RTA置き場   作:トウカ

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第七幕

 平和は続くよいつまでもなRTA、はーじまーるよー!

 

 日常的すぎて、裏路地に行って不良とエンカウントでもして経験値狩りをしたくなります。

 だが、駄目……!(ざわ……)

 レベルが低いまま強敵を倒せば経験値が割増になって追加でボーナスも貰えてお得だから、日常編ではイベ戦闘以外での戦闘はお断り……!(ざわ……ざわ……)

 

 折角の炎圧おばけですからね、炎が使えるようになれば問題ないんですよ。

 問題はレズくんが全然炎を扱う機会に恵まれないことなんですが……(絶望)。

 

 では今回もジャッポーネで日常を送ります、どうぞ。

 

 

 最初はボンゴレ式ファミリー対抗正月合戦です。

 あちらの大将は跳ね馬、こちらの大将は勿論レズくんです。

 ボクシング部主将がお天道様と真逆の引きを開幕から見せつけて笑神様が舞い降りてきてますが、バラエティ番組よろしく最終試合で今までの点数は無効になり、最後に勝ったチームの勝ちなので放っておきましょう。

 

 最終試合のアンコロもち対決で毒サソリの手が加わった毒もちを食べれば実質勝利です。

 この為の毒耐性。という訳でもないですが、跳ね馬は逃げてるのでレズくんが全て平らげます。

 Win!

 

 次。ニトログリセンマンの強化プログラムです。

 髪型を弄られたりするのを笑って見守るのも有りです……が! ここは大きく口出しして、ガチの強化に入ります。

 部下の教育は上司が責任を持つ、当たり前だよなぁ?

 ニトログリセンマンと共にSTRとAGIの鍛錬をしていき、最後に多少の会話を終わらせれば二人一緒にステが上昇すると同時に彼の好感度も上がります。

 ……うんうん、良い感じですね。

 

 え? 本当に自分が右腕になれるか自信がなくなってきた?

 野球バカは絡んでいないのに落ち込んでるなんて珍しいですね。適当に褒めておけばいいかな? そんなことないっスよ、初めて部下になったのもニトログリセンマンだしアンタマジかっけーっスよ!(太鼓持ち)

 

 お、元気取り戻しましたね。

 右腕はまあ、ニトログリセンマン以外の誰かを選ぶこともできますが……スカウトする本来のチャートならともかく、今回は丸ごと守護者はパクるんで他に右腕を任せられる人材がいません。

 天然、ガキ、極限、ぼっち、獄中という個性の大事故ですからね。

 マフィアの自覚があるだけ一番マシっていう。なのでニトログリセンマンの様子はきっちり把握しておきます。

 

 

 次。ツナ缶と同年代であれば本来なら授業参観ですけどレズくんは小学生なのでスルー!

 普通にママンがやってきて終わり!

 ちょくちょく本来のイベフラグを潰しておくのがRTAには大事なんですね(ドヤ顔マウンテン)。

 

 というわけで、授業参観は抜かしてランキング小僧襲来です。クゥーン……(子犬)

 この登場時のランキング小僧がポロッと零すデータは貴重なので読み逃さないよう注意。

 

 ……。

 八万六千二百三人の中でのランキング中、だいたい上位に食い込んでますね。三分の一くらい?

 これは特性などの補正無し素のステータス判定なので、1919%精確です。まあまあ満足のいく結果と言って良いでしょう、このまま鍛錬は続けていきます。

 尚、頼まれたら断れないマフィアランキングと野望の無いボスランキングで堂々一位のツナ缶を頼りにやってきたことは変わりないので、スルー安定です。

 ランキング小僧を追ってやってきたマフィア退治はツナ缶に押し付けてフィニッシュ(人間の屑)。

 

 次。バレンタインデー。

 主人公の性別が女子ならチョコ、男子ならプレゼントをあげることで好感度が割増で上昇するうま味イベです。

 顔見知りかつ所在地を知ってたりメールや電話などの連絡手段を持ってるキャラ全員に上げることが出来るので、現時点で選択肢にあがっているキャラ全員に上げます。

 好感度は稼いでおいてなんぼですね。

 

 次。雪合戦。

 レズくんがいるので人数調整が入り、最初から毒サソリが混ざった状態でのスタートです。

 途中でニトログリセンマンが寝返ったり跳ね馬の部下二人が塹壕から現れたりして、また途中からルール変更されるので適当に雪玉を投げていれば大丈夫です。

 ただレズくん防御がプリンなのでダメージは負わない立ち回りを意識します(警戒)。

 

 ヌッ!

