RTA置き場   作:トウカ

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pixivにも投稿しているので初投稿です。
前話の続き……?そんなもの、うちにはないよ(無慈悲)


雑多
呪術廻戦 災厄の呪詛師RTA(1/n)


 漆黒の意思を以てやり遂げるRTA、はーじまーるよー!

 今回プレイするゲームはこちら、「呪術廻戦 -閃-」となってます。今後は呪閃と呼びます。

 

 充実したルート分岐や豊富なエンドが魅力のフリーシナリオ形式を採用したRPGジャンルに属するこのゲームでは、原作に登場するキャラクターたちと絆を育んだりバチバチに対立したり、逆に何もせずにぐーたら過ごすだけだったり、はたまた世界を滅ぼすことも可能。

 マジで自由度が高いゲームなので実績解除の数も山ほどあります。

 

 あれ? 似たような紹介を見かけたことあるな? と思った方は別サイトで投稿している私の動画を見てくださっているのかもしれませんね。視聴アリシャス!

 

 本RTAは「災厄の呪詛師」実績解除が目的になります。

 レギュレーションはバグ技使用不可や一週目開始などなど、概要欄に記載している通りなので各自ご確認ください。

 これは呪詛師系の実績の中でも最上位、一番条件が厳しく解除し辛いものですね。

 ま、五条悟撃破実績解除を目指した時の苦労と比べたら赤ちゃんみたいなもんですよ、ばぶーばぶー!

 

 細かい部分の解説は追々やっていくことして、キャラクリやっていきます。

 

 さあ早速画面上の私がステータス厳選に勤しんでいますね。

 計測開始は初めから選択時点……ではなくキャラクリ後にOPが流れ始めた時点、計測終了は実績が解除した時点です。

 ゲーム内時間が進み始めるのがOP開始後からなのと、他の走者が皆そうしているので右に倣えの精神。

 タイムスタートはまだ、まだです! 早漏視聴者兄貴はもう暫く我慢してくれや!

 

 では今回のRTAで呪詛る主人公の経歴を紹介していきましょう。

 まず出自、ここは「一般家庭」を選択します。

 え? なんで呪術家系にしないのかって? あんな互いの足を引っ張り合うのが大好きな雁字搦めの陰鬱な場所になんていられるか、俺は一般人に戻らせてもらう!

 

 次に性別ですね、「男性」を選びます。当たり前だよなぁ?

 因みに、二周目以降に解禁される要素で出自呪霊を選んでいたら自動で無性になります。呪霊におちんちんがついてないってそれマ? 特級呪霊のファン止めます。

 次に名前です。苗字はなんでも良いですが名前は既に決めています、入力速度を考慮し名字ランダム名前入力! 「比地黒廻」、なるほど。

 比地黒くんか……つまりホモだな? よろしく、ホモくん!(鋼の意思)

 

 次はステータス振り分けです。ここが大事。

 初期の成長ポイントを使って能力を高めるというあるあるシステムなんですけど、スクロールを真下まで下げると「ダイスを振るう」という選択が選べます。選ぶと自動でステが完成します。一見するとランダム用に置かれた選択肢ですが、これを使うと低確率で天才型が出ます。

 

( ダイスを振るう … 倍速中 … )

 

 本来なら20しか使えない筈のポイントが70に早変わり。

 70あっても振り分けがランダムなので凹凸すぎるステになる可能性が高いです。しかし天才型はレベル上限が通常より高く経験値効率も上昇、レベルアップによる能力の伸びが良い。更にはポイントを入手した時も数が増える。

 リカバリーは充分利くのでランダムの結果が残念だった場合でも大丈夫です。お望みでないステだったとしても素直に喜びましょう。

 

( ダイスを振るう … 倍速中 … )

 

 そして私が狙うのは、当然天才型。

 ……よりも更に出現率の低い、極々低確率で出てくる化物型です。

 本来なら20しか使えない筈のポイントが1000に早変わり。

 目の錯覚かな?(霞目)

 マジモンのバケモンやんけ!(迫真)

 通常プレイならどんなに尖ったランダム結果であってもお釣りがジャンジャンバリバリですね。

 最早このステがバグみたいなもんですが、これは公式が用意した救済措置のおまけであってバグではないので絶対にこれにします。レギュで縛られていない限り走者は化物型を狙うものですから。

 

( ダイスを振るう … 2倍速中 … )

 

