個性使ってヒーローのラブドール作ってみた 作:マイティP
嵐の前のエロさ。
正午から1時間の昼休憩を挟み、午後の部の開始時刻となった。
午前中に購入することができなかった客が今か今かと待ちわびる中、ついに『RoD』社長によるアナウンスが会場に流れた。
『それでは皆様、大変お待たせいたしました。本日の販売会、午後の部を開始させていただきます』
そんな開始宣言を聞いた客たちは一気に興奮度合いをあげてざわめきだすが、続いて行われたアナウンスを聞いてそれは更にヒートアップした。
『ステージにて女優のお二人に挨拶をしてもらった後、販売へと移ります。ステージにご注目ください』
会場中に響く社長の声に従って、会場にいる客たちの視線が手渡しスペースの後ろにあるステージへと集まる。
そして熱の籠った視線が浴びせられる中、先ほどとは大きく装いを変えた二人がステージの左右から同時に姿を現した。
そのあまりにもエロ過ぎる格好に、客たちは大興奮しながら騒ぎ立てていた。
「うっわヤベェ! なんだあの格好!?」
「マジかよ! あんな格好で手渡してくれるのか!?」
「エロ過ぎんだろ……」
先ほどまではミッドナイトとMt.レディのコスチュームを着て、完全にヒーローの彼女たちにそっくりの格好をしていた二人。
しかし現在、ステージの上に姿を現した二人が身に纏うのは『水着』だった。
もちろん、ただの水着ではない。
Mt.レディは上下に分かれたビキニタイプの水着を着ていた。ただしその布面積は極小で本当に隠すべきところしか隠していない、いわゆるマイクロビキニと呼ばれるものだ。
乳肉に食い込むように引っかけられた布の面積は500円玉程度しかなく、彼女が一歩進むたびにその巨乳がたぷたぷと揺れて乳首が見えてしまいそうになっているし、股間を隠す水着の面積もかなりギリギリを攻めていて、股間に張り付くハート形をした布地からはうっすらと割れ目が透けて見えている。
大勢の客はそんな彼女の姿に生唾を飲み込み、更に対面を歩くミッドナイトの姿を目にして股間を熱くさせていく。
反対側から歩いてきたミッドナイトが身につける水着は、布地が股から肩にかけてVの字を描く紐同然の赤いスリングショットだ。
たわわに熟した乳の中央では紐で隠しきれない桜色の円が見えており、股間へ食い込む紐もその肉厚の土手を隠しきることはできず、当然のように左右から卑猥な肉をはみ出させている。
どちらの水着も後ろ姿は完全に裸にしか見えず、それでいて大きな尻をあえて振りながら艶めかしくゆっくりと歩く姿に、客の多くは完全に魅了されてしまっていた。
そうして左右から進み出た二人はそのままステージの中央で合流すると、そこに用意されていた丸いお立ち台へと足をかける。
二人はそこで頭の後ろで手を組みながらガニ股のエロ蹲踞ポーズを取ると、会場中の客へと甘い吐息交じりの挨拶を開始した。
『皆さん、家に帰ったらいっぱいシコシコしてザーメン吐き出せるように、午後からもしっかり私たちのドスケベボディを目に焼き付けていってね❤』
『午後からもいーっぱいサービスしてあげるから、私たちのオマンコオナホにいっぱいドピュドピュってできるよう、たくさん買っていきなさいね❤』
時折上半身を振って胸を揺らしながら、口を開いて舌を何かに絡ませるように動かしながら、全身でエロさを表現しながら二人は自身の膣を再現したオナホールの宣伝を行った。
それが招いた効果は、目をぎらつかせて荒い息を吐く客たちを見れば一目瞭然だろう。
『それでは改めまして、販売会午後の部を開始させていただきます。購入できるオナホの数は一人10個までとさせていただいておりますので、注文票へご記入の際は注意をお願いします』
