機動戦士ガンダム 紺碧の空へ   作:黄昏仮面

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第38話 二人のガンダムパイロット

 

 

 北米でのネオ・ジオンとの停戦条約が締結され、地上でのジオン公国の地球における大規模な拠点が事実上殆ど無くなり後は小、中規模の勢力の掃討戦へと地上戦は移行することになった。

 それに伴い地上軍の軍備の再編成が行われる事となり公国軍の確認されている戦線以外の兵の殆どは宇宙軍への編入となる、俺達第774独立機械化混成部隊も同じ様に宇宙軍への編入の為に連邦軍最大拠点である南米ジャブローに久々に赴く事となった。

 軍備再編と一言で言っても簡単に済むようなものではない、そこには兵力のバランスだったり部隊毎の役割分担であったりと用途毎に適切な人員配置を行う必要がある。

 それに何より軍隊特有の派閥間の駆け引きもある、やれこの部隊は俺の傘下だからとかこのMSや戦艦は俺らのだからみたいな軍事的な駆け引きだったり戦争後を見据えての政治的な駆け引きだったりと見えない所でのお偉いさん方の戦いもある、寧ろこっちの方が大変なんじゃないのか?ってくらいには連邦もジオン並に派閥間の仲はよろしくない。

 

 あと個人的に謎だった『なんで連邦軍ってヒャッハー的な愚連隊が多いんだよ問題』これも実際にこっちに憑依してきて分かった事がある。

 それは一週間戦争やルウム戦役での大敗で有能な連邦軍将校を始め、多数のベテラン兵達が亡くなった事、それによって穴埋めの為の人員やあの戦いで家族を亡くした恨みで連邦軍に志願した兵が増えた事で末端の兵士の質はかなり低いしジオンへの恨みが凄まじい。だから残った将校は腐敗してるし兵士はスペースノイド憎しとなっているのだ。

 

「だからこそ、今後に向けて色々手を打っておかないと行けないんだよな……。」

 

 宇宙での戦いが残っているとは言え、戦力差から見ても連邦軍の勝利は以前から変わらない。ただこれにソーラレイみたいな超兵器だったり意味を為さなくなった南極条約を無視した核攻撃などがあるだろうから簡単には行かないだろうけど。

 それを踏まえて、戦後どういう感じで未来が変わって行くのか、それにどう対処して行くかが問題となる。俺自身はアーニャに付いて行くと決めているので彼女の為にどうサポート出来るかが問題となる。つまり俺自身もそれなりに偉くなっておきたいのだ。

 

「だからこそ分野では無いけどこういう事にも手を出しておかないとな……。」

 

 そう言いながら俺は電子端末を弄っている。これは今後の次世代向けMSのコンセプト案だったり現存機の強化案だったりとパイロット視点から見たMS改善案を纏めたものだ。

 以前俺のちょっとした一言でメガセリオンが開発となった経緯もあるのでこう言った口出しはどんどんやって行く事にした、歴史改変についてはレビル将軍が早期に死んだのもあって最早気にしていても仕方ないだろうし。それならいい方向に行けるように自分が後悔しない選択をするしかない。

 そう思いながら電子端末を弄っていると、ポンと肩を叩かれた。

 

「精が出ているわねアンダーセン。」

 

「あ……マチルダ先輩。」

 

 この人はあの有名なマチルダ・アジャン中尉。数日前にジャブローに戻った時に出会ったのだが、その時にショックイメージと言うのか憑依しているジェシー・アンダーセン本人の記憶が再び流れ込み、マチルダさんとは士官学校時代に一年間ではあるが先輩後輩の間柄であったこと、マチルダさん自体がジェシー本人の父親と面識があることを知った。だから北米での入院中にお見舞いに来たのだ。

 

「コーヒーよ、甘いのが好きだったでしょう?」

 

「ありがとうございます。」

 

 喉も乾いていたのでゴクゴクと飲み干そうとしたが途中で咽せた。

 

「ゴホッ!こ、これブラックじゃないですか先輩!」

 

「フッ、この前の意趣返しよ。忘れたとは言わないでしょう?」

 

