恋姫と錬金術師   作:black5

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三姉妹の旅立ち2

「なんでもできます!と言いたいのですが少しだけできないことがあります。」

 

 

南華老仙は左手で頬をかきながら困ったような表情で言葉を付け足した

 

 

「まずお渡ししましたそちらの指輪、如意宝珠から同じものを作ることはできません。そして死人を生き返らせること、こちらもできません。それ以外でしたら何でもできます!先ほど私がお見せしましたように無から有を作り出せること。石を金に換えること。物質の変化や病気の治療なども可能です」

 

 

三姉妹の周りを歩きながら説明をする南華老仙

 

 

「すっごーい!これがあれば私達の夢もすぐに叶えることができるよ!」

 

 

 

天和は嬉しくなり、さっそく指輪を左手の薬指に嵌めて月にかざした

 

 

月明かりに照らされて指輪に嵌った宝石は赤く輝く

 

 

「ねぇねぇ!早速試してみても良い!ちぃーねぇ!舞台衣装が欲しい!あとねぇ!あとねぇ!」

 

 

なんでもできると聞いて地和も、天和と同じく指輪を手に取りはしゃいでいた

 

 

「姉さん達、少し落ち着いて!いろいろ、やりたいだろうけど話を聞いて!」

 

 

人和は冷静に状況を確かめていた

 

 

「南華老仙さんはどこまで私達三姉妹の事を支援してくれるのかしら?」

 

 

「そうですね、そちらの指輪をお渡しした後はあなた達の事を村々で吹聴して賛同者を増やす活動でもしましょうか?張角様は凄い人だ!どんな病を治癒し、無から金を作り出せる!この国にとってはならない人!!などは如何でしょうか?」

 

 

そんなことできない・・・と言おうとした人和だったが、今受け取った指輪は不可能を可能に変えるチカラを持った物である。

 

「そう、公言して村を回りあなた達の奇跡を見た村人達はどう思われるでしょうか?」

 

 

間違いなく仙術や妖術の類だと思われるであろう。しかしその奇跡を見てしまえば、実際に目の前で金を出してしまえば・・・

 

 

「・・・私達のチカラとして人を集めることが出来る」

 

「さようでございます!人々は歓喜するはずですよ!奇跡だ!神だと敬い奉ることでしょう!そうなれば自然と人は集まります。ん~そうですね、人がすがれる場所を作ってしまえば良いのですよ!あなた達が神として信仰の対象になってしまえば!」

 

「宗教を作れと言いたいのかしら?」

 

「はい!それが人の心をまとめ上げるのに適しているかと!あなた達のその装飾や髪飾りの黄色を主軸とした黄巾党なるものは如何でしょうか?あと長女で在らせられます張角様に至っては大賢良師を名乗られるとよろしいのではないでしょうか?」

 

 

三姉妹はそれぞれ黄色いリボンを身に着けていた。天和は髪留めに、地和は右手首に、人和は胸元に。それを御旗に信者を集める。後に信者達が崇拝し一目で黄巾党であると分からせるための目印となった

 

「えーお姉ちゃん、大賢良師ってそんな堅苦しいの嫌だよ!全然可愛くないし!」

 

「いえ!ねーさんそれを名乗りましょう!歌うときは天和でそれ以外は大賢良師で通せば大丈夫よ!」

 

「れんほーちゃんがそう言うんだったら、ん!まぁ・・・いっか!」

 

 

難しい顔で否定した天和は人和の答えですんなりと受け入れたのであった

 

 

「でわ!信者1人目と致しまして私からお願いがございます!張角様」

 

「ん?なーに?」

 

「どうかこの国をお救いください!腐敗した洛陽を罰し、大陸に安寧を」

 

「そう・・・だね!南華老仙さんがくれたこの指輪で人数を集めて天子様をやっつけよー!!」

 

 

おー!と右手を掲げ笑顔で答える天和

 

「そのお言葉を頂けて幸いであります。たくさんの人々が救われることでしょう!でしたら私はこれから洛陽へと向かいこちらの立て札と書き文を巻いてきます」

 

 

南華老仙が見せた立て札と文は黄巾党のあの一文となっていた

 

 

 

甲子

 

 

蒼天已死 黄天當立 歳在甲子 天下大吉

 

 

 

 

「でわ!必ず人を増やして参りますのでお三方もどうがご無事で!」

 

 

そういうと南華老仙は姿が掻き消えるかのように夜の森へと消えて行った

 

 

それから指輪を手に入れた三姉妹は、村々で巡業しながら人を集め演説をし指輪のチカラで奇跡を見せながら信者を増やしていった。

 

ある時は壊れた建物を直し

 

ある時は流行り病で困っている村を助け

 

また別の村では金を出し豪遊した

 

 

人々はそれぞれ口にする

 

 

役満姉妹は天の使い!

 

三姉妹は天に代わりてあまねく世人を救う方

 

仙人が顕現し民を纏め統率してくれる

 

 

 

彼女等の奇跡を見た村人達はそのチカラに心酔し崇拝していた。

 

村で起こった出来事は口伝えにどんどん広まっていった

 

 

 

どれほどの月日が経った頃か数十万人の信者を8つの州で獲得するに至った

 

 

規模はデカくなり黄巾党としての活動は三姉妹が夢見ていたものから大きく逸れ始めていた

 

 

大陸に安寧をもたらすものから、大陸にとって害悪なものへと変わってしまっていたのだ

 

 

 

膨れ上がった信徒は数の暴力で村々を襲い始めた

 

暴力、略奪、凌辱、黄巾党の末端に至っては何を信仰し何の目的で活動しているのかさえ分からなかった為の事

 

 

張角、真名は天和、彼女も大きく変わっていった

 

 

始めは大陸に平和をもたらすために活動していたのだが、人と金、チカラに権力と集まった

 

彼女はいつしか表面的には善道をもって天下を教化していたが、内部では結託して黄天の世を作ろうと画策していた

 

人身御供を捧げて天を祭り、一斉に蜂起して州郡の役所を焼き払い、長官を殺害し集落を略奪した。張角は天公将軍と称した。

 

 

 

 

 

それが数十万規模で起こっているために、朝廷で問題視され、各地から討伐隊を指揮するための武将が招集されることになった

 

 

董卓に皇甫嵩達もその役割をこなすために洛陽へと呼ばれたのである

 

 

黄巾の乱と呼ばれる戦いから始まりさまざまな武将達がまざりあい大きく動きだすこととなる

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