 なんかよく分かりませんが、ヒバードさんがレオンを投げ渡してくれたので勝利。この人の好感度の上がり下がりは本当に謎だ……。試走では何回かぶっ飛ばして好感度上げましたが、今回は特に何もしてないです。

 人間爆弾がヒバードさんに見惚れているので、全力で上空にぶん投げます。

 恋はいつでもハリケーン!(物理)

 

 

 次。野球バカのトレーニング。

 かてきょーに呼ばれてニトログリセンマンと一緒に校庭まで来ましたけど……野球バカのノリが真面目ですね。いつもの天然っぽさが消えてます。

 好感度一定でマフィア関連を認識させるとこういう雰囲気になります。だいたいリング戦に入った前後で見れるようになるんですが、やけに早い。

 天然状態より真面目状態で鍛錬した方がステの伸びが良いのでたなぼたですね。

 

 このゲーム、裏でこっそりとフラグ進行が発生することがあるので、ヒバードさんや野球バカの一件はその御蔭かもしれません。

 良い走者ってのは運を引き寄せちまうんだ(カイト感)。

 

 

 今回はここまで、御視聴ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーい、ボスは私がやるね!」

 

「んなっ!? 罰金1億円ってことちゃんと分かってんのか!?」

 

「うん、やる」

 

「まったく、お前はほんとにやりたがりなんだから……でもリボーンもレイには甘いし、負けても罰金は執成してくれるかな? ……じゃあレイがボス役な」

 

「やったー!」

 

 

 ツナとレイは傍から見ていても仲の良い兄妹だ。

 レイが何かしら発案すればツナはなんやかんやそれが叶うように行動するし、ツナが怪我をした時なんかレイは直ぐに保健室に連れて行って手当てしらもらおうとお姫様抱っこしたりする。

 正月の対抗戦でリーダーをやろうとするレイに大役を譲ったツナを見て、一人っ子のオレとしてはそうしたやり取りがちょっとばかし羨ましかった。

 でも、親父に兄弟が欲しいと言ったことはない。

 

 マフィアごっこでもボスの座を巡って競っているらしい二人。

 ツナは呆れながら付き合ってやってるぽいけど、レイはとても真剣にこの遊びに向き合って、修行の一環のロードワークを欠かさない。夏休みも冬休みも毎日朝五時に目覚まし時計をかけて起きているのを知った時は、こういうストイックな奴がプロになるんだろうなって感心して、練習への意欲が増した。

 

 プロ野球選手。オレもそれを目指していないと言ったら嘘になる。

 オレはバカだしテストの点数も悪い。たまたま野球が好きで、たまたま野球がうまかった。

 だから自然と将来の夢は野球選手になった。こういうの、当然のキケツって言うのか?

 親父も店の跡を継がないのは残念そうだったけどやるからには本気でやれ! と応援してくれている。

 

 野球選手になりたい。がんがんホームランを打ちたい。

 男手一つでずっとオレを育ててくれた親父にいっぱい楽させてやりたい。

 もっと、強くなりたい!

 

 

「ハァ~~~~……ちっくしょう、こんなんじゃ駄目だ……」

 

 

 ある日、獄寺が落ち込んでいた。テンションの上下が激しい奴だから、今回は下にいるだけかもしれないと放っておくのも良かったのだが……。

 なんだか今回の気落ち具合は普段とは違うように見えて、声をかけた。

 

 

「よっ獄寺、どうしたんだよそんなにため息ついて!」

 

「あぁ!? なんだ、野球バカかよ……お前に言うことなんざ…………いや待てよ? おい野球バカ、お前いつも朝は何時に起きてる?」

 

「ん? 朝練が七時開始だから六時半ぐらいか?」

 

 

 まあ、夏休み頃からレイの直向きな猛特訓に感化されて、大型連休中は頑張って六時に起きて自主練もするようになったが……今はもう慣れたから直ぐに起きれるがこれが中々大変だった。眠くってしょーがねーの!

