機動戦士ガンダム 紺碧の空へ   作:黄昏仮面

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第56話 泡沫の想い出の中で

 

「はぁ……。」

 

 今日何度目かの溜息、周りは戦勝ムードだと言うのに俺はアンゼリカのラウンジで一層不機嫌になっていた。

 

「ジェシー、此処にいたんですね。探しましたよ。」

 

「アーニャ……。」

 

 彼女も彼女で少し辟易とした様子だ。まぁこの数日で色々あったから仕方のない事だが。

 

 

 此処はかつての宇宙要塞ソロモン、今は名を変えコンペイトウと呼ばれている。応急的な復旧で施設内はある程度の運用を再開して、今は一時壊滅状態となったティアンム艦隊の再編の最中である。

 先日の戦闘で俺が撃破したチベ級が、あのコンスコンの乗っていた物と判明したのと、アーニャが結果的にドズルを撃破した事で俺達は一躍有名人となった。

 それ自体は本来なら喜ばしい事なのだろう、俺もアーニャも戦時階級ではあるが一時昇格させた方が良いのではないかという話も出ているらしい。

 俺はともかくドズルにより多数の艦艇が撃破されているのでアーニャが大佐となり艦隊を指揮してくれれば……とも思ったがこれは本人が固辞している。あくまでMS部隊の隊長であり艦隊指揮となると足を引っ張りかねないと言うのが理由らしいが。

 

 と、話が逸れたが……こうやって持ち上げられると同時に俺達に対して、ホワイトベース隊を含めてニュータイプ部隊なんじゃないかという話も出てきており、この事でやたらとニュータイプ論が『人殺しの上手いエースパイロット』的な意味合いで使われ、会う先々であくまで向こうは褒めてるつもりなのだろうが、ガノタだった俺からしたら、ニュータイプを殺し合いの道具としてしか見られてないのかと、若干の憤慨もあり、かなりの不機嫌となっているのだ。

 

「連日の賞賛で疲れた……と言うわけでは無さそうですね。」

 

「……多分、お前と同じ事で疲れてるよ。」

 

 アーニャとは以前ニュータイプについての事で色々と揉めた事がある、その時に俺の感じるニュータイプ論については話しているのである程度理解はしてくれていると思う。

 

「ジオンの方では、ニュータイプと呼ばれる、ある種のエスパー能力に似た力を持った特殊な人材を育成している。そうキャスバル総帥が言っていましたね。」

 

「あぁ。」

 

「私はあくまでニュータイプとは、宇宙に上がった人間が……それこそ大昔に海から陸上に生物が進化して上がったように、人類の祖先が猿から人へと変わって行ったように、その環境下で生き残る為に必然的に目覚めていく力を身につけた人だと思っています。」

 

「俺も似たような解釈だよ。他人の意識や気配を感じたりだとか、これから先宇宙空間で生きて行くのに必要になる新しい感覚、今でこそ人は五感があるけどこれから当たり前の様に第六感や第七感みたいなのが身に付いて行くんだと思ってる。ニュータイプはあくまでその先駆けなだけであって感覚が優れたエースパイロットみたいな解釈で使われて欲しくないんだよ。」

 

「中々面白い解釈をしているな、アンダーセン中尉。」

 

 割って入ってきたのはキャスバルだ、何でアンゼリカに?とも思ったがアーニャか親父に用があったのだろう。

 

「キャスバル総帥……。」

 

「先日の戦功を讃える場で君が不機嫌だった理由が分かったよ。君は連邦軍人ではあるが感性は我々スペースノイド寄りだな。」

 

「図々しい事を言いますけどねキャスバル総帥、俺はジオン公国は嫌いだしジオニズムについても理解は出来ても納得はしませんし、これからもする事はないですからね。」

 

「それで良いさ、私とてザビ家の方便として使われるジオニズムは好かないしニュータイプ論についてもこれは人の解釈で変わるものだからな。」

 

 やはり未だにザビ家に対する恨みは残っているようだ、そう言えば今更になるが何でキャスバルはガルマと手を組みネオ・ジオンを立ち上げたのだろう?

