機動戦士ガンダム 紺碧の空へ   作:黄昏仮面

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第12話 鳶色の目の男

 

 サイド8、1バンチコロニー『アルカディア』

 ネオ・ジオン共和国首都、政庁の政務室でキャスバルは大きく息を吐いた。

 

「問題は山積みだなガルマ。」

 

 同じ共同代表であるガルマ・エッシェンバッハに語りかける、ガルマの方は呆れよりも怒りの方を多く含んだ表情をしていた。

 

「我々が穏便に解決の方向へ持っていこうと努力をしているのに、あの男!バスク・オムと言う奴はなんなんだ!テロを理由に我々へ圧力を掛けようとしているのが見え見えだぞ!」

 

 事の経緯は数日前に遡る、サイド8宙域で貨物船を装って侵入しMSを使いテロ行動を起こした旧ジオン公国残党がいた。

 それ自体は何て事はない、少数の機体と計画性のないテロ行為で即座に鎮圧されるレベルのものであったのだが、問題はそれに対応した連邦軍であった。

 

 そもそもこの宙域はネオ・ジオン共和国の領域であり、幾ら連邦軍と言えど許可もなく活動は許されていない。テロリスト自体も自分達で対応可能な小規模なものであった。

 しかしこのテロリストに対応したのは付近をパトロール中であった宇宙軍のバスク・オム大佐の部隊であった。

 彼らはあろうことか無許可で宙域に侵入してテロリストを拿捕することなく容赦なく殲滅した。その際宙域にいた他の真っ当な民間船にも被害を与え少なくない死傷者が出ている。

 

 この行動に我々は遺憾の意を示したが、彼は「ネオ・ジオン内部にも協力者がいたのではないのか。だからこそテロリストが現れたのだ。」と我々に対して煽るように言ってきたのだ。

 これには私もガルマも苛立ちを隠せず、メディアを通して連邦軍の横暴さを批判したのであった。

 

「奴は一年前のデラーズ紛争の時も我々の行動を批判していたからな。アンダーセンと示し合わせたソーラ・レイの移送計画も紛争後に色々と理由をつけて制裁を加えようとしていた。」

 

 彼の上官にあたるジャミトフ・ハイマン、当時の准将には話を通していたにも関わらずだ。結局上層部からは制裁は却下されたのだがその恨みもあるのかもしれない。

 あの戦いでも彼はスペースノイドに対する反感を隠しておらず、協力関係であった我々にすら悪態を吐いていた。

 連邦内部の反スペースノイド者は多いが奴は特にその感情が強いのが分かる。

 

「あの様な無法者を跋扈させていては連邦政府の信用が再び底に着くのは目に見えているぞキャスバル……!ただでさえ姉さ……キシリア・ザビによるアクシズの活動で連邦軍内からの離反者が増えていると言うのに!」

 

「落ち着けガルマ。それが分からん軍上層部でもあるまい。」

 

「分かっているのなら、友好的なスペースノイドを煽るような真似はしないだろう!?」

 

「どう動かしても離反者は止まらない、だからこそバスクの行動を許しているんだガルマ。」

 

 制するようにそう言う。

 バスクの行動を軍が押さえつければ間違いなく奴は叛乱を企てるタイプだ。それも軍内のアースノイド派を引き連れて。

 キシリアと内通し、オデッサでマ・クベと共にレビルを謀殺したエルラン中将。彼がどれだけの影響力を持っているのか予測はつかないが、彼に通じて軍を離反する部隊が一定数いるのが現実だ。

 そこにはキシリアによる何かしらの条件があるのは間違いない、金銭的なやり取りか、或いは連邦を打倒した後での地位の約束か、何れにせよ軍内に存在する野心を持った者を積極的に裏切りさせるように動いている。

 

 だが納得出来ないのは幾らキシリアの影響力や元連邦将校であるエルランの力があるとは言え、勢力的には少数勢力であるアクシズの諫言を何故そこまで簡単に受け入れる者が多いかだ。

 反地球連邦の機運は今や独立戦争の頃のように強く持つ者が増えてはいるがそれ以外にも何かがある、だがそれが何かすら見えないのは恐ろしいものがある。

 

