RTA置き場   作:トウカ

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第三幕

 家庭教師がいれば鍛錬能率があがってうま味なRTA、はーじまーるよー!

 

 ママンからお使いを頼まれたのでツナ缶と一緒に外出です。

 これは死ぬ気モード初体験も兼任している為に必ず天然(アイドル)と遭遇します。さあツナ缶よ、いよいよ告白の時だ! 100%振られるけどなガハハ!(酒のつまみ)

 パン一のほぼ全裸マンにお付き合いを申し込まれるとか、恐怖以外の何物でもないわそりゃ。

 

 ……ハゲ先輩からヘンタイ呼ばわりされてますね。でしょうね(冷静な見解)。

 

 なんか友達になってください宣言に変わってましたが、もしやおぬし、ホモだな?(鋭い指摘)

 学生の内は健全に仲を育んでいれば良いと思いますよ。

 

 さて、死ぬ気弾を撃たれるとパンツ一枚、女子ならパンブラ一枚になるわけですけど……ゲームのレーディング的に問題があったのか、もしくは制作陣が自重でもしたのか、プレイヤーキャラの性別を女性にした場合はパンブラにはなりません。

 発生したクエスト内容によってはしょっちゅう撃たれまくるわけだし、その度に女の子が下着姿になるのは羞恥プレイを通り越してただの拷問ですもんね……。

 マフィアから見てもこの手の犯罪行為はドン引き案件ですわ。ぺっ、この人間の屑が!

 

 なので、気兼ねなく死ぬ気弾プリーズ!

 次は私の番です!

 

 

 ん? 可笑しいな、何も起こりません。

 試走では不良に絡まれたり引ったくり犯に遭遇したりして死ぬ気モードになる流れでした。

 なのにどうして……。

 

 ン゛ァ゛ァ゛アアアアア!!!(甲高い悲鳴)

 

 未来の自分から結果報告! 『無念無想』持ちで死ぬ気弾を撃たれるとそのままゲーム終了!

 GAME ♂VER(肛門裂傷)。

 

 うせやろ……(絶望)。

 炎圧をあげて物理で殴る最高に頭の良い戦法が使えない、だと!?

 これ、小言弾撃たれないと炎使用可能にならないですね……。

 火事場の馬鹿力で炎上することもありますが死神とマイフレンドになりにいかないとイけない。

 

 やだ! 小生やだ!

 許してください何でもしますから!(なんでもするとはいってない)

 

 このゲームをやったことのない未プレイ兄貴に説明すれば、ぶっちゃけこれ炎圧ゲーです。

 炎圧が高ければどうとでもなります。

 戦いは炎圧だよ、兄貴ィ!

 

 何故かというと、死ぬ気の炎の微調整を行うと攻守一体と化すからです。自分の攻撃ターン時はSTRに補正をかけ、敵の攻撃ターン時には防御値に補正をかけることがDEXによって任意で出来ます。その度炎圧は消費されますがレズくんは炎圧おばけなので構うことはありません。

 超直感で敵の動きを読めば更に効果は倍ドン。

 炎圧をうまくコントロールする為にDEXも鍛える必要はありますが、何はともあれ炎圧超大事。

 

 結論:炎圧をあげて物理で殴ればいい。

 

 豆腐プリン防御だから実質オワタ式は厳しい。

 超直感があるとはいえ、たった2じゃ焼け石に水すぎる。

 ……まあ日常編ではあんまり戦闘に入らないですしリカバリーは効きます。当然、続行です。

 やっぱつれぇわ(FFXV感)。

 

 

 

 ぐだぐだ言ってる間にストーリーは進み、ニトログリセンマン&野球バカ二人と顔見知りになりました。

 本来のチャートなら野球バカを引き抜いてましたが、修正後のチャートでツナ缶の守護者を丸々貰い受けるように変えたのできっちりニトログリセンマンの忠誠は私にあります。

 