 偶に見た二次創作なんかだとガルマが優秀過ぎたとかそういうのばかりだけど。

 

「今更になりますがキャスバル総帥は何故シャア・アズナブルと言う名を捨てガルマ・ザビと手を結び、ネオ・ジオンを結成したのですか?貴方は未だにザビ家を恨んでいる筈なのに。」

 

 アーニャが俺が思っていた事を代弁してくれた。流石に誰もが疑問に思っている事なんだろう。

 

「実際私の中では未だデギン公王、ギレンやキシリアと言ったザビ家の人間に対する恨みは根強いよ。これは幼少期に私を育てたジンバ・ラルの影響が大きいと思うが、父を殺された子の恨みと言うのは時間が解決するものではない。」

 

 そりゃそうだ、別にシャアに限らずとも誰かを殺し、殺されればそれ相応の恨みを買ってしまう。俺やアーニャだって、殺したパイロットの家族や同僚に、殺したいほど憎まれていてもおかしくはない。

 簡単に復讐心を消せるほど人は便利に出来ていないし、それを許容できるほど心は簡単ではない。

 

「だがガルマは別だ、父が死んだ時奴はまだ私と同じで子供だった。それに士官学校での縁もあったからな。しかし実際に地球に降下し行動を共にするまでは所詮ザビ家の坊や、親の七光りだと蔑んでいたのも事実だ。」

 

「地球で……何かあったのですね。」

 

「あぁ。ガルマは地球というコロニーと異なる環境、地球方面軍司令というザビ家という身分だけで与えられた役職、本来であればガルマでは重圧に耐えられる筈がなく、功を焦り自ら自滅して行くだろうと思っていた。」

 

 実際に本編ではキシリアに対して成果を見せようとガンダム追撃に必死になっていたからな。それが仇となってシャアに利用される事になったのだが今回は違ったのだろうか?

 

「だがガルマはそれらのプレッシャーに負ける事なく、前線で戦う兵を思いやり、部下達と寝食を共にし、未熟ながらも地上での融和政策を進めて尚且つ結果を伴って行った。」

 

「俺やアーニャも北米戦線で戦ってきたけど向こうの士気は高かったからなぁ……今思えばそれだけ彼にカリスマがあって部下が付いてきたって事なんだろうが。」

 

 それでもシャアなら「坊やだからさ。」的な見下しをするものだと思っていたが……。

 

「ガルマの成長の裏にはニューヤーク市長の娘、イセリナ・エッシェンバッハ嬢が関係していた。兄や姉と行った身内よりも単純に好いた女性の為にという意志の方が強かったのだろう。マ・クベのオデッサでの核攻撃時も部下達の今後や、彼女を捨てて宇宙に戻るという行為が許せずザビ家を捨てるとまで豪語したのだからな。」

 

「へえ……。」

 

 結構男らしい所があるんだな。若気の至りな部分もあるだろうが、確かにそういう漢気を見せつけられたら、その熱気にシャアも充てられるのも仕方ないのかもしれない。

 

「ルウムの暗礁宙域の戦いでドレン……いや、かつての私の部下が言っていた。我々に必要なのは優れた指導者ではなく、良き隣人や友人だとな。その言葉の意味が今ならはっきりと分かる、ガルマはまさにそれに値する人と出逢えたと言うことだ。」

 

 良き隣人や友人……か。確かに幾らギレンみたいなカリスマや頭脳を持っていても孤独であっては意味がない。ギレンにとっては自分以外どうでも良いんだろうが。

 隣にいるアーニャを見つめる、俺にとっては彼女がそうだ。優しく手を触れると照れて顔を真っ赤にする。

 

「俺にとってはアーニャがそうですよキャスバル総帥。」

 

「う……あ……ジェ、ジェシー……!」

 

「ふっ、はははっ。やはりアンダーセン中尉はどこかガルマに似ている所があるな、話しているとそのキザな所などがそっくりだ。」

 

「ほほぅ、ジオンでも有数の美男子に例えられるのは悪い気はしないな。……っと冗談は置いて、キャスバル総帥自身も良い友人に恵まれたって事なんだな。」

 

「あぁ、ザビ家の人間ではあったがガルマはガルマ、私の友人だった。そのひたむきさに心を打たれて私はシャアという仮面を捨てキャスバルを再び名乗ることにしたのだ。」

 

 ガルマの成長を見て人類に絶望もしちゃいなければ急ぎ過ぎてもいないって事なのだろう、原作見たく色々と絶望するよりは遥かにマシだし、シャアの反乱はこの世界では限りなく低くなるんじゃないだろうか。トリガーの1つになっているだろうガルマ殺しもない訳だし。

 

「話を聞いてるとガルマ大佐もある意味ではニュータイプなのかもしれないな。俺は自分やアーニャみたいな地上生まれが、徐々に宇宙に適応して新しい進化を遂げる事がニュータイプへの変革だと思っていたけど、逆にガルマ大佐みたいな宇宙生まれ宇宙育ちの人間が地上で変革して行ってもおかしくはないもんな。」

 

 エスパー的な意味合いでのニュータイプじゃなく、誰かと分かり合う為のニュータイプ。そういう意味合いでなら普通に今の彼にもニュータイプの素養はありそうだ。

 