「エルデヴァッサー准将やアンダーセン少佐のような者が増えれば世界は変わると言うのに……これでは独立戦争前と何も変わらない、変えなければならないと言うのに……!」

 

「落ち着くんだガルマ、ここで我々が感情に身を委ねてしまえばそれこそバスクの思う壺なのだからな。軍事行動ではなく、政治活動で我々は未来を生きる者達に道を示さなければならない。そうだろ?」

 

 少なくても今の自分がそう思えるようになったのはガルマが切っ掛けなのだ。

 ザビ家の御曹司として名ばかりの男と馬鹿にした男がひたすらに真っ直ぐ前を見つめ努力したからこそ、シャア・アズナブルという名前を捨て再びキャスバルへと戻ったのだ。

 そしてエルデヴァッサーやアンダーセン、未来のニュータイプ達に理解を示す者。アムロのような優れたニュータイプ、彼らと共に連邦を変えていければという希望があるからこそ、ダイクンの子という本来の私には似つかわしくない道化を演じる事が出来るのだ。

 父の名は私には重たすぎる、その名から逃げたくなる時もあるが、支えてくれる者達がいるからこそ私は立っていられる。

 

「ふぅ……、すまないなキャスバル。だがどうしても怒りが収まらないものだな、より良い未来に変えられる道はあるのに、それを敢えて踏み躙ろうとする者がいると言うのは本当に腹立たしい。」

 

「父ジオンとて同じ道を歩んできたのだ。我々が二の足を踏んでいたは先達から笑われてしまう……ん?通信か?」

 

 代表室直通のホットラインからだ。非常時くらいしか本来機能しないのだが……。少し息を呑み通信を取る。

 

「私だ。」

 

「緊急時ホットラインから申し訳ありません、リング・ア・ベル隊のアルヴィン・ジュネット大尉でありますキャスバル代表。」

 

 かつて幾度も顔を合わせた事のある男だ。慎重を期すタイプの信頼の出来る人物であるが、その彼が此処に通信をするという事は余程の事があったのかと疑ってしまう。

 

「構わない、貴官が此方に直接連絡すると言うことは非常時だという事だろう?」

 

「ハッ……、本来であればアンナ隊長にお伺いしてから連絡したかったのですが、あの方は現在アンダーセン少佐と共に極秘任務の最中でありまして。私の独断で連絡しております。」

 

 極秘任務……。あの二人が同時に駆り出されてたとなれば連邦内でも余程重要な任務なのだろう。だがまずは……。

 

「本題を聞こう。我々も今はあまり時間が割けなくてな。」

 

「その件も存じております。……こちらを確認してください。」

 

 送られて来たのは何かの映像だ、これは……戦闘の映像か。

 リング・ア・ベル隊とペガサス級アルビオンのガンダム部隊、通称ガンダムチームと呼ばれている機体達が残党軍と思わしきMSと戦っている。

 

「何かおかしな所があるのか?」

 

「この少し先です。」

 

 ガンダムチームが残党勢力の旧型を仕留め終えようとした直前、ビーム光が彼らを狙い幾つか飛ぶ、彼らは難なく回避するが……ビーム光ということはゲルググタイプでもいるのか、そう思っていると……。

 

「……!?これは……!」

 

 ガルマが声を上げる。

 見間違えようがない、独特なフォルム、そしてその機体特有の顔の作り……これは……!

 

「ガンダム……!?」

 

「その通りです。我々は主任務であるジオン軍残党勢力の鎮圧中、かの()()()と遭遇し手痛い被害を受けました。」

 

 その言葉に疑問を浮かべたガルマが間に入る。

 

「待て、ジュネット大尉。今なんと言った?()()()だと……!?」

 

「言葉通りですガルマ代表。この機体は複数存在しています。」

 

「……。」

 

 その後の戦闘の光景を見ながら考える、リング・ア・ベル隊のガンダムもアルビオン隊のガンダムもそうだが、この機体達は次世代量産機の雛形となるべく開発された言うなれば世代の先駆けとなる機体達だ。

