エドワード、アルフォンス、董卓に皇甫嵩は森の中を馬車に乗りながら進んでいた
「見渡せど見渡せど森なんだが本当にこの道であってるのか?」
馬車の荷台に寝転がりながら愚痴るエドワード
「もう!兄さんは同じことばっかり何回言うのさ!」
「だってよー!こうも木ばっかりだと本当に洛陽へ進んでいるのかわかんねーじゃねーか!」
4人は出発した村から数日経った場所を洛陽へと向かっている
始めは見る景色が変わるたびに驚いていた二人で在ったが進むにつれて道は細くなり馬車がギリギリ通れるほどの場所だった
「大丈夫ですよ!エドワードさん!この辺には分かりにくいですがちゃんと目印があるんです!岩の形だったり切られた木の幹の数であったり」
董卓は目印になる場所を指刺しながらそう答えた
「ふふ!若い子達にはつまらないでしょうけどもう少しの我慢ですよ!」
手綱を握る皇甫嵩も目印は分かっているために道を間違えることはなかった
「もう少しで川が見えてくると思いますので、そこで少し休憩しましょうか!」
「お!頼むよ!皇甫嵩さん!馬車とか乗りなれてないもんだから尻が痛い・・・」
「ったく・・・ダメ兄・・・」
「あぁ!?なんだアル!てめぇ!!」
そんな兄弟のやり取りを董卓と皇甫嵩は笑いながら見つめていた
それから数刻が経ち川へとやってきた4人は馬も休ませるべく、しばしの休憩を取る
「はぁ~!!水が冷たくて旨い!!」
「エドワードさんはその手袋外さないんですね?」
川へと顔を突っ込み水を飲むエドワードを見て皇甫嵩が訪ねた
エドワードは赤いコート、両手には白い手袋を嵌めていた。
食事の時も外さずに居たことが不思議になった皇甫嵩は前から気になっていたのだ
「あぁ・・・これは、人様に見せられるような手じゃないからな・・・」
「・・・そうでしたか、ごめんなさい!不躾なことを聞いてしまったわね」
「いや、構わないよ」
皇甫嵩は昔に怪我をした傷跡や火傷などを想像してそれ以上は聞くことをやめる
「さて、この川まで来たって事は洛陽まではあと2日ほどかしら、この旅もあと少しね!」
革袋に水を入れ終わった皇甫嵩が川岸から立ち上がり董卓の隣へと移動し手渡した
「そうですね!黄巾党や賊を警戒していましたが何事もなく洛陽へと着けそうですね」
董卓は水を受け取るとそれを飲み喉の渇きを潤した。黄巾党の討伐!それが董卓と皇甫嵩が洛陽へと行きやらなければならない!目的であった
「そうね!霊帝様にお会いしてから討伐編成の準備と確認。やることはたくさんあるわ」
「これから向かう洛陽って所がこの国の中心なんですよね?」
皇甫嵩へとアルフォンスが問う
「えぇ!天子様と崇める霊帝様が住まわれる場所。洛陽!黄巾党はここを狙っているわね」
「俺達もその霊帝様って人に会う事ってできるかな?」
「ん~難しいと思うわね!霊帝様に仕える方々がそれを是とはしないと思うわ!特に何進(かしん)さんや趙忠さんあたりは絶対に許さないでしょうね」
何進遂高、漢の大将軍を名乗っている
もとは市井の肉屋だったが、妹が宮中に入ったことをきっかけに、武官として取り立てられた。酷薄で権力欲が強く、保身を第一に考える性格
趙忠
十常侍のひとり。霊帝(空丹に「我が母」とまで言われ寵愛されている宦官。
霊帝が可愛らしくて仕方が無く、全身全霊をかけて甘やかしている。
どちらも私腹を肥やすことに夢中になっているが賄賂や圧政で裏から握りつぶしている
「この二人がいる限りは難しいかもしれないわね」
皇甫嵩は腕を組み、ため息を付いた
「お会いできるかわかりませんが、お二人が望まれるのでしたらお礼として私が掛け合ってみましょうか?」
董卓は兄弟にそう告げる
「大丈夫なのか?」
「霊帝様はお優しい方なので、お二人に興味を持たれたらお会いになられるかもしれません。異国の方と大きな鎧!もしかすればあの霊帝様でも興味を持たれるかもしれませんから」
霊帝は幼いころより趙忠に言われるがまま、行動をしていた為、自分で考えることを放棄していた。しかし珍しい物や興味をそそるものに対しては自分から行動をしていた
「だったらお願いできますか?霊帝様って人にも聞きたいことがあるからさ」
「あまり期待はしないで頂戴ね!でも、私達に出来ることがあれば協力するから!言って頂戴!」
皇甫嵩は立ち上がり馬を呼び寄せ、手綱を付けなおした
「そろそろ出発しましょうか!このまま進んで洛陽の北から入りましょう!」
4人は洛陽へと進み、東西南北とある入り口の方を選んだ
しかしそこに居るのは北部尉として北の門の警備隊長をしてる曹操が守る場所であり、洛陽に暮らす民から一番恐れられている所であった