個性使ってヒーローのラブドール作ってみた   作:マイティP

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グロ注意……?


第8話 U・S・J襲撃 中編

 ヴィラン襲撃を受けて施設(USJ)から退避しようとしていた1-A生徒たち。

 しかし退避する前に黒霧と名乗るヴィランからの妨害を受けてしまい、個性によって生徒たちの半数がUSJ内の各災害エリアへと散り散りに飛ばされてしまう。

 そうして飛ばされた生徒たちは、事前に配置されたヴィランたちとの戦闘を余儀なくされていた。

 

 その内の一人、緑谷(みどりや)出久(いずく)は同じ水難エリアへ飛ばされた蛙吹(あすい)梅雨(つゆ)峰田(みねた)(みのる)と協力することで、いち早くヴィランたちを行動不能にする事に成功していた。

 彼らはまずは救援を求めるべきだと判断し、イレイザーヘッドが戦闘を行っている広場を避け、水辺に沿って出口まで向かうつもりだった。

 しかし、初めてのヴィランとの戦いで勝利した事で得た驕りと、大勢に囲まれている自分たちの担任(イレイザーヘッド)を助けられないかという思いが、彼に『広間で起きている戦いの様子を窺う』という選択肢を取らせてしまう。

 その結果、緑谷たちの目には淡い希望を塗りつぶすほどの絶望が映ることになる。

 

「相澤、先生……」

 

 緑谷たちが水中に身を隠れながら少しだけ距離を詰めるまでの間、イレイザーヘッドはヴィラン達を捌くことができていた。

 ただ一人、全身ツギハギの女ヴィランの攻撃だけは何度も受けていたが、それにしたって致命的と言えるほどのものはない。しかも何度も攻撃を受けている内に動きか速度に慣れたのか、攻撃を避けながら反撃を行うといった対処も行えるようになってきていた。

 

「ケロ……」

 

 問題は、全身に掌を纏う男が『脳無』と呼んだ黒い巨体の大男が動き出してからだった。

 ツギハギ女を更に超えた速度とパワーを持つ脳無は、女の攻撃への対処を行って体勢が崩れかけたイレイザーヘッドに猛然と突進し、その巨大な腕でイレイザーヘッドの頭を殴りつけたのだ。

 

「お、おい緑谷……これもう、逃げなきゃ……」

 

 それからは戦いですらない、処刑が行われる事になった。

 地面に倒れ伏したイレイザーヘッドの上に大男がのしかかり、抵抗をしようとした瞬間に右腕を掴んでへし折ったのだ。

 ツギハギ女はそれを見て笑い声をあげ、猛烈な勢いの蹴りをイレイザーヘッドの左足に放って鈍い音を響かせる。

 続いて頭を地面に再度叩きつけ、今度は腹に蹴りを入れ……そんな破壊を楽しんでいるようにしか見えない彼らに緑谷たちは恐怖し、動く事ができないでいた。

 

 そんな時、黒霧と呼ばれていたヴィランが彼らの前に姿を現した。

 緑谷が思わず入り口の方を見れば、そこに漂っていた黒いモヤが消滅している。

 何かあったかと思った緑谷たちの耳に聞こえてきたのは、『生徒たちの一人が逃げた』『ゲームオーバーだ。もう帰る』という言葉だった。

 

「やっ、やったぁ! 助かるんだ俺たち!」

「えぇ。でも……気味が悪いわ緑谷ちゃん」

「うん……これだけの事をしといて、あっさり引き下がるなんて……何を考えてるんだ?」

 

 危機が去ることに喜び暴走した峰田を抑え込みながら、ヴィランの意図を不気味に思う緑谷と蛙吹。

 そんな彼らの前で、事態は悪い方向へと進んでいく。

 

「死柄木さーん。私ちょっとやりたいことあるんですけどいいですかー!」

「……手短にしろよ」

「はーい!」

 

 呑気な声をあげてイレイザーヘッドの前に屈みこむツギハギ女。

 様子が気になる緑谷だったが、既にそんな事を気にしている状態ではない事に彼はまだ気付いていなかった。

 

「うん……少しくらいは傷跡を残して帰らなきゃ。平和の象徴、その矜持に、少しくらいは――なぁ?」

 

 緑谷はさっさと逃げる判断をするべきだったと、この全てが手遅れになった状態で悟った。

 この死柄木と呼ばれた男の個性は不明だ。

 しかし今、不穏な言葉と共に瞬時に近づいてきた死柄木は、蛙吹の顔に手を伸ばして触れようとしている。間違いなく、手で触れることで発動する何らかの個性を持っているはずだ。

 後悔も行動も何もかもが間に合わないままに死柄木の掌が蛙吹に触れ……何も起きなかった。

 

「おい、イレイザーヘッドで遊んでるのか?」

「あ、すいません。ちょっと頭を持ち上げたらまだ意識残ってたみたい。すごいねー」

「……用があるならさっさと済ませろ」

「はいはーい」

 