販売が始まりしばらく経った頃。
会場を横の小部屋にて、やる事のない作間とトゥワイスは会場内の様子を監視カメラを使って眺めながら暇を潰していた。
「マジですごい事になってるな。十個まで買ってる奴も結構いるみたいだ。なぁ店長、このまま売り切れになったらどうする?」
「用意しといた在庫を考えりゃそれはあり得ないと思うが……まぁその時はそんだけ売れたって事で宣伝になるさ」
「なるほどな!」
トゥワイスの言う通り、オナホールの売れ行きはかなり順調だった。
庵たちの煽りが効いたおかげで、一人の客が買っていく個数が午前中と比べて倍増しているのだ。
とはいえ今回の販売会で用意されたオナホールの総数は2000個。
更に午前中に売れた数が約600個と予想以上に多かったため、追加で500個分工場から運んでくるように指示も出している。
時間までに売り切れで途中終了という事にはならないだろうというのが作間の予測だった。
「さて、午後の販売が終わるまで二時間だ。カメラばっか見てないで適当にヒマつぶしてていいからな。俺はそうする」
作間はそう言ってタブレットを取り出すと、そちらの操作に集中し始めてしまう。
そして特にやる事の思いつかなかったトゥワイスは、仕方なくテレビを見る事にするのだった。
『――次に人参をみじん切りにして、続いて玉ねぎを――』
『――一人一人の個性に寄り添ったモノづくりを! デトネラッ――』
『――ご当地ヒーローと行く街角ぶらり旅、今回は――』
『――改めて『ヒーロー殺し』による各地の犯行の件数を確認してみましょう』
「お?」
テレビのリモコンを手に取ったトゥワイスが適当にチャンネルを変えていると、ふと気になる単語が耳に入った。
ヒーロー殺し。
それは17人ものヒーローを殺した有名なヴィラン、ステインという男の通称だ。
それが気になったトゥワイスがそのまま番組を見続けていると、どうやらつい先日も保須市でヒーローの襲撃事件が起きていたようだ。
『――先日のインゲニウム襲撃を受け、警察はヒーロー殺しの更なる犯行が保須近辺で行われる可能性が高いと――』
「保須ってここの隣だっけ。まぁ俺らには関係ないだろ」
「いや、それがそうとも言えないんだよ! これが!」
「うぉっと聞いてたのかよ店長! 驚いちゃいないぜ!」
ヒーロー殺しが狙うのはあくまでヒーローのみ。
ヒーローじゃない自分には関係のない話だとトゥワイスはチャンネルを変えようとしたのだが、そこでいつの間にかタブレットの操作をやめていた作間が口を挟んできた。
おまけにいつもよりも声が刺々しい。
トゥワイスが恐る恐るその顔を見てみれば、タブレット画面から顔を上げた作間はめちゃくちゃ不機嫌そうな顔をしていた。
「そいつウチの顧客二人も殺しやがったんだよ。ヒーローの顧客は少ないってのに」
「おいおい……マジか!? いい奴じゃん!」
「あのクソ野郎。俺がヒーローに商品買わせるのにどんだけ手間かけたと思ってんだっつーの!」
作間は珍しくマジで不機嫌そうにそう言い放つ。
ステインが『理想郷』の顧客となったヒーローを殺した事で、彼らを顧客として迎え入れるために行った情報収集や裏取りなど、作間が費やした時間と努力の全てが無駄になっているのだ。
しかもそれが二人分である。
そんなわけで、もし見かけたら殺しにいってやろうとまで考えるほどの怒りを作間はステインに対して抱いていた。
「ヒーローもさっさと仕事しろってんだよ。あんなチンピラに負けやがって」
「店長ステインに会ったことあんの?」
「昔な! 殺そうとしてきたけど、刃物じゃ俺は殺せないから逃げてったよ。つーわけで俺はあいつの話を聞きたくない。チャンネル変えてくれ」
「へいへい。他もクソつまんなそうだけどな」
