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永遠:楽郎くん、今晩は何時ぐらいになりそうかな?
楽郎:残業とかもないから、定時に上がれると思う
永遠:分かったよ、それに合わせて夕食も用意しとくね
楽郎:助かる、寄り道はしないわ
永遠:待ってる
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天音永遠が結婚するということは、少なからず衝撃があった。
その相手が誰なのかネットでも度々語られたと、楽郎は妹の瑠美に幾度も聞いた。
『でも、お兄ちゃんがトワ様と結婚………なんか変な感じ』
憧れの人が親族になるというのは、どうにも現実味が薄いらしい。
それでもウェディングドレス姿の天音永遠の姿は、瑠美の知る限りでも頂点に位置するほどの美貌に見えたし、その美貌の傍らに立つ兄の姿も誇らしく思えたものだ。
『お兄ちゃん、トワ様を泣かせちゃいけないからね?』
『はぁ?無理に決まってんだろ、あいつだって人間なんだ。嬉しくて泣く、悲しくて泣く、ワサビ食って泣く、涙を流すのは当たり前なんだよ。永遠の感情表現を抑圧するなんてしたくないしな』
『………その屁理屈、お兄ちゃんはお兄ちゃんだね…!』
『うっさい』
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天音永遠にとって、モデルというのは天職だと自負していた。
結婚したら、それを辞める必要があるのかもと思ったりもした。
だが、楽郎は辞める辞めないの選択に口を挟むことはしなかった。
結婚するとはいえ、相手の自由を奪う権利は自分にない。
俺がお前にゲームを辞めろと言われたら、それを強要されることがあったら、離縁を考えるレベルの重大事だからな。
不慣れな家事にも慣れ行く日々。
結婚してからも、モデルの仕事は程々にこなして。
楽郎という夫との生活は、永遠にとって幸福なものだと断言出来た。
そして、だからこそ不安というものは生まれるもので。
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永遠:ねえ、楽郎くん
永遠:楽郎くんはどうして私を選んでくれたの?
永遠:モモちゃんやレイちゃん、紅音ちゃんもいたし
永遠:それに、プロゲーマーになる道も選ばなかったでしょ?
永遠:もし私と結婚したせいで、夢を諦めたんだったらと思って
楽郎:馬鹿じゃねーの
永遠:馬鹿って何さ!
楽郎:俺は自分の為にゲームをやるんだ、自分が楽しむ為に
楽郎:ゲームを仕事にして、自分がしたいゲームを好きに楽しめなくなるなんて本末転倒だろうがよ
楽郎:後、永遠を選んだ理由?それこそ簡単だろ
楽郎:俺と一番近いのが永遠だからだよ
永遠:え
楽郎:説明は………まぁ、直接でいいだろ?帰ったらたっぷり説教するからな。そろそろ仕事に戻るわ
永遠:……うん、待ってるね
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陽務永遠は、陽務楽郎を愛している。
奔放で、自由で、真っ直ぐで、強くて、弱くて。
自分の歪みを受け止めてくれる、数少ない理解者。
天音永遠を、『カリスマモデル・天音永遠』ではなく『天音永遠』として触れてくれる大切な人。
愛だの恋だのと思う前に、好きだという気持ちが溢れていた。
陽務楽郎は、陽務永遠を愛している。
軽妙で、奔放で、自由で、洒脱なところもあり、歪んでいて。
自分のことを受け止めてくれる、数少ない対等な目線を持つもの。
陽務楽郎を、『ゲーマー・サンラク』ではなく、『陽務楽郎』『サンラク』の両面で受け入れてくれる人。
愛だの恋だのを抜きに、長く付き合っていられる相手だと理解していたし、そういうものだと受け入れていた。
夫婦になって、互いの欠点をそれぞれが少しずつ知り。
同じ時を過ごすようになって、互いに心から信頼しあえるようになった。
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『ね、楽郎くん?』
『ん?』
『もっといっぱい話したいな』
『よっぽどじゃなきゃこの先何十年も連れ合うんだろうが、話なんて幾らでも出来るってのよ』
『……毎日、好きって言ってくれる?』
『飽きないかソレ』
『飽きないよ!』
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楽郎と永遠は互いに歪んでいるからこそ、その歪み同士を補いあえる夫婦になれる気もする