 ツギハギ女の声と共に、イレイザーヘッドの頭が地面に叩きつけられる音がする。

 それを聞いて仲間を守るために拳を振りかぶった緑谷だったが、その攻撃は死柄木が呼び寄せた脳無によって防がれてしまう。

 そしてイレイザーヘッドの前にただ一人残ったツギハギ女の声が、遠くにいるはずなのに妙によく聞こえた。

 

「ねぇ知ってる? 眼球の裏側って神経で脳みそと繋がってるんだって。私、教科書でそれの絵は見たけど実際にどうなってるのか見たことないんだぁ」

 

 唐突にそんな事を言い出した女の指が二本、再び頭を持ち上げられたイレイザーヘッドの右の眼窩へと差し込まれている。

 よく見れば、女の指が左右でどれも長さや太さがバラバラなのに気付いただろう。

 しかし、現在進行形で死柄木と脳無に襲われている緑谷にそんな余裕などなかった。

 

「だからね、イレイザーヘッド。あなたの目の裏側をちょっと見せて? 個性を消せる目なんでしょう? 私、それがすっごく気になるの」

 

 ツギハギ女は既に視神経近くまで指を差し込んでいる。

 鉤状に曲げた指に力を懸けようとしている。

 それでもイレイザーヘッドは――相澤は、間抜けなヴィランが再び頭を上げたのをいいことに、その目で死柄木と脳無を見つめ続けていた。

 

 

 

 次の瞬間、多くの事が起こった。

 脳無に腕を掴まれそうになった緑谷が個性を発動して腕を振り回した事で、その腕に当たった脳無が数メートル吹き飛んだ。

 それを見て再び個性を消されている事に気付いた死柄木は舌を打ち、飛び退りながらツギハギ女(ジェスター)を睨みつけた。

 死柄木の怒りを感じたジェスターは、急いでイレイザーヘッドの右目をくり抜くと、その頭を再び地面へと叩きつけた。

 

 そして――USJの入り口の扉が大きな音と共に開き、ヒーロー(オールマイト)が姿を現した。

 

「もう大丈夫――

 

私がきた!」

 

 

 

 USJの入り口に姿を現したオールマイトは、中央広場に飛び降りると同時に残っていたヴィラン達を一瞬で蹴散らした。

 そして死柄木たちが吹き飛んだ脳無の元に集合している間に、水辺にいた緑谷たち三人を回収してしまう。

 すぐに生徒たちをかばうように前に出てきたオールマイトを前に、死柄木は苛立ちを隠しきれない様子で首元を掻く。

 

「速いなぁ。一瞬でみんなやられた。流石だよ」

 

 目で追えないほどのスピードで動いたオールマイトを見てそう呟く死柄木に続き、ジェスターもまた感心するように口を開いた。

 

「ホントに速かったねー。あれがオールマイトなんだ。すごいすごい!」

「……ジェスター。随分軽いですが、アレが標的(ターゲット)ですよ」

「そんなのわかってるって! うん、でも()()()()()ならなんとかなりそうじゃない? そうでしょ死柄木んんんんふ? んん!?」

「うるさい。チャックを閉じとけ」

「んんんーむ!」

 

 ジェスターの口を無理矢理閉じた死柄木だが、彼女の言葉は聞いていた。

 確かにオールマイトは速い。だがジェスターが()()()()()と形容するくらい、特別速すぎるというほどでもないスピードだ。

 この襲撃の前に『先生』から教えられたオールマイトの後遺症の重さを、ここにきて死柄木は実感していた。

 しかし、その弱体化しているはずのオールマイトが死柄木へと向かって猛然と突進してくる。

 オールマイトは腕を十字にクロスした状態から、×印を描く様に一気にその腕を解き放った。

 

CAROLAINA(カロライナ)……」

「脳無」

SMASH(スマッシュ)! ――ムッ!? マジで全然効いてないな!?」

 

 自分の攻撃を受けても完全にノーダメージの脳無を見たオールマイトは、それでも執拗に何発もの拳を叩き込んでいく。

 そんなオールマイトの無駄な足掻きを見た死柄木は、まるで自慢するかのように脳無の個性の事を口にする。

 

「効かないのは『ショック吸収』だからさ。脳無にダメージを与えたいなら、ゆうっくりと肉をえぐりとるとかが効果的だね……それをさせてくれるかどうかは別として」

「わざわざサンキュー! そういうことならやりやすい!」

 

 死柄木の言葉を聞きつけたオールマイトは、すぐさま脳無の背後に回り込んで投げを放った。

 その強烈なバックドロップにより、凄まじい衝撃と土煙が爆発が起きたかのように巻き起こる。

 しかし土煙が晴れた所で見えたのは、地面に開いた黒霧のワープゲートを通って、バックドロップの体勢をしたオールマイトの脇腹に指を食い込ませる脳無の姿だった。

 投げられる寸前に黒霧が動き、本来の計画を実行する機会と見て個性を発動したのだ。

 本来の計画、即ちオールマイト殺しのために。

 