 彼は精神面が未熟な大器晩成型なので、精神を成長させるイベが長いからいらなかったんですけど……沢田家ルートだとどうしても細々と原作イベに巻き込まれてしまうんでスカウトしに行く余裕が無いです。

 仕方ないので近場で我慢しましょう。

 素材は一級品だから……(が・ま・ん)。

 

 ボス候補が同時に存在する場合、ニトログリセンマンはステが高い方から先に喧嘩を売ってくるのでまだ自滅技レベルの三倍ボムから救えばOK。

 野球バカはツナ缶経由で普通に知り合います。

 え、自殺阻止? 中学校の屋上で発生するイベに小学生が介入できるわけないだろ!(正論)

 

 スタメン落ちに危機感を抱いている一定期間夕方の土手で黄昏てるんで、そこに話しかけてお悩み相談しても良かったんですが……野球バカってニトログリセンマンと違ってコミュし易いんですよね。

 よく家まで遊びに来ますし、好感度は幾らでも稼げるので(鍛錬の時間をわざわざ割きたく)ないです。

 そもそも骨折しただけで自殺未遂とか心が硝子にもほどがあります。スタメン落ちっていう状況自体、六月の一年生では本来ありえませんから。落ちたら奪い返せばええだけやんけ。

 この順風満帆勝ち組人生野郎がよぉ! (マフィア化させて)ぶっ壊してやるよぉ!

 ケッ、大会で優勝したらお祝いにお前の処女貰ってやるからな!

 

 

 ん? キャーッ! 天然(アイドル)がママンを脅してるわー! のび太さんのエッチー!!(しずかちゃん感)

 

 キャーッ! かてきょーがリバース1tで天然(アイドル)をぶん殴ったわー! のび太さんのエッチー!(風評被害感)

 

 はい、ママンも気絶してしまってるんで片付けましょうか。台所が殺人現場やで。

 ツナ缶も慌てて掃除の手伝いにやってきました。

 え、ママンが天然(アイドル)のことを彼女だって勘違いして恥ずかしかったって? 私からママンの勘違いを訂正してほしい? アイス奢るから? あ、そう……(無関心)。

 

 自分のケツは自分で拭いな、このマグロ野郎!

 

 今回はここまで、御視聴ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 栄華を極めるボンゴレファミリー。

 アルコバレーノになって以来世話になりっぱなしの九世(ノーノ)からの、東洋に住む次期ボス候補を鍛えてほしいという本気かつ切羽詰まった依頼をオレは受けることになった。

 

 エンリコもマッシーモも、腕は悪くはなかったんだがな。フェデリコはマンモーニなところがあるが見所もそこそこある奴だった。

 

 オレから見ても次期十代目ボス候補三人は各々の戦力もそれなりに纏まっていて、次期ボスとしても及第点を与えていい奴らだ。だが実力者であっても死ぬ時は容赦なく死ぬのがマフィア。運悪く次々と葬られ、呆気なく散る。

 

 一世の血統を汲む家光は九世に絶対の忠誠を誓っていてとっくに継承権を放棄している、今更それを翻して十代目になるのは不可能だ。となれば、ボス候補は家光の子供たちである二人だけ。

 

 

「ツナは昔っから根性があってなぁ! レイが犬に襲われてるって勘違いした時はビビってるってのに庇いに行く男前なんだ! レイは手がかかった覚えがないくらいの良い子で頭も良いし、奈々に似てすげえ可愛い! おっとリボーン、うっかり惚れるなよ? オレを敵に回したくなければな」

 

「本当にうぜぇな」

 

「あっ?!! 危ない危ない、伝えておくべき重要事項があるんだが!!」

 

「なんだ」

 

「……レイと一緒に風呂入るんじゃないぞ? 冗談じゃないからな?」

 

 

 一番最後の妙に真剣な顔がまたムカついた。家光の鬱陶しい家族自慢から必要な情報だけ抜き取り、資料を眺める。

 12歳と10歳の兄妹ならば、兄の可能性が高いと思いながら日本へ飛び発った。

 カタログスペックだけで判断するのは浅慮。まずは二人の為人をこの目で見て確認する。

 