 化物型を引けることが叶っても尖りすぎていたらやり直しになります。

 ステの一つ「呪力」は能力を上げる毎にポイントを3も消費しますが、キャラクリ時のポイント振り分けだけは他と同じく1消費だけで向上可能なので、出来るだけ呪力が高めなステを目指して今も画面上の私が振り続けてます。

 呪力向上の専用イベントもありますけど、ほぼ例外なくテキストが長いのと回避不可ムービーが入ったりもすることから、(この動画では使わ)ないです。

 

( ダイスを振るう … 3倍速中 … )

 

 天才型はちょくちょく出ますが、君はお呼びじゃないんだよなぁ……。

 呪力特化になってから出直してきて、どうぞ。

 といっても、本チャートに置いて呪力は一番でなくても構いません。

 高ければ高い程有利になるので一番だったら言うことはないんですけども、絶対じゃないので。ステのポイント振り分け次第によっては最下位でも大丈夫なくらいです。

 

( ダイスを振るう … 4倍速中 … )

 

 災厄の呪詛師を目指す以上、ステが重要なのは言うまでもありませんが、最も重大なのはこの後ですからね。

 呪閃はキャラクリのランダム性が強すぎて泣きをみます。

 膨大な時間を浪費して数多くの犠牲者が生まれているのです。

 ショッギョ・ムッジョ!

 

( 倍速停止 )

 

 出ましたお目当て化物型、開始序盤どころか開始前からステが可笑しいことになってます。マジでバケモンだな。この時点で下手な二級術師よりも強いですよ。

 トップは器用さ、中々良いですね。次いで魅力かー、低いよりはまぁ。

 ふむ、肝心の呪力は四番手になってますね。

 最下位は知力……。

 …………すげえ、1ポイントも振られてねえぞ。そりゃランダムだからこんなこともあるだろうけども、にしたって極端だなホモくん。

 

 とんでもないアホが産まれた気がしますが振り直しはしません、続行です。

 知力の振り分けが0ということは、逆に言えばそれだけ他のステの振り分けが多くなっているのでね。

 人生前向きに生きていきましょうね。

 これが呪力だったら問答無用でやり直してましたが、幸いなことに知力には宛てがあるんでね。

 

 ……。

 

 ――――Fuck y♂uッ!!(画面ブラックアウト)

 

 化物型を引くだけで一時間。安心してください、早かった方です。

 もうやりたくないゾ♡

 

 ステ厳選が終わったところで次にいきましょう。

 容姿は「ランダム」。フレーバーにしかならないんでどうとでも。

 原作キャラと同じ素材パーツも入っているのでやる気を出せば完璧に見た目再現も出来ますし、通常プレイでは拘って作り込んでる人も多いですね。

 年代は初めからなので強制「虎杖世代」。

 開始時期は「幼少期」一択。青年期の高専入学から始めたら幾ら化物型だろうと単純に育成時間が間に合わずゲームエンド、詰みです。呪閃、最高に作り込まれてる代わりに渋谷事変編までしか収録されていないことだけが辛い……。いつか続編でませんかね。

 

 最後に縁、これは「伏黒恵」しか有り得ません。恵しか勝たん。

 以上でキャラクタークリエイト終了です。

 

 はい、よーいスタート(棒読み)。

 いざ鎌倉!

 

 ロード画面待機中。長いね。

 このタイミングの裏で色々とデータ処理してるからしゃーなしやで。

 綺麗なOPが流れますが、初回はスキップできないのでこの間に本チャートを紹介します。

 

 1.小学生の内に伏黒恵のコネを使ってレベル上げ

 2.京都高専に入学する

 3.五条悟封印後非術師を大量殺戮でフィニッシュ

 

 細かい所はその時点で発生しているフラグによって変わっていきますが、大まかなポイントはこんな感じです。

 王道中の王道?

 無難なチャートに逃げたな、だって?

 

 うるせぇ!(豹変)

 

 他の誰も走っていないのでこれが最良です、いいね?

