ウチの駄メイドをよろしく   作:倉崎あるちゅ

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 お待たせしました、三話目です。

 順調にお気に入り登録が増えてて嬉しいです。ありがとうございます。


さんわ

 

 

「あぁぁぁぁぁぁ……フブキさんのASMRがええんじゃあぁぁぁ」

 

 私の休日の過ごし方はホロライブメンバーのASMRを聴きながらマッサージチェアでゆっくりすること。

 今日は狐娘、白上フブキさんのASMRを聴いている。笑い声や拍手、些細な物音が気持ちよくて私はついついそんな声を出してしまう。

 

「終わってしまった。次は誰のASMRを聴こうか」

「わたしのは!!!!!!!!!!!」

「えーと、スバルさんのはド○ルド○ッ○になるから除外して……うん、ASMRと言えばこの人! ちょこ先生!!」

「ご主人!!!!!! わたしのは!!!!!!!!!!!」

 

 なんか聞こえるけど無視無視。私はちょこ先生のASMRを聴くので精一杯だ。

 うん、流石ちょこ先生。最高のASMRだ!!!!

 

「ねぇ、ご〜しゅ〜じ〜ん〜!!」

 

 癒されていると痺れを切らしたのか、あくあがガクガクと私の肩を揺らして、その可愛らしい顔を近づかせてきた。

 私はヘッドホンを乱暴に取ってマッサージチェアから立ち上がる。

 

「あぁもう!! なんだこの駄メイド!!」

「わたしの動画も見てよ!!!!」

「お前のはASMRないだろ!!!!!!」

「歌枠あるもん!!」

 

 ええい、この駄メイドめ。人がせっかく癒されているというのに。

 あくあは眉を八の字に顰め、不満そうに見つめてくる。

 

「はぁ……あのね、あくあ。ちゃんと歌枠は別の用途で聴いてるから。主に電車の時とか」

「むぅ」

「なにそのほっぺ」

 

 軽く頬を膨らませながら、あたし怒ってますアピールをしているのは可愛らしいが、私は癒されているのを邪魔されたんだが。怒りたいのはこっちだ。

 こうなれば彼女は意地を張り続ける。こちらが折れなければならないだろう。

 はぁ、とため息をつき、スマホで再生していた動画を止める。

 

「で、なにしたらいいの?」

 

 そう言うと、あくあの顔がぱぁと輝いた。

 

「マ○カーしようよご主人! 夜みんなと一緒にやるからその練習!」

「ああ、そういえばまつりさんが言ってたね。そうか、今日だったか」

「そう! だから一緒にやろうよっ!」

 

 仕方ないのでいいよと言って、彼女は上機嫌に自分の部屋へ向かっていった。部屋に置いてあるハードを取りに行ったのだろう。

 本当は、まつりさんに私も配信に出てくれと言われたのだが、配信者でもない私が出るわけにもいかない。未来永劫、私自身が配信しない限り出るつもりはない。

 そのことはあくあも理解しているので出てとは言わないので気が楽だ。わがままを言ってもこうしてゲームの練習に付き合うくらいだ。

 

「さぁご主人! 本気で来てね!」

「いいよ。泣いても知らないから」

「あてぃし、強いよ?」

 

 あくあはドヤ顔をしながら胸を張った。

 知ってる。内緒で参加型に私も参加したことあるし。その時は執拗に赤甲羅や緑甲羅、刺甲羅を叩きつけたけど。

 CPUも混ぜて二人でゲームを開始。スタート時は接戦だったのだが、次第に()()()()()使()()()で差が大きく開いた。

 

 

「ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!! ご主人それやめてってばぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 可愛い声とはかけ離れた絶叫がリビングに響き渡る。

 

 

「ごぉぉしゅじぃぃぃんんんんんん!!!!! やめてよぉぉぉぉ!!!!!」

 

 

 一位はあくあ。そして現在六位の私。

 わざと下位に行き、刺甲羅や三つの赤甲羅を出してからテクニックを使ってあくあの後ろに着き、それを投擲。その行動を繰り返して最後には私が一位をもぎ取る。

 何度も何度もやられ、あくあは既に半泣きでコントローラーを握っている。投げ出さないあたり彼女らしい。

 

「ほら、涙拭いて。次はあくあの好きなコースでいいから」

「次こそ、絶対ご主人に勝ってやる!!」

「はいはい」

 

 次はあくあの得意なコース。ここは、たまに猛者が来る配信でもあくあが一位になれるコースだ。正直な話、このコースは私が苦手とするものだったりする。

 スタート時は接戦。これは先程と変わらない。しかし、苦手のコースだけあって、私は渋い顔をしながらキャラクターを走らせている。

 対して、隣のあくあは余裕の笑みを浮かべていた。

 

「ふふん、ご主人! この勝負、あてぃしの勝ちだね!!」

 

 悔しい。この駄メイドに負けるのが心底悔しい。

 周りがCPUなので周りに賭けることもできず、あくあは独走状態。刺甲羅を投げてもほんの少ししか距離は縮まなかった。

 

「ぐやじぃ……」

「ヘヘッ、えへへへ、出直してきな! ご主人!」

「覚えてろこの駄メイド……!」

 

 勝ったことがそんなに嬉しいか。嬉しいだろうな!! 満面の笑みを浮かべやがって。

 あくあに負けたことが凄い悔し過ぎる。隠れて訓練でもしよう。

 コントローラーをテーブルの上に置いて伸びをする。パキパキと音が鳴り、結構な時間ゲームをしていたのだと自覚する。時計を見ればもう夕方だ。

 そう思っていると、くぅぅ、と可愛らしい音が鳴った。

 私ではない。そうなれば必然的にあくあになる。その発生源はほんのりと頬を赤らめてあはは、と笑う。

 

「晩御飯の準備、しようか。手伝ってくれる、あくあ?」

「はーい! 今日は何作るの、ご主人?」

「んー、昨日買ったお刺身もあるし、酢飯を作ってお寿司作る?」

「おぉー、いいね! わたしお寿司食べたい!! 」

 

 まったく、子供みたいにはしゃいで……。

 あくあのはしゃぎように私は思わず苦笑をする。嫌ではないが、もう少し大人しくして欲しい。

 まぁ、精神年齢五歳に何言っても無駄か。

 

「あくあ、刺身用のマグロ切ってみる?」

「え、できるかな」

「大丈夫。ほら、見本見せてあげるから」

 

 こうして少しでも覚えさせていかないと、私が死ぬ。Aちゃんほどではないけど過労で倒れるかもしれない。

 明日も私は休みだ。ちょこ先生やフブキさんを招いて料理をあくあに教えるのもありか……。ちょこ先生とフブキさんが暇だといいんだが。

 

「いっ! ご主じぃん、指切っちゃった……」

「あぁ……ちゃんと注意しないと。手洗ってて。絆創膏持ってくるから」

「はぁい」

 

 ……次は包丁をなるべく使わない料理を覚えさせよう。火傷とかもさせないようにしなきゃ。

 あくあに料理を覚えさせるのは、少し骨が折れそうだ。

 

 

 

 




 次回は、あくあが料理します。料理と言っていいのかわかりませんが。
 犠牲者は誰かな。

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