遊戯王‐creator‐   作:月花撩乱

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20話~誰が言った?~

「…にゃんにゃんは自己特殊した場合、ゲームから除外される。ただ、にゃんにゃんはゲームから除外されると他の除外されているカード1枚をデッキに戻せる。これによって、俺は最初に除外されたにゃんにゃんをデッキに戻す。」

 

プレイングミスが無いように、カードを確認しながら効果を使っていく雷兎。

不安げな表情の雷兎に、仙々は尾を1つ近づけ、頬を撫でる。

 

 

「…よし、待たせたなみなもっちゃん!バトルフェイズ!」

 

仙々を眺めて数秒呆けていた雷兎だったが、気持ちを切り替えたのか水面に向き合い、バトルフェイズを宣言する。

 

「来るか、雷兎っち!」

 

 

セットの無い水面。白闘気海豚だけが頼みの綱である。

 

「シェンシェンの攻撃する時、シェンシェン自身の効果を発動。ゲームから除外されているモンスター一体を墓地に戻せる。

これによって、《電脳堺媛(でんのうかいえん)-瑞々(ルゥルゥ)》を墓地に戻す!」

 

「リソース回収…強いな。」

 

「シェンシェンの本当の強さはこれじゃない!シェンシェンが場にいる限り、お互いのフィールドから墓地に送られるカードは、墓地に行く事なくゲームから除外される!」

 

「んなっ!?マジかよ!?」

 

水面のデッキは墓地に水属性があってこその強さを持つ。

故に、シェンシェンは水面にとって大敵だ。

 

ザシュザシュザシュ!と幾多もの尾に貫かれる白闘気海豚。

哀しい鳴き声と共に、白闘気海豚は散っていった。

水面のライフ、6100。

 

 

「くそっ、まさか除外されるとは…」

 

「俺はこのままエンドフェイズに入り、ヂィヂィの効果処理を行う。墓地にいるルゥルゥを手札に加えてターン終了!」

 

盤面は無く、手札は1枚。

相手の場には大敵のシェンシェン。

絶望的だ。

だが、水面も簡単に諦める訳にはいかない。

 

「俺のターン、ドロー…来た!やっぱこのデッキは俺に答えてくれている!」

 

「マジか!」

 

決死のドローを見て、笑顔を取り戻す水面。

水面の逆襲が始まる。

 

「まずはスタンバイフェイズ、墓地にある《ブレイクスルースキル》の効果!このカード自身を除外して、シェンシェンを対象!効果を無効化だ!」

 

「やっべ!忘れてた!」

 

警戒を怠り、すっかり忘れていた雷兎。

なすすべなくシェンシェンを無力化されてしまう。

 

「メインフェイズ!俺は《揺海魚(ようかいぎょ)デッドリーフ》を召喚するぜ!」

 

ゆらゆらと揺れる魚。

水面が喜ぶのは、理由がある。

 

「こいつは召喚・特殊召喚時に魚族をデッキから墓地に送れる。これによって、俺は《伝説の白タウナギ》を墓地に送ろう。そして、今墓地に送った白タウナギを対象に、2枚目の《白の水鏡(ホワイト・ミラー)》を発動さ!」

 

「うげぇっ!なんつー引きだよ!」

 

墓地にある白タウナギを蘇生し、かつデッキから同名を手札に。

極限に手札は少ないが、ついに水面も切り札を呼ぶ用意が出来た。

 

「場にいる白タウナギとデッドリーフでチューニング…!」

 

2体の魚が地面へと潜り、姿を消す。

すると、そこから泡がコポコポ出てくる上、何かの鳴き声が響き、近寄ってくるではないか。

 

「待たせたな相棒!海よりいでよ!

その美しき姿、大いなる巨躯!シンクロ召喚!レベル8!

《白闘気白鯨(ホワイト・オーラ・ホエール)》!!」

 

ザッパーーーン!!

