シンフォギアの消えた世界で アナザー   作:現実の夢想者

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いや、本当に調のエロさはどこからくるんだろうか?

もうその一言に尽きます。


月読む調べにさそわれて

 色々あって疲れた俺が起きたのは、可愛く体を揺らすエルの声を聞いてだった。

 時刻を教えてもらえば午後七時近くで、晩飯を食べる時間だなぁと思っていると……

 

「響さんと切歌お姉ちゃんが限界みたいです」

「……おーけぃ。すぐいく」

 

 食いしん坊コンビが案の定空腹を訴えているらしい。

 それでも俺が起きてくるまで待つ辺りにあの子達の人柄の良さが出てるな。

 

 階段を下りて行くエルを見ながら俺も一段一段ゆっくりと下りて行く。

 キッチンはそこから見えるので、既にいい匂いがしていた。

 でも、この匂いって味噌だよな。でも、味噌汁にしてはやや嗅ぎ覚えのない感じなんだが……?

 

「兄様が起きました」

「待たせてごめんな」

「ううん、大丈夫だよ師匠」

「はいっ! 大丈夫です! ねっ、切歌ちゃん!」

「デスっ! つまみ食いもしてないデスっ!」

「お鍋だからね」

 

 ああ、やっぱりそうか。折り畳みのテーブルの上にあるのは、俺が冬用に買っておいた鍋だ。

 みんなとまた会えるか分からないけど、冬までに会えたら一緒に鍋をやれるようにって、そう思って買っておいた鍋だ。

 

「さぁ兄様。座ってください」

「そうさせてもらうよ」

 

 エルに促されるまま、俺はフラフラとテーブルの中心、でいいのか? そこへ座る。

 で、隣に未来と調が座り、その向かいに響と切歌。エルはと思っていると、響と切歌の間へ座った。

 

「じゃ、蓋を取りますね」

「「お願い(しますデス)っ!」」

「前のめり過ぎだよ、二人共」

 

 十一月にもなると、すっかり夜は冷える。

 鍋が美味しい季節になりました。

 

 ……一人鍋の記憶は悲しいのであまり思い出したくないけどな。

 

「「「「「お~っ……」」」」」

 

 未来が蓋を取った瞬間、鍋の香りが一気に解き放たれる。

 これは、味噌鍋か。だから味噌の匂いがしてた訳だ。

 しかも、この強めの匂いは……八丁味噌じゃないか?

 父さんがよく食べてた味噌煮込みうどんの匂いに近い気がするし、間違いないと思うけど……。

 

「未来、これって八丁味噌の鍋?」

「はい。こっちでしかない味だと思ったので、じゃあ試しにって調ちゃんと」

「師匠の地元の味だし、味噌カツを切ちゃんやエルが気に入ってたから」

 

 そうだった。この二人は味噌カツの甘い味を好きだと言ってたっけ。

 それにしても、この味噌の匂いはどうしてこうも食欲をそそるのだろうか。

 見れば響や切歌も匂いを嗅いでご満悦だ。

 

「はぁ~……いい匂いだねぇ」

「デスねぇ。お腹がグーグー鳴るデスよぉ」

「エル、これお箸」

「ありがとうございます」

 

 調がお姉ちゃんらしくエルへ箸を差し出すのを見て、すっかりそれらしくなったなぁと思って笑みが浮かぶ。

 きっと今やエル達は血の繋がりがないだけで気分は姉妹なのだろう。

 

「只野さん、お箸どうぞ」

「あっ、すまない」

 

 エル達をほっこりしながら眺めていると、俺の目の前にも箸が現れるので反射的に受け取る。

 未来が差し出してくれた箸を手前のお椀の上に置き、俺は全員へ箸が行き渡るのを待った。

 

 やがて全員が俺を見つめてきたので、ならばと号令を発するべく息を吐く。

 

「それじゃあ手を合わせて……」

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

 さて、まずは何から食べようか。そう思って鍋の中を見回す。

 大根に人参、白菜と……おっ、里芋も入ってるな。凶悪に熱いけど美味いんだよなぁ、味噌鍋の里芋。

 ささがきごぼうやしいたけも見えるし、鶏モモ肉と肉団子、まで色々入ってるみたいだ。

 