「その辺りのニュータイプ論を後々語るのも悪くはないな。まだ先の話ではあるが、この戦いで公国との戦いに決着が付けば盟約通り我々ネオ・ジオンは連邦軍との協力の元で新たにコロニー入植を目指す。この戦争で生まれた不和はそう簡単に解決は出来ないだろうが、君達のような視野を持った者が手助けをしてくれれば道のりは明るい筈だ。」

 

 それは此方としても同感だろう、この一年戦争が終わったとしてもこんなデラーズ紛争やグリプス戦役に似た争乱が地球圏で発生しないとも限らない。だからこそガルマやキャスバルといったコネクションは今後アーニャがどう動くつもりかはまだ分からないが確保しておきたい材料ではある。

 

「そうですね……。この戦争が終わっても未だ未来の雲行きと言うのは怪しいですから。起こってしまった事に対して私達はどう……、ーーー?」

 

 喋っている途中でアーニャが言葉を止める。

 

「どうしたのだエルデヴァッサー中佐……、ーーーなんだ?」

 

 キャスバルも同じ様に何かの違和感を察知した様だ、一体どうしたんだ……?

 

 リィン、リィン

 

「ーーーなんだ……?鈴の音……?」

 

 リィン、リィン、リィン、リィン

 

 一定の感覚で、まるで鈴の鳴る音が頭の中で響き渡る。これは……?

 

『各員、第二種戦闘配置。繰り返す、第二種戦闘配置。別命があるまで持ち場にて待機せよ。』

 

 ジュネット中尉の声だ。第二種戦闘配置って事はこの宙域で何らかの戦闘が始まったのか?

 

「どうやら落ち着いて話をしている場合では無くなったようだな。私もホワイトベースに戻るとしよう。」

 

「分かりましたキャスバル総帥、また後程……。ジェシー、私達一度艦橋へ行き状況を確認しましょう。」

 

「了解だ。」

 

 キャスバルと別れ、俺とアーニャはアンゼリカの艦橋へと向かう。

 

「何か……何かが頭の中で響くんです。」

 

「俺もだ……、まるで鈴の音のような。」

 

「鈴……?いえ、私が聞こえているのは……これは……声?」

 

 

ーーー

 

 

「サラミス級の撃沈を確認。これで2隻目だ、良い調子だぞマルグリット。」

 

 2基のビットがエルメスへと戻ってくる、遠隔操作できる小さな浮き砲台の様な物だ。これなら機関部に直撃させるだけで艦船を簡単に沈められる。だが……。

 

「ふぅ……、予想以上にサイコミュというのは疲れますね。最初に6基使用したのは失策でした。」

 

 マルグリットはかなり疲労している。使用するビットが多い程、敵艦との距離が遠くなるほどそれは如実になる。サイコミュによる遠隔操作でパイロットにかかる負荷はそれだけ高いのだ。

 

「どうする、一旦撤退するか?サラミスを2隻も沈めたんだ、成果としては上出来だろう。」

 

 既にもう1機のエルメスの部隊もマゼラン1隻とコロンブス級輸送艦2隻を落としたと連絡が来ている。成果は充分過ぎるほどだろう。

 

「この兵器が改良されれば俺やヘルミーナでも容易に操作可能になる筈だ……そうなったらお前にも負担を掛けずに済む。」

 

「優しいんですね……お兄さん。大丈夫です、まだ行けます。」

 

 帰還したビットを収容し、それとは別のビットが射出される。

 

「本当に無理はするなよマルグリット、時間をかけ過ぎれば連邦にも俺達の存在に気付くんだ。いずれにしても撤退は近いんだからな。」

 

「分かっています……。後少し、後少しだけですから。」

 

 数基のビットが宇宙を舞っていく、俺にはこの時何故マルグリットがここまで拘るのかを理解できなかった。いや、理解しようとしなかったのかもしれない。

 

 

ーーー

 

 私の感覚で操られるビットは、私の思い描く軌道をなぞり宇宙を駆けて行く。距離が近ければ近いほどそれはより繊細に鮮明に操作出来るが、逆に遠ければ遠いほど繊細さは欠き、イメージが不鮮明となる。

 3人の中で適性が1番高かったとは言え、それでも私のニュータイプ能力はもう一つのエルメスのパイロットと比べたらまだ劣っているという事だろう。面識は無いが私達よりも実力は高い筈だ。

 

 ……だから、だからこそ心配なのだ。

 耳につけたイヤリングのある場所をパイロットスーツ越しに触れる、サイド6で彼に出会ってからというもの、私の中で何かが変わって行くのが分かる。

 ニュータイプ能力だってその一つだ、私とヘルミーナはずっと心が通じ合っていた。その能力に差異がある筈が無いと、ずっとそう思っていた。

 だけど今回エルメスのテストで、あの子は私に比べてビットが操れる個数が少なかった。そしてあの子はそれを気にする事も無かった。私に勝てるはずがないと、仕方がないと割り切っていたから。

