あの日見た青年は、空虚でした 作:Cross Alcanna
今回は少々見ごたえがない回になってしまうかもしれません。目立った進展はないと思われますので。次回からは進展があるかと思います。今回は我慢して見ていって下さるとありがたいです。
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では、本編を開始します。
[氷川家 凪の部屋]
「……うーん」
今日は休日。本来ならどこかに行ったり何かしていたりするんだけど…今日はベッドで寝転んでる。あんまり寝転ぶ事をしないせいか、ちょっと新鮮。
…何て言ってる場合でもないか。どうしてベッドの上で寝転んでるかというと、先日の件で色々試行錯誤しているからだ。…とは言ったけど、実際は頭の中を整理するためっていうのが本音なんだけどね。
「…考えれば考える程おかしいな……」
考える程訳が分からなくなる、とかならまだ良いんだけど…今回のケースはというと、考える程おかしな点がポンポン出てくるといったものだ。わからないのはそうなんだけども。おかしいとは言っても、看過しない方が良さそうなおかしさばっかりなんだよね。
「…思い出さないと、いけない気がする」
あの一件以来、僕の中で芽生えた気持ちがある。"大事なナニカを思い出さないと"というものだ。ナニカについて何もわかってもないのに、思い出さないといけないと思ってしまう。…そんなに大事なモノだったのかな?
「…とりあえず寝よう」
空いた時間は今みたいにずっと考えてるから、自然と疲れが溜まってくる。そんな日が続いて体が限界だったのか、寝ようと思って目を閉じてから眠りに落ちるまで、そう時間はかからなかった。
[リビング]
「凪…大丈夫かしら」
「朝ご飯食べてから一回も降りてきてないね~」プラプラ
10時現在、私と日菜はリビングでテレビを見ていた。そんな時に私が、ふと思った事を声に出す。日菜の方を見ると、足をプラプラさせながら私に同意している姿があった。表情に出てはいないけれど、どこか心配そうな雰囲気を纏っているのはわかる。
「…様子、見に行こうかしら…?」
「…止めといた方が良いと思うよ、おねーちゃん」
ボソリと出た独り言は、誰でもない日菜によって否定される結果に。日菜が人の気持ちを考えるように…?言い方は悪いけれど、意外ね。
「こういう時はね、見守るのが良いんだって」
「…因みに、誰から聞いたの?」
「凪君だよ!」
…凪、いつの間に上手な人との接し方を学んだのかしら…?独学?だとしたら、相当な努力家ね…。そう感心する私の服を引っ張り、日菜が言う。
「おねーちゃん!次おねーちゃんが見たがってた番組だよ!」
日菜にも言われたことだし、今は様子見をしてみようと思い、私と日菜は再びテレビを見始めた。…凪、無理はしないでね。
[???]
「…どうやらあの町で、不審者情報が流れたみたいです」
「…貴方の、ですか?」
「恐らくは。…もう少し慎重に行くべきでしたね」
所変わって、とある建物内。会話をする声が2つ。話の内容からして、どうやら片方は凪に話しかけた人物だろうか。が、申し訳なさそうにもう1人の人物に謝意を込めて一言。
「いいえ、大丈夫ですよ。どの道、ここには長居できるかも怪しいですから」
対するその声はというと、失敗を宥めるかのような声をかける。宥められた方は、いつも通りに戻ったみたいで、続ける。
「…もう少し、ここに留まりますか?」
「…そうですね、あわよくば接触を図りたいところではありますけどね…」
また再び、寂しさを帯びた声がこだました。
[花咲川学園 2-E]
「…凪?どうしたの?」
「……ぅえ?」
あくる平日。授業が一段落してから皆が次の授業の準備をしている頃、僕は相も変わらずあの事について考えている。それで僕の手が止まっていたからか、花園さんが声をかけてきた。
「…大丈夫「じゃない」……へ?」
大丈夫だと言い張ろうと考えたのに、即座にそれは遮られる事になった。…ついてに、両頬を両手でフニッとされている始末。……何で?
「何か悩んでるような顔してる。私にはわかる」
「…ふぁにゃじょにょしゃん」
いつもの気まぐれなのか、はたまた本当にわかる程僕がわかりやすいだけなのか…。とりあえず、僕の方に視線が来てるから、出来れば止めてもらいたいんだけど…
「授業しますy……花園さん?何してるんですか?」
「凪が悩んでるような顔してたので」
「…とりあえず授業だから、離しなさい」
そう言われて、渋々ながらも離した花園さん。その後は淡々と授業が進んでいく。…途中途中で皆が僕の方に向くのが、気にはなるんだけども。
[どこかの道]
「…あれ?ここ…どこ?」
あれから学校も終わって、今日は自分のものを買おうと思ってショッピングモールに寄ってから帰ろうと思ってたんだけど……またボーっとしてたのか、帰り道ではないどこかを歩いていたみたい。…気を付けないとなぁ。
「…確か、地図のアプリが……あった」
こうしてスマホを使ってると、つくづくスマホの便利さを実感させられる。初めて教えてもらった時は大変だったけど、覚えちゃえば楽な事この上ない。…たまに充電し忘れるのを治さないとなぁ。
「……ん?あれ?」
そう言いながら、地図画面と少し奥にある建物を交互に見る。…やっぱりだ、
「………行ってみよう」
僕だって男だし、そういうのには興味があった。その結果、誘惑に負けてしまっていた。…ちょっと情けない。
ということで、第18話が終わりました。
さて、ここらで物語が大きく動き出します。一体どんな運命が彼を待っているのか…是非予想しながらお待ちください。そして、別のバンドリ小説も、いよいよ大詰めです。そちらも是非見て行って下さい。
次回『青年は、仮初に至りました』