昔を思い出して更に不機嫌そうになった作間の指示に従い、トゥワイスはチャンネルを変えていく。
そして本当にロクな番組がなかったため、二人は販売会終了まで旅番組を見て暇を潰すことにしたのだった。
それからしばらく時間が経ち、日が暮れ始めた頃。
無事に販売会が終了し、その後片付けも終えた『理想郷』の三人は作間の運転する車で帰途についていた。
「いやーまさか完売しちゃうとは思わなかったね」
憑依を終え、元の赤髪少女に戻った庵がそう呟く。
彼女もまた作間と同じように満面の笑みを浮かべていた。
大勢の男たちからの視線を一身に浴びながら裸同然の格好で淫語を吐き出すのがよほど楽しかったらしい。
ちなみに、分身の方の庵は用済みという事で作間が殴って消滅済みである。
「ホントよくやってくれたな! 夜見に渡す分を差し引いても大儲けだ!」
そして運転中の作間はいつになくハイテンションで、満面の笑みを浮かべながらハンドルを握っていた。
理由はもちろん販売会がオナホール2500個完売という予想以上の結果に終わった事である。
経費や税を差し引いてもかなりの金が入ってくる事は間違いなく、もはや笑いが止まらない状態だった。
「よし! 今日はどこにでも飯食いにつれてってやるぞ! お前らどこがいい?」
そして御機嫌の作間は二人を食事へと誘うことにした。
今回のイベントを成功に導いたのは二人の持つ個性のおかげである。
作間は珍しく素直に感謝の気持ちを抱いていた。
「焼き肉! 私焼き肉がいいです!」
「俺も賛成! 俺はレバー! 普通にカルビ食いてえ!」
「よっし焼き肉だな! 帰り道に焼き肉あるかスマホで探して教えてくれ。今日はそこにいって肉を食いまくるぞ!」
「「イェーイ!」」
揃っておかしなテンションの高さのまま、三人を乗せた車は進んでいく。
そして八枷市の隣にある保須市で焼き肉屋を探そうとした彼らは、思いもよらぬ事態に遭遇することになった。
問題が発生したのは、お目当ての個室ありの焼き肉屋を発見して近くの駐車場に車を止めた後の事である。
三人が車から降りると同時に、すぐ近くで爆発音や悲鳴が聞こえ始めたのだ。
もっとも、それは特に驚くべきことではない。どうせヴィランでも出たのだろうと思っていると、案の定ヴィランが発生したとの放送が流れてきたからだ。
その時はまだ三人とも、焼き肉屋で飯が食えなくなることの心配をしていた。
問題はその後。
何やら聞き覚えのある笑い声と同時に
「アハハハハ! タノシイ! コンナスッゴイパワーハジメテ!」
三人は呆然とした表情を浮かべてそのピンク脳無を見上げ、最初に正気を取り戻した作間はすぐに庵の肩を掴んで詰め寄った。
それからはもう大騒ぎである。
「おいコラ庵ぃ! こりゃ一体全体どういうことだ!?」
「私に聞かれても知るわけないじゃないですかぁ!」
「いやでも庵ちゃん。あれって君だろ? きっと俺の目がおかしいんだな」
「アレはトゥワイスさんが増やした三人目の私でしょ!? 私は無実! 絶対無実!」
「ただの冗談だって庵ちゃん。落ち着けよ」
「それよりもあれはウチの地下にあったはずのものだ。何でここに……しかも留守番してるはずの庵入りで」
三人そろって突然の展開にパニくりつつもなんとか落ち着こうとしていると、そこで作間のスマホへと電話がかかってきた。
そして取り出したスマホの画面に映る番号と名前を見て作間は全てを察した。
『よう作間。お前のとこの店員、ちょっと借りてるぜ』
「お前の仕業か死柄木ィ!!」
最近女性用の下着や水着に詳しくなった気がする。
主にこれ書いてるせいで。
2500個は売れすぎとは思いますが、複数個買う人がいっぱいいたからね。しょうがないね。