男が歩む永遠《とわ》の道   作:シベ・リア

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皆さんお久しぶりです。初めましての方は初めまして。シベ・リアと申します。
今回から1年ぶりの新作、いえ、ちょうど去年の本日に完結した作品の続編を投稿いたします。
是非、前作である『ラブライブ!~1人の男の歩む道~』を読んでからこの作品を読んでください!

それでは『男の歩む永遠(とわ)の道』、スタートです!


プロローグ〜新たな輝きの鼓動〜
序章「男が歩む道の続き」


 

 

───かつては『ラブライブ!運営委員会』と呼ばれたその企業は、その名を『スクールアイドルカンパニー』通称『S.I.C.』に変えてその活動の幅を広げている。

今回はそんな企業への取材の記録を皆様にお伝えしようと思う。

 

 

 

───都内某所 午前10時

 

我々取材班はS.I.C.本社の受付にて名前を告げ、受付近くにあるスペースのソファーで待ち人を待った。それから数分も経たないうちにスーツ姿の女性が我々に近づいてきた。きっとあの人が……

 

(わたくし)、社長の秘書を務めております、新戸と申します。よろしくお願い致します」

 

新戸 美書子(あらと ひしょこ)さん。今回は社長の秘書であるこの女性が我々をこの社内を案内してくれる。ある程度の注意事項を伝えられて、そのあとついに我々はS.I.Cの内部に足を踏み入れた。

 

 

「ワン、ツー、スリー、フォー!……」

 

廊下を歩いているとある一室から声が聞こえてきて我々は歩む足を止めた。

 

「気になりますか?」

『えぇ、もちろん』

「社長からこの部屋は大丈夫だと聞いております。どうぞ」

 

新戸さんはノックをしてその部屋のドアを開けてくれた。カメラが捉えたのは自らカウントを数えながらダンスの練習をする2人の女の子の姿だった。

 

「にこさん、花陽さん、少しよろしいでしょうか?」

「……秘書子(・・・)、後じゃだめなの?今自主練中なんですけど~?」

※字幕監修協力 矢澤 にこ様

「実は今テレビの取材が───」

「───こんにちは~!“THE LEGENDs”所属の矢澤 にこでぇ~す♡」

「あ、同じく“THE LEGENDs”所属の小泉 花陽です!よろしくお願いします!」

 

入った部屋で練習をしていたのは、日本のみならず世界にその名を轟かせるアイドル矢澤(やざわ) にこさんと小泉 花陽(こいずみ はなよ)さんだった。このお2人は皆さんご存じだと思うが、かの有名なスクールアイドル『μ´s』の元メンバーだ。

『THE LEGENDs』は元スクールアイドルを集めて結成されたその『LEGEND』という名に相応しい『S.I.C.』がプロデュースするプロアイドルだ。メンバーはこのお2人を合わせて5人。倉宮 叶恵(くらみや かなえ)さん、神波 菜々(かみなみ なな)さんはスクールアイドルの甲子園とも言われている『ラブライブ!』に出場経験もあるアイドル。そして『ラブライブ!』出場経験はなく、ソロで地元を中心に活動していた佐藤(さとう) サラさん。夏のデビュー発表ライブはネットで中継され、いまやそのアーカイブは1億回再生を突破している。

 

───なぜアイドルを続けるのか?

 

「それはもちろんアイドルが、スクールアイドルが好きだからです!」

「にこも同じですけど、夢は世界中のみんなを笑顔にすること。だから続けています!」

「にこちゃんは大銀河宇宙No.1アイドルだもんね!」

「その通り!それに、あんなこと言われたら……ねぇ?」

「あはははは……」

「あんなこと?」

「ナオ……社長から言われたんです。私とにこちゃん2人に」

 

『お前たちにはアイドルを続けてほしい。スクールアイドルじゃなくてプロのアイドルとして。2人にはその才能も実力も情熱もある。お前たちの夢をここで終わらせたくない。

───伝説のその先を、一緒に見よう』

 

その言葉は2人の心を動かし、他社ではなくアイドル事務所でもないこの会社のアイドルとしてデビューすることを決意させた。

 

『伝説のその先へ───』

 

『THE LEGENDs』はこのキャッチコピーを掲げて活動している。もしかするとこのキャッチコピーとグループ名はこの社長のひと言からきているのかもしれない。

 

 

お2人とは別れて、我々はエスカレーターに乗り社長室の前に到着した。

 

「……社長、入ります」

「はい、どうぞ」

 

新戸さんがノックをしてドアを開けると社長が立ち上がって我々を出迎えてくれた。

 

「初めまして。社長の香川です。よろしくお願い致します」

 

この方がこの企業の社長、香川(かがわ) ナオキさん。若くしてこの会社の社長を務め、スクールアイドル、『ラブライブ!』の発展に大きく貢献している。この人物も『μ´s』のメンバーの一員で、主にメンバーのサポートをしていた。その経験を活かして『THE LEGENDs』の総合プロデュースも担当している。

 

「どうぞこちらへ。美書子さん、この方々に飲み物をお出ししてください」

「はい、かしこまりました」

 

 

───どうしてその年齢で社長になることを承諾したのか?

