遊戯王‐creator‐   作:月花撩乱

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7話~嗚呼騒がしき日常~

「ねぇねぇ光夜~、せんせーはどこいったの?」

 

キャパオーバーして放心してる凛音から手を離し、心は光夜に問い掛ける。コロコロと話の変わる子だ。

 

「あぁ、そういえば挨拶回りするとかなんとか。まあ夜までには戻ってくるんじゃないか?」

 

「そっか~…久しぶりに会いたかったのにぃ…」

 

光夜の言葉を聞いて、心はやや落ち込む。それだけ王牙に会うのが楽しみだったようだ。

 

「まあ仕方ねぇだろ。先生もいろいろやることあるのはわかってたこった。むしろいつでも会えるような場所にいてくれるだけありがてぇ。」

 

落ち込む心の頭に手をやり、諭すのは辰覇。

口ぶりはぶっきらぼうでも、その言葉遣いは優しさそのものだ。

 

「む~…そうだね。よし!それまでは楽しく待ってよう!この寮を探検しようよ!りんりん!」

 

「ふぁ、りんりん…?って、ちょっ、まって!」

 

「まずはまずは~!」

 

気持ちを切り替えた心は、凛音の手を引くとパタパタと走りだし、あちこちへと引っ張り回す。

誰かにそんな事された事などない上に急に不可思議なあだ名を付けられた凛音はあわあわしながら付いていく。

戸惑ってはいるものの、振りほどいたりしないことを考えれば思ったより嫌では無さそうだ。

 

 

「ふふふ、華がありますねぇ。…さて、僕は少し出てきます。では。」

 

賑やかな2人(主に心だが)を見て楽しそうに笑う綺羅麗は、一言告げると寮を出ていった。

 

「…あいつ、なにすると思うよ?」

 

「まあ、なんとなくは予想つくよな…やりすぎなければいいけど。」

 

なんとなく、綺羅麗がこれからする事を予想している光夜と辰覇は不安げな表情。

 

「ほんと勘弁して欲しい…悪目立ちなんてしたら先生に悪い…」

 

「ほんとそれだよなぁ…ってうおっ!?いたのか影善(かげよし)!?」

 

いつの間にいたのか。

光夜、辰覇の背後からふと聞こえた声に2人とも驚く。

そこには目を覆い隠しそうな程に前髪の伸びた、影の薄い黒髪の男。

目線がうろうろしていて、挙動不審に見える。

彼は黒崎 影善(くろさき かげよし)。

光夜達とは古くからの付き合いだ。

 

「あ~!かげよしぃ~!見てみて!光夜の彼女のりんりん!」

 

「ちょ!だ、だから誰が彼女ですか!」

 

影善を見つけるなり、またパタパタと舞い戻ってくる心。完全に仔犬である。

そして心に引っ張られつつも、心の発言に反論しようとする凛音。…ほぼ無視されているが。

 

「あっ…光夜に負けた白皇の…」

 

「~!う、うるさいわね!いきなり現れてなんなの貴方!失礼よ!恥を知りなさい!」

 

「…ひでぇっすわ………」

 

 

出会い頭に言うべき台詞ではなかったのかもしれない。

光夜から酷い扱いをされてる事が相まってストレスが爆発気味の凛音にかなりの剣幕で怒られ、影善は悲哀の表情を浮かべ、余計影を薄くする。

 

「影善も俺のデュエル直に観に来てくれれば良かったのにな~。来てくれたのが辰覇だけとかみんな薄情だぜ。」

 

落ち込む影善の肩を抱きながら、光夜が喋る。

光夜なりの優しさだろうか。

 

「い、いや…テレビでデュエル観れるのわかってたし…あんな大勢の人がいる所なんて…怖い………」

 

そう言うと余計影を薄くしてしまう影善。

気のせいか、身体が半透明になっているように見えるくらい存在感が希薄になりつつある。

 

「僕はほんとは行きたかったんだよ!でもさ、みんなが「お前が行くと別の意味で騒ぎになるからやめときなさい~」って止めるんだ!酷くない?それにしてもどうして僕が行くと騒ぎになると思ったんだろう?」

 

顎に人差し指を当てながらうーんと首を傾げる心。

そりゃあ、こんな可愛らしい見た目の子が実は男で、王牙の弟子だなんていきなり知られても騒ぎになるだけだろう。

 

「まあいいか~。どうせ明日からは嫌と言うほど話題になるんだし。とりあえず部屋戻るかなぁ。」

 

話を切り、光夜は自分の部屋へと戻ろうとする。

ふと、凛音は気になる疑問が1つ。

 

「あ、あの…暁くん…そういえば、私はどうしたら…?」

 

無理やり連れて来られて君の部屋はありません。

なんて言われる訳にもいかない。

凛音は恐る恐る問いかけた。

 

「ん?そんなの決まってるだろ。俺の部屋。」

 

「「「っ!???」」」

 

爆弾発言とはこの事だ。

凛音だけではなく影善、辰覇も驚きのあまり口を開けたままポカン。

 

「おぉ~!光夜ってば大胆~!」

 

「ちょちょちょちょっと!?い、いったい何を言っているのかしら!ととと年頃の男女で同じ部屋にだなんてそんな破廉恥な!!!////」

 

目をキラキラと輝かせて興奮する心。

あわあわと取り乱し、普段は綺麗な白い肌をしているのに、顔を真っ赤にして騒ぐ。

 

「はぁ?何言ってるんだ?先生来るまでとりあえず俺の部屋使えって言ってるだけだぜ。どっちが破廉恥だよこの女は。」

 

「~~~あ、貴方って人は~~~!!!」

 

「おおい待て待て待て!落ち着け白皇!これでもこの馬鹿に悪気はないはずだ!落ち着け!な!?」

 

馬鹿にしながら冷静に突っ込む光夜。

涙目になりながら頬を膨らませ、ポケットから取り出した折り畳み式の櫛を光夜に向けて振り回そうとする凛音。

それを後ろから慌てて抑える辰覇。

そっと距離を取って安全圏に逃げる影善。

楽しそうにはしゃぐ心。

なにこのカオス。

 

「先程からやかましいぞ。いつまでも玄関になどいないでリビングルームにでも行ったらどうだ。」

 

騒ぎを聞きつけたようで、辰覇にも劣らない程筋骨隆々の生真面目そうな男が階段を降りてきた。

 

「えぇ!?ひ、聖(ひじり)生徒会長!?貴方までここに!?」

 

「あぁ、白皇女史。先程のデュエルはテレビで拝見させてもらった。堅実ながらも惜しいデュエルだ。負けたからといって恥では無い。部外者とはいえ、この御剣 聖(みつるぎ ひじり)が健闘を讃える。」

 

現れたのは、現生徒会長。御剣 聖。

この男、何を隠そう天皇創世学園の創設に携わる貴族の一族の1人であり、凛音ですら格上だと判断している猛者である。

 




キャラの登場タイミングって難しいよねって感じました。
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