 さて、本編が始まりますよ。

 

【最近、奇妙なものが見え始めた。それは自分だけにしか見えないようで、誰も彼もがその不思議なものを何事もないかのように素通りし去っていく。奇妙なものは立ち塞がるように前方の中心を陣取っている。】

 

 いよいよこのRTA最大最悪のリセポイントがやってきます。

 なんならここが本題と言っても過言ではありません。

 最悪かよ。

 本当の地獄はここからってそれ一番言われてるから(絶望)。

 

【この道を通らなければ家に帰れない、どうしようか。】

 

 おれがどくのは道にウンコが落ちている時だけだぜ。

 呪閃におけるチュートリアルなので無視しても問題ありませんが、戦います。

 

【戦闘開始。】

 

 本チャートでは呪霊とのエンカウントが非常に大切になってくる上に、まず最初に確認しなくてはいけないことがあります。

 小便済ませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK?

 では、いきます。

 

 スゥゥゥゥゥウウ、フゥゥゥゥゥウ(クソデカ溜息)。

 

【→ 攻撃 / 調伏 / 道具 / 逃走 】

 

 やったああああああ!!!!

 ついに引けました、呪霊躁術! これで本チャートを始めることができます!

 ぬわあああああん疲れたもおおおおおおおおおん!(114514敗)

 開発者の方頼むんで、課金要素でもいいんで、リメイクだか続編だかがあったら術式もキャラクリで選べるようにしてください! お願いします何でもしますから!

 

【手を翳せば、闇のように黒く、大きな玉へと変形して掌に収まった。この後どうすればいいのか、とっくに自分の本能は理解している。迷わず飲み込んだ。】

 

 ホモくんのステはバケモンなので、チュートリアルで出現する四級呪霊程度なら戦わずして調伏可能です。

 お目当ての術式を手に入れたお祝いに呪霊玉で乾杯しましょうね~。

 

【形容し難い味がする……。嘔吐の感覚を堪え、耐え忍ぶ。】

 

 チュートリアルバトルでの術式使用は、成功確率が高倍率に設定されているのでこれを利用しない手はありま……経験値量えぐいな、すぐレベル上がるじゃん……。

 ごほん。最初の内は吐き出してしまってパーティINに失敗することもありますが、数を熟せば成功率100%になるのでひたすらチャレンジしていきましょう。

 具体的には1000回、つまり1000匹の呪霊玉おかわりを完遂させます。

 わんこ蕎麦かな?

 災厄の呪詛師になるにはコツコツとした努力が大事、はっきり分かんだね。

 

 幼少期スタートなのでホモくんは現在五歳、小学校入学までの間やることはたった一つです。そうだね、鍛錬だね。

 化物型とはいえ一般家庭出身で呪術の知識がない今のまま呪力の鍛錬をしても経験値はまず味。

 ということで体力を中心にコマンド選択し鍛えていきましょう。腕力敏捷は呪力消費で上昇可能ですが体力はどうにもなりません。

 チンパンジー乙骨がマウンテンゴリラ虎杖に張り合えるほどオラウータンゴリラになっているのが証左。Q.E.D.証明完了。

 

 呪力とは言うなればMP、体力はそのままHPを指します。

 呪力によるステバフの内部計算は器用さ+呪力判定。

 器用さの方が比率が上です。如何に効率的に扱えるかが重要なのでこういう計算式になっているのだと思われます。

 つまり器用さがあればあるだけゴリラになれますが、肝心の呪力が味噌っかすだと直ぐにガス欠になるんでどっちも大切です。

 

 RPGにおけるMP切れの魔法使いはただの置物、だかしかし彼もまたゴリラの一人だとすればどうかな? そう、真の姿はMPが切れた先にあるのさ……。みたいなRPをする為に通常プレイで腕力を鍛えるのもありだと思います。

 

 そんな理由で体力を上げつつ、隙を見てはフィールドマップ周辺を歩いて呪霊を探しましょう。

 では、似たような絵面が続いていくのでそろそろ倍速入りますか。

 超スピード!?

 

( 少年修行中 … 倍速中 … )

 

 ホモくんがシコシコ頑張ってる時間を使って画面前の視聴者兄貴に解説タイム。

 

 何故名前入力の際にわざわざ名前のみ入力したのか説明します。

 呪閃では名前で特定のものを選ぶとステ補正がかかることは皆さん知っていますか?

 「呪」にすれば呪力に補正がかかり、「癒」にすれば反転術式の習得や回復率に補正がかかる。名は躰を表すという言い伝えが反映されます。

 もし原作キャラと同じ名前、例えば「悠仁」なら身体能力に補正がかかるなど、そのキャラに関連した能力に補正が付与され、彼等が使用するスキルの習得確率も上昇する。

 

 お目当ての術式があるなら、それを取得しているキャラと同じ名前にすれば本編開始時に裏で抽選される術式ガチャでキャラと同じものが与えられる確率が高まります。

 なんでそうしなかったのかって?