 

 そう、あの子がお兄さんに惹かれて変わった様に、私もまた少しずつ変わって行っている。もう同じ存在じゃなくて別々の人間なんだと、人形の様に死んでいたあの頃とは何もかもが変わったのだと。

 だから今私が抱いてる感情もまた、その一つであると……。

 

『出来るならまた此処で、その時は敵と味方も連邦もジオンも関係ない世界であって欲しいな。』

 

 出逢ったならば、殺し合わなければいけない。私がジオンで、彼が連邦であるのなら。

 だけど……今は……どうしても彼とは出逢いたくないと思ってしまっている。この感情が上手く制御出来ない。

 だから、想いをビットに乗せ、どうか強く願うのだった。

 

 

ーーー

 

 

「現状の報告を。」

 

 アンゼリカのブリッジに着いた私とジェシーは状況の確認をする。

 

「現在コンペイトウ周辺の防衛艦隊の一部が敵からの攻撃を受けているとの報告です中佐。既に何隻かの艦船が沈められたと。」

 

 第二種戦闘配置はそれが原因だと分かった。しかし気になることがまだ残っている。

 

「敵の攻撃手段は何なのですかジュネット中尉。敵の艦船かMSであるのなら護衛のMSが何とかしている筈なのでは?」

 

「ハッ、それが敵の攻撃手段が不明との事。一瞬の間に何処からかビーム攻撃されMS部隊も攻撃に気付く事なく艦船が沈んだと報告を受けています。」

 

 不可視の攻撃……?光学迷彩か何かを装備したMS……いや、あれだけのサイズの光学迷彩など不可能だろう。ステルス機能が高いMSであっても多数のMSから気付かれないというのはまず無理だ。

 

「敵の新兵器の可能性があるなアーニャ。」

 

 こういう時のジェシーの勘というのは冴えている、それを起点に敵の攻撃手段に繋げられれば良いのだけれど。

 

「防衛艦隊の誰もが攻撃に気づかなかったって事はMSの可能性は低いだろうな。」

 

「そうですね……かと言って歩兵で携行出来るほどの火器では艦船を沈めるのはまず不可能ですし、長距離ビーム砲であれば射線から敵の位置は掴めるはず……。攻撃手段の予測が付きませんね。」

 

「他に考えられるとすれば無線誘導型のビーム兵器だ。これなら行けるだろアーニャ?」

 

「待て、アンダーセン中尉。コンペイトウ周辺は先日の戦闘で未だにミノフスキー粒子濃度が高い。無線兵器の使用は不可能だ。」

 

 ジュネット中尉が忠告する。

 そう、ソロモンの激戦で未だに残存しているミノフスキー粒子濃度はかなり高い。その為に外周部に多数の防衛艦隊が配置されているのだから、敵だけがそれを素通りして無線兵器を使用するなど不可能だ。

 

「だが仮にそれを可能にしてしまう『何か』を敵が開発していたとしたら?それならこの謎の攻撃手段も納得できる物になるんじゃないか?」

 

 それを確定させるには早計ではあるけれど、確かに何かしらの新兵器でミノフスキー粒子に干渉される事のない無線兵器があるのであれば合点は行く……しかし。

 

「仮にですよジェシー。それが可能であるならば敵はその兵器を以って、より一気に多数の艦船を撃破する事が出来るはずです。この散発的な攻撃では……?いえ……もしかしたら……。」

 

 頭の中に一つの考えが浮かぶ、仮に……仮にその兵器が実用化されているとしたら今言った様に敵の戦果は艦船数隻には留まらないだろう。しかし、それが未だ試作段階であったり、それを使用するのに何かの条件が必要であるならば……?

 ……いや、結局はこれらは全て予想でしかない。敵の攻撃手段が確定するまでは一つの可能性として考慮しておくレベルだろう。

 

「はぁ、上手く纏まりませんね。味方からの連絡を待ちーーー。……また?」

 

 頭の中にまた何かが響く。ジェシーの方を見ると同じ様に何かを感じ取っているのか手を頭に当てている。

 

「どうした二人とも、具合が悪いのか?」

 

 ジュネット中尉はどうやら聞こえていないようだ。これは一種の敵の音響兵器か何かなのだろうか?

 

「まただ……また鈴の音がする。」

 

 ジェシーはそう呟く、彼にはこれが鈴の音の様に聞こえているらしい。しかし私にはそれとは違う、まるで声の様な音が頭に響いていた。

 

「ニ…テ……?ニ…ゲ…テ……?ーーー逃げて?」

 

 私にはまだ、それが意味する事が何かを知る由が無かったのだった。


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