「はふはふっ……ん~っ! 大根にしっかり味噌の味が染みてるよ未来っ!」

「軽く煮ておいて冷ましたからね。でも鍋つゆの味、薄くないでしょ? 前に只野さんが言った通り、このお味噌、本当に味が濃いんだ。だからこれだけ色々入れても、味が薄くならないみたいなの」

「ほふほふっ、しいたけも美味しいデ~ス」

「ふ~っ、ふ~っ」

 

 俺の視界には肉団子を冷ます可愛いエルの姿が映っている。

 何とも愛らしい。カメラがあれば一枚撮ってるとこだ。

 で、もういいかなと一口齧る。でも、ちょっと中が熱かったらしくて口を半分開けて息を吐く。

 

 可愛いなぁ、本当に。

 

「はふはふっ! ……肉団子もとっても美味しいです!」

「うん、人参も甘くていい感じ」

「大根がとっても美味しいよエルちゃんっ! ただ熱いから割っておいた方がいいかも」

「分かりました。そうします」

「おおっ! 鶏肉も美味しいデス!」

「うん、本当だ。全部にお味噌の良い味が染みてる」

 

 気付けばみんなして鍋を堪能している。なので俺も箸を鍋の中へ。

 と、そこでエルのお椀の中身が見えたため、ちょっとだけ注意をする事にした。

 

「エル、里芋は特に熱いぞ。だから割ってしばらく冷ましてから食べた方がいい」

「え? あ、はい。分かりました」

 

 言われた通り箸で二つに割ってフーフーと息を吹きかけるエルにほっこりする。

 

「ししょ~……」

「へ?」

 

 なのに斜め向かいの弟子から恨めしい目で見られているのは何故でしょう?

 

「今の情報は早めに欲しかったデ~ス」

「ああ、ごめんごめん。ねっとりしてるから凄く熱くなるんだよ。とろけるチーズとかと一緒」

「「「「……納得」」」」

 

 エル以外がそう言ってお茶を飲む。どうやらテンションが上がって未来や調まで里芋にやられたらしい。

 

「でも、美味いんだよ。こういう鍋の時の里芋って」

「あっ、はい! ネットリとしてるのが美味しかったです!」

「はい、火傷しそうな熱さだったけど美味しかった」

 

 響の熱弁に調が同調する。と、そこでエルがそろそろいいかなって顔で割った里芋を口に入れて……あ~、まだ熱かったか。

 

「はふはふはふっ……」

「エル、大丈夫デスか? お茶、飲むデスか?」

 

 隣の切歌がお姉ちゃんオーラ全開。

 ただ、切歌の場合は溺愛し過ぎて調に注意されてそうなイメージ。

 で、エルはと言えば里芋を食べ終えたのか、ふ~っと一息吐いて笑顔を見せた。

 

「はい、大丈夫です。皆さんの言う通り、とろんとしてて美味しかったですから」

「良かった。でも、気を付けて食べてねエル」

「デスデス。口の中、火傷しちゃうデスから」

「はい」

 

 二人のお姉ちゃんからの言葉に頷くエルは、本当にただの女の子だった。

 あっ、そうだ。ちょっとエルに頼んでみよう。

 

「エル、その里芋の半分、キャロルに食べて欲しいんだけどダメかな?」

「キャロルに、ですか?」

「ああ。きっとキャロルには未知の味だろうしさ。どんな感想くれるか聞きたいんだ」

 

 何せ八丁味噌の鍋で里芋である。ヨーロッパ育ちのキャロルには異文化もいいところだろう。

 

「ったく、人が寝ていれば……」

「「「「「あっ、変わった(デス)」」」」」

 

 まさかのOKに俺だけじゃなくみんなが同じ反応を見せる。

 それにキャロルは不満そうな顔をして、箸を……おや?

 

「くっ……何だこの使い辛い物は。よくこんなもので食事が出来るものだ」

 

 やっぱり箸が上手く使えないらしい。

 刺し箸をしないのは、それがマナー違反とエルからの知識で知ってるんだろうか?

