俺ももう14歳になった。明日で15歳となる。
この世界で15歳は成人だ。
え?時間の進みが早いって?
……尺の都合だ。
そこで爺ちゃんに連れられて、卒業のテストをする事となった。
まずはシンからだ。
シンが焔の弾丸を創り出す。
完全燃焼している証拠に青白い焔だ。
「……青白い焔なんて見た事ないのぉ」
爺ちゃんがなんか言ってるが、小さすぎて聞こえない。
その焔を撃ち出す。
信じられないほどのスピードで地面にブチ当たり、大爆発を引き起こした。
地面にはガラス化したような場所すらもあり、威力の凄まじさをものがたる。
「……こんな威力の魔法も見た事ないのぉ」
やっぱり小さすぎて聞こえない。
シンが「……アレ?」って顔しているな。
「爺ちゃん、呆けてないで起きて」
僕の声に「…ハッ」となった爺ちゃん。
「合格じゃよ。文句なしの合格じゃ。次はジャックじゃな」
その言葉に、「いよっしゃあ!」と叫び声をあげたシン。
次は僕か。
まずはコレで。
「破道の四。゛白雷゛」
比較的、威力が抑えめの鬼道を放つと地面に当たり、大きく抉れる。
爺ちゃんがまたポカンとしていた。
え?ダメなの?
シンの後ならやっぱハードル上がるなぁ。
「破道の三十一。゛赤火砲゛」
今度も地面にブチ当たり、大きく爆発を起こす。
まだダメっぽい。
……マジで?コレでダメなのかぁ。
「゛君臨者よ・血肉の仮面・万象・
「もう良いもう良い!!!」
……え。なんで止めるの?いいとこなのに。
「……失格?かなぁ?」
「何を言うとるんじゃ?合格じゃよ」
いよっしゃあ!!!
コレでこの森から、出られる。
さっきも話した通り、この世界での成人は15歳。
15になったらこの森から出なきゃいけないのだ。
引きこもりもアリかと思ったが、周りが許してくれなかった。
嬉しいけど、コレで終わりかと思うと非常に複雑であった。
シンが『ゲート』を開く。
『ゲート』はシンのオリジナル魔法。
2点の最短距離は直線距離ではなく、紙を折り曲げて2点をくっつける事。
そんな考えで『ゲート』を開いたらしい。
僕は似たような、と言っても間逆の発想で『転移門』を開いた。
と言っても分解、再構築する類ではない。移動する距離を『縮める』魔法で『ゲート』と大差はないのだが。
門を2つ作り、それを『繋げる』魔法である。
門を『同時に』作る『ゲート』と違い、門を『別々に』作る『転移門』。
そこにはかなり違いがあるのである。
お互い、教え合い、お互い両方使える。
僕の方が『転移門』の扱いが上手く、シンの方が『ゲート』の扱いが上手い。
まぁあんまり見た目には大差ないと思ってくれたらいい。
個人的には小回りが効く『転移門』の方が好きである。
「其れに、その魔法でいつでも帰って来ればいいの」
それもそうか。
翌日。僕とシンの誕生日パーティーが開かれた。
いるのは、爺ちゃん、ばあちゃん、ミッシェルおじちゃん、ディスおじさん、クリスねーちゃん、ジークにいちゃん、トムおじさんだ。
ちなみに、僕たちの正確な誕生日はわかっていない。
だから拾われた日を一歳の誕生日としたんだって。
名前だけも出てこなかった人、いると思うがざっくり説明すると。
ディスおじさんは黄金色の髪をしたおじさんだ。普段は優しそうだが、どこか底知れない雰囲気がある。青年実業家的なオーラを漂わせている中年男性だ。
クリスねーちゃんは赤の髪をポニテに纏めた女性。引き締まった体型。
……強そう。
ジークにいちゃんはチャラい。チャラいのにドイツ語で勝利って……。
ヒモとかやってそうだからある意味勝ち組なのかも?
トムおじさんは商売人だ。
色んなモノを売買しているせいか、どこか底知れない。
でも僕たちには優しい。
クリスねーちゃんとジークにいちゃんはとにかく仲が悪い。
……イヤ。むしろあれほど行くと一周回って仲がいいのかもしれないが。
よくケンカしている。
で、ミッシェルおじちゃんに怒られるまでがセット。
「シンやジャックの前ではちゃんとしなさい」
って。
でもむしろ僕たちはケンカするのをお家芸として楽しんでいるから、あんまり関係ない。
仕切っているのはディスおじさん。
「ここを出たあとは何をするんだ?ハンターか?魔道具を作れる事を活かして魔道具屋か?」
えっと。
「・・・近くの街まで行って・・・」
・・・あ。出た後の事をまったく気にしてなかった。
「まさかと思うが、シン君。ジャック君。お金を扱った事は?」
「買物は全部爺ちゃんがやってたから。買物もトムさん以外からはないです」
シンが答える。
僕も同じだ。
そうなると、視線は自然と1人のもとへ。
「マーリン。あんたは・・・」
ばあちゃんの声に。爺ちゃんは。
「・・・あ。常識教えるのを忘れとった」
確かに魔法ばっかでその辺何も教わってないな。
シンをみると、シンもこっちを見ている。
肩をすくめて首を振ると、シンががっくりと肩を落とした。
読んでくださり、ありがとうございました。