 

「あ~、それは社員の方からもよく聞かれました。“μ´s”がアメリカでライブを行ったのはご存じですよね?現会長からそれを成功させれば次期会長、つまり社長に任命したいと言われたんです。それから少し悩みましたが、自分は“限られた時間の中で輝くスクールアイドル”に魅力を感じて、その輝きをさらに輝かせたい。もっとこのスクールアイドルを広めたいと思い引き受けました」

 

───確か当時は高校2年生ですよね?大学に進み他の進路を探るなどの選択肢があったと思いますが?

 

「確かにそうですよね。ですが自分はこの選択でよかったと思ってます。仕事をすることで勉強になることもありますし、それにさっき言った自分のやりたいことと合っていたので不満はありません。それに現会長はそろそろ自分の跡を継ぐ人を探して早く引退したいと考えていたらしいので。でももし社長になっていなくてもアイドル関係の仕事を選んでいたかと思います」

 

───“THE LEGENDs”は活動開始から人気ですが、今後の活動はどのように広げていきたいですか?

 

「そうですね……ここら辺はメンバーや各マネージャーと相談してから決まっていきますが、個人としては大小関わらず色んなイベントに参加してスクールアイドルに興味を持つ人が増えるような活動をしていってほしいと思います。まだ始まったばかりですから、今後の活躍にご期待ください」

 

───最後に、この番組をご覧になっている視聴者、そして現役のスクールアイドルの方々にひと言を。

 

「視聴者の皆さん。スクールアイドルはこれからもさらに大きくなっていきます。その魅力に魅了された私のように、1人でも多くの方がスクールアイドルを知っていただくことを願っています。スクールアイドルが大きくなるには応援してくださる皆さんの力が不可欠です。よろしくお願い致します。

そしてスクールアイドル活動をしている皆さん。言えることはただひとつ。“自分たちにしか出せない輝き”を見つけ、そしてそれを輝かせてください。それが私の願いです。応援してます」

 

 

スクールアイドルについて語る社長の目は輝いていた。我々はその目を見て、スクールアイドルを支えるこの人こそがスクールアイドルの大ファンであると確信した。

そして最後に現在行われている『ラブライブ!』の予選のダイジェスト映像と、“THE LEGENDs”のデビュー曲をご覧になりながらお別れと致しましょう。

また次回の『突撃!隣の社会人』でお会いしましょう!

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

おれはテレビの前で絵里(えり)が淹れてくれたお茶をひと口飲んで、先日取材を受けた番組の映像を眺めていた。絵里?おれの隣で寝てるよ。きっと朝から家の掃除をしていたから疲れて寝てしまったんだろう。寝息をたてておれの肩に頭を乗せている。

絵里と結婚してどれくらいの時が経ったのだろう?式を挙げて、伊藤 晋三(いとう しんぞう)おじさんから結婚祝いとして貰った家に住み始めて……1年ぐらいは経ったかな?この家は絵里と2人で暮らすにはまだ大きく感じる。しかし絵里は掃除のし甲斐があると不満はこぼさない。勿論、おれにも不満はない。

しかしまぁ、結婚祝いに家なんておじさんも太っ腹だ。おじさんには一生頭が上がらない。

 

「ん……」

「起きたか?もう終わったよ」

 

絵里はまだ目が覚め切ってない様で、ボーっとしながら目をぱちぱちしておれの顔を見ていた。かわいい。

 

「……私、寝ちゃってたのね。ふわぁ~」

 

───あくび助かる。

 

「もう寝ようか。そろそろ0時(じゅうにじ)だし」

「そうね……うん……すぅ……」

 

また寝てしまった。仕方ない、連れて行こう。

絵里を担いで2階の寝室のベッドに寝かせて、おれもリビングや廊下の電気を消して寝室の扉を静かに閉めた。ベッドの頭の方に設置してあるランプの灯りが絵里の可愛い寝顔をほのかに照らしている。

 

「……おやすみ」

 

そんな絵里の寝顔を見つめていたいのはやまやまだが、おれも明日は予定があるため静かに呟いてから目を瞑った。ランプの灯りはいつも付けっぱなしだ。理由は勿論、絵里は暗いのが苦手だからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

───夢を見た。

青空の下、ただ風を感じ自然の音を聞きながら絵里と2人でのんびりと椅子に座っている夢。

時間も気にならないほど、その時が永遠に続くかのような時間が流れていた。

そして絵里がこちらを向き、おれのある言葉に反応して微笑んだ。

 

「えぇ、そうね」

 

優しい声でそうとだけ答えた絵里に、おれは何を聞いたのだろうか?全然思い出せない。

 

 

 

 

 

気づくとおれは目を開けて、カーテンから漏れる日差しに照らされていた。

 

「おはよう」

「ん、あぁ……おはよう」

 

横から聞こえてきた絵里の声に眠気をまだ含んだ声で返答する。

 

───今日もまた、1日が始まった。

 

 

 

 

 

 

──────次回へ続く。

 





読んでくださりありがとうございました。
今回はドキュメンタリーっぽく始めさせて頂きました。

さて、これから新たな男の、ナオキくんの物語が幕を開けます。
更新頻度はおそらく遅めになるとは思いますが、完結まで応援してくださるとうれしいです!

感想、評価、Twitterのフォローなどお待ちしております!
それではまた次回!
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