 ……あれかな、前にジャブローでウッディ大尉に嘘ついて誤魔化した時の。

 

「お前のせいで任務後に会ったあの時のウッディと来たら……。」

 

 何故か少し頬を染める先輩、意味深過ぎるし気になるだろ……。そう思いつつも砂糖を入れながら再び電子端末を弄る。

 

「やはりパイロットの視点から見ると現存のMSにはそれなりに不満があるのかしら?」

 

「うーん、不満と言うよりは更に良い物になって戦う兵士が少しでも楽になれる環境を作るのがベストって感じですかね今のところは。戦後を見据えるとそれなりのMSの性能が欲しくなるけど今は少しでも味方の生存率を上げる手段をどんどん取りたい感じです。」

 

 原作での一年戦争後にいつまでもジオン残党が残っていた原因に残党掃討に要する兵員とMSが十分に用意出来なかったと言うのも一因にある。なので自軍の被害は少なければ少ない程良いだろう。

 

「変わったわねアンダーセン。士官学校の頃はまだまだ未熟な面が多かったけれど今は立派な軍人らしいわ。まるでお父上を見ているようよ。」

 

「……親父の話はやめてください先輩。」

 

 記憶が混じった事で分かった事だがジェシーと父親であるアンダーセン元提督は仲が良くない、肝心の理由までは記憶が流れて来なかったのもあって分からないが彼の抱いている感情のせいか俺自身も父親のことが生理的にダメになっているようだ。

 

「まだお父上を許せそうにない?」

 

「まぁ色々と理由があるんですよ先輩。」

 

 彼自身が父親をどう思っているのかはまだ分からないが比較されたり話題に出されるのが非常に嫌なのは伝わる。なので早々に会話を打ち切りたかった。

 

「それより先輩はどうして此処に?わざわざ俺に会いに来た訳ではないんでしょう?」

 

「よく分かったわね、実は貴方に会わせたい人がいてね。ついて来て欲しいのよ。」

 

 会わせたい人?ふむ、誰だろうか?ウッディ大尉とはもう会っているからわざわざ再度顔合わせする必要も無いだろうし。そんな風に思っているとジャブロー内の宇宙船ドックに到着した。そこへ来て初めてマチルダ先輩の意図について理解できた。

 

「ホワイトベース……。」

 

 ジャブローのこの場で見ることになるのはこれで2回目だ、前回との違いは乗せている人員だろう。と言うことはつまり……。

 

「マチルダさぁ〜ん!」

 

 ホワイトベースの乗降口から大きな声が聞こえる、ガンダム好きなら聞き間違いのないこの声……その声の主は……!

 

「久しぶりねアムロ、元気にしていたかしら?」

 

「はい!」

 

 何というか俺の中でのアムロはZ以降のイメージが強いからか年相応の少年をしているアムロに少し違和感を覚えたがそれよりも実物のアムロを見れた衝撃の方が強かった。

 

「アンダーセン、紹介するわ。ホワイトベースのガンダムのパイロット、アムロ・レイ少尉よ。戦時階級ではあるけど実力は確かよ。」

 

「マチルダさん、この人は?」

 

「彼はジェシー・アンダーセン中尉、MSの最初期からのテストパイロットよ。」

 

「あぁ、父さんが言っていましたガンダムの開発が想定より早く進んだのはテストパイロットの人達がデータを多く取ってくれていたからだって。」

 

 父……テム・レイ大尉か。この世界だとどうなっているのだろう。取り敢えず感動しっ放しなのもあれなので挨拶しておこう。

 

「初めましてアムロ少尉、マチルダ先輩も言っていたが俺はジェシー・アンダーセンだ。君の活躍は聞いてるしお父さんもV作戦の主導者だったから知っている、彼はどうしているんだい?」

 

「サイド7の戦いで負傷して、今はルナツーで治療をしてもらっています。」

 

 良かった、やはり色々細部が変わっているせいでサイド6での酸素欠乏症になった彼と再開する悲劇は回避されたみたいだ。

 

「そうか、それは良かった。あの人はこれからのMS開発に無くてはならない人だからね。それより先輩、なんで俺とアムロ少尉を会わせたんです?」

 

「うん……何と言ったらいいかしらね、何となく波長が合っていると感じたからかしら?アムロ君の成長に一役買って貰えそうなのもあるわ。」

 

 俺を踏み台にする!?波長が合っていると言うのはイマイチよく分からないがこの世界でのアムロはランバ・ラルとは戦っていないし黒い三連星もカイのガンダムと協力して倒したと報告書には書いてあったしパイロット能力的には原作のジャブロー寄港時より低いかもしれない……?

