Be the one 〜盾と仮面のベストマッチ〜 作:春風駘蕩
Side:Filo
フィーロだよ!
ごしゅじんさまとお姉ちゃんたちといっしょに、波から来たたくさんの魔物とたたかって、おっきな魔物をたおしてきたの!
でもね、ごしゅじんさまは鎌の人とかヘビのお姉ちゃんとかのとこに行っちゃったの。
「おーい、ナオフミやーい。…どこ行ったんだ、あいつ」
「ナオフミ様ー!」
セントお姉ちゃんもラフタリアお姉ちゃんもいっしょうけんめいさがしてるけど……どこにいっちゃったのかな?
…あれ?
なんだかあっちがうるさいね? なんだろ?
「どわあああああああああ!!?」
「うおっ!? ……え!? 槍の勇者!?」
なんかうるさいところから、槍の人がとんできた!
どうしたんだろ? すっごいボロボロになってるけど……フィーロ別にいいけどね!
「おっと…悪いねぇ、思った以上に弱かったもんでなぁ、加減を間違えちまった。まぁ、お前さんの弱さを憎みなぁ」
「……あ、姐さん……?」
フィーロ達がごぢゅじんさまをさがしてたらね、ヘビのお姉ちゃんを見つけたよ。
でもね、お姉ちゃん達は前みたいにニコニコしてなくて……ごしゅじんさまにすごい怖い目を向けてたの。
「……どういう事だよ、姐さん。なんで……こいつらに攻撃なんか」
「んー? ちょいと邪魔になりそうだったもんで、しばらくどいててもらおうと思ってなぁ。なぁに、手加減はした」
「ラルク、どういうつもりだ!」
「悪いな、坊主。この間とは、色々と事情が変わっちまったんだ」
鎌の人はそう言って、ごしゅじんさまに鎌を近づけてる。
どうして…? どうして、あんなになかよししてたのに、ごしゅじんさまにそんな目を向けてるの?
そしたらね、ヘビのお姉ちゃんが何かを……むらさき色の変な道具をとりだしたの。
「姐さん……それ」
「まさか!?」
すっごくみおぼえがあるそれをみて、セントお姉ちゃんがものすごくあわてだしたの。
ごしゅじんさまもすっごくあわててる。だってアレは、フィーロ達にひどいことしたーーーコブラの人の持ってた道具だから。
【コブラ!】
「フハハハ…! 蒸血……!」
【Cobra………Fire】
ヘビのお姉ちゃんが、くろい道具にセントお姉ちゃんがよくつかってるジュースのビンをさした。
そしたらヘビのお姉ちゃんのまわりにまっくろな煙がとびだして、ばちばちって火のこもとんできた!
それから、まっくろな煙がはれてって、前に見たコブラの人になっちゃったの!
『久しぶりだなぁ……あらためて、元気にしてたか、お前達』
声も前とかわってて、すっごいいじわるそうなおじさんの声になっちゃった。
なんで!? なんでなんで!? なんでヘビのお姉ちゃんが、前にフィーロ達をいじめたコブラの人になっちゃったの!?
「……嘘だろ、姐さん。そんな……あんたが、毒ヘビ野郎だなんて……そんな、オレを、騙してたなんて……」
『おいおい……前にも言ったはずだぜ、セント』
セントお姉ちゃんがふらふらって、すごくショックをうけたお顔でつぶやいてる。フィーロやごしゅじんさまといっしょで、信じられないって感じになってる。
そしたらコブラの人、がばって手を広げて大きな声でしゃべりはじめたの。
『オレはブラッドスターク! お前さん方のーーー敵だってな!』
「ま、そういうわけだ。この数日間は本当に楽しかった……できれば本当にダチになりたかったんだが、状況が状況だ、しょうがねぇ」
そう言って、鎌の人がコブラの人のとなりにきて、いっしょに武器をかまえる。
ウソだってフィーロも思ったけど、鎌の人もコブラの人もウソついてる感じじゃなくて、ホントにフィーロ達を敵と思ってるみたいだった。
「俺達の世界のために、死んでくれ」
鎌の人がそう言って、ごしゅじんさまにきりかかった。
コブラの人もいっしょで、フィーロでもいっしゅん見えないくらいのはやさでとんできて、セントお姉ちゃんをけりとばしちゃった!
「セント!」
「くっ…! がはっ!!」
セントお姉ちゃんはすぐにおきあがったけど、すっごくつらそうなお顔をしてて、うずくまったままになってる。
リュウガお姉ちゃんがかわりに出て、コブラの人をにらみつけてる。
それを、コブラの人はお面でよく見えないけど、ぜったいいじわるに笑って見下していた。
『構えろよ、セント……オレは敵だとさっきから言ってんだろぉ? 本気で来ねぇなら……殺しちまうぜ』
コブラの人のことばで、セントお姉ちゃんじゃなくてリュウガお姉ちゃんがイライラした顔になる。
それでぎりぎり歯を食いしばって、ものすごいいきおいでコブラの人をなぐりにいっったった。
「おらああああ!! この野郎がぁ!!」
「おっとぉ!!」
すっごいいたそうなパンチが出されたけど、コブラの人はぜんぜんおどろかないで、ヒラって感じでよけちゃった。
リュウガお姉ちゃんはそのまま、コブラの人につかみかかってがしーんっておでことおでこをぶつけ出した。痛そう……!
