恋姫と錬金術師   作:black5

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欠片の断片

 

 

 

 

二つの物語が交差するとき新たな外史が生まれる

そして運命の悪戯によって会う事が出来なかったモノ、会う事が無かったモノ、交わるはずの無い

二つの物語の歯車が動き出す

 

 

 

飲食店が立ち並ぶ屋台街でイスに座り店主と話をしている二人。この暑い中、赤いコートに金髪の

三つ編み、手には白い手袋の小柄の男性、名前はエドワード・エルリック。もう一人はフルプレー

トに身を包んだ大柄な男性、額には20センチほどの角が生えてる。名前をアルフォンス・エル

リック。二人は兄弟、見た目とは反してアルフォンスの方が弟だ。食事をしているのは赤いコート

を着ている兄のエドワード。鎧の男性であるアルフォンスは店主から情報を仕入れている最中のよ

うだ。

 

 

 

「さっきから街中で演説している人が居ますけど、宗教勧誘かなんかですか?」

 

 

「あぁ、あれは太平道の大賢良師って方の代理人だそうだ」

 

 

赤いバンダナを頭に巻いて口ひげを生やした店主がそう答える

 

 

「太平道の大賢良師?なんだそりゃ?」

 

 

興味を持ったのか食事をしていた兄のエドワードの方が横から問いかける

 

 

「いや・・・俺に取ってはアンタ達のほうがなんだこりゃ?って感じなんだか、あんた等大道芸人

かなんかかい?」

 

 

二人の容姿の差が気になる、この国でフルプレートはまずお目にかかることはない。そんなやり取

りにエドワードは口から食事を吹き出し答えた

 

 

「あのなぁおっちゃん!俺達のどこが大道芸人に見えるって言うんだよ!」

 

 

「いや、どう見たってそうとしか・・・あんたらここいらじゃ見ない顔だからな、旅行か何かかい

?」

 

 

「んー探し物をちょっとね、ところでさっきの代理人はなに?」

 

 

「張角様を知らんのかい?」

 

 

 

「「誰?」」

 

二人揃ってそう答えた

 

 

 

「奇跡の業、太平道の大賢良師、張角様さ!数年前にこの街に現れて人々に神の道を解いてくださ

った素晴らしい方さ!そりゃもうすごいのなんの、ありゃ本当に奇跡、神の御業さね!って聞いて

ねぇーなボウズ」

 

 

「うん。興味ないし。」

 

 

机に顎を乗せダルそうに答えるエドワード

 

 

「ごちそーさん!んじゃアル!行くか!」

 

 

食事を終えアルフォンスに声をかけイスから立ち上がる二人。すると身長が大きい弟の頭がカウンタ

ーの上の棚にあたって壁に飾ってあった装飾品が落ち音を立てて壊れた。店主が叫び二人に苦言し

 

「あぁ!!ちょっと!!困るよお客さん!だいたいそんな鎧姿で歩いてるから・・・」

 

 

アルフォンスが直ぐに壊れた装飾品を一か所に集め始めて地面に模様を描き始めた

 

 

「すいませんすぐに直しますから」

 

 

「直すからって・・・どうすんだよ・・・」

 

 

ため息を付きながらアルフォンスのやることをカウンター越しにあきれた様子で眺める店主

 

 

 

「まぁ見てなって」

 

 

「よし!そんじゃいきまーす」

 

 

 

その掛け声と共に先ほどアルフォンスが書いていた模様から雷のような光が走り小さく爆発音なようなものが聞こえた

 

 

それをみた店主は思わず声を上げる

 

 

「っな!こりゃ驚いた・・・あんた【奇跡の業】が使えるのかい!?」

 

 

「なんだそりゃ?俺達は錬金術師だ!エルリック兄弟と言えば結構名が通ってるんだけどね」

 

 

「エルリック・・・エルリック兄弟っていや兄の方がたしか、国家錬金術師の”鋼の錬金術師”エドワード・エルリック!!いやぁーあんたが噂の天才錬金術師か!なるほどこんな鎧を着ているからふたつ名が”鋼”なのか」

 

 

 

今のやり取りを見ていた住人が一斉にアルフォンスに駆け寄り声をかける。

 

 

「あの・・・ボクじゃなくてあっちが兄です」

 

 

「へ?」

 

「あっちのちっこいのが?」

 

 

住人からそんな声が聞こえてきた!

