に本当でも僕の記憶を消して何がしたいのかは分からないけど……」
上条「知念……」
知念「僕、このままじゃ嫌なんだ。記憶がどんなに辛いものでも思い出したいんだよ。黒幕の罠でも騙されていたとしても」
そうだよな、家族も友達も才能も分からないなんて、俺なら耐えられない。知念はそんな中ずっと……
ドーーーン!
知念「な、何!?」
上条「すごい音がしたぞ」
知念「体育館の方だね、行ってみよう」
2人で体育館に向かうと
岩田が倒れていた。
上条「岩田!?」
隣でバスケットのゴールが倒れていた。
上条「籠森、これは一体……!?」
籠森「あのバカがダンクシュートを決めて、体重かけすぎたのが知らないが、ゴール共々倒れたんだよ」
知念「血が出てるよ!は、早くなんとかしないと……」
籠森「おい、上条!肩貸せ!岩田を保健室に連れて行くぞ!」
岩田「いてて……大丈夫だって」
上条「でも、血が……」
岩田「ロッククライムしていてこれくらいよくあるって……。ありがとな、籠森。心配してくれて」
籠森「ありがとなじゃない!!あれだけ忠告しただろうが!!ゴールが倒れて起きた死亡事故だってあるんだぞ!!あれだけ人の死を見てきて命が大事に出来ないのかよ!!」
籠森……?
岩田「す、すまん、籠森……」
加賀美「ちょっと、何があったの?って岩田くん!どうしたの!?怪我してるじゃない」
佐藤「何かあったの?」
絵馬「ま、まさか!また事件!?」
岩田「い、いや、俺がドジっただけだ」
籠森「加賀美からもなんか言ってやれ!俺の忠告を聞かないでこんなことになったんだ」.
加賀美「ほんとなの、岩田くん?」
いつもより加賀美が怖い感じだ。
岩田「あ、ああ……うっかりしてた」
加賀美「息抜きは必要よ、でもあたしたちの本題はここからみんなで生きて出ることよ」
岩田「すまない……」
加賀美「籠森くん、岩田くんのことお願いね?これ以上、暴走しないように」
籠森「ああ、任された」
籠森、やっぱり加賀美と仲良くなってないか?
籠森「岩田は俺が監視する、次変なことしたら許さないからな」
岩田「ああ……」
籠森「とりあえず探索をする」
あれ、籠森も探索に加わるのか。
知念「あの、図書室の新しい部屋は調べたから他を調べたらどうかな?」
なんか雰囲気が暗く……
佐藤「みんな、カップケーキ焼いたんだ、みんなで食べよ?」
上条「カップケーキ?」
佐藤「うん、監原くんたち……グレープハウスやアップルハウスにいる人も呼べないかな?」
上条「わかった、呼んでくる」
俺は監原、将口、メイビー、式野、香月を呼びに行った。
監原「なんだ?なんか辛気臭いな」
香月「まるで事件が起きたようね」
加賀美「それよりさ、早く佐藤さんのケーキ食べよ?」
加賀美……。
こうしてこの日も進展がないまま次の日になった。
11日目
モノクマ「あー、校内放送、校内放送。至急、体育館にお集まりください」
起きて早々にモノクマの放送が流れる。
上条「はいはい、行けば良いんでしょ?」
体育館に行くとみんなが揃っていた。
そしてモノクマがピョンと飛びし出した。
モノクマ「いやあ」
監原「なんのようだ、さっさと済ませろ」
モノクマ「せっかちだなぁ、もう」
モノクマ「ま、良いでしょう。君たちにある報告をしにきたんだからね」
加賀美「ある報告?」
モノクマ「そうです。ま、単なる刃の直に入るとですね」
上条「単刀直入って意味か!?」
籠森「既に単刀直入じゃないだろ!」
モノクマ「君たちの中に僕と繋がっている内通者がいるんですよ」
絵馬「なーんだそんなこと………っええええっ!?」
上条「な、内通者!?」
式野「どう言うことだ!」
監原「内通者って具体的にどう言う意味だ?内通者ってだけでも色々あるだろ?単に情報を売り渡してるのか、工作してるのかってな」
モノクマ「えーっとですねぇ。具体的には言えませんが……ま、殺人を企んでいる……とだけ言えますね」
モノクマの言葉で周りが凍りついた。あれだけの目に遭ってまでまだ殺人を企んでいる奴が?
