あの日見た青年は、空虚でした 作:Cross Alcanna
どのバンドリ小説も、大方やることが同じな感じがするので、このあたりをどう面白くするかが結構悩みどころです。私なりに頑張ろうと思いますが、皆さんの意見も是非くださるとこの作品もより良くなると思います。
では、本編を開始します。
[氷川家 リビング]
「凪くーん!」バッ!
「……日菜…姉」ダキツカレ
早朝。
勢いよく走りながら抱き着く日菜と、それを受け入れる凪。ここ数日の間にここではいつもの事となってしまったのだ。
「あっ、勉強してるんだね~!偉い偉い!!」ナデナデ
「……褒められる………事じゃ…ない……よ?」クビカシゲ
「~~!もぉ~!可愛いぃ!!」ギュッ
「……痛い…よ」クルシイッテバ
あの日から、氷川姉妹の、凪に対する態度が変化しつつある。
日菜はこうして抱きついたりが多い。紗夜は脳内で悶えたり、弟贔屓をしたりすることが多い(たまに抱きついたりする)。
そうして時間が過ぎようとしていると、扉のほうから声がする。
「……凪が来てから毎日やってるわよね?というより、いい加減離してあげなさい。凪が苦しそうにしてるわよ?」
「…?あっ、ごめん!!」ウデハナシ
ここまでがいつも通りである。凪だからこそ反応しているまである。この歳の男子なら、「しつこい」等と言ってヘイトを溜めていることだろう。
凪はというと、勉強中である。早朝から勉強するのも凄いのだが、勉強しながら日菜の対応をする凪の器用さにも目を見張るものがある。
しかし、紗夜はそうとは捉えていないようで…
「…流石に朝はゆっくりした方が良いと思うわよ?凪」
「…学校って……皆勉強して……来てるん…だよね?……なら、僕も……沢山勉強して……追いつかないと…」
「…ゆっくりで良いのよ?先生にだって聞けるから」
「いざとなったら、あたし達が教えたげるから!!」
若干(十分重い気もするが)のブラコンを拗らせてきている氷川姉妹だが、この言葉は2人の厚意そのものであることは確かだろう。
だがしかし凪の方はというと…
「うん……、ありがとう…。でも……まずは1人で…頑張る…ね?」
『~~ッ!!』バッ!
凪の性格も相まって、こうして断ることがほぼ常である。…所謂頑張り屋な性格であるが故だろうか。
そしてその表情に、氷川姉妹は更にブラコンをより拗らせる事となるのだ。
『あの表情に耐えれる訳ないじゃん!!(耐えれるはずがありません!)』と、本人らは語ったとか。
…それで良いのか氷川姉妹。
「あっ、そうだ!」ウデハナシ
珍しく日菜が早いうちに凪を放したのだが、どうやら凪に用があったことを思い出した様子。先にそれを言うべきなのでは等の野次が飛んできそうな気もするが、置いておくことにする。
用事とは何なのだろうかという表情をしている凪。そんな凪に対して、ようやく日菜が用件を言う。
「せっかくあたし達も休みだし、凪君が良かったら街を案内しようかな~って思うんだけど…どうかな?」
「……そういえばそうね、私達がいない時に出かけたいってなったら街のことを知らないと大変ね……」
まだ数日しか経っておらず、氷川家の面々も忙しい為、街の案内などに手が回らずにいるのが現状。そんな中の紗夜も日菜も休みである日は貴重だ。
どうやら紗夜は思考の外にあったらしい。
一方、凪の方はというと……
「……行って…みたい」キラキラ
また遠慮するかと思い、構えていた2人の予想は、良い方向で裏切られた。凪も内心、色々見たくて仕方ないのだろう。
……歳相応ではない程顔をキラキラさせていることが、何よりの証拠に違いない。
「そうと決まれば早速行こう!!」
「……準備…してくるね……」タタタ…
余談になるが、凪に着替えなどの身支度などを教えたのは早雪である。凪がそこまで物事が出来ないのに、氷川家の皆はもう慣れたらしい(本人談)。
慣れとは怖いものである。
[商店街]
「まずはここ!この商店街の食べ物は美味しいんだよ!後、皆優しいんだ~!」
姉妹が最初に案内先に選んだのは、近くの商店街である。ここには様々な店が並んでおり、それぞれが地元で絶大な人気を誇っているのだ。
人柄というオマケつきで。
例を挙げると"羽沢珈琲店"や"北沢精肉店"、他に八百屋などがあるが、挙げるとキリがない気もするため、ここでは省略する。
「ここは私もよくお世話になってますし、凪もお世話になるかも知れないわね」
「……そう…なの?」
「多分ね。ここの近くに住むなら必ずと言っていいくらいお世話になるのよ?」
「そう……なんだ…」
近くにはショッピングモールがあるが、そこよりもこの商店街を使う人も多いため、この商店街にお世話になる人がどれ程多いかは、言う必要もないだろう。
ついでに人気も。
姉妹が説明していると、何かを思いついたかのように日菜が口を開ける。
「おねーちゃん!せっかくだからつぐちゃんとはぐみちゃんのとこに行ってみようよ!!」
「……そうね、会っておいて損はないわね。これから何かのかたちでお世話になるかもしれないわね」
先程挙げた例の2店の看板娘である北沢 はぐみと羽沢 つぐみ。紗夜と日菜とはバンドという接点から知り合った。
同じガールズバンドかつ高校が近かったり交友関係があったりと、何かと接点が多いのだ。
余談にはなるが、羽丘の生徒会長(日菜)と副会長(つぐみ)という関係も相まって、この2人は仲が良かったりするのだとか。
「……会って…みたい」
「ならそうしましょうか。……ショッピングモールはどうしようかしら…」
「今度おかーさんに連れて行ってもらう?」
「…そうしようかしら」
今日は商店街の案内のみに絞るようだ。凪の希望もあったので、その2人に会う事にしたようだ。
全く以って行き当たりばったりになってしまっていることには、誰も気づいていない。
「よ~し!じゃあ出発~!!」タタタ!
「ちょっと!?待ちなさい!!」タタタ!
「…待っ……て…」タタタ…
ということで、第3話が終了しました。
凪と原作キャラが出会うのももうすぐですが、次回に全員は登場しません。追って登場させますので、気長に待っていただけると助かります。
先に言っておくと、今作は早い段階でRASとモニカの登場する予定です。まぁ、だから何だって話ですが。
近いうちにアンケートを貼ろうかと思いますので、その時は回答していただけるとありがたいです。
次回『青年は、姉妹の知り合いに会いました』