 同名キャラや縁深いキャラが反応し、特殊会話が追加されてしまってタイムロスになるからです。

 キャラクリの時間は計測に入りませんし、術式ガチャは開始直後に判明するので失敗しても直ぐにやり直せます。ステ上昇に使うのが利口なんですよ。

 

 「廻」の場合は呪術廻戦というタイトルに因み呪術関係に補正が付きます。

 呪力を上げるだけで言えば呪の方が補正率高いんですけど、本チャートでは呪力のみの補正ではなく呪術に関するステやスキルに万遍なく補正をかけてくれる廻の方が都合が良いです。

 だから廻にする必要があったんですね(メガトン構文)。

 

「今日から廻も小学生ね、おめでとう。さぁ学校に行きましょう」

【購入したばかりでピカピカのランドセルを背負い、小学校へ向かった。】

 

 大したイベントもなくホモくんも男子小学生になりました、入学式イベです。

 恙なく式を終えて……そろそろ彼の登場ですね。

 いましたいました、早速コンタクトを取りましょう。

 

【黒髪の少年と目が合った、どうしようか?】

 

 挨拶は大事、古記事にもそう書かれている。

 ホモくんは魅力が二番目に高いので好感度が上がり易いですから、とにかく積極的にコミュっていきます。

 

「伏黒…………俺は伏黒、恵」

 

 おっ名前まで教えてくれるとは好感触、やはり魅力様々ですね。

 はい、というわけで縁で選んでいた伏黒の登場です。

 彼とは絶対に仲良くしておきます。親友と呼べるくらいになっておけば確実なので、90あれば良いかな?

 

 あそこで選択したキャラとは開始直後から小学校入学までに接触が取れます、今回は虎杖世代かつ入学式前日まで会えなかったので同じ学校になりました。

 伏黒と学校が同じ、それつまりここは埼玉県。

 キャラクリによって色々と前提が変化しますからね、小学校に入るまでの一年間はゲーム主人公がどの地方にいるのか未定の状態で、何をしようと他のマップへは移動不可能になっていましたが、これからは移動可能になります。

 

 今回は幼年期でしたが、青年期の場合は昔馴染みとして初期好感度80以上確定になる筈ですね。

 一週目の選択肢は少ないですが周回を繰り返せばキャラが追加され、年代も乙骨世代五条世代とバリエーションが増えて組み合わせが楽しいですよ。

 皆がんがん呪閃で遊ぼうぜ!(ダイマ)

 

 おっと伏黒発見。

 出会う時期が小学校まで伸びてしまったのでこれからガンガン距離を詰めます。

 おい磯野、一緒に野球しようぜ!

 

「津美紀が待ってるから無理」

 

 父死亡・義母夜逃げ・子供二人生活というヘビーな家庭環境の伏黒にお誘いをしてもこの時点では無駄です。なので一回断られた後は別の選択肢で責めましょう♂

 

「ま、途中までならな」

【楽しく会話しながら帰宅した。】

 

 ショタの伏黒、グラフィック可愛すぎひん?

 こんなんショタコン量産してしまうで。あ~ホモになっちゃう~!

 

 ところで、ホモくんの現在の知力的に今後テスト赤点で補習、クソしょーもないことでのロス発生が十分有り得ます。

 必要に応じポイントで知力を上げることもありますが、それよりバトル関係のステをあげたいので極力消費したくありません。試走では一回も学力面で伏黒に頼ったことはなかったんですが、幸い彼は頭が良いので勉強を手伝ってくれれば赤点回避できます。持つべきものは伏黒。

 そういう意味でも伏黒とは仲良くしておきましょうね!