 

 

「誰が豆つぶドちびか!!!!!」

 

 

ちゃぶ台返しをする仕草をしながら怒りをあらわにするエドワード

 

 

「ボクはアルフォンス・エルリックです」

 

 

「そしてオレが!”鋼の錬金術師”エドワード・エルリックだ!」

 

 

怒りが収まらないエドワードは中指を立ててそう自己紹介をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーっ!大きな鎧が歩いて動いているのですよ!稟ちゃん!稟ちゃん!これ!面白いですよぉ~

こっちにきて一緒に見ましょうよ!」

 

 

通りの反対側から少女の声が響いた

 

 

「こら!風!勝手に歩き回らないの!それに初対面の方に対して無礼な物言いは止めなさい。そこの方本当に申し訳な・・・って!デカッ!」

 

 

稟と呼ばれた女性は髪を後ろアップで纏め眼鏡姿。少女に注意をしながら近寄って来るがアルフォンスの姿を発見すると自然と声が漏れていた

 

 

「ほらほら!稟ちゃん!これ!面白いでしょ!?」

 

 

風と呼ばれた少女は金髪のウェーブがかかった綺麗な長髪。手にはアメを持ち何故か頭には人形が乗っている

 

興味深々なようでアルフォンスの周りをクルクルと回って確かめている

 

 

 

「ねぇねぇ!星ちゃんもそうおもいませんかぁ~?」

 

 

 

星と呼ばれた女性は自分が呼ばれたことに ん? と首を傾げ近寄ってきた。

ショートカットの髪に一遍だけ髪を纏めた長髪が目立つ、手には二股に分かれた槍を持つ

 

 

 

「ふむ・・・これはこれは!立派な鎧ですな!今まで旅をして来たがこれは中々」

 

 

星もアゴに手をかけふむふむと言いながらアルフォンスの周りをウロウロしながら値踏みをしていた

 

 

 

 

「え・・・えっと・・・!あはは・・・」

 

 

二人の女性に驚きながらも笑うことしかできないアルフォンス

 

 

 

「なんだなんだ!うちの弟をコレ扱いしないでもらえますか?オチビさん?」

 

 

 

「自分だって対して変わらないくらいのチビじゃねーか!」

 

 

少女とは違う声どこからともなく響いた

 

 

 

「こらこら!宝譿!事実であっても言葉にしてはいけないこともあるのですよぉ?」

 

 

 

宝譿(ほうけい)と呼ばれたのは風と言う少女の頭に乗っている人形である

その人形に向かって注意をしたのだ。それを聞いたエドワードは・・・

 

 

 

 

 

「なんだと!コノヤロ!!誰がウルトラミジンコドチビか!!頭の上の人形で腹話術してんじゃねーよ!!」

 

 

 

少女に指を向け地団太を踏みながら文句を言うのだった

 

 

 

「うるとら?・・・って、そこまで自虐的にならないでもいいでしょうに、それにしても見慣れない格好の方々ですね?旅の途中でしょうか?風もいい加減にしてください」

 

 

稟がそう言うとアルフォンスの周りをウロウロしていた風が稟の所へ戻ってきた

 

 

 

 

「おうおう!兄ちゃん!威勢が良いじゃねぇーか!俺様とやろーってのか?」

 

 

風の頭からエドワードに向かって宝譿が喧嘩を売る形になる

 

 

 

 

「すいません。バカ兄で!僕達は、ずっとずっと西の国から来ました。」

 

 

 

風・・・いや宝譿とエドワードの口喧嘩をしている横からアルフォンスが入ってくる

 

 