地面から白く美しき鯨が飛び出してくる。

すぐ地中に潜るが、その衝撃で大量の水が跳ね、会場の観客に水が掛かる。

 

「ぶへぇっ!濡れたぞ!?」「うそっ、しょっぱい!」「きゃー!びしょびしょ!」「きんもちぃ~…」「水面の野郎!」

 

水を被った観客達は非難轟々。

反対側かつ近くにはいなかった凛音達は深く安堵をする。

 

「ふふふ、凄いわね、彼の切り札。本物とはいえソリッドビジョンであそこまで影響を及ぼすなんて。」

 

「あっちにいなくて良かったです…びしょびしょになっちゃう…」

 

「びしょびしょ…////」

 

凛音がボソッと呟いた言葉を耳にした光夜。

少し耳が赤くなっている。

 

「…どうかしたのかしら、暁君?」

 

なんとなく、光夜をジト目で見つめる凛音。

 

「いや、なんでもない…向こうは大変だよなって…」

 

「ふぅ~ん…?」

 

騒ぎになってる方を見ながら答える光夜を、怪しげに見つめる凛音であった。

 

 

「ホエールのシンクロ召喚時!相手の攻撃表示モンスターを全て破壊する!」

 

「くそっ、やられた!」

 

 

白闘気白鯨が口から放射した水のレーザーがシェンシェンを貫く。

なすすべなど無く、シェンシェンは破壊される。

 

「さぁ、バトルだ!いけ!ホエール!」

 

巨大な鯨が、雷兎に迫る。

 

「フィールドの永続罠《電脳堺門-朱雀(チュチュエ)》の効果を発動!フィールドの表側のカードを対象に取り、除外されている自分の電脳堺カード2枚をデッキに戻す事で、破壊する!戻すのは電脳堺姫-娘々、電脳堺門-青龍!」

 

門から飛んできた業火に焼かれる白闘気白鯨。

攻撃は止まった。はずだった。

 

「甘いぜ!白闘気白鯨は相手に破壊されると、墓地の水属性モンスターを除外して特殊召喚出来る!《白鱓(ホワイト・モーレイ)》 を糧に甦り、攻撃を続行しろ!ホエール!」

 

「うっそだろぉ!?」

 

再び姿を現した白闘気白鯨。

現れたその勢いで頭から雷兎に突撃。

体格差と衝撃で雷兎は吹っ飛ばされる。

雷兎のライフ、5200。

 

「ぐっ、やるな…」

 

「どうだよ雷兎っち!俺はこのままターンエンドだ!」

 

まだ墓地には水属性が3体。

余裕の表情のまま、水面はターンを渡す。

 

水面の手札、1枚

雷兎の手札、3枚

 

水面の盤面

モンスター 白闘気白鯨

魔法・罠 無し

 

雷兎の盤面

モンスター 無し

魔法・罠 電脳堺門-朱雀

 

 

 

「うわぁ、いったそうだなぁ…」

 

「何を呑気な!天童君大丈夫なのかしら!?」

 

白闘気白鯨に頭突きされた雷兎を見て呑気な発言をする光夜と、慌てる凛音。

だが、その場で慌ててるのは凛音だけだ。

 

「まあいくらソリッドビジョンだからといえど、衝撃はある程度伝わるからなぁ。まあ人体に影響及ぼす程では無いだろ。」

 

とは、辰覇の発言。

 

「まあ~あれだけ水しぶき生み出せるモンスターだからちょっと怖いけどねぇ。でも雷兎ちゃん笑ってるし大丈夫よ。彼を信じてあげなきゃ。」

 

「そ、それはそうですけど…」

 

 

辰覇、涅槃に促され、ハラハラしながらも静かに観戦する事にした凛音だった。

 

 

 

そして、視点は綺羅麗が真二の超融合によってモンスターを失った直後に。

 

 

「ふふふ、素晴らしい…えぇ、なんとも素晴らしいのでしょう!僕は今、デュエルをしている!」

 