「テメェ、どういうつもりだ…! あのクソ教皇の手下じゃなかったのか!?」
『おいおい……オレぁ、あんな小物にこき使われるような存在じゃねぇよ』
「だったらお前は何だ!? オレ達を殺して、何の得がある!?」
リュウガお姉ちゃんはおでこをコブラの人にぶつけて、ものすごく怒ってる。
きょーこーって、前にごしゅじんさまをいじめてたメガネの人でしょ?
そういえばあの人たちにおいかけられてたときに、はじめてあったんだよね……でもあいつらの仲間じゃないの?
じゃあなんでごしゅじんさまいじめるの!? ねぇ、なんでなんでぇ!?
『
「ぐおっ!?」
コブラの人が思ってたよりつよかったみたいで、リュウガお姉ちゃんはぶっとばされちゃった。
でもすぐに起きてたから、そんなにいたくはなかったのかな。すぐに立ってまたパンチのかまえをとったよ。
「ごめんなさい……本当はあなたと戦いたくなんてないんだけど、私達にも使命があるの!」
「テリス…!」
宝石のお姉ちゃんもコブラの人たちとおんなじみたいで、ラフタリアお姉ちゃんにうでわを向けてる。
アレって、前に宝石のお姉ちゃんにごしゅじんさまがおねがいされてつくったやつだよね。こうするためだったのか、むー!
だけど、宝石のお姉ちゃんが魔法をつかおうとしたら、ぼぅってとびだした火がすぐに消えちゃった。
「…そう、あなたは戦いたくないのね」
宝石のお姉ちゃんはなんだか悲しそうな顔になって、うでわをはずしてべつのうでわをつけた。
それでごしゅじんさまが作ったのとはちがううでわで、ものすごい大きな火を出してきた!
「輝石・紅玉炎!!」
前とちがって、この火はすごく危なそう。
いっしょに冒険してた時のはやさしい火だったけど、これはなんかちがう!
タフタリアお姉ちゃんといっしょに、とんできた火をよける! でもまだおいかけてくるよ、むー!
「お前達の世界って……どういう事だ!!」
「そのままの意味だ! 俺達はこの世界の人間じゃねぇ……俺達は俺達の世界を守る為に、お前達の世界を滅ぼす! そういう話だ!」
鎌の人とギリギリやってるごしゅじんさまがきくけど、鎌の人が言ってることの意味、ぜんぜんわかんない。
それでなんでごしゅじんさまをいじめるの? わかんないよ!!
「意味わからねぇ事……言ってんじゃねぇよ!!」
ごしゅじんさまがガキーンって、鎌の人の鎌をはねかえす。
フィーロ達、この島でいっぱいがんばってつよくなったんだもん! そうかんたんにやられないよ!!
でも、セントお姉ちゃんだけ小さくなったまま、ぜんぜんうごかなくなっちゃってる。
「おいセント! さっきから何やってんだ! しっかりしろ!!」
「……うそだろ、姐さん……敵だなんて、そんな……」
「おい! いいから立て! 本当に殺されるぞ!!」
セントお姉ちゃん……ヘビの人が本当は敵だったって知って、ショックで立ち上がれなくなっちゃったみたい。きもちはわかるけど、いまはダメだよ!
「オレが……盾の勇者の仲間になったからか? だから、いや、でも……あんたはオレを助けてくれて、恩人で、だから、なのに……!!」
「セント!」
「教えてくれ、姐さん……あんたが敵なら、ナオフミを殺して、世界を滅ぼすのが目的なら、だったらどうして! 滅ぼす世界の住民であるオレを、助けたりなんかしたんだ!?」
セントお姉ちゃんはぐすぐすしながら、コブラの人に聞いてる。
ホントはぜんぶウソなんだって、セントお姉ちゃんやごしゅじんさまをからかってつだけなんだって、そう信じたいみたい。
でも、コブラの人はそれを見て、お面の下でケラケラ笑ってた。
『大した理由はねぇ……強いて言うなら、お前がオレの目的の障害になるかどうか、監視するのが目的っちゃ目的だったな。まぁ、違ったがな』
……ヘビのお姉ちゃんはもう、フィーロ達の友達じゃないみたい。
ごしゅじんさまをいじめる敵で、セントお姉ちゃんをだましてたウソつき。
たたかわなきゃいけないんだ、って、フィーロとラフタリアお姉ちゃんが、かくご?を決めようとした時。
「ーーーおや、もう始めていましたか」
波のきれつの中から、前にあった黒いお姉ちゃん達が出てきた。