監原「いつから内通者なんだ?」
モノクマ「おや、監原クン、やたらと質問しますね。内通者じゃないアピールしたい内通者かな?」
監原「んなわけねぇだろ、クソ……」
モノクマ「ま、少なくとも蹴上クンが犯行する前から内通者ですよ」
上条「なんだって!?」
知念「そんな……」
加賀美「内通者はそんな前から犯行を企んでいるの!?」
岩田「ありえない……」
香月「この中にそんな人が……」
モノクマ「それと、内通者は1人じゃなくて3人いるんだよねっ!」
さらに俺たちに衝撃が走った。1人でも大変なのに3人も……?
監原「くだらねぇ嘘で疑心暗鬼にさせるつもりだろ!」
モノクマ「本当だよ!僕は逃げも隠れもするけど、嘘を吐かないもん!」
監原「うるせえ!」
モノクマ「ま、これ以上はなーんも言うことないからね。じゃあね」
それだけ言って、モノクマは消えてしまった。
この中に内通者がいるなんて……。しかも3人なんて……。
いや、そんなはずない。モノクマの罠に決まってる!
加賀美「み、みんなどうしたのよ?あんなのモノクマの罠に決まってるでしょ」
みんな、初めて体育館でコロシアイを言い渡されたみたいに重たい雰囲気だ。
式野「モノクマの罠の可能性もあるが、真実の可能性もある。この12人の中の3人に殺人をしようとしている奴らが……」
加賀美「そんなわけないでしょ」
式野「なぜ言い切れる!内通者か!」
籠森「加賀美が内通者なわけないだろ!」
式野「なんだ?お前たち2人、内通者か?」
籠森「な、なんだと!?」
加賀美「喧嘩はよしなって!」
岩田「そうだぞ!このままだとモノクマの思う壺だ!」
絵馬「モノクマの口から直接言うことでむしろ内通者の存在に信憑性を無くすことが狙いかもしれないじゃない!」
上条「だからって俺たちが疑いあったってしょうがないだろ!」
佐藤「上条くんの言う通りだよ……私たちは協力し合わないと……」
香月「協力!?そんなこと言って、私たちを油断させて殺すつもりでしょう!」
佐藤「そんな……違う……」
メイビー「なんとも言えないね」
みんな……疑心暗鬼になってる。
監原「あーもう!どうせモノクマの罠だろうが!」
加賀美「逆に考えてみてよ、こんなところにいてまでモノクマの味方じゃなきゃいけない理由を」
上条「モノクマの味方じゃなきゃいけない理由?」
加賀美「あたしね、こう思うの。仮に内通者がいてもそれは本意じゃないんだとね」
監原「不本意で内通者……?」
加賀美「うん。弱みとか握られて。だったらその弱みを曝け出せるくらいにみんな仲良くなろう」
式野「殺人を企てている奴と仲良くだと……!?」
加賀美「だから、殺人を企てないように仲良くなるんだよ。だから親睦を深めるためにパーティーをするのよ。いつもの朝食会じゃ、味気ないしね」
香月「無理よ!」
監原「俺は良いと思うぜ、一緒にいれば、殺人を企てる暇もないし、そもそも殺人も出来ないからな」
加賀美「どうかな?」
絵馬「いくら優子の意見でも……」
籠森「俺は加賀美の意見に賛成だな。1人だと殺人を企てるかもしれないからな」
岩田「籠森……!」
絵馬「内通者の件だってあんたが一番怪しいんだから!」
籠森「勝手に思ってろ。パーティーに参加しないってことは密かに殺人を企ててるってことで良いな?」
式野「なんだと!?」
加賀美「今までずっと食事の時は集まってきたんだし、今更じゃない?」
知念「そうだね……」
加賀美「じゃ、出し物とか考えよう。料理もさらに豪華にして」
佐藤「私も頑張る」
将口「私も俄然気合いが入る」
監原「出し物なら任せておけ!最高なものを用意してやるぜ」
加賀美「ということでパーティーは明後日ね。間に合わない場合はちゃんと言うんだよ」
ということでパーティーが決まった。
出し物班は監原、絵馬、メイビーのクリエイターたち。物の準備が俺と岩田と籠森の運動系。料理はいつも食事を作ってくれる、加賀美、佐藤、将口。そしてその他手伝いが香月と式野と知念になった。