とある世界のお話と転生した人間の話。   作:秋津守丸九

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真紀奈ちゃんの口調をお嬢様風に直しました。

そして、書く毎に登場人物の性格や口調が少しづつ変わっていっている気がする。


授業の話

カッ!カカッカッ!カッ!

 

「ですから、皆さんはこの基本事項を覚えるのが最も重要なのです。わかりましたか?」

 

……魔法学。私は今、その授業を受けている。

魔法学とは所謂魔法を使える様になる為に学ぶ基礎学問だ。ただし、ここでの魔法とは西洋魔術や東洋魔術更には錬金術や占星術などの魔導基礎学問を包括的に含めたものであり、科学、歴史、外国語、魔導理論、場合によっては数学なども複合したアホ難しい学問である。だけれども、それは初等部でやるような内容では無く、前に見た日本の指導過程から考えても初等部では主に魔法の安全な使い方と基礎的な理論をほんの少しだけ行うと言う事は当然であろう事はわかっていた。

でも、神崎さんはここHIA学院では指導要領より少し難しい事をすると聞言っていた。うむ、確かにこれは指導要領から少し進んだ事なのかもしれない。だが!だが!だが!ここまで難しい物だとは思ってもみなかった!どうして、基礎理論の中でも基本の基とも言われるこれがこんなにも難しいんだ!と言うか、なぜ他の奴はこれが理解できているんだ!何故!?

 

「………君、…御…君、聞いていますか!?土御門君。」

 

ガタッ!!

 

「ハイッ!!聞いています!!」

 

反射的に立ってしまった。周りを見渡せば皆の呆けたような驚いた様な顔と一部の呆れたような顔、更には失笑している顔が目に入ってくる。

 

「じゃあ、私が何を言っていたのか答えられますね?」

 

先生がテンプレな質問をしてくる。ここではズバッと答えてカッコよくキメたいのだが、あいにくと私は考えに夢中になっていたようで、先生の話を聞いていなかったらしい。どうしたものかと考えるが、うん……全く答えが思いつかない。屁理屈こねるのも止めたほうが良さそうだし、ここは分かりませんと言うべきか。否、ここはそれっぽい事を言って万に一つの可能性にかけるべき!!

 

「魔法の六大構成素は火、水、木、金、土、エーテルであり、物質における構成比率の変化とエーテルを介して行われる直接介入によって魔術は行使されます!」

 

言い切った。どうだ!?当たったか?

 

「……貴方の知識の多さは認めましょう。しかし、貴方が私の話を聞いていなかったと言う事はよ〜く分かりました。ですから、廊下に立ってなさい!!」

 

Oh!my god!!嘘だと言ってよバーニィ!!廊下に立たされるなんて、畜生!!体罰で訴えてやる!!(不可能)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は頭が良い筈なのに何でそう見当違いの事を言ったのだろうか?それともやっぱりバカなのだろうか?

 

「皆さん、土御門君の様に聞いていない人がいるかもしれませんからもう一度いいます。現代魔術は無詠唱かつ媒介具無しで行使される魔術です。これと対をなすものが伝統魔術又は古代魔術とも呼ばれるもので、詠唱を必要とし媒介具無しでの行使はほぼ不可能です。また、皆さんは学苑内ですから許されていますが、魔導法という法律で許可証無しでの外部での魔術使用は認められていません。ですから、皆さんはこの外部で魔法を使用してはいけないという基本事項を今日は覚えて帰ってください。いいですね。」

 

リーンゴーンランラーン↑ゴーン↓リーンゴーン↓ラーンゴーン↑ラーンゴーン↓

 

ヤケに長ったらしいチャイムがなって授業が終わった。にしても、やはりこの身体は薄々勘付いていたが人間としては規格外らしい。彼女が言っていた伝統魔術とやらも普通に使えてしまっているのだ。まぁ、彼をサポートするのには問題無いので良いとして、そのせい人になりきれなかったとか言われてでサポートが終わったあとに帰れなくなるのは勘弁してほしい。はぁ( ´Д`)=3この体はこのままで良いのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も暇でしたわ。どうせなら、何時も彼らの実働部隊が使っている軍用攻撃魔法でも教えれば良いのに。それが『許可証なしに魔法を使ってはいけない』ですって?自分たちから後々それを破るように伝えるのに………ハァ……バカバカしいにも程がありますわ。う〜ん。学校に来る楽しみが、彼らとの接触だけですのよ。はぁ( ´Д`)=3つまりませんわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと、私は上を見上げた。そして、思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつまで私は廊下に立っていなきゃいけないんだと。


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