 マフィアのボスを継ぐ条件は血統が最重視されるが、ボンゴレは少々事情が違う。血統の重視こそ変わらないものの、正確には血統によって受け継がれるブラッド・オブ・ボンゴレが重要になる。

 ボスの座を引き継いできた者たちは、それぞれの後継者の中で超直感が最も強かったから選ばれたという噂もあった。

 

 大空のボンゴレリングを持つに相応しい素質を持つのはどちらなのか、まず一週間ほど沢田家周辺に潜伏し日常生活を探る。

 

 その結果、分かったのだが……。

 

 兄は学業の奮わないダメダメっぷりだが、大空の守護者に必要な素質は確かに感じ取れた。オレがこれからねっちょり鍛えてやれば化ける。つーか化けさせる。あと、家光が言っていた通り根性は本当にあるようだ。誰かがボケた時に白目を剥きながら必ずツッコむ芸人根性、こりゃおもしれぇ。今までの人生で見たことがない、おちょくりまると心に決めた。

 

 そして、妹。

 

 ――――サファイアの原石が深海の底に埋もれていた。

 

 イタリア海軍で多くの教え子を鍛えてあげてきたラルが見れば、目の色を変えて怒り狂うだろう。こんな逸材をみすみす放っておくなどどうかしているぞ、家光! と。

 朝から晩まで隙をみてはトレーニングに励んでいるようだが、オレはあくまで殺し屋であるのにとても惜しいと感じてしまう。こいつには指導者が必要だと強く思う。生来の教官気質ラルからすればよっぽどだろう。

 

 

「もしかして、おじさんが広告主のリボーン? 始めまして、沢田玲珠です」

 

「レイちゃん、この子は赤ちゃんよ? さすがに違うと思うわ」

 

「え? ……あっ、そうだね。赤ちゃんにもみえる」

 

「あらあら、レイちゃんってば疲れてるのね! 頑張りすぎかしら……」

 

「うーん、なんとなくおじさんって気がしたんだよね」

 

 

 人間の本質を読み取る力、超直感。それが既に開花しかかっていた。

 しかしそれ以上に目を瞠ったのは別のもの。

 相対して、レイの明るい橙色の瞳を見れば直ぐに気付いた。心が澄み切っている。砂漠に落ちた雫一粒分、それさえも後悔が存在しない。

 

 後悔がない人間はいない。誰であっても後悔の一つや二つ、ある。神の采配と謳われる九世でさえも、オレも。二択択一の菓子を選んだだけで後悔する年頃の子供が、まさか微温湯のような日本から生まれていたとは思わなかった。

 

 いや、日本という犯罪が極端に少ない平和な国だったからこそ、子供はここまで育った?

 

 レオンの努力で死ぬ気弾・改を作り上げたものの、出番は来ないだろう。そんなことを考えつつオレは渡日した理由をまずレイに話した。敬語はいらない、と付け加えながら。

 

 

「リボーンの話は分かった。私、十代目になるよ。お兄ちゃんはそういうの嫌がるだろうしね」

 

「……随分とあっさり決めるんだな。言っておくが、冗談や遊びじゃねーぞ」

 

「うん、私の想像以上に怖いことや辛いことがあるんでしょ?」

 

「マフィア映画は見たことあるか? あんなのより痛いこともいっぱいだ」

 

「痛いのは嫌だけど……でもね、なんとかなるよ、絶対だいじょうぶだよ」

 

「なんでそう言い切れる?」

 

 

「だって、こんなに頼もしそうな家庭教師さんがいるからね。立派なボスにさせてくださいな!」

 

 

 ……参った。無意識に帽子のつばを下げた。

 

 たしかに、うっかりでも惚れちまいそうだ。沢田玲珠の求心力を垣間見た。脳内の家光がうざいったら……。

 

 


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