 でも箸が使えないのは、エルと記憶は共有出来ても経験まではそうじゃないと、そういう事か。

 

 なので箸を手にそっと立ち上がってキャロルの後ろへ回り込む。

 

「キャロル、いいかい? まずはこうやって箸を持ってみてくれるか?」

「……こうか?」

 

 持ち方を見せて、それをまずは真似てもらう。

 これも、俺が子供の頃に父さんにやってもらった事だ。

 

「そうそう。で、こうやって動かしてみて?」

「……こう、か?」

「うん、そんな感じ。えっと、ここで大事なのはな……」

 

 俺が父さんに言われた事をそのままキャロルへ教える。

 思ったよりもキャロルは素直に俺の言う事を聞いてくれ、すぐに箸が使えるようになったのには驚いた。

 でも、きっとエルが知ってた知識にキャロルの経験が伴ったからだと思う。

 ただ、苦労してやっと使えるようになった身としては、色々と思うもんだ。

 

「凄い……。キャロルちゃん、たった少しでお箸が使えるようになった……」

「驚きデス……」

「私達も結構苦労したのに……」

「ふふっ、きっとお父さんの教え方が良かったんだよ」

「なっ……そうじゃないっ! 俺の物覚えが良いだけだ!」

「うん、そうだと思うぞ。じゃ、早速食べてごらん?」

「あ、ああ……」

 

 割ってあるからか、掴みにくいはずの里芋をあっさり箸で掴み、キャロルはそのまま口の中へ。

 

「どうかな?」

 

 モクモクと咀嚼し、少し首を傾げる辺りが可愛い。

 見れば響達も同じ事を思ってるのか顔が笑っている。

 

「……不思議な味だ。この、里芋とやらは初めて食べる食感だし、八丁味噌? この味も知らない味だ」

「そっか。美味しいかい?」

「…………不味くはない」

 

 とってもキャロルらしい感想で大変結構。つまり美味しいらしい。

 だって、不味いなら不味いとはっきり言うはずだから。

 

「じゃ、もう少しだけ色々食べて、エルへ戻ってあげて。きっとエルもそれを望んでる」

「いや、俺はもう」

「はい、キャロルちゃん。大根美味しいよ」

「だから、俺は」

「ここは肉団子デース。ささっ、どーぞデス」

「おい、人の話を」

「人参、甘くて美味しいから。食べてみて」

「お前もか……」

「それが響達だからね。と言う訳で、私は白菜をオススメするね」

「……まったく、お前らは」

 

 未来まで鍋の具を差し出すのを見て、キャロルが諦めるように息を吐いて下を向いた。

 でも、何となく分かる。今、彼女は笑ってるって。

 その顔を見せる事はしないだろうし、本人も認めないだろうけど、きっと笑みを浮かべてる。

 

「仕方ない。ほら、全部よこせ。俺がちゃんと食ってやる」

 

 何故なら、呆れたような声で話す少女の手は、ちゃんとお椀を持って差し出されているんだから……。

 

 

 

 洗い物を切ちゃんと響さんが引き受けてくれて、未来さんはエルと一緒にお風呂へ行った。

 うん、今がチャンス。そう思って私はリビングでボ~っとしてる師匠へ声をかける事にした。

 

「師匠」

「ん? 何?」

「ちょっと付き合って」

「いいけど、どこに?」

 

 想像通りのリアクションに私は思わず笑みを零した。

 

「ベランダで月を見て欲しい」

「月?」

「そう。いいから来て?」

 

 キョトンとする師匠の手を掴んで私は階段へと引っ張る。

 階段を上がっていくと正面に見えるドア。それを開けて外へ出るとベランダというか物干し場がある。

 

「風が冷たいなぁ」

「うん、不思議な感じ。私達の世界は、まだ夏も来てないから」

 

 それにみんなで言い合ったけど、また春と夏を過ごすなんて変な感じだねって話もした。

 それと、そこに師匠がいない事を、みんな一緒にいられない事を、悲しみもした。

 

 だって、あの時間は本当なら有り得ない時間だったから。

 奏さんとセレナにヴェイグがいるだけでも凄いのに、マリアと翼さんもずっと一緒。

 更にお出かけどころかお泊りまで出来た。あんな事、もう二度と出来ないって、そうみんな思ってる。

 

「だよなぁ。じゃあ、みんながこっちに来たらビックリするだろ。何せもう今年も残り二か月ないんだからさ」

 

 師匠以外は……。

 

