あの日見た青年は、空虚でした 作:Cross Alcanna
さて、本編も一段落しましたので、再び日常回に突入します。アンケート結果は最初の数話がそれに該当します。残りはオリジナルだったり何だったり。
そして、☆9評価:ゴーヤさん、☆7評価:陽炎@暇人さん、お気に入り登録:クロンSEEDさん、ホシカミカタナさん、新田涼介さん、ゴーヤさん、フリカケご飯さん、タツキ@秋桜さん、トリトドンの親戚さん、フタバさん、評価及びお気に入り登録ありがとうございます。
では、本編を開始します。
【日常】青年は、デジャヴな目に逢いました
[ショッピングモール 服屋]
「えぇっと…凪君に合いそうなのは……」
「……Why?」
前略、僕は今状況が飲み込めていない。今僕はというと、今井さんに服屋に連れられて、当の今井さんは服を選んでる。……一体全体、どうしてこうなったんだっけ……?ちょっと振り返ってみようかな……?
[ショッピングモール 入り口]
「……今井さん?」
「あれ?凪君、…紗夜は……?」
「……あぁ、成程。……紗夜姉ってば」
家で紗夜姉に「凪、悪いけどショッピングモールに行ってもらっても良いかしら?」って言われて、内容もわからないまま来ちゃったんだけど……成程、予定があるから断ってきてって事か。……相変わらず不器用過ぎるなぁ。
「紗夜姉は用事ができたみたいで……」
「あぁ〜そういう事か!オッケー!ありがとうね☆」
そう言いながらショッピングモールに入っていく今井さん。…まぁ、僕もここに用事あったから行くんだけど……
[ショッピングモール]
「買い出しも終わったし……帰ろうかな?」
食材の買い出しも終わったところで、ここを出ようかと思っていたところで……
「あっ、凪君!さっきぶりだね!」
僕に大きな声で呼びかけるのは、先程別れた今井さん。左手に買い物袋と、少しはみ出ている服を見て察するに、服を新調してたのかな?
「服買ってたんです?」
「うん!去年と流行とか違うからね〜☆」
うん、今の一言で察した。この人、服とかの流行に敏感な人だ。…ファッションデザイナーとか何か?
「凪君は……買い出し?」
「はい、今終わったので帰るところです」
へぇ〜、と言いながら僕をジロジロ見る。……何かついてる?そんな事を思っているうちに、今井さんが何か閃いたような顔をして一言。
「…よし!コーディネートしてあげる!」
「…………はい?」
「……で、今に至ったんだっけ」
「ん〜?凪君、何か言った?」
「いえ、何でもないですよ」
こうなった経緯を思い出していると、今井さんに何か言ったかと聞かれた。一応何もないとは言ったけど……何か言ったのかな?僕。にしても今井さん、まるで自分のようにウキウキしてるんだろう?自分の事でもないのに。
「今井さん、楽しそうですね?…自分のコーディネートでもないのに……」
「うん!凪君のコーディネート、前からしてみたいって思ってたんだよね~☆」
「えぇ……」
何その感情。僕にはわかんないや……どうだろう、あんまり身なり気にしないのを見てコーディネート心が疼いたとかかな?そんな考察をしている今も尚、服の組み合わせを探し続けている今井さん。…よく飽きないよね、僕ならパッと選んで終わりなのになぁ。
「凪君!一回この組み合わせで試着してみて!」
「わかりました、あそこで着てきますね」
なんて考えながら突っ立ってると、今井さんが一式を持ちながら僕に試着するように促す。…これで4回目…とかかな?もう数えるのはやめたけど。
「ど、どうです?」
「わぁ!凄く似合ってる!!」
「そ、そうですか?」
「うんうん!いやぁ~、似合うって思ってたんだよね~!!」
試着室から出て、もうずっとこんな調子な今井さん。…正直、僕に合ってるなぁとは思ったけど、まさか当人より大はしゃぎするとは思わないじゃん?……内心凄くビックリしてるのが、本音。
「よし!これ買ってくるね!ちょっと待ってて!」
「…え?いやいや、流石に僕が払いますって…!」
「良いの!アタシから言いだした事だしさ☆」
そう言って会計へと足早と走っていく今井さん。…何か申し訳ないなぁ。今度お返しに行かないと。…家がわかんないから、紗夜姉に聞かないといけないんだけど。等と考えていると、会計が終わったのか、今井さんが戻ってきた。
「おまたせ~!さ、次の店に行こうか!」
「…一店舗じゃないんですね」
「うん!ここまで来たらトコトン行っちゃおうかなぁって思って☆」
…これ、今井さんの中で火がついちゃった感じ…だよね。…ここまで来たら、最後まで付き合うしかないんだろうなぁ……。紗夜姉、もしかしてこれを恐れて予定入れたんじゃないだろうか。…考え過ぎかな、うん、そう思っとこう。
そうして自分の中で踏ん切りをつけたところで、僕は次の店に駆けていく今井さんを追う事にした。…てか、速くない?今井さん。もう見えなさそうなんだけど。…僕が遅いんじゃあないよね?……考えるのは止めておこう。
[帰り道]
「…結局、結構な量買ってもらった……今井さん、大丈夫なのかな?」
結局あの後も今井さんに連れられて、結構な数の店をはしごした気がする…。買ったのは数店舗だったけどね。それでも結構な額になってた気がするんだけど…ホントに大丈夫なのかなぁ?
そんな事を考えていると、奥の曲がり角から人影が。…ん?あれって……
「日菜姉?仕事もう終わったんだね」
「うん!さっき終わったんだ~!凪君は?」
「僕は買い出し終わって、今井さんにコーディネートしてもらって……」
「リサちーに!?いいなぁ~!」
外でも家みたいだなぁ、日菜姉。…バンドの皆に迷惑かけてないよね……?もし会ったら聞いてみようかな。…アイドルだし、会う事もないとは思うけどね。そんな無意味に終わりそうな心配をしながら、僕と日菜姉は、家に向かって歩いていく。
その途中で僕は、ハッと、今思い出した事を日菜姉に聞いてみる事にした。
「そうだ、日菜姉って今井さんと会う機会とかあったりする?」
「うん!リサちーとはよく学校で会うよ!」
「じゃあさ、今度会ったらお礼言っておいてくれないかな?僕も会ったら言うつもりだけど」
わかった!と、快く言ってくれる日菜姉は、こういう時に頼りになる。何だかんだ言って、周りも憎めないんだよね、日菜姉は。それもある意味、日菜姉の強みだったりするんだけど。
「じゃあ、家まで競争しよ~!」
…こうして、いきなり突拍子もない事をするのは、ちょっとどうかと思うけどね。…でも楽しそうだし、いっか。
ということで、第21話が終わりました。
アンケートの結果、一番多かったのはリサだったので、今回はリサ回となりました。次回もアンケート回になりますので、お楽しみに。
次回『青年は、パン少女と出会いました』