あの日見た青年は、空虚でした   作:Cross Alcanna

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どうも、Cross Alcannaです。

今回で、一旦アンケート回は終わりますが、日常回はしばらく続きます。結構前にはなりますが、ありがたいことにリクエストも来ておりますので、そちらを執筆しようと考えています。

そして、お気に入り登録:ゼルクニルさん、ペルナさん、お気に入り登録ありがとうございます。日常系の書き方もまだ至らぬところが多いですが、どうか温かい目で見守ってくださるとありがたいです。

それでは、本編を開始します。



【日常】青年は、着せ替えられました

[ショッピングモール]

 

 

「…来てはみたけど……広いなぁ」

 

 

あくる日、僕はショッピングモールに来ていた。一応、前に1回早雪さんに連れてきてもらったから、知ってはいるんだけど…相変わらず広い。

 

 

「…迷わないでまわれるかな…?」

 

 

正直、店を全部は覚えられてないのが現実。広さもさながら、店の種類と数。それらが重なって、僕にとっては迷宮にも感ぜられる。…迷わない自信がない。

 

 

「…とりあえず、行こうかな」

 

 

弱気になりながらも、僕は目的の店に向かうことにした。…今回で覚えきれるかなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

「…迷わないで着けた…よかった」

 

 

一応、目的の店には迷わずに着けた。ショッピングモールの入り口とは真逆の方にあったため、そこそこ歩いた。…もう疲れてきたなぁ。

 

 

「…どれが合うかなぁ」

 

 

そう、僕の言う目的の店というのは…服屋だ。服が少ない、と日菜姉に言われたことがキッカケで、早雪さんもちで服を買いに言ったらと言われ、今に至る。

 

日菜姉も行きたがってたけど、「最初に自分で(?)買う服は自分で選んだ方が良いでしょ?」って言ってたから、それにあやかってそうする事にした。

 

 

「…でも、どれが良いかなんてわかんないなぁ…」

 

 

僕は記憶上、自分の服も他人の服も選んだ事がない。今ある服は、早雪さんに選んでもらったものがほとんどだし(紗夜姉と日菜姉が選んだのもあるけど)。

 

…日菜姉についてきてもらった方が良かったかな…

 

 

「…あれ?凪君?」

 

 

そんな葛藤紛いの事をしている最中に、僕に向けられた声が1つ。

 

しかし、僕はその声を聞いたことがあったので、驚きはしなかった。僕は声のした方に振り向いて、自分が予想していた人だったことを確認して、一言言った。

 

 

「…上原さん、偶然ですね」

 

 

やはり声の正体は、羽沢さんの親友の1人である上原さんだった。こうして私用で知り合いに会うのも、引き取られてから多い気もする。

 

知り合いが増えただの世界が狭いだの…原因ははっきりしているのも、わかってはいるんだけども。

 

 

「ホントだね~!…凪君は自分の服買いに来たの?」

 

 

「はい。…でも、自分で選んだことなくって……」

 

 

…自分で言うのも恥ずかしいけど、僕は上原さんに対し、困ってるようにそう言った。それを聞いた上原さんは「えぇ!?そうなの!?」と驚いている様子。

 

…流石にこの歳で自分の服を選んだことないのって、やっぱり驚くことなんだね。…頑張って選ぶようにしないと…

 

等と思考を繰り広げている僕を他所に、何か考えている上原さん。そして何か閃いたような表情をする。

 

百面相な人だなぁ。

 

…それはさておき、上原さんがうっすら楽しげな表情をして、僕に一言。

 

 

「じゃあさ!私が選んでも良いかな!?」

 

 

…やけに食い気味なのがちょっと気になるけど、服選びに困っていた僕としては願っても無い頼みだ。

 

断る理由もないし、こうして関われるのもあまり無いかもしれない。そう判断をし、僕は頷いて、肯定の意を示した。

 

 

「ありがとね!じゃあ早速行ってみよう!えいえいおー!」

 

 

「……おー」

 

 

なんとなく言ってみる。どうして言おうと思ったのかはわからないけど、ホントになんとなくだ。…のはずなのに、どうして上原さんは涙目になってるんだろう?何かやらかしたかな…

 

 

「…あ、あの…何かやっちゃいましたか…?」

 

 

「うぅ~!初めて一緒に掛け声やってくれたぁ~!」

 

 

…逆に今まで誰もやってくれなかったんだ……それはそれで可哀想だと思うけど…確かに、やっておいてあれだけど…あの掛け声、人によっては恥ずかしいよね、あれ。

 

僕は恥ずかしいとは思わなかったけど。

 

 

「…行きません?」

 

 

「ハッ!そ、そうだね!じゃあまずはこの店からだね!」

 

 

そういって、目の前の店に入る上原さん。…今の一言からして、このモールの全ての服屋に行くみたいに聞こえる。…帰れるの、いつになるかなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

「よし!これで完成だね!」

 

 

上機嫌そうに言う上原さんと、少し疲れている僕。最初の店に入ってから他の服屋を見終わり、僕の服を買い終わるまでにかれこれ3時間以上かかった気がする。

 

…こんなにかかるなんて予想だにしていなかったから、僕はかなり気疲れしている。

 

…とは言っても、何だかんだ楽しかった。服を選んでる時の上原さんの顔がとても笑顔溢れた顔だったし、色んな話もした。

 

今考えると、僕が飽きない為に話を振ってくれたのかな?それとも、ただ単に話がしたかっただけ…とか。いずれにしろ、今日は楽しかった。

 

 

「ありがとうございました…上原さん」ペコリ

 

 

「ううん!こっちこそありがとうね!私の方が楽しんじゃってたかもしれないし…」アハハ…

 

 

顔を赤らめながらそう言う上原さん。僕としては楽しめたから、気にしないで良いんだけどなぁ。

 

 

「…気にしないで下さい。僕も楽しかったので」ニコッ

 

 

「そ、そう?なら良かった~」

 

 

ホッと上原さんが安堵の息を零す。…やっぱりそう思ってたんだろうなぁ。そうしたやり取りを交わして、上原さんは去っていった。…僕も帰ろうかな。

 

 

 

 

 

 

 

[氷川家 リビング]

 

 

「…どう?」

 

 

「わぁ~!凄く似合ってるよ!凪君!」

 

 

「似合ってますよ、凪」

 

 

あれから家に帰って夕食を食べた後、日菜姉が「凪君~!買ってきた服、着てみてよ~!」という発言を契機に、今はファッションショーみたいなことになってるけどね…。

 

 

「これ、凪が選んだの?」

 

 

「ううん…上原さんが…選んでくれたんだ」

 

 

「上原さん?」

 

 

「あたし達とは違うバンドの子なんだよ~」

 

 

「へぇ~、そうなのね」

 

 

上原さんが言った通りのコーディネートを着て、皆に披露してるけど…凄い、自分で言うのも変だけど……凄く僕に合ってる。あの人凄いなぁ…

 

 

「今度ひまりちゃんにお礼言わないとね!おねーちゃん!」

 

 

「えぇ、そうね」

 

 

…僕も、またどこかで会ったらお礼しようかな?そんなこんなで、今日も楽しい1日だった。

 




ということで、第13話が終わりました。

今回でアンケート分は一旦終わりますが、次回はリクエスト回にしようかと考えています。そして、アンケートの締め切りも迫っていますので、まだ回答してないお方は、是非回答していって下さると嬉しく思います。

次回『青年は、沢山遊びました』
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