「みんな集まれる?」

「集まれるさ。えっと、ゲートリンク、だっけ。あれで通信が出来るのなら、いざとなった時に呼び出しは可能だ。あと、あれをサンジェルマン達に持ってもらえば、一日ぐらい交代要員になってくれるよ」

 

 これだもん。

 師匠だけだ。こんなにもあっさりみんな集まれるって思うの。

 

「マリアや翼さん、お仕事があるのに?」

「勿論」

「クリス先輩、留学するのに?」

「当然」

「セレナや奏さん、世界が違うのに?」

「関係ないよ」

 

 そうはっきりと優しく、だけど力強く言い切って師匠は笑った。

 

「みんなが集まろうと思えば、絶対出来るさ。想いの力は強いって、それをみんなも知ってるだろう?」

「うん……」

 

 やっぱり師匠は強い。それと、前よりももっとカッコよくなった、かも。

 引っ越しをしたからかもしれないけど、別れる前より男らしい感じがする。

 あの頃も大人って思ったけど、今はもっとそう感じる。

 

「……寒い」

 

 夜風が吹くと一気に体が冷える。

 お鍋で温まった体でも、そこまで寒さに強くなれる訳じゃない。

 だって季節が秋だと思ってたから着てる服は秋物だ。

 だから、今の格好だと薄着ではないけどちょっとこの寒さには辛い。

 

 と、急に風が途切れた。不思議に思って顔を上げれば師匠と目が逢う。

 

「風除けになれてる?」

「……うん。ありがとう」

 

 私を守る様に抱き締めてくれる師匠。

 少しだけ汗の匂いがするけど、私、この匂い、好き。

 師匠の匂い。師匠が頑張ってる時の、匂いだから。

 

「とはいえ、さすがに冷えてきたな。調、一旦中へ戻ろう」

「このままがいい」

「そう、この……え?」

 

 私の言葉に師匠が疑問符を浮かべた。だから抱き締める。私の目的を分かってもらうために。

 

「師匠、切ちゃん達とエッチなキスしたって聞いた」

「……そういう事ね」

 

 だからお昼の後にエル以外のみんなで話し合った結果、まず未来さんに自由に動いてもらった。夜は私の番。

 だって、師匠がやっと私達に男の人の顔を見せてくれるんだもん。

 やっと、やっと師匠が本当の気持ちで私達と向き合ってくれるんだ。

 

「師匠、私だけダメなんて言わないよね?」

「言わないと言うか言えないよ」

 

 困ったように笑う師匠は私のよく知ってる師匠だ。

 優しくて、頼りになって、誰よりも心が強い、初恋の男性(ひと)

 

 リディアンに通うようになった時、一度だけふと考えた事がある。

 将来私と切ちゃんに好きな人が出来たら、私達一緒にいられなくなるのかなって。

 だって切ちゃんの旦那さんと私の旦那さんは別人のはずだから。

 だけど……

 

「調……」

 

 私を優しく見つめるこの人は、切ちゃんも大好きで、私も大好きな人。二人で好きになっちゃった人。

 私と切ちゃんに優劣をつけない、強くて優しい人。私と切ちゃんを同じだけ大好きって言える人だ。

 

 だから私はこの人じゃないと嫌だ。

 私と切ちゃんが仲良くしてて自分を相手にしない時があっても、それを見てニコニコ笑ってくれる人だから。

 

「師匠……んっ」

 

 顔を少しだけ上向けて目を閉じる。師匠の唇が触れると、すぐに師匠の舌が私の舌に出ておいでってノックしてくれた。

 そ~っと舌を出すと、師匠の舌が優しく出迎えてくれて、私の事を幸せにするよって言うみたいに沢山可愛がってくれる。

 師匠との大人のキス、好き……。これを初めてされた時は、少し悲しかった。

 

 だって、それがお別れのキスだって思ったから。

 でも違った。お別れはお別れだったけど、永遠じゃなくて少しのお別れだった。

 そう分かった時、私だけじゃなくみんなで喜んだ事を今でも思い出せる。

 

 あっ、気付いたら師匠の手が私のお尻を撫でてる。

 ちょっと恥ずかしいけど、嬉しい。こんな事、あの頃はしてくれなかった。

 私が女性として魅力的だよって、そう師匠が言ってくれてるみたい。

 

「……調、今の、もう一度しよう」

「はい、仁志さん……」

 

 凄く凛々しくて男らしい眼差しで見つめられて、私は気分がお嫁さんモード。

 今の師匠、ううん仁志さんを見てると何だかお腹の下が熱い……かも。

 

「んぅ……じゅるっ、っぱ……ちゅっ」

 

 エッチな音を出しながらするキスは、何だか今までと違って本当に大人のキスって感じ。

 それと、さっきからお腹の辺りを押し上げるように何か硬い物が当たってる?