「ジェスター」

「んふ?」

「脳無は拘束、黒霧が実行。お前の役割はなんだっけ?」

「んーっぷは。りょうかいー」

 

 ジェスターの役割はオールマイトに個性を使っている最中の黒霧を守ることだ。

 死柄木の言葉を聞いてやっとそれを思い出したジェスターは、すぐさま黒霧の近くに駆け寄る。

 そしてオールマイトの危機を見て駆け寄ってきた、顔にそばかすのある少年を殺そうと拳を構える。

 しかしその拳を放つ前に、横合いから飛び込んできた生徒に蹴りを入れられることになった。

 

「っしゃらぁっ!」

「どっけ邪魔だテメェ!」

「ぐぇっ!?」

 

 横合いから攻撃を受けたジェスターはふらついている間に爆発による更なる追撃を受け、あっという間に吹き飛ばされてしまった。

 その隙に黒霧は掌から爆発を起こす生徒に押さえ込まれ、どこからか広がってきた氷によって脳無も凍結され、オールマイトの脱出も許してしまう。

 あまりにも不甲斐ない()()の有様に苛立つ死柄木だが、まだ余裕を崩してはいなかった。

 脳無を倒す手段をオールマイトと生徒たちが持っていないなら、一度逃がしてもまだ殺せると思っているのだ。

 その証拠に、凍結された体を砕きながら起き上がった脳無は、既に『超再生』の個性によって元通りの体に戻っている。

 死柄木は脳無に黒霧の上にいる生徒を攻撃させ、それがオールマイトによって防がれたのを見て口を開いた。

 

「仲間を助けるための行動さ。お前らヒーローがいつもやってることだぜ? 他が為に振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?」

 

 そんな事を死柄木が宣う裏で、ジェスターはむくりと起き上がった。

 爆発によって体の前面のツギハギが解れて無残な有様だが、それを気にすることもない。

 黒く焦げ血塗れになったその姿に生徒たちが恐怖するのを見ながら、ジェスターは死柄木の隣に並び立つ。

 

「俺はなオールマイト! 怒ってるんだ! 同じ暴力がヒーローと(ヴィラン)でカテゴライズされて善し悪しが決まる世界に!」

「………」

「何が平和の象徴! 所詮は抑圧のための暴力装置だろう! 暴力による解決は暴力しか生み出さないと、お前を殺して世に知らしめるのさ!」

「メチャクチャだな。そういう思想犯の眼は静かに燃ゆるもの。自分が楽しみたいだけだろ嘘吐きめ」

「……なんだ。バレてるのか」

 

 適当な言葉でオールマイトが惑わされるなんてことは勿論ない。

 死柄木はただ言ってみようとなんとなく思っただけだが、それでも()()するには十分な時間稼ぎだった。

 救援がいつ来てもおかしくないと黒霧に助言を受けた死柄木は、最後の攻勢に打って出ることにした。

 

「脳無、黒霧、オールマイトを殺せ。ジェスターは俺を手伝え。ちゃんとクリアして帰ろう」

「せっかくレアドロップもゲットしたしね!」

 

 胸の谷間からイレイザーヘッドの目玉を取り出して一舐めしてから、ジェスターは地を這うように駆ける死柄木に続いて動き出した。

 そんな二人のすぐ横で、脳無とオールマイトによる凄まじい殴り合いが始まった。

 

「オイオイ……ショック吸収って、さっき言っただろ?」

「そうだな!」

 

 オールマイトが放つあまりの気迫に飛び退った死柄木の背中に追突し、ジェスターもまた足を止める。

 全ての目を引き付ける中で、超パワー同士の戦闘は更に苛烈さを増していく。

 

「だが。『無効』ではなく『吸収』ならば! 限度があるんじゃないか!? 私対策!? 私の100%を耐えるなら! 更に上からねじ伏せよう!」

 

 体のモヤを通してワープを発動させる黒霧は、殴り合いで発生する凄まじい衝撃のせいで近づくことができないでいる。

 元々脳無がオールマイトを拘束する事が殺す条件だったとはいえ、これではサポートすら不可能だ。

 まるで嵐のような戦いの中心で、オールマイトは周りの全員に言い聞かせるように言葉を紡いでいく。

 

「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの! ヴィランよ! こんな言葉を知っているか!」

 

 そして、(ヴィラン)を畏怖させ、自分(ヒーロー)を鼓舞させるような言葉と共に、今までで最強のパンチが脳無へと突き刺さった。

 

Plus(更に) Ultra(向こうへ)!!」

 

 

 

 




どうやっても長いシーンになるから原作そのままにならないようにしようとすると大変ですね。
原作との差異が結構すさまじい事になっとる……特に、まだ死柄木が個性を使っていない点が……

個人撮影ビデオに出たら売れそうな1-A生徒

  • 麗日お茶子
  • 八百万百
  • 耳郎響香
  • 芦戸三奈
  • 蛙吹梅雨
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