斎賀百は若干チョロインの気が強い   作:社畜怪人

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割と甘め


Ifルート:天音永遠の新婚生活

◆ ◆ ◆

永遠:楽郎くん、今晩は何時ぐらいになりそうかな?

 

楽郎:残業とかもないから、定時に上がれると思う

 

永遠:分かったよ、それに合わせて夕食も用意しとくね

 

楽郎:助かる、寄り道はしないわ

 

永遠:待ってる

 

◆ ◆ ◆

 

天音永遠が結婚するということは、少なからず衝撃があった。

その相手が誰なのかネットでも度々語られたと、楽郎は妹の瑠美に幾度も聞いた。

 

『でも、お兄ちゃんがトワ様と結婚………なんか変な感じ』

 

憧れの人が親族になるというのは、どうにも現実味が薄いらしい。

それでもウェディングドレス姿の天音永遠の姿は、瑠美の知る限りでも頂点に位置するほどの美貌に見えたし、その美貌の傍らに立つ兄の姿も誇らしく思えたものだ。

 

『お兄ちゃん、トワ様を泣かせちゃいけないからね?』

 

『はぁ?無理に決まってんだろ、あいつだって人間なんだ。嬉しくて泣く、悲しくて泣く、ワサビ食って泣く、涙を流すのは当たり前なんだよ。永遠の感情表現を抑圧するなんてしたくないしな』

 

『………その屁理屈、お兄ちゃんはお兄ちゃんだね…!』

 

『うっさい』

 

◆ ◆ ◆

 

天音永遠にとって、モデルというのは天職だと自負していた。

結婚したら、それを辞める必要があるのかもと思ったりもした。

だが、楽郎は辞める辞めないの選択に口を挟むことはしなかった。

 

結婚するとはいえ、相手の自由を奪う権利は自分にない。

俺がお前にゲームを辞めろと言われたら、それを強要されることがあったら、離縁を考えるレベルの重大事だからな。

 

不慣れな家事にも慣れ行く日々。

結婚してからも、モデルの仕事は程々にこなして。

楽郎という夫との生活は、永遠にとって幸福なものだと断言出来た。

そして、だからこそ不安というものは生まれるもので。

 

◆ ◆ ◆

永遠:ねえ、楽郎くん

 

永遠:楽郎くんはどうして私を選んでくれたの?

 

永遠:モモちゃんやレイちゃん、紅音ちゃんもいたし

 

永遠:それに、プロゲーマーになる道も選ばなかったでしょ?

 

永遠:もし私と結婚したせいで、夢を諦めたんだったらと思って

 

楽郎:馬鹿じゃねーの

 

永遠:馬鹿って何さ!

 

楽郎:俺は自分の為にゲームをやるんだ、自分が楽しむ為に

 

楽郎:ゲームを仕事にして、自分がしたいゲームを好きに楽しめなくなるなんて本末転倒だろうがよ

 

楽郎:後、永遠を選んだ理由?それこそ簡単だろ

 

楽郎:俺と一番近いのが永遠だからだよ

 

永遠:え

 

楽郎:説明は………まぁ、直接でいいだろ?帰ったらたっぷり説教するからな。そろそろ仕事に戻るわ

 

永遠:……うん、待ってるね

 

◆ ◆ ◆

陽務永遠は、陽務楽郎を愛している。

 

奔放で、自由で、真っ直ぐで、強くて、弱くて。

自分の歪みを受け止めてくれる、数少ない理解者。

天音永遠を、『カリスマモデル・天音永遠』ではなく『天音永遠』として触れてくれる大切な人。

愛だの恋だのと思う前に、好きだという気持ちが溢れていた。

 

陽務楽郎は、陽務永遠を愛している。

 

軽妙で、奔放で、自由で、洒脱なところもあり、歪んでいて。

自分のことを受け止めてくれる、数少ない対等な目線を持つもの。

陽務楽郎を、『ゲーマー・サンラク』ではなく、『陽務楽郎』『サンラク』の両面で受け入れてくれる人。

愛だの恋だのを抜きに、長く付き合っていられる相手だと理解していたし、そういうものだと受け入れていた。

 

夫婦になって、互いの欠点をそれぞれが少しずつ知り。

同じ時を過ごすようになって、互いに心から信頼しあえるようになった。

 

◆ ◆ ◆

『ね、楽郎くん?』

 

『ん?』

 

『もっといっぱい話したいな』

 

『よっぽどじゃなきゃこの先何十年も連れ合うんだろうが、話なんて幾らでも出来るってのよ』

 

『……毎日、好きって言ってくれる?』

 

『飽きないかソレ』

 

『飽きないよ!』

 

◆ ◆ ◆




楽郎と永遠は互いに歪んでいるからこそ、その歪み同士を補いあえる夫婦になれる気もする
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