洛陽の北門前
1台の豪華な馬車が洛陽へと入るべく急いでいた。豪華な仕様の煌びやかな馬車で護衛が2人居た
「はぁー、この時期にまさか朝廷に呼び出されるとは思いもしませんでしたね~」
御者台から声をかけてきたのは袁紹の部下である顔良であった
「ったくよーせっかく、あたいが黄巾党をぶっ潰して回ってるって時に!楽しみ取られちまったよ!」
横から面白くなさそうに答えたのはこちらも袁紹の部下である文醜であった
「うるさいですわ!霊帝様も黄巾党の討伐の事で私をお呼びになったに違いありませんわ!」
馬車の中から金髪くるくるの袁紹が顔をのぞかせた
「斥候の話によりますと他の州の県令や武将、武官達も集められているみたいですし、この私が呼ばれたのも当然と言えば当然なんですわ!おーっほっほっほ!」
「麗羽様、門が見えてきました。なにか立て札がありますけど・・・なんだろう・・・?」
北部城内 夜中禁足 門中沈々 下馬禁刀 騒者打擲
夜中は出歩くな 門の中では静かに 馬を降り武器を抜くのは厳禁 騒がしいものは罰する
曹操が北部位になったときに掲げた札であった
「なんか、馬車を降りろと書いてありましたね?」
「降りろですって?っは!構いませんわ!斗詩さん!そのまま進んでしまいなさい」
「え?でも・・・」
「良いんじゃねーか?斗詩!そのままいっちまえよ!ほらほら」
文醜は馬の手綱を持ち早足で進ませてしまった。すると門の警備兵達が槍を構え馬車を止めた
「お待ちください!この北門を通られる場合はいかなる人物でも下馬をお願いしています。どうかお降りください」
「なぜですの?この袁家の者が民草達と同じようにわざわざ歩いて門を通れと、そうおっしゃるのかしら?」
「・・・はい。お願いいたします」
「私は霊帝様に呼ばれて洛陽へとやってきたのに遅れてしまっては、貴方たちの首を差し出しても許されませんわ」
「ですが、いかなる方のどのような理由であってもこの禁令を厳守せよと言われておりますゆえ」
「あなた達では話になりませんわ!この門の責任者をお呼びなさい!その方と話を付けますわ!」
袁紹は馬車を降り、腰に帯刀していた武器を取り出し、門の近くに掛けられている立て札を切って捨てた
「あら?その必要はないわ!私が責任者ですもの!」
門の中から現れたのは曹操であった。位の高い服を着て秘書官を後ろにつれて袁紹の前までやってきた
「あらあらあらあら!誰かと思えは華琳さんじゃありませんか!まさか鬼の北部尉と言われて恐れられている方があなただったのですわね?」
「麗羽は相変わらずね!あなた、文字も読めなくなったとは本当に残念ね!袁家の名に泥を塗ってしまっているわよ?」
呆れたように。っふん!と袁紹を一瞥し部下の前へと歩を進める曹操
「さぁ、あなた達、捕捉なさい」
「っは!」
兵達は二人で袁紹を捉え打擲台へと連れて行った
「っく!放しなさい!!汚い手で私に触らないで!斗詩さん!猪々子さん!助けなさい!」
「すいません麗羽様・・・私達も武器取られちゃいまして・・・」
「・・・あたい等が動いたら麗羽様の首が飛んじゃいますよ・・・」
「きぃ!!役立たずですわね!って華琳さん!なんですのその鉄の棒は!!」
台に固定された三人は打擲台へとうつ伏せに寝かされ口には猿轡(さるぐつわ)をされた
兵が三人へと注意していた
「どうかお気をたしかにもち、こちらはくわえたままにお願いします」
「さて、秘書官!この者達の罪はいかなるものかしら?」
「っは!下馬されなかった事と器物破損、武力解決しようとの3打が妥当かと」
「そう、なら一人1打耐えなさい!それをもって罰にしてあげる!麗羽、行くわよ?」
曹操は金棒を振り上げ躊躇なく袁紹の背中へと鉄の塊を振り下ろした。
「っっは・・・!」
背中へと重い衝撃が走る。肺の中の空気はすべて抜け、痛みは骨に内蔵まで届いた。
骨は折れることは無かったが痛みで全身が震えだした
「次はあなたね」
曹操は同じように顔良、文醜へと金棒を振り下ろした
「さて、罪も終わったからあなた達もう行って良いわよ。これに懲りたならもう同じことはしないで頂戴。めんどくさいのよ」
金棒を兵へと渡しその場を去って行く曹操
「麗・・・羽様っ大丈夫ですか?麗羽様?麗羽様!?」
「大丈夫だよ斗詩。気絶してるだけだ。それにしてもあの曹操、なんの躊躇もなくやりやがったな!いつか絶対後悔させてやる」
「よ、よかった!麗羽様を取り合えず馬車に乗せて宿に向かいましょう」
気絶した袁紹を抱えて馬車へと移動し、宿へと向かうその数刻後
「はぁーやっと洛陽につきましたね!」
んーっと背筋を伸ばしながら皇甫嵩は馬を歩ませている。座りっぱなしのために体がこわばるのだ
「立て札?なになに・・・馬車を降りて門を通られよ、従わなければ打擲・・・新しい北部尉さんは過激な方なのね」
「では、ここから歩きになりますね」
董卓が降りる支度をして後ろに乗るエルリック兄弟へと声をかけた
「あーやっと街か!すげぇよな!この城壁たけぇ!」
「うん!あ!見て兄さん!あそこ」
アルフォンスが指を指した場所は城壁の上にある兵舎だった。そこに通る旅人を見つめる一人の女性の姿があった。
曹操は木簡を読みながらも常に周りを見ていた。それゆへ、アルフォンスが指を自分に向けていた事を気づいた
「あれは・・・なかなか面白いわね!」
城壁を降りて門の前まで来た曹操。その横を馬車を降りた4人が通りすぎて行った
「・・・後ろの異国の子供?と全身を包む鎧・・・ふふっ!これから、楽しくなりそうね」
宿へと向かった4人は翌日、朝廷へと入る
皇甫嵩と董卓は謁見の間へと通されたが護衛の二人は別の部屋で待機していた所、部屋に2人の女性が入ってきた
「この部屋で待ってろってよ!斗詩!茶!茶入れてくれ!」
「もう・・・文ちゃん!麗羽様の事が心配じゃないの!あんな青ざめた顔で霊帝様の前に出るなんて」
文醜と顔良である。部屋へ入った所、先客が居たようでそちらに目を向けると
「って!!あの鎧に金髪!いつかのクソガキじゃねーか!!」
扉から騒がしく入ってくる女性を見たエドワードは思わず嫌な顔になってしまう
「っげ・・・袁紹の・・・」
「お前のせいであのあと県令にめちゃくちゃ怒られたんだからな!」
指をエドワードへと刺し、地団太を踏みながら怒りをぶつける文醜
「こっちだってな!!お前達に宿を燃やされたせいで通行所なくなっちまったんだよ!!」
イスの上に立ち机に右足を立てながらエドワードも文醜へと怒りをぶつける
「砂漠越え!?あほか!!あれが無ければ益州に簡単に行けたんだよ!!」
「うっせ!あたい達だってあんなことがなければこの戦いもやらなくてよかったんだよ!!」
「っは!だったら袁紹もこの黄巾党討伐に呼ばれてんのかよ!」
エドワードと文醜の口喧嘩を顔良とアルフォンスはだまって呆れたように見ているだけであった