それは、突然の事。

自分のモンスターを失ったはずなのに、綺羅麗は喜んでいる。

真二は理解出来るはずもなく、思わず引いた。

 

「お、お前大丈夫か?頭おかしくなったんじゃないのか!?」

 

心配するというより、気持ち悪がっている。

だが、綺羅麗は意に介する事なく、楽しそうに発言を続ける。

 

「ふふふ、失礼!しかし、君は自分で口にする通りのデュエリスト!良いプレイングを見せてもらっていますねぇ!しかし、僕はそれを乗り越えなければならない!お見せしましょう!『本当の僕』を!」

 

意味不明な発言だ。

誰しもが思う。

だが、そんな感情も、綺羅麗の見せたカード1枚で、覆る。

 

「手札からフィールド魔法発動!《呪眼領閾(じゅがんりょういき》-パレイドリア》!!」

 

「は…?じゅ、呪眼…?」

 

まさかの魔界劇団ではない、別種のカード。

真二は理解が出来なかった。

 

「パレイドリアは発動時の処理として、デッキから呪眼モンスターを1枚手札に加える!僕が手札に加えるのは、《呪眼の死徒(じゅがんのしと)-サリエル》!」

 

「う、嘘だろおい!なんで呪眼なんかが入って!?」

 

狼狽えるのは真二だけにあらず。

観客達もどよめきが広がる。

ペンデュラムデッキはその性質上、ペンデュラムカードの採用比率が多いために、他のテーマは入れにくい事があるためだ。

 

「はて、何をおっしゃるのか。僕はいつ『このデッキが魔界劇団』だと言いましたか?」

 

「えっ…?」

 

「僕のこのデッキは『呪眼劇団』!さぁ、召喚しましょう!サリエルを!」

 

貴族らしき男を召喚する綺羅麗。

その男、怪しく笑う。

 

「このサリエルは召喚に成功した時、デッキから呪眼カードを手札に加える!持ってくるのは、装備魔法《セレンの呪眼》!そしてこのセレンの呪眼をサリエルに装備しましょう!」

 

片目にモノクルのような、禍々しい物を取り付けるサリエル。

その眼が、紅く輝く。

 

「セレンの呪眼を装備しているモンスターは戦闘・効果では破壊されず!更に相手のカード効果の対象にもならない!そして、セレンの呪眼を装備したサリエルの特殊効果!特殊召喚されている、相手のモンスターを対象に、破壊します!」

 

「くっそぉぉお!僕のトリフィオヴェルトゥムが!」

 

切り札級の捕食植物トリフィオヴェルトゥム。

特殊召喚を無効には出来ても、耐性は無い。

サリエルの呪眼から放たれた光線が、トリフィオヴェルトゥムを消滅させる。

 

「くくく、装備モンスターの効果、もしくは呪眼魔法・罠が発動する度にセレンの呪眼によって僕はライフを500失う。しかし、その数値分、装備しているサリエルは攻撃力をアップ!さぁバトルです!サリエルでダイレクトアタック!」

 

「ぐぎゃあああああ!!!」

 

真二に飛び掛かり、その鋭い腕で切り裂くサリエル。

たまらず真二は悲痛な叫び声を上げる。

真二のライフ、5900。

 

「僕は手札を1枚伏せてターンを終了!エンド時に、ビッグ・スターの効果で伏せたカードは墓地にいきますが、まあ致し方ないでしょう!さぁ、あなたのターンです!」

 

強固な固さを持つサリエルと、伏せカードが1枚。

手札もフィールドもほぼ枯れた、真二のターンが来る。

 

綺羅麗の手札、2枚

真二の手札、1枚

 

綺羅麗の盤面

モンスター 呪眼の死徒-サリエル

魔法・罠 フィールド魔法 呪眼領域パレイドリア セレンの呪眼 伏せ1枚

ペンデュラムゾーン 魔界劇団-ワイルド・ホープ 魔界劇団-メロー・マドンナ

 

真二のフィールド 無し

 

 

 

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