 

 伏黒と遭遇まで進めた所で今回はおしまいです。

 では、ばいなら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 小学校入学式の初日。

 たまたまクラスが一緒で、名字が隣接しているから最初の席で隣同士になった。なんてことのない理由だ。

 

 

「ぼく、ひちぐろめぐる。よろしくね」

 

「……よろしく」

 

「おなまえなんていうの?」

 

「伏黒…………俺は伏黒、恵」

 

 

 愛嬌のある明るい笑顔でニコニコと見てくるものだから、言うつもりはなかったのについ下の名前まで付け足してしまう。

 女のような名前だと散々からかわれてきた名前。

 アイツは大きく頷いて、手を差し伸べてきた。

 

 

「めぐみ、ぼくとおともだちになって!」

 

 

 一切の邪気がない言動で、晴れ渡った空のように突き抜けた明るい雰囲気。

 家庭のゴタゴタや入学直後の環境の変化で上昇していた俺の警戒心が風船の空気が抜けていくように萎んでいくのを感じた。

 好きでもない名前を呼ばれているというのに、また、つい、握手に応じてしまったのだ。

 それが最初の会話。アイツと初めて出会った日のことだった。

 

 

「このあとサッカーしようよ。え、むり? ならいっしょにかえろ!」

 

 ……。

 

「おはよ、あめすごいねぇ。じゃじゃん、おにゅーながつくです」

 

 …………。

 

「……? ……?? めぐみ、いまのもんだいわかった……?」

 

 ………………。

 

「おかしもらったんだ、めぐみにもあげるよ」

 

 ……………………。

 

「めぐみ、めぐみ!」

 

 

 なんなんだ、いったい。

 何が目的か分からないが、アイツは毎日飽きもせず俺に声をかけてくる。

 朝登校したら一番に挨拶して。授業中に小声で喋ってきて。休み時間になる度に遊びに誘ってきて。放課後は一緒に下校する。

 何が楽しいのかニコニコ、ニコニコ。馬鹿みたいに笑っている。

 しょっちゅう俺に声をかけてくるアイツのことを鬱陶しいと思い、ある日「もう付き纏うな」と突き放すように言った。

 アイツはきょとんとした顔で「わかった」と頷いた。これで静かになる、そう思った。

 次の日、普通に話しかけてきた。宿題をやり忘れてしまったのだと泣きついて、手伝ってほしいと懇願してきた。こいつ、何も理解してねぇ……。

 

 

「たすけて、めぐみ! おねがいめぐみ! めぐみしかいないんだ!」

 

「ああ、もう分かった、分かったから黙れ」

 

「ありがとうめぐみ!!!」

 

「うるさい!」

 

 

 この世の終わりかのように喚くのが煩かったので、黙らせるためについ引き受けてしまった宿題の手伝い。

 算数の授業が始まる前に済ませようと机をくっつけ、鉛筆を握る。

 ずっとうんうん頭を悩ませているが、計算式の意味をきちんと理解しているかどうか謎だ。足し算の問題なのに何故答えの数が減っているのか。

 しかしそれは指摘しない。一先ずこの真っ白な用紙が黒で埋まれば良いのだ。俺は一言も正しい答えに導くだなんて言っていないのだから。

 全体の八割まで進み、一区切りがついて顔をあげるアイツに声をかけた。

 

 

「なんでお前は俺に構うんだよ」

 

「なんで? ぼくたちともだちじゃん」

 

「俺じゃなきゃいけないことはないだろ、お前と一緒にいたい奴らは他にもいるんだろ」

 

 

 人当たりが良くクラスの人気者の地位を築いているアイツが、人付き合いの悪い俺に態々付き纏う理由が分からない。

 友達がいない俺を哀れんでいる……とはまた違う。なら何だ。何が目的だ、と睨みつけると困ったように俺を見た。

 

 

「めぐみだからいっしょにいたいんだよ」

 

 

 そう言ったアイツの表情は、窓から差し込んだ強い光に遮られてしまってよく見えなかった。けれどなんだか少し、寂しそうに見えたような気がして、つい、魔が差した。

 

 

「……お前は押しが強すぎる」

 

「そうなの?」

 

「いいか、相手が嫌だって言ったらちゃんと引け、嫌がってる奴に無理やり迫るな、相手の反応をちゃんと見ろ」

 

「うん、うん」

 

「それをちゃんと守れるなら、一緒にいてやる」

 

 

 輝かんばかりの笑顔で嬉しそうに頷いた廻。

 思わず胸に手を当てた。心の裏を擽られるような、そんな奇妙な感覚。津美紀といる時に感じるよりもずっと弱い、けれどそれに近いもの。

 

 

 

 

 

 

「伏黒恵君だよね」

 

 

 廻を成長をさせ、サングラスをかけたような色違いの男。

 廻とそっくりなのに、軽薄な雰囲気を醸し出していて非常に胡散臭い白髪。

 血縁者かもしれないが、他人の空似かもしれない。

 ただの不審者の可能性は充分にあった。

 

