「部下が失礼いたしました!えどわーどさん!私は濮陽の令に任命しております!袁本初と申します。こうして出会えたのも何かの縁!さぁさぁ~こんな汚い所にいらっしゃらないで、こんな田舎ではありますが私が使っております立派な宿へご案内差し上げますわ」
エドワードからの手紙を受け取り、封を開けることなく懐へとしまい込み、両手を広げながら歓迎の言葉を袁紹は伝えた
「そんじゃお願いしますかね!ここじゃうるさい奴等がたくさんいて落ち着かないんでね」
「え?ちょっと兄さん!?」
「えぇさぁさぁ!参りましょう!それとチェンさん!献上品はしっかりと用意して頂きます。でわ!斗詩さん猪々子さん行きますわよ」
「はーい!行こうぜ斗詩」
「うん文ちゃん!でわ失礼しました。」
麗羽を先頭にエドワード、猪々子、斗詩と出て行き、取り残された人々は口々に不満を言い合っている
「きぃぃ!!!ムカツク!あのクルクル頭!!本当に頭にきます!」
「タオやめなさい!聞かれたらお前まで切られてしまう」
「お父さん・・・でも!」
そんなやりとりを他所に郭嘉達は今見た光景を話し合っていた
「なぜ、エドワードさんは劉弁様の勅書をお持ちになられているのかしら・・・霊帝様とどのようなつながりが?」
「ですねぇー人は見かけに寄らないとはこのことですけど・・・」
そこで星が誰にも聞こえない声で(本物ならばな・・・)と呟いた横でアルフォンスは頭を抱えて悩むしかなかった
それからエドワードは袁紹の屋敷へと案内され食事の用意をすると強引にテーブルへと着かされた
「さぁさぁ、遠慮なさらずにどんどん召し上がってくださいまし!」
「ここの屋敷の方はずいぶんと豪華な食事をされているのですね!街はあんな状態なのに」
「いやですわ!お恥ずかしい話なんですけども、献上品の徴収がままなりませんので困っております。オマケに先ほどのような無礼を働く民も少なからずおりまして・・・お恥ずかしい限りですわ」
「献上品の義務を怠っておきながら権利ばかり主張すると言うわけですね?」
「その通りですわ!さすがエドワード様!話が分かるお方です事!この世は義務あっての権利ですから・・・っというわけでえどわーど様!この世の理としてこちらを受け取ってくださいまし」
袁紹は席を立ち、エドワードが食事をする席とは別の場所のテーブルへと金が入った袋を置いた
「えどわーど様は霊帝様からの勅使をお持ちということで、都の上の方々達に顔がきくと思われますわ。これはほんの気持ちですけども」
「これは・・・いわゆる【ワイロ】と言うやつでは?」
「いえいえ・・・気持ち・・・ですわ!えどわーどさんもなにかと入用でしょうから、少し出助けができればと思いまして!私は一生をこんな田舎の役員程度で終わりたくはないのですわ。お分かりいただけますでしょうか?」
それから袁紹に無理矢理に金の入った袋を渡され斗詩に部屋へと案内された。
「えどわーど様ごゆっくりおやすみくださいませ。何かありました、そちらの鈴を鳴らしてください。屋敷の使用人がすぐに参りますので。でわ」
斗詩は案内を終え麗羽と猪々子が待つ部屋へと向かった
「麗羽様ただいま戻りました。ちゃんとお部屋まで案内しましたよ!」
「ご苦労様ですわ!あの方には気分良く帰っていただかなければなりません。ところで猪々子さん、さっきの話を斗詩さんにも伝えてくださる?」
「はーい!とし~さっきのチェンの店なんだけどな、最近、ふおんぶんし?が集まって不平を騒ぎ立ててるようなんだよ」
「まったく私の完璧なやり方になんの不満があるのでしょうか!?あの方々は前々から何かと反抗的ですわ!もうめんどうですわね!あの店、焼き払ってしまいましょうか」
麗羽は二人にそう命令するとおーほっほっほと高笑いをしながら自室へと戻っていった
命令された二人は武器を取り夜の暗闇を抜けチェンの店へと向かい建物に火をつけるのであった
夜が明け弟の様子を見てくると言いチェンの宿へと向かったエドワード。そこには焼け落ちたチェンの店と外で消化作業をしていたであろう人々を見つけた
「ひどい・・・何もここまでしなくても」
「稟ちゃん、昨日の夜、袁紹さんの部下達がこの店の周りをうろうろしてる姿を見たという人が」
「私がもう少し早めに気づいて居れば、火を消すこともできただろうに!店主・・・すまん」
趙雲は酒を飲んでいた時にその場に居たチェンの部下達と意気投合し別の場所へと飲みに行っていたその
後、帰るときに宿の場所が明るいことに気づき皆を起こし消化を試みていた
「ねぇ・・・エドワードさん。お父さんが宿をやっていたのはこの街をすくいかたったからなんだ。貴方は国の偉い錬金術師なんでしょ!?ならこの崩れた建物を直してお父さんを・・・街を救って見せてよ!」
タオはエドワードの前へと進み、悔しさから涙を流し、両手を力いっぱい握りしめながら見つめていた
「・・・だめだ」
そんなタオの言葉にもエドワードは一言、否定するだけだった
「なんで!?なんでなの!?いいじゃない!!減るもんじゃないし!!」
「錬金術の基本は【等価交換】あんたらに金をくれてやる義理も義務も俺には無い。ここで俺が建物を直してもまた焼かれたらどうする?金を出して助けても献上品で持っていかれたら終わりだ。お前らのその場しのぎに使われたらこっちはたまったもんじゃない。そんなに困っているんならこの街を出れば良い。」
そんな冷たい言葉を口にするエドワード。その前で泣きじゃくるタオの頭にチェンは優しく手を置きエドワードへと喋りかけた
「エドワードさんには分からないかもしれないが、この街が俺達の家で、棺桶なんですよ」
すると苦虫を噛み締めたような顔になるとエドワードはどこかへと歩いて行った。その後ろをアルフォンスはついて行きながら喋りかける
「ねぇ兄さん!どこ行くのさ!ちょっと待ってよ!・・・本当にあの人達を放っておく気?」
アルフォンスの問いかけにも答えず歩き続けるエドワード。少し歩いたところで石の山が放置されている場所へとたどり着き口を開いた
「なぁーアル!この石山どれくらいの量あると思う?」
「1トンから2トンくらいあるんじゃないかな?」
「よし!アル!今からちょーっと法に触れることするけどお前!見てない振りしろよ?」
「っへ?それって共犯者になれってこと?」
「ダメか?」
そういうやり取りがあり、石山の前でエドワードは胸の前で手のひらを合わせた。そしてその手を地面へと着けた。
すると石山の周辺を錬成陣が発動しその石山すべてが金の塊へと変わったのであった
「返事を聞く前に結局やってるじゃんかよ」
あきれたアルフォンス。その横でエドワードが頭の後ろで手を組みニヤニヤしながら
「なーに!バレなきゃ良いんだよ!バレなきゃ!」
「やれやれ・・・悪い兄を持つと本当に苦労するよ」
二人のやり取りだけがあった。それから二人はその塊を荷馬車へと乗せ袁紹の屋敷へと向かうのであった