 かつてアムロやカイが乗り、ネオ・ジオンでもこの政庁の前に鎮座している私が乗っていたガンダムより高性能な機体だ。

 それが苦戦する相手となると少なくとも現行機の中でも上位に位置する機体の筈だ。

 

「これが……複数機いると言うことは……。」

 

「はい、このMSを所有する勢力は一定水準以上の開発拠点とそのノウハウを持っている筈です。」

 

「まさか我々ネオ・ジオン共和国がそれに加担していると言うつもりかジュネット大尉!」

 

「落ち着けガルマ、それならわざわざ通信などしてこない。大尉、貴官はこのガンダムを我々に見せ何を問うつもりだ?単刀直入に聞かせてくれ。」

 

「ハッ、我々はこのガンダムの襲撃後現在その母艦を追跡中であったのですが……サイド8宙域で見失いました。その後で現在のサイド8の状況を確認し危うい状況であると思い緊急の報を入れるべきだと思ったのです」

 

「なるほどな……。」

 

 現在サイド8の宙域は先のテロ行為により首都周辺の防衛に回っている艦隊が多い。

 もしもこのガンダムを使用する者達がそれを分かっていたとすれば……。

 

「まさかバスク・オム大佐のあの行動はそのガンダムを引き込む為の……?」

 

「落ち着けガルマ、それは憶測に過ぎない。」

 

 可能性の一つでは確かにある、本命を忍ばせる為にわざと大したことのないテロ勢力を狩るためにあの行動を起こしたという可能性だ。

 だが単純にバスクが単細胞でそのような計画などなく行動を起こしたという可能性もある、そもそも両者が通じているかすら分からない。

 

「アルビオンのシナプス大佐は現在の連邦の軍閥政治を嫌っております。このガンダムを使用する残党勢力をネオ・ジオン批判の為に利用されてしまわないか警戒されて私に対応を頼んで来たのです。」

 

「そうか……。だが我々が敵に通じている可能性もある、その懸念も無いわけでは無いだろう?」

 

「アンナ隊長やアンダーセン少佐が信頼している方達です、疑う訳がありません。」

 

「……感謝する。」

 

 実際寝耳に水な存在だ。複数存在する量産機であろう機体が連邦軍の精鋭部隊であるガンダムチームから逃げおおせており、かつ現在我々の領域に入り込んで来ている。

 決して油断の出来る状況ではない。

 

「先ずはメディアを通してテロ対策の強化と不審な勢力が介入しようとしている可能性があることを発信しよう。そして連邦軍にはガンダムチームによる残党勢力掃討を依頼する。これならばバスクも大きく動けまい。」

 

「はい、我々もシナプス大佐を通して軍にそのように動くよう呼びかけます。」

 

「我々を信頼してくれて助かったジュネット大尉。この恩は忘れない。」

 

「未来をより良い方向にして行くためです。あのお二人もそうしていたでしょう。」

 

 彼らの期待を無碍にはできない、そのより良い未来の為に最善の行動を取らなければ。

 

「それではまたのご機会に。」

 

「あぁ、また。」

 

 通信が切れる。

 

「リング・ア・ベル隊……やはり彼らは信用に値するなキャスバル。」

 

「あぁ。下手に動けば彼らにも疑いの目が向けられる状況でありながら我々を信用してくれている。良き盟友に恵まれた。」

 

「関係各所には私から通達しておこう、キャスバルには民衆やメディアに広報を行ってもらう。」

 

「私で良いのか?」

 

「アクシズが関わっている可能性がある、下手にガルマ・『ザビ』が喋れば敵に隙を与えるかもしれないからな。キミに任せる。」

 

「民衆は君を信頼しているさガルマ。」

 

「民は良くても世界はそう思ってはくれないという事だキャスバル、今はキミの方が適任だろう。私はサポートに徹するよ。」

 

「分かった、頼む。」

 

 ガルマが出て行くのを確認して椅子に座る。

 デラーズ紛争の折にまだまだ地球圏は荒れると思ってはいたが想像以上に事態は悪い方向に向かおうとしている。

 だからこそ此処で歯止めを掛けなくてはならない。

 