 

 そう思うとククク……と暗い笑みを心の中で浮かべ始める、もしかして俺……アムロを倒せるんじゃないか?最強の主人公に勝ててしまうのでは?と男心をくすぐられてしまった。

 

「成る程!確かにアムロ少尉もガンダムを使い熟しているとは言え歴戦のエースとの戦闘経験はまだ少ないと言うことですね、よし!先輩の紹介もあるしシミュレーションで模擬戦をしようアムロ少尉!な!」

 

 バシバシと背中を叩きアムロをシミュレーション室へと無理矢理引っ張って行く、見る人が見れば何やってんだコイツとなる光景だがこの時の俺は調子に乗り過ぎていてそんな事はお構い無しだった。そして「マ、マチルダさぁ〜ん!」と想い人から遠ざけられるアムロの声と呆れ顔をしているマチルダ先輩が其処にはいた。

 

 

 

「す、凄いねえシショー。」

 

「中尉……。」

 

 ララサーバル軍曹とグリムの声を聞きながら、俺はシミュレーション装置の前で項垂れる。そこには0-20と書かれたモニターが表示されていた。

 

「0勝20敗、アタイはもしかしてシショーの実力を勘違いしていたんじゃないかって思っちまったよ。」

 

 そう……。

 

「いや、でもアムロ少尉の実力が相当なのもありますよカルラさん。あの動き方、最初は装置の故障かと思っちゃいましたし。」

 

 そうなのだ……。

 

「ジェシー、あんまり私を失望させないでください。」

 

 まさかの全敗、何が歴戦のエースとは戦えてないから俺でも勝てそう。とか思ってたんだと言わんばかりの惨敗、ただ一つ言わせてくれアムロはやっぱり白い悪魔だよ。いや……今回アムロはG-3ガンダムだから灰色の悪魔か。

 例えるなら置きビームライフル、物陰から飛び出した途端いきなりビームライフルが此方を捉えている事なんてあるか?流石は後ろにも目を付けるんだ!とか言ってのける男だ、マジで第三の目が何処かにあるんじゃないかと言うくらい毎回的確にコクピットを狙ってくるのだ。

 

「あの7戦目のバズーカはありゃどうやって狙えたんだい?アタイじゃまず彼処を狙おうなんて思わないよ!」

 

「えぇと……何となくです。」

 

 ララサーバル軍曹の質問攻めにタジタジになるアムロ、あの時は隠れながら進んでいる俺の頭上にバズーカを打ち込み落石に埋もれて戦闘不能に追い込んだ戦いだったな……いきなり敗北の表示が出て故障かと思ったレベルの理不尽さだった。

 

「流石はあの黒い三連星を撃破しただけの実力はある、最初期からMSパイロットをしてたとは言え身の程知らずを思い知らされたよアムロ少尉。」

 

「いえ、アンダーセン中尉の戦い方もこういう戦法があるんだって勉強になりました!」

 

 あのアムロから感謝されて思わずうるっと来てしまう、だが負けたままでは俺も引き下がれない。一つ思い浮かんだ案があるのでそれを最後にやらせてもらおう。

 

「アムロ少尉、最後に一戦だけ。ハンデをつけさせて戦わせてもらっても良いかい?」

 

「……?はい、構いませんけど。」

 

「ハンデと言ってもガンダムの性能は落とさないから安心して、ちょっと戦闘前にこっちに猶予時間をくれれば良いんだ。」

 

 そう言いながら戦闘地域情報とデータを入れ替えていく、これをこうして……ああやって……。

 

「よし!これが最後だ、よろしく頼む!」

 

「はい!」

 

 STARTの表示と共に戦闘が開始される、仮想戦闘地域は荒廃した市街地。俺はアムロを誘導するように狭い路地へと移動していく。

 

「よし……!ここからなーーーうわぁ!」

 

 突如ビルから爆発が起こる、瓦礫がガンダムへ向けて落ちるがアムロはこれを難なく回避する。

 

「トラップ……!?」

 

 そう、ジオンお得意のゲリラ戦法。上手く決まればアレックスさえザクで倒せる戦い方だ。今回はテキサスコロニーのマ・クベみたいな汚い戦い方だが勝てば良かろうなのだ!

