遊戯王‐creator‐   作:月花撩乱

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14話~乱戦~

「あいつは昨日の…!しかも白皇家のまで…!」

「周りにいるのってもしかして…!?」

「あぁ、凛音様…そいつらの仲間に…!?」

 

 

ざわめきの数々をBGM代わりに、光夜達は道を行く。

注目されるなんてのは気恥ずかしい部分はあれど、かつてより夢見た事。

光夜達は威風堂々と歩みを進める。

 

「俺達とお仲間だってよ白皇。良かったな、1人ぼっちじゃないぞ。」

 

「なっ、わ、私は1人ぼっちなんかじゃありません!元いた寮ではお友達くらいいました!」

 

「へぇ、そのお友達の名前は?」

 

「へっ?え、えぇと…」

 

光夜が凛音に気軽に話し掛け、反論しつつもなんだかんだで会話に乗る凛音。そしてその会話を楽しそうに聞く超天星。

穏やかな朝の風景だ。

 

「…にしてもよぉ、もっと畏怖されたり罵倒の声ってもん覚悟してたが…」

 

そう呟く辰覇の耳に入るのは、

「暁君イケメン!」だの「あの2人実は…?」だの

または「坂本辰覇…ウホッ、いい男」とか「きゃー!心ちゃーん!」とか、黄色い声に混じって時折背筋が凍るような声まで聞こえてくる。

雷兎に対する黄色い声が聴こえれば、雷兎はそちらに向かって笑顔で手を振って答えキャーキャーと喜ばれる様子…

 

あれ?俺だけなんかおかしくね?

 

そう思いながらも首を横に降り、気にする事をやめたのであった。

 

そんな中…

 

「おい、そこのお前達!!」

 

突如、大きな声が響く。

が、光夜達超天星は何も気にせず歩き続ける。

(凛音だけは反応したが、気にせず歩く光夜達に驚きつつ、輪の中に戻った)

 

「いやお前達だよ獅子神 王牙の弟子達ぃ!!なんで無視すんだぁ!!」

無視されて怒った相手は、「獅子神 王牙の弟子達」と名指しして呼び掛ける。

もちろん名指しされたなら止まらない訳にもいかず、光夜達はその声の主を『睨み付けた』。

 

「ひっ!?」

 

「おう、呼んだか三下。俺達をわざわざ呼び止めるとは何の用だよ?」

 

睨んだだけで怯んだ相手だ。

光夜は敢えて『格下』扱いして声の主に問いかける。

 

「さ、三下…!?僕はな!お前達と違って大会優勝の実績を持っている!ランキングにも乗っているんだぞ!」

 

「ほう、面白いですね。ならばお名前を聞かせてもらっても?」

 

綺羅麗がニタリとおぞましい笑顔をしながら、触れ合ってしまいそうな程近くに顔を寄せて問う。

 

「ぼ、僕は『相浦 真二(あいうら しんじ)』だ!昨日ズタボロにされたデュエリストの中に友人がいた!僕が奴等の敵を討ちに来たのさ!」

 

綺羅麗の圧にめげずに自分の意見を貫き通す。

それはさぞ素晴らしい事である。

だが…

 

「は?デュエルに負けた雑魚のために俺達を止めたのか?お前程度が?」

 

光夜が真二を冷たい目で見下しつつ、吐き捨てる。

 

「な、なんだとぉ…!?」

 

真二は激昂し、光夜に掴みかかろうとする。

その時。

 

「邪魔だ!すっこんでろ小僧!」

「ひえっ!」

 

横から現れた大男に首根っこを捕まれて放り投げられ、真二は盛大に転ぶ。

その大男を、光夜は見覚えがあった。

 

「ん?昨日白皇と一緒に歩いてた…」

 

「小波 (さざなみ)…」

 

辰覇とそう変わらないくらいの大柄な男。

凛音に付き従っていた小波と言う名の男。

光夜を、凛音を。敵視するかのような眼だ。

 

「凛音様。あんまりじゃあないですか。付き従っていた俺達とはろくに会話もしないのに、貴方を侮辱したそいつと仲良しこよしだなんて。」

 

落胆。その感情が眼から滲み出ているようだ。

「わ、私は別になかよ「いや部外者がなんの用だって。こいつは俺が正式に勝ち取ったんだからあんたごときには関係ないだろ。」

 

凛音の言葉に被せるように、凛音の前に光夜が立ち塞がり、小波を『部外者』と呼ぶ。

 

「…部外者、か。これでも白皇家の付き人なんだがな。」

 

「少なくとも、俺にとっては部外者さ。俺と白皇の2人で決めた賭け事であり、付き人風情が口を挟む事ではない。違うか?」

 

あくまでも、光夜は小波を『部外者』だと吐き捨てる。

沈黙する凛音と小波。

 