 

 

 

「西から!?私達にはまだまだ未開の国、っは!自己紹介が遅れました。私、郭嘉と申します、あちらの連れは人形が乗っているのが程昱で槍を持っている方が趙雲と言います。私達も旅の途中、もし良ければ西の国の事を聞かせてもらえないでしょうか?」

 

 

 

自己紹介をする稟に疑問を持った二人。その疑問に対してエドワードが質問をした

 

 

 

「ん?あんた達が呼び合っている名前と今聞いた名前が違うようだが?たしかそのチビの事を風って・・・」

 

 

 

そう名前をつぶやいた瞬間、風は驚きの声を上げる

 

「っひあ!?」

 

 

「貴様!!」

 

 

 

その瞬間音もなくエドワードの目の前に突き立てられたのは星の二股の槍の尖端だった

 

 

「っっな!!」

 

 

「お主・・・どこの世間知らずの貴族かは知らんが、いきなり人の真名を呼ぶとはどう言う了見だ!!」

 

 

 

先ほどは落ち着いていた星が余裕のない怒りでエドワードを睨みつける

 

 

 

「って・・・訂正・・・してください!」

 

 

悲しそうな顔をしながらエドワードへと風が問いかけた

 

 

 

 

「っな・・・なんなんだ!?」

 

 

「訂正してください!!」

 

 

こんどは稟がエドワードへと告げると泣きそうになりながら風が稟へと近寄る

 

 

(なんなんだこの子達、さっきまでは普通に話をしていたのに、名前一つ呼んだだけでこんなにも殺気だっているんだ)

 

「わ、分かった!訂正する!訂正するから!!」

 

 

 

 

「・・・結構」

 

 

エドワードの訂正に対して槍を下す星すると風も安心したかのようにため息をついた

 

 

「はぁーーーーーいきなり真名で呼ぶなんでびっくりしちゃいましたよぉ」

 

 

 

 

「ま、真名?でもあんた達、その名で呼び合ってたんじゃ・・・」

 

 

 

エドワードの問いに対し稟が答える

 

 

 

「真名と言うものは己が認めた者のみが呼んでいい名前です。相手の真名を知っていてもそれを口にしたら殺されてもしかたないのですよ?」

 

 

 

「・・・んだそれ!所見殺し過ぎるだろ!!と、とりあえずは呼んだらダメな名前って言うのは分かった。」

 

 

 

「先ほど伝えている名前であれば呼んでも構いませんので次からはそちらでお呼びください」

 

 

眼鏡のズレを直しながら稟は事務的に説明する

 

 

 

「兄さん・・・他国の文化だから仕方ないよ!みなさんも兄が失礼なことをしたみたいですいませんでした」

 

 

 

アルフォンスが三人の前へと進み頭を下げて謝罪する

 

 

「・・・異国の者ならとは言え、今から入るこの国では気を付けた方がいい」

 

 

槍の構えを解き星が二人へと助言した。

 

 

 

 

「了解っと!ってかこの国の人達なら少し話を聞かせてくれないか?」

 

 

 

エドワードは今から入る国の知識をこの女性3人から聞こうと考えていた

(こんな真名一つでホイホイ殺されてたまるかってんだ・・・)

 

 

「そうですね!私も西の国には興味がありますので少しお話をさせて頂きたいと思います!」

 

 

 

「はいはーい!じゃあじゃあ!お兄さんお姉さん達!うちの宿に泊まってかないかい?」

 

 

 

いきなり腰を叩かれたエドワードは声のする方へと振り返るとそこには1人の女の子が立っていた

 

 

「話をするのにも場所は必要でしょ?だったらうちの宿使ってよ!!んでわ!5名様ごあんなーい!!おとーさん!お客さん!金づる!!」

 

 

 

「って人の話を聞けよ!!金ヅルってなんだよ!!」

 

 

エドワードの服つかまれて女の子に引っ張られて行く。その後ろを4人は苦笑いをしながらついていくのだった

 

 

 

 

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