 そう思っているとまたホットライン直通の通信音が鳴る。

 ……先程通信を終えたばかりのジュネット大尉ではあるまい、となると誰が。

 

「……私だ。」

 

『キャスバル様……。』

 

「その声……ランバ・ラルか!?」

 

 荒い音声だが間違いない、ランバ・ラルの声だ。

 彼は一年戦争以後表向きは政治、軍事からは引退しネオ・ジオン共和国との関わりも絶っていると世間からは認識されている。

 だが実際はそうやって表社会から姿を消して裏社会の中に身を潜め、かつてのラル隊を率いアングラな情報などを収集し、我々に提供する諜報活動に従事していた。

 

 表には出せない情報を受け取る事は度々有ったが、直接声を聞くのは数年ぶりだ。

 それだけの状況だと云うことを理解する。

 

『このランバ・ラル……抜かりました……。』

 

「どうした!?何があったと言うのだランバ・ラル!」

 

『──が……貴方の──……。』

 

 声が聞き取れない、通信状態の悪い場所にいるのか……或いは声を振り絞る事すら困難な状況なのか……。

 

「ランバ・ラル!今何処にいる……!?すぐに助けを向かわせる!」

 

『……いけません……!今は────ッ』

 

 銃撃の音が響いている、危機的な状況だと言うのを完全に理解した。

 

『我が忠誠はネオ・ジオン共和国と共にある……それをお忘れなき様……。』

 

「どうしたキャスバル!大声を上げるから何事かと……!この声はランバ・ラルか!?」

 

 慌てて入ってきたのは先程までここにいたガルマだ。私の唯ならぬ声を聞いて驚いたようだ。

 

『ガルマ様──、貴方の兄君と姉君は……──を……どうか……お気をつけを……!』

 

「兄上と姉上……!?どういう事だランバ・ラル!?」

 

『この陰謀は……恐らくは数年前から……!そしてその先を見据えた悪魔の計略であります……今ファイルを送信しますどうかお気をつ────!!!』

 

 言葉の途中で爆発と思われる音が響き渡り通信が途切れた。

 ランバ・ラルはもう……、そう思うしかない状況だ。

 今は彼に何が起きたのか、それを知らなければならない。

 

「ランバ・ラルはファイルを送ると言っていた……、せめて少しでも届いている事を祈るのみだ。」

 

 端末を使い、機密情報にアクセスする。彼が小分けにファイルを送信してくれていたら全てとは言わなくとも少しでも手掛かりになる情報が手に入るはずだ。

 

「あったぞキャスバル!これだ……!」

 

「たったの数ファイルのみとはな……、だが今は彼が何を手に入れたのかそれを少しでも知らなければな。」

 

 残されたファイルはテキストと画像データが数枚というあまりにも少ない情報だった。

 

「まずはテキストの方を見てみよう、……これは、活動報告か。」

 

 そこには彼がこの数年間何処に潜み何を得ていたのか、その活動内容であった。

 

「中東での活動……?彼は地球にいたのか。」

 

「そのようだな……。」

 

 だが中東方面は独立戦争時、然程重要な要衝でもなくオデッサ戦以降も早期に戦線維持を放棄された方面であった筈だ。彼はそこで何をしていたのだ?

 

「くっ……詳しい内容に関しては別途保管してあるファイルに詳細は載せてあると書いているな、せめてその資料さえあれば……。」

 

「待てガルマ、このワード……ニュータイプ教団だと……?」

 

 聞いたことのない名だ、教団と言うからには宗教施設なのだろうが……。ニュータイプという名を利用しているとなれば嫌な予感しかしない。

 

「……!詳しくは書かれていないがエギーユ・デラーズとも関わりがあったかもしれないだと……!?」

 

「……。」

 

 数年前のエギーユ・デラーズの蜂起、あの時残党勢力の多くが彼の作戦に参加していた。

 この教団もそうだったのか……?