 

 

「くっ、まさか野球バカに後れを取っていたとは!」

 

「なんだ獄寺、早起きのコツでも知りたいのか?」

 

「チッ!! しょうがねえから聞いてやる!!」

 

「ハハッなんじゃそりゃ!」

 

 

 テレビでプロの人が言っていたこと、野球部仲間やコーチ、親父から教わった早起きのコツを獄寺に伝えると、何処からか取り出したメモ帳に書き込んだ。

 こいつ、不良の見た目通り先生に反抗したりする割にちゃんとメモ取ったりするんだよな。授業中も難しそうな顔でなんか書いてるし。でもノートは提出しないんだから不思議な奴。

 

 

「……10代目は毎日リボーンさんの下で想像を絶する特訓を重ねている」

 

「ああ、確かにレイは毎日土手の方を走ってるな。いやーほんとすげぇわ、まだ小四だぜ?」

 

「お前も知ってたのかよ……! チッそれはともかく、オレは最近10代目が行っている特訓メニューのごく一部を御一緒させてもらってるんだが、全然ついていけねぇんだ……10代目よりも弱いオレは、10代目以上に特訓しなきゃいけねぇってのに……」

 

「おっ? マジですげぇな、流石レイ!」

 

「10代目がすげぇのは当たり前なんだよ!! てめぇお兄様に気に入られてるからっていつまでもナメた口が叩けると思うんじゃねえぞ! …………10代目やお兄様のような素晴らしい方に、お前如きが傍にいられるだけで光栄なことなんだからな」

 

 

 獄寺は沢田兄妹が大好きだから他の奴らに攻撃的になる。そういうのは直した方が良いとは思うが、ツナとレイの好きっぷりが見えるのは面白いし、嬉しかった。

 言ってる内容は普段通り。でも、その日の言い方はなんだか普段と違った。様子も違うし、どうしたんだろうか。ダチとして心配だ。

 

 

「大丈夫か? なんか変だぞ、お前」

 

「!! う――うるせぇ! 別になんともねえよ! 10代目の特訓メニューに自信なくして、オレなんかの実力で10代目の右腕になれるか不安になってたりなんかしてねえしな!!!」

 

(包み隠さず言ってる……!?)

 

 

 頭はとても良い筈なのに、獄寺は時々アホになる。……いや、違った、いつも結構アホだ。頭がいいアホってほんとにいるんだ。本気で悩んでるっぽかったから、せめて愚痴を聞いてやりたかったけどあいつは素直じゃないからダッシュで何処かに行ってしまった。

 うーん……ツナに相談しとくか、ツナの言うことなら聞くだろうし。

 

 

 

 

 

「ただの小学生だった私を一番最初に認めて部下になってくれたのは隼人くんだよ。右腕に相応しい……っていうのはまだよく分からないけど、隼人くんに会えただけで本当に嬉しいの」

 

「そういえば直接言ったことはなかったかな? ありがとう、私たちに会いに来てくれて」

 

「これからも一緒に頑張って行こうね、隼人くん!」

 

 

 

 

 

 次の日、隙を見てこっそりツナと話をしようと思ったら、獄寺の様子が昨日とまるで変わっていた。オレのことを山もっちゃんだとか言いだすし、ニコニコ笑っていやに機嫌が良い。

 昨日は深刻な感じだったのに、コロッとテンションが変動している。本当に上下が激しいやつだな。

 

 

「オレは先を急ぎ過ぎていた……10代目の最初の部下である事実は揺らぎようがねぇんだ、一歩ずつ確実に強くなればいい。10代目に任されたお兄様の護衛もやり遂げてみせる!!」

 

「獄寺くん、悪い人ではないんだけど……レイをボス扱いするのだけは止めてくれないかなー……」

 

 

 ウキウキの獄寺を微妙そうに見つめるツナを交互に見ながら、なんとなくあの時を思い出した。

 

『これは試験であって遊びじゃありません。覚悟はありますか? 山本さん』

 

 オレは笑いながらふわふわな金色の髪を撫でて終わったけど。

 

『守る強さを身に付けたいんです、その為に悩んでる時間も勿体ないですし、とにかく実行あるのみ! ですね!』

 

 レイの発言には力があって、いつのまにか耳を傾けてしまうような何かがあった。

 努力し続けるレイ、そのレイに入れ込む獄寺、二人のやり取りを複雑な気持ちで見守ってるツナ。もしかして、マフィアごっこってのもマジなのかもなって、ふとそう思った。

 

 


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