 

「……何の用?」

 

 

 故に伏黒は小学一年生にして卓越した判断能力を以て、友達の名は出さずに応対した。

 

 

 

 

 

 

「思い返してみれば、あの一年で俺の人生は決まってたんだな」

 

 

 解凍したばかりのシェイクを美味しそうにきゅいきゅい吸い込む、あの頃よりもずっと大きく背が伸びた比地黒。

 年を追った今では五条悟の2Pカラーそのものだ。

 

 

「え、なにが?」

 

 

 あっという間に容器を空にした比地黒を前に、そっと溜息を吐く。

 

 

「お前と五条先生だよ。五条先生が会いに来なくても呪霊をハントしまくる廻が傍にいたら呪術関係者と知り合ったろうし、廻がいなくても五条先生が俺に会いに来て呪術師になってた。あれが分岐点だ」

 

 

 伏黒と唯一よく話すという友人に興味を持った五条が好奇心から突撃せずとも、等級関係なく地域周辺の呪霊を調伏し尽くしていた比地黒は、何時かその行為を察知されスカウトを受けていただろう。

 それまで伏黒は自分と同じく比地黒も視えていた事実を知らなかったが、呪霊を視認し術式を保持する両者。この界隈と繋がるのは時間の問題だ。

 強く聡い仲間を探していたという五条にとっ捕まり、色々な意味で可愛がられている二人。

 伏黒はそこまで積極的に呪術師活動を行うつもりは無かった。津美紀を守る為、呪術界に顔の利く五条を後見人として居続けさせるように最低限働くだけのつもりだけだった。

 しかし、比地黒がいた。

 伏黒姉弟の幼馴染であり、確固たる人間性を持つ、呪霊躁術の使い手だ。

 呪霊図鑑でも完成させたいのか? と思わず突っ込みを入れたくなるほど呪霊を調伏させることに躍起になる阿呆の具現化。

 比地黒が傷だらけになって呪力の修行を重ねている姿を見ていると、どうしてか腹の底がむずむずと疼く。見ているだけではいられなくなる。そして何時の間にか、伏黒も鍛錬に参加してしまっている。

 就寝の時間で布団に潜り込みながらどうしてこうなったと自問するも、疲れがたまった身体は迅速に寝落ちてしまい、考え込む体質の伏黒にしては珍しくも深く思考することなく日々が続いていった。

 

 

「高専に入って初めて知ったよ、俺たちのトレーニング方法が呪術師から見ても異常だったってこと」

 

「うん、うん」

 

「俺も薄ら疑問には思ってたんだ、これだけやる必要あるか? と。……けどこっちの常識を何もかも一から五条先生越しに知った俺に、疑問を持つ以上どうにかできるわけがない。そう思うだろ?」

 

「うん、うん」

 

「この前なんか二級任務の最中に一級呪霊集団に追い掛け回されて、全部調伏するまで帰れま10に付き合わされた。何か言うことは?」

 

 

「恵、僕たちは永遠の親友だよね!」

 

 

「表に出ろ、廻」

 

「人肌恋しいの? 良いよ、付き合うさ」

 

 

 その後、喧嘩の余波で校舎に被害を出して高専のアラームを鳴り響かせ、文字通り飛んでやってきた五条に指導された二人。

 伏黒は(ご、五条先生に教育的指導された……五条先生に……)とショックのあまり時が止まってしまった。

 

 

「わっはっは、あの五条先生に怒られちゃったね~」

 

「……お前の所為だろ」

 

「もうワンラウンドやるか」

 

 

 柔道、空手、拳法など独学で鍛え自分流にアレンジした独自の構えをし、くいっと掌を動かして伏黒に来いよと挑発する比地黒。

 五条ショックで完全に気分が萎えていた伏黒はスルーすることにした。

 二度目の叱責はご免だったからだ。

 地面に正座する二人を見下ろしながら、まるで遠い場所にある何かを見つめているような、彼らしからぬ雰囲気を醸し出していた五条を二度も見たくなかったこともある。

 

 

「語学の授業に出たくないからって暴れようとすんな」

 

「……バレた!?」

 

「バレねーわけねーだろ、このアホ」

 

 

 非常に業腹だったが、伏黒は彼のことが嫌いではなかった。

 非常に業腹ながらも、比地黒廻と伏黒恵は親友なのだから。

 

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