ウチの駄メイドをよろしく   作:倉崎あるちゅ

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 書いてしまったホロライブ二次。
 ホロライブメンバーオンリーの作品を書こうと思ってたんですが、それだとホロぐらと変わらなくなるのでオリジナル主人公を加えました。
 主人公が男か女か、それは読者の皆さん次第です。どう解釈してもらっても構いません。

 特殊タグでコメント欄を再現しようとしたんですが、現状、私の実力だとこれが限界です。御容赦を。




いちわ

 

 仕事を終えて家に帰りついた私を出迎えたのは、悲鳴に似た叫び声だった。

 

 

『ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』

 

 

 疲弊しきった私にとってその叫び声は頭に響き、苛立ちを募らせる。

 私はズカズカと自宅を歩き、ひとつの部屋の前へたどり着いた。部屋の前に来ると先程の叫び声よりはマシだが悲鳴が聴こえてくる。

 

『興味ないね! 興味ないね!』

 

 先程とは一変した楽しそうな声。すると突然、

 

 

『ねぇぇぇぇぇ!!!!! それナシって言ったじゃんかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』

 

 

 近所迷惑になりかねないその叫び声に、私はキレた。

 部屋のドアを蹴り開け、青筋を立てて部屋の主を睨みつける。

 

「こんの、駄メイド!! 近所迷惑になるって何度言えばわかるんだァ!?」

 

 私がキレながらそう言うと、部屋の主はビクッ! と震えてひっ、と小さな悲鳴を上げた。

 

「ご、ご主人!? ご、ごごご、ごめ、ごめんない!!!! すみませんでした! すんませんした!!!」

「ようようあくあちゃんよー、私何回同じこと言ったっけー?」

「え、えーと……何回だっけ……?」

 

 可愛らしいメイド服を着た、ピンク髪に水色のインナーカラーを入れたツインテ美少女が冷や汗をダラダラと垂らしながら目を左右に動かす。

 彼女の複数のモニターにはリスナーからのコメントが流れていた。

 

 

 怒られてて草

 これで何回目だったっけ

 10回を超えてから数えてない

 何度も怒られてて学習しないあくたん可愛い

 

 

 

「おい、目を合わせろよコミュ障メイド」

「ぃ、いやっ……そ、そのご主人怒ってるしぃ……」

 

 そりゃ怒るに決まっている。何度もこの駄メイドには注意をしてきた。わかるか、ご近所さんのあの冷たい眼差しの辛さを。わかるわけないもんね、だって引きこもりだもんねこの子。

 

「次やったら今度こそ追い出すよ、あくあ?」

「は、はははい、すみません……」

 

 

 そう言って追い出さないご主人定期

 さすがご主人、そこに痺れる憧れるゥ!

 

 

 

 まったく、と息をついて私は駄メイド──湊あくあの部屋から出ていく。

 それとコメント欄。私に憧れないで欲しい。私はただの会社員だ。

 そう思いながらリビングに入り、スーツの上着をソファに無造作に放る。冷蔵庫を開けて今日の晩御飯の食材を取り出す。おそらく、あの駄メイドはまだご飯を食べていないだろう。メイドのくせに料理をしても見るも無惨な姿になる。

 白米だけは無洗米で炊け、と昼間のうちに連絡していたので炊かれている。今日の晩御飯はチャーハンとスープ、サラダでいいだろう。

 しばらく経ち、スープとサラダを作り終えた頃にあくあがリビングに入ってきた。

 

「ご主じーん? わたし手伝うことある?」

「今日は簡単なメニューにするから大丈夫。というより、配信は?」

「この時間には終わるって言ってたから大丈夫だよー」

 

 熱々の白米と卵、ネギと自作チャーシューの細切れをフライパンで炒め終え、暇を持て余したあくあに皿によそうように言って、私はソファの上に放っておいた上着を持って自室に引っ込んだ。

 

「あくあも料理できるように教えようかな……。流石に帰ってきてすぐ料理はキツい」

 

 もう私のライフはゼロよ……。

 部屋着に着替え終えてリビングに戻ると、食卓には皿によそわれたチャーハンとスープ、サラダが並べられていた。

 

「ありがとう、あくあ」

「ま、まぁ、あてぃし料理できないしこれくらいは……」

「もっとメイド(ちから)あげて」

「ッスー……そ、そうっすね」

「目を逸らすなコラ」

 

 あくあが配信を始めてからこの家に住まわせているが、この会話は何回くらいしたのだろうか。もう覚えていないくらいしている気がする。

 

「んー! やっぱりご主人の作る料理は美味しいね! あ、ご主人、おかわりある?」

「また太るよ?」

「うっ……!」

「今度もダンベルや腹筋をするんだろうね」

 

 私がそう言うと、あくあがッスー、と息を吸った。

 水着姿でダンベルや腹筋をするあくあや他のメンバー達を見るのは面白かった。

 あの時の辛さを思い出した彼女は冷や汗を垂らして、おかわりはいいやー、と頬を引き攣らせる。

 その後、フライパンに残ったチャーハンは皿によそってラップをして冷蔵庫に突っ込んだ。スープはカロリーを抑えたので二人で飲み干し、サラダは無理矢理あくあの口に放り込んだ。

 今はあくあがお風呂に入っており、私はテレビを見ながらソーシャルゲームに勤しんでいた。

 すると、スマホの画面が切り替わり、見慣れた名前の人物から電話が来た。

 

「もしもし」

『あ、もしもし。白上ですー! すみません、突然電話しちゃったりして』

「大丈夫ですよフブキさん。どうしました? もしかして、またウチの駄メイドがなにか」

『いえいえ! この後、あくあちゃんとコラボ配信するのであくあちゃん何やってるかなーと』

 

 相変わらずの綺麗な声が私の鼓膜を叩く。

 いつも絶叫を聴いているせいか、フブキさんのお声に癒される。

 

「今はお風呂に入っていますよ。もうそろそろ上がると思うので、駄メイドに伝えておきます」

『あはは……それではお願いしますねー! ご主人さんも、よかったら見てくださいね』

「ええ、楽しみにしてます」

 

 電話をしている最中にあくあがリビングに帰ってきて、長い髪をバスタオルで乾かしている姿を見ながら私は笑みを浮かべる。

 

 

 ──そして、私はコラボする相手にはいつもこう言うのだ。

 

 

「ウチの駄メイドをよろしく」

 

 

 

 

 





 日常、それに加えて一話目なので文章量は少なめ。
 もっと読みたいなと声がありましたら文章量増やします。
 
 主にホロライブメンバーの動画の内容やホロぐらの内容を少し触れて話を膨らませる、というのがこの作品なので、この話触れて欲しい、とかありましたら言ってください。活動報告にそれ用の場所を設けます。


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