 

「クソ!これは数年前までの活動内容が書かれているだけか……!この先の事は別のファイルに書かれているのだろうな……!」

 

 全てを読み終えたがこのファイルからではデラーズ・フリートの叛乱までのランバ・ラルの活動を大雑把に書かれているだけで別のファイルが無くては完全に照合が取れない物であった。

 

「だがランバ・ラルが一年戦争後中東に潜み、このニュータイプ教団という存在を探っていた……。デラーズ・フリートとも関わりが合ったかもしれない組織だ。」

 

 そしてあのガルマに発した言葉……、ギレンやキシリアが何かしらの形で関わっていた可能性もある。

 

「画像ファイルの方も見てみよう。これだけでは何も言えないからな。」

 

 残された最後のファイル、数枚の画像データだ。

 

「あぁ、見てみよう。──ッ、これは……!」

 

「どういう事だ……!?」

 

 まず一枚目、写っていたのは司祭のような服を着たギレン……いや、彼にしては若すぎる。過去の写真か?

 

「兄上に似てはいるが……!見てみろキャスバル、これはここ数年で撮られた写真だ。」

 

 データには撮影日が残されていた。

 0082年、二年前に撮られている。と言うことは……。

 

「この男はギレンではない……と言うことか?」

 

「ランバ・ラルを信用するのであればな、彼のことは疑いようがない。となるとこの男は兄上ではない……。」

 

「ガルマ、奴に隠し子は……?」

 

「いや、私が知っている限りでは公にもザビ家にも認知させている子はいない筈だ。それに……隠し子であればこの見た目から察すると産ませたのが青年期でもない限りは……。」

 

 ギレンの年齢から逆算すれば隠し子であれば彼がまだ成人に達する前に出来た子供になる。あり得なくはないが……。

 

「これだけでは何とも言えないな、別の画像も見てみよう……。────キャスバル……これは……。」

 

「ガルマ、これはランバ・ラルも言っていたが陰謀の類だ……。何故彼女がここに……。」

 

 もう一つの画像に写っていたのは……。

 ギレン・ザビの秘書、側近中の側近とも言える女性。()()()()()()()()()だ。

 公私ともにギレンに近かった彼女は独立戦争後にギレンと共に連邦に引き渡され、その後の詳細は不明であった筈だが、その彼女をランバ・ラルが撮影しているということは……。

 

「最後の一枚だ、これも見るぞガルマ。」

 

 嫌な汗が流れているのが分かる。

 ギレンに似た男、そしてセシリア・アイリーン。何かとてつもない陰謀な蠢いているのは確かなのだ。

 そして今ネオ・ジオンに訪れようとしている危機、これは恐らく偶然ではない。直感がそう告げている。

 

「あぁ、今開くぞ……。────有り得ない……!なんだ……これは……!?」

 

 そこに写っているのは。

 

 紛れもなく、自分と同じ顔だった。

 

「……どういう事だキャスバル……!?これはキミではない、そうだろう。」

 

「あぁ、私ではない……だがそうなると……これは一体誰なのだ……?」

 

 ギレンと似た男と写っている自分に似た存在、注視しているとガルマが何かに気付く。

 

「キャスバル……、これはキミではない。見てみろ。」

 

 画像を拡大させ顔に近づける、そこに写っているのは鳶色の目をした自分の顔だ。

 

「目の色が違う。キミの目は青色だ。となると顔を整形で似せた別人だと言うことだ──?──キャスバル?」

 

 

 鳶色の目、そして自分に良く似た顔。本当に整形で顔を似せた自分なのか……?

 いいや、私は知っている。その特徴をした人物の名を──。

 

()()()()()()()()……。」

 

 ギレンに似た男、セシリア・アイリーン、そしてこの男……、ニュータイプ教団という謎の存在、そして消息の途絶えたランバ・ラル。

 そしてサイド8での連邦軍の威圧的な軍事介入、紛れ込んだ謎のガンダム達。

 

「……国家非常事態宣言を出すぞガルマ、恐らくランバ・ラルのこと……今我々に起きている事と無関係ではない。」

 

「……っ。あぁ、分かった。備えなければならないな……。」

 

 何かが、途轍もなく恐ろしい何かが起ころうとしている。

 そしてその予感は恐らく当たるだろうと私は確信していた……。

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