プロローグ 気がつくと連邦軍人になっていました。
「またジオン物の外伝か…最近多いんだよなぁ。」
そんな愚痴を零しながら俺は手に取った漫画を元の場所へ戻す、まぁジオンもジオンでロマンがあったり熱い展開があったりと気に入らないと言う訳では無いのだが問題は相手方である連邦軍の扱いだ。
やたら非人道的だったり、正規の軍人なのにヒャッハー系だったり、普通にやられ役だったりと、とにかくモブの見せ場がないか扱いがすこぶる悪い。
それに比べてジオン兵側はやたら美化されているなと普段から感じていたからか最近はジオン系の外伝に食傷気味となっていたのだ。
「はぁ…連邦無双って訳じゃないけどアースノイド万歳!的な過激な作品とかあっても良いんじゃないか?」
家に帰り着き、そんなことを思いながら理想の連邦の展開って何だろうなとベッドで横になりながら妄想を膨らませてみる。
一年戦争完全勝利?史実ではア・バオア・クー戦でのレビル将軍の戦死と連邦艦隊の大半が消失、そしてギレンとキシリアの死によってサイド3との終戦条約が締結された。
だが残存勢力がデラーズフリートやアクシズとなりその後の歴史でもジオンの亡霊として登場してしまう、だからもしもソーラレイで連邦艦隊が消失せずに生き残って余力を残した状態で完全に打ちのめす事が出来ればその後は残党狩り程度で終わり宇宙圏にそれなりの平和が訪れるんじゃないだろうか?
「うーん…それだと連邦軍内の腐敗とかが結果的に早まりまくって良い流れになる気はしないか。」
無い頭で考えた所で面白い展開にはなりそうもないな、と思いながら意識は微睡みの中へ落ちていった。
ーーー ーーー
「いや、どこだよ此処……?」
その後、目が覚めた俺が見たものは簡素なベッドと机が数台ずつ置かれた宿舎のような部屋、と言うか完全に宿舎だった。
「どうかしたかジェシー少尉?ジャブローのベッドは君には固かったかな?」
俺に向かって話しかけてきたガタイの良い男性を見て俺は驚いた、なんでってこの人の着てる服アニメやゲームでよく見る連邦軍の制服そのまんまなのだ。
「え…?えぇ…!?」
混乱しながらこれは夢じゃ無いだろうかと頬をつねってみる、うん。これが夢なら夢にしてはかなり痛みのある夢だなぁと感心するがどう考えても現実だ!
と一人でコントみたいな事をしていると頭の中にドッと記憶が流れこんできた。
どうやら俺は誰かに憑依しているらしく、流れ込んできた記憶はその誰かのものみたいだ。
「いや、本当にどうした少尉?頭でも打ったか?」
「い…!いえ!大丈夫であります!」
上官っぽい男性に取り敢えず返答をする、その間今の自分の状況を纏めてみた。
憑依している男性の名前はジェシー・アンダーセンという青年で年齢は19歳、階級は少尉のようだ。
親が連邦軍の元提督で「不沈のアンダーセン」という異名で通っていたらしく、士官学校へはそのコネで入ったようなものらしいのだが成績はそれなりに優秀だったようで卒業後辺境の基地で1年勤務後に少尉となったようだ。
なんでジャブローにいるかだが、部屋にあるカレンダーを見るに現在の日付は0079年の3月30日、一年戦争開始から数ヶ月経っていて流れ込んだ記憶では北米のキャリフォルニアベースが占拠され新たな部隊編成の為に元々いた基地から招集されたらしい。
「キャリフォルニアベース陥落後のゴタゴタで部隊再編も遅れているからと言って気が抜けてはいないだろうな?」
「ハッ!大丈夫であります!」
軍も軍で後手後手の対応となっているみたいでジャブローに来てから1週間近く経っているようだが未だに部隊には編成されず暇を持て余していたようだ、この上官も同じようで暇なようだが正規軍人としての誇りでもあるのかやたらキリッとしている。
「近頃レビル将軍の周りがバタバタしている、反攻作戦の為の準備もそろそろ整うだろうな。そうなれば我々の出番もそう遅くはないだろう」
「レビル将軍が…?そう言えばもうすぐV作戦が発令されるんだったか?」
「V作戦?」
「あぁいや…!なんでもないです…」
確かV作戦の始動は4月の始め辺りだったか?原作知識とはいえこっちでは軍事機密だ、迂闊にペラペラ喋ってたらスパイとかと間違われて処刑されかねないなこれ。
だけどこれは俺にとっても好機なのかもしれない、夢にまで見ていたガンダム 世界に入って尚且つ一年戦争真っ最中ときた。
無双とまでは行けないだろうが世界を少しでも変える事ができたら…そう思いながらこの先の自分の立ち位置を俺は考えることになった。
プロローグです、ジェシー君に憑依した彼は原作は好きですが原作改変とかには割と乗り気の困ったちゃんなのでストーリーが原作とはかなり逸れて行くことになります。
それでも一向に構わん!と言ってくださる方がいらっしゃいましたらご愛読頂けると嬉しいです。
なお原作改変する展開上オリキャラ成分も多めとなりますのでよろしくお願いします。