 何だろうと思って触ってみると、棒みたいな物があった。

 ゆっくり手を動かして探ってみると……根本みたいなところに何か柔らかい感触。

 

 え? これってまさか……。

 

「っは……ひ、仁志さん? これって……」

「うん、ごめん。今の俺はもうこういう欲求を抑えられない悪い男になっちゃってるんだ」

 

 申し訳なさそうな仁志さんの視線を追って私も目を下へ向ける。

 そこには、あのプールで見た光景を思い出す物があった。

 

「……立派?」

「ど、どうだろうな? 男は、その、通常時と興奮時があるから分からないよ」

 

 興奮時……。

 つまり、今、仁志さんは私で興奮してくれてる?

 私でおちんちん、大きくしてくれてるんだ……。

 

「嬉しい……」

 

 私は自慢じゃないけどおっぱいが小さい。切ちゃんと比べるとその差は歴然。

 だから、きっと仁志さんもどこか切ちゃんの方がって、そう思ってた。

 でも違った。仁志さんは本当に私を女性として意識してくれてる。

 

「仁志さん、私でこうなってくれたんですか?」

「そりゃそうだよ。調はとっても魅力的なんだ。純粋な色気で言ったらトップクラスかもしれない」

 

 キュンと胸の奥とお腹の下が疼いた。何なんだろう、この感覚。

 胸の奥は何となく分かるけど、お腹の下は本当に分からない。

 あっ、そうだ。仁志さんに聞いてみよう。

 

「あの、仁志さん」

「ん?」

「さっきから、時々お腹の下が疼くんですけど、これ、病気ですか?」

 

 小首を傾げて尋ねると、仁志さんが息を呑むのが分かった。

 それと、一度だけ私のお腹でピクンっておちんちんが動いた。

 

「……それは、病気じゃないよ」

「そうなんだ」

 

 良かった……。

 

「あー……ある意味でエル達がいて良かったな」

「?」

 

 どういう事だろう? エル達がいて良かったって事は……万が一の時に私の体を見てもらえるから?

 

「調、今の、すっごくエッチな事だからあまり言わないように」

 

 いいね? そんな風に仁志さんは私へ言った。

 きっとそれは仁志さんの大人の部分の意見。

 だって、私のお腹をグイグイ押し上げてる部分は、もっと言って欲しいって言ってるから。

 

「分かりました。じゃあ……」

「ん?」

 

 頑張って大人をしてくれる仁志さんへ、私はとっても悪い子になって動く事にした。

 

 お腹を押してくる硬い棒をナデナデしながら仁志さんの目を見上げてこう言った。

 

――本当の二人きりになれたらまた言います。

 

 最後にクスって笑ったら、仁志さんが大きくため息を吐いて顔を私の耳元へ近付けて……

 

――そんな悪い子は、どれだけ泣いても許してあげないぐらいのお仕置きをしてやらないとな。

 

 って、低い声で言ってきた。

 その声と言葉に私の体は勝手にブルッと震えて、またお腹の下が疼いちゃった。

 

 ……後でお風呂借りてシャワー浴びよう。下着が汗で濡れて気持ち悪くなってきた。

 こんなに寒いのに、私の体は少し熱い。

 仁志さんは、本当に凄いね。言葉で私の体をあったかく出来るんだ。 

 

 そんな事を思いながら私は仁志さんとキスをする。

 

 その間、ずっと私のお腹は熱い物でグリグリされて、余計下着に汗掻いちゃった……。




これにて初日終了。

信じられますか? 一話からここまで一日(しかも半日程度の経過時間)なんです。

こちらは、今後只野パートをほのぼの。各ヒロインパートをえろえ違った、らぶらぶにしたいと思います。

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