 

「えぇい!」

 

 トラップを避けようとバーニアを吹かせビルの上へと飛び移るガンダム、それを確認すると同時に次のトラップを発動させる。

 

「歩兵用ロケット弾!?マズイ!」

 

 まさかMS以外の攻撃が想定されていると思わず急いでシールドを構えて防御するも機体のバランスが崩れる。

 

「もらったァァァァァァー!」

 

 ヴァイスリッターの出力をフルにしてガンダムへ突撃を仕掛ける、アムロも素早く攻撃態勢に移るが最大出力なら此方の方が少し有利だ!

 そしてガンダムに直撃判定が出て俺のモニターにWINの文字が表示される、やった……俺アムロに勝てた!そう思っていると隣にアーニャがやってきた。

 

 バシン!大きな音と共に俺の頬が真っ赤に染まる。

 

「う……痛ェ……。」

 

「ジェシー……貴方恥ずかしくないんですか!?」

 

 そう言われると少し恥ずかしいけど勝ちたかったんだもん……、こんなこと言ったらまた叩かれてそうなので言わないでおこう。

 

「えぇとだなアーニャ、これには深い理由が……。」

 

「お見事だったぜお兄さん、アムロみたいな真面目な奴には効果覿面な戦い方だったぜ。」

 

 ふと振り返ると其処には皮肉を漏らす男がいた、その顔立ちには覚えがあった。

 

「カイさん!」

 

「バカ正直に罠に引っ掛かっちまったなアムロ。」

 

 カイ・シデン、この世界ではアムロが乗るはずのRX-78-2ガンダムに乗っている男だ。

 

「でも、あんなのズルイですよ。模擬戦であれだけされたら余程の実力がないと負けますよ。」

 

「そりゃ模擬戦は普通なら一対一で戦うもんだからな、でもよアムロ。ジオンの連中はこんな汚い戦いがとてもお上手なのよ、実戦でトラップ仕掛けられたからってズルいなんて言えるかい?この人は敢えてそれを教えてくれたってことさ。」

 

「それは……。」

 

 どうやらカイは俺の思惑に気付いてくれたようだ、ランバ・ラルと戦っていないと言うことは彼らの得意とした地形や使える物をフルに使った戦い方と言うのを見てはいないだろう、と言うのを利用した戦い方をしたのだ。これも勉強になると思ってね……いや悔しいからとかジャナイデスヨ?

 

「ジオンのクソ野郎は民間人だってスパイにしちまうような連中さ、油断したらそこで負けなのよね。」

 

 ……この口ぶり、どうやらこの時系列でもミハルの悲劇は起こってしまったようだ。彼のジオンに対する恨みが伝わる。

 

「君は、ガンダム2号機のパイロットかな?」

 

「あぁ、カイ・シデン少尉だ。アムロにお灸を据えてくれて感謝するぜ、お利口さんな戦い方は得意だけどこう言う手を使ってくる敵なんていなかったからな。勉強になったと思うぜ?」

 

 皮肉屋らしい彼の台詞だがやはりミハルを失ったばかりだからか少しトゲがあるな。

 

「私は納得しませんよジェシー、奇手を使うなら使うでせめて私達に一言伝えてください。」

 

「アタイもあのゲリラ戦法はいい手だとは思うけど子ども相手に意地汚いやり方で勝ったのが良い印象与えないねシショー。」

 

 ハッハッハと大声を上げて笑うララサーバル軍曹と呆れ返るアーニャ、それでも俺は……アムロに勝ちたかったんだもん……!まぁ見てくれが最低だったのは否定しないけど。

 

