アベンジャーズ・ジャパニーズヒーロー   作:ヤカラナリ

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その2・ウルトロン編

「…に向かっている?」「秘密の…れ家さ、もうすぐ着くから休んでいろ」

 

気がつくと、何かの乗り物の中にいた。独特の浮遊感から飛行機的なものが高速で移動しているのが分かる。周りを見ると…なんというか心理的な感じに暗い。

 

照明的な意味もあるけれど、こう…雰囲気が暗くて重い。取り敢えず変な体勢で横たわっていたので起き上ろうとすると音で気がついたのか、1人の男(トニー・スタークだ)が近づいて来た。

 

「やぁ、目覚めたか?ジャパニーズ。」

 

「えっと…どうも?」

 

正直な話、どういう反応をすればいいのだろうか?たぶんきっとこの人に助けてもらったのだろう。それに相手は世界的大企業のお偉いさんだ。下手に出るのが正解なのだろう。

 

「まだ意識がはっきりしないみたいだな。」

 

そりゃそうよ、だってさっきまでーーっ!

 

「あの緑の怪物は!?町はどうなってーー」

 

「あぁ、落ち着け落ち着け。まず緑の怪物…ってハルクだな、ハルクは問題ない。もう暴れたりしない」

 

ステイ、ステイとジェスチャーをしながら俺が気絶した後の話をしてくれた。

 

まず緑の怪物はハルクという名前で仲間だったらしい。

そしてワカンダに敵のアジトがあると分かったアベンジャーズ(この団体の名前)が敵のアジトを奇襲、しかし苦戦を強いられ、船で待機していたハルクが敵からの洗脳を喰らい、街で暴れてしまった。そこに俺が登場してハルクを足止めしていた、ここまではOK。

 

「ちなみにそのハルクってのは二重人格で後ろにいるバナー博士がその宿主だ。」

 

振り向くとバナー博士?(少しぽっちゃり気味の天然パーマな理系おじさん風)が申し訳なさそうな顔をしてこちらを見ていた。……若干ホラーっぽい感じでビビったのは秘密。

 

「その…申し訳ない、操られていたとはいえ君を危険な目に…」

 

バナー博士が謝る姿を見て何と無く中学時代の担任を思い出した。あの人は若干臆病で人見知りするタイプの“THE・隠キャ”な人だった。その担任とバナー博士が重なる。

 

対して緑の怪物…ハルクはアレだ。

アメフトの漫画で見た“喋る事すら捨てたキチガイ運動部”だろう。言葉のほとんどがカタカナでセリフの半分以上が咆哮か奇声のヤベー奴。

 

「えっと…大変そうっすね。」

 

合わないなんてレベルじゃねぇ!むしろお互い関わらないで生きるくらいが正しい筈なのに二重人格とか辛いすぎだろ。

 

「え、まぁ…」

 

バナー博士は気が弱そうだが…強く生きて欲しいと思った。

 

 

 

そして話は戻る、トニー・スタークが操るアイアンマンによってハルクは正気を取り戻したが、敵はワカンダの基地を放棄して何処かへ行ってしまった。行先が分からなくなった敵の動向を追う為、拠点へ移動しようとしたが、アベンジャーズの不信任や敵の妨害などが影響で拠点へ帰るのは危険。

よって現在運転手のホークアイさんが秘密基地的な場所へ連れて行ってくれている…らしい。

 

 

 

 

あれ?

 

 

 

「なんで俺はこの飛行機に乗っているんですかね?」

 

些細な疑問、俺はアベンジャーズではないしその敵さんと因縁的な物がある訳ではない、むしろ無関係といってもいいかもしれない。

 

「それは…こう…流れで?」

 

「流れ!?」

 

流れとは?え?ひょっとして拉致的な感じ?ウソでしょ?

 

恐る恐る窓を見ると雄大な自然とのどかな街並みが見える。

分かる…分かるぞ。確実にワカンダじゃない!

外国だ!!ついでに日本でもない!

 

「よし、着いた。着陸態勢に入る。」

 

ちょっと待って!え?マジで言ってるの?

コレは不法入国?いや待て、拉致されて連れてこられたんだからまだマシ?

 

マシじゃねぇ!!

 

 

 

 

 

地上に降り立つ飛行機、目の前には“THE・田舎の家(アメリカ版)”が立っていてテンション低めのメンバーが一人一人降りていく。

 

メンバーの表情は暗いがその顔触れはなんだか“只者じゃない”感じで、雑に言ってしまえば「みんな強そう」だった。

そして運転していたホークアイさんが先導して家へと入って行く。

 

ホークアイさんが家の鍵を開けて中に入ると、40才くらいの女性と少し気難しそうな小学生くらいの男の子と幼稚園にギリ入れるかな〜くらいの女の子がお出迎えしてくれた。

 

流れに身を任せて話を聞いていると、ホークアイさんは既婚者でメンバーにも内緒で家庭を持っていたらしい。そしてホークアイさんはお兄ちゃんの方を、飛行機から降りたメンバーの中で唯一の女性(ナターシャさんというらしい)は妹ちゃんの方を抱き上げ簡単な自己紹介をする流れとなり、最後に俺へと目線が注がれる。

 

考えてみれば俺はこの人達に自己紹介をしていない。

この人達が悪い人では無い事はなんとなく分かるが…そうだ。

 

「俺の名前はゴンベエ・ナナシノ。

日本の大学生で経営学の簿記とかが専門だけどグローバル化も研究課題にしてる。ワカンダで巻き込まれて…なんか流れで連れてこられました。」

 

ーーゴンベエ・ナナシノーー

ーー名無しの権兵衛ーー

偽名を隠す気は更々ない、けどそれっぽくごまかしながら言うと。

 

「流れとは何だ?」

 

金髪でがっしりした体型のおじさん(手には金属ハンマー)に睨まれる。

 

「それは俺が一番言いたい。なんか飛行機に乗せられてここにいます。あぁ、あとついでにエスパーです。」

 

そう言って机の上にあった空のカップを空中に浮かせ

 

「物を浮かせたり、飛ばしたり、」

 

カップを空中でクルクルと回転させたり、

 

「少しだけ浮けたり、」

 

カップをそのままに俺自身が宙に浮く、(10センチほど)

 

「まぁそんな感じ。」

 

カップを机の上に戻し、俺自身も床に着地する。

 

「そして……この地点で俺の使うことのできるエネルギーが4分の1使いました。」

 

最後の一言を言った後何人かが(嘘だろオイ)みたいな顔で「はぁ?」と言った。

 

「いや…マジだよ?俺そんな強く無いよ?」

 

落ち着いて落ち着いてとジェスチャーすると、金髪のおじさんは(期待外れだ)と言った感じにそっぽ向く。そんな状況でトニー・スタークは爆弾発言。

 

「だがタイマンでハルクを五分以上足止めした男だ。全くの弱者というわけでは無い。」

 

そう言うと何人かが俺を観察するような目つきで見る。

どうやらハルクはこの中でも上位の強さらしい。

 

 

俺が自己紹介を終えた後、金髪のおじさん(ソーというらしい)がボソッと何かをつぶやいたかと思うと玄関へと向かった。その後を追うように筋肉モリモリのイケメン(かの有名なキャプテン・アメリカさん)が追いかける窓から様子を見ていると“ハンマーを使って空を飛んで行った”何を言ってるか分からないがその意味のままどっかいった。

 

 

どうでもいいけど思った。

(ハンマーに飛行能力ってアンチシナジーじゃね?)

 

 

 

 


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