「…なるほど、面白い奴だ。良かろう。凛音様はお前に預けよう。だが、それはそれとして、俺はお前にデュエルを挑みたい。」

 

「…は?」

 

険しい表情を和らげたかと思いきや、唐突にデュエルを挑んできた小波。

光夜も訳がわからないといった様子だ。

 

「ぼ、僕もお前に挑むぞ!お前達獅子神 王牙の弟子共に調子に乗らせてたまるか!」

 

先ほど盛大に転ばされた真二が光夜を指差してデュエルを挑む。

その心の強さには感服だ。

だが、

 

「貴方は僕に用があるのでしょう?ならば僕がそのデュエル受けましょう。大将にばかり美味しい思いはさせませんよぉ?」

 

真二の前に現れ、愉快そうに笑うは綺羅麗。

 

「の、望むところだよ間抜け!僕は名もないお前なんかに負けるもんか!」

 

膝は震えているがまっすぐ綺羅麗を見つめて戦線布告する真二。

そんな彼を笑う者などいない。

それどころか、周囲の者達に闘志を滾らせた。

 

「わ、私も貴方達に勝負を挑みます!凛音様を私達の寮に返してください!」

 

横から現れるは3人組の女生徒。

その真ん中にいる子が勇み、要求する。

 

「楽しそう!僕がそのデュエル受けるー!いいよね、こうや?」

 

はいはーい!と元気よく手を上げ、光夜に確認を取るのは、心。

 

「当然だろ。楽しく遊べ。」

 

「わは♪じゃあよろしく!」

 

「「「こ、心ちゃん…////」」」

 

屈託のない笑顔を受け、キュンとときめく3人娘達。

更に…

 

「おうおう!どうせなら俺も相手してくれよ!あんたらの実力この目で確かめさせて欲しいもんだ!」

 

ヤンキー風な長身の男がメンチを効かせつつ挑みかかる。

 

「…まったく、朝っぱらから騒がしい事になったなぁ…おめぇは俺が受け持ってやるよ。」

 

受け持つは、辰覇。

男の前に立ち、見下ろす。

その目は油断も嘲笑も無く、ただ見下ろすだけだ。

 

「おうあんたか!俺は須藤 権蔵(すどう ごんぞう)!夜露死苦ぅ!!」

 

辰覇に怯む事などまるでなく、下から睨む。

闘志はギンギンだ。

 

「おぉ~!面白そうじゃん!なら俺ともやろうぜ!」

 

野次馬をかき分けて現れたのは、なんと水面。

腕をひっ捕まれて、後ろに花道もいる。

 

「おっ、みなもっちゃん!じゃあ俺とやろうぜ!」

 

水面と相対するは雷兎。

お互いに楽しそうにしている。

 

「…ふん、僕はやらない。お前達弟子となんて…」

 

水面とは対象的につまらなそうな花道。

すると…

 

「なんだよ花道。負けるのが怖いのかー?」

 

挑発とも取れる水面の言葉。

花道には効いたらしい。

 

「…良いだろう、やってやろうじゃないか。影善っていったよな。君は僕とやろうじゃないか。」

 

「えっ、や、やるんですか…?困る…」

 

花道に挑戦を挑まれ、挙動不審になる影善。

だが…

 

「…まあ、皆やると言っているし、やらない訳にもいかない…か…はい、よろしくお願いします。」

 

やると決めたすぐ、まっすぐに花道を見つめ、真剣な表情でデュエルを受ける影善。

その場にいる超天星の全員が、対戦をする事が決まった。

 

「白皇は俺達のデュエル見てな。せっかくだから自己紹介してやるよ。」

 

光夜は側でオロオロしている凛音に声をかける。

知って欲しいのだ。『自分達を』。

 

「…なら、午後の実戦授業を使ってやるとしよう。許可は俺が取っておこう。お前達獅子神 王牙の弟子達のデュエル、楽しみにしている連中は多い。」

 

取り仕切るのは、小波。

これで準備は整った。

 

 

「いいぜ。俺達は逃げない。あんたらが俺達の障害として立ちはだかるのなら、全て凪ぎ払うだけだ。」

 

先ほどと変わることなく、吐き捨てる光夜。

だが、言葉はそれで終わらない。

 

 

「よく聞けお前達。俺達『獅子神 王牙の弟子』はこの紋章の元、お前達の挑戦をことごとく受けよう。

そして覚えておけ。俺達はやがて獅子神 王牙を越える若き星々。名を『超天星』。いつまでも『弟子達』だなんて下らない呼び方はやめてもらおうか。」

 

光夜は左腕に付けた紋章を周囲に見せつけ、ここに宣言する。

 

「今日のデュエル。楽しみにしてるぜ。」

 

光夜が今この場において、初めて笑ってみせた。

 

 

 

 

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