「そうだ、アムロ少尉とも戦ったんだからカイ少尉とも戦いたいんだが構わないか?」

 

 黒い三連星を倒して尚且つガンダムに乗っているんだ、アムロ以上と言うことはないだろうけどそれでもエースパイロット級の実力はある筈だ。と言うか原作ですらガンキャノンでかなりの戦果を上げて小説版ではアムロの死によってニュータイプとして覚醒した男だ、弱い訳がない。

 

「俺は別に構いやしないけどね、アムロよりは実力は下だから期待されても困るぜ?」

 

「彼には全敗してるんだ、少しは俺も華が欲しいんでね。」

 

「へへっ、アンタも結構皮肉屋だね。嫌いじゃないよそういうのはさ。」

 

 装置に座り再び模擬戦を開始する、せめて一矢報いてやるくらいの気概は見せてやるぜ!

 

 

 

「……で、結局4勝16敗となった訳だが。」

 

 言い訳させてもらうと模擬戦で搭乗しているMSのデータはアムロとカイはガンダム、俺はヴァイスリッターとそれぞれの愛機となっている訳で。ワンオフ機とは言えヴァイスリッターはグフの流れを汲んでいるので性能はグフとそこまで差は無いんだ……いや、ランバ・ラルはグフでもアムロと同等まで戦えてただろと言われたら反論出来ないが。

 

「中尉さんもガンダムのデータを使えば良いんじゃないのかい?幾らなんでもガンダムと他のMSじゃ性能に差が有り過ぎるんじゃないか?」

 

「そりゃあ性能のいいMSの方が勝率は上がるだろうけど実戦じゃガンダムに乗る訳じゃあ無いからな、それにガンダムは簡単に乗りこなせるようなMSじゃないよ、俺じゃ十全に性能は引き出せない。」

 

 ブルーに搭乗した時も感じだがパイロットに分不相応なMSでは本来のポテンシャルを引き出せないから宝の持ち腐れになってしまう、ヴァイスリッターはクセはあるが今では俺の身体の一部と言っていいくらい馴染んでいるのでヘタに他のMSのクセが付くと厄介だしな。

 

「へっ、珍しいね。パイロットには色んなのと会ったけど、どいつもこいつもガンダムを譲れだの降りろだのうるさかったぜ?」

 

「それは君らの実力を知らない身の程知らずの連中だろ?実戦経験皆無からのザク撃破、更にルナツーでのジオン海兵隊との戦闘、その後の赤い彗星との大気圏での戦闘……宇宙ですらこれだけの戦闘をこなして更に地上に降りてからはMSパイロットとしてはジオンでも最古参のエースで、更に地上で確認されているジオンMSでは最も脅威であるドムに搭乗した黒い三連星を撃破してるんだ、自分でも言ってておっかない戦果だぞ。」

 

「そ、そんなにおだてないでくださいアンダーセン中尉。」

 

「何を言ってるんだアムロ少尉、と言うか俺より遥かに強いんだからアンダーセン中尉なんて堅苦しい言葉は使わずジェシーと呼んでくれよ、カイ少尉もな。」

 

「ホントに面白い人だなジェシーさんは、ホワイトベースの人間くらいだぜこんなフランクだった人はさ。」

 

 うーん、確かにホワイトベース隊はあんまり歓迎されてないもんな、原作では後ろ盾となっていたレビル将軍も死んでしまったし。

 

「フッ、それならもっとフランクに兄貴と呼んでくれても構わないぞ。」

 

「何言ってんだいあんだけボロ負けしといて兄貴面はないでしょーシショー。それより坊や達!アタイにも稽古つけておくれよ!」

 

「あっ!ずるいですよカルラさん!僕だって指導してもらいたいんですから!」

 

「ちょっと待て二人とも!俺だってリベンジしたいんだ!……そうだ!ホワイトベース隊の他のパイロットも呼んで部隊戦だ!アーニャ、お前も加わってくれよ!」

 

「わ……私もですか!?」

 

 ワイワイと騒ぎ立てながらリュウとハヤトを呼んでもらい4対4の模擬戦を始める、みんな一進一退の大盛り上がりとなり周囲にはいつの間にか人だかりが出来始めていたのだった。


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