これ終えて一週間ほど空けます、次の回書けてねぇ
「なによ、騒がしいお客さんでもいたの……」
そんな寝ぼけ声と共にツアーに守っていてもらっていた女性が目をこすりながらこの戦いの中起きてきたかと思えば、死を覚悟した全て砕く奔流は吹き飛ばされそこまで戻っていた俺達を尻目に、明けの光に飲み干されていく。
その光は天を歪め、放たれた奔流をそのままに返して打ち砕いていった。
「グゥォォォォォォォォォォォォォッッッッッ!!!天使天使天使天使天使ィィィィィッッッ!!許すまじ!!天に使われる物よ!!且つての恨み晴らさずおくべきかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
朱の明星に飲み込まれながらも狂戦士は圧し潰そうとする重圧にすら膝を屈せずその眼光は『俺』を見ていた。
「個の身滅びようとも!!!必ず滅して……ガァァァァアアアアッッッ!!!」
エンジェルハイロウと呼ばれる武器を地面に突き刺し何かしらの魔法が発動したかと思えば狂戦士の姿が光の渦に消えていく。
狂戦士が消えようとも破壊の光が消えることはなく、むしろの力を増しているように見える。
その力は狂戦士という支えが無くなったことをこれ幸いとばかりに地面を見る見るうちに消し飛ばしその範囲は広がっていた。
天を仰げば、力の奔流を落としている球は膨張し始め、嫌な予感が頭の裏を掠める。
「あ……ごめん」
『暴走……』
「ふ、ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
そのこぼれる予感を聞いた俺は絶叫を上げて倒れているものを掴ませ、最大量のアンデットを使って全員退避させる。
俺とツアーはまだ体が満足に動かない様子の女性の両脇を抱え駆け出していく。
爆発が背を焼きながらそれが終わったのを音から判断して振り返って見れば、直径はどのくらいか測らなくてはわからないが……カルネ村の近くから地平の端に差し掛かるほどの巨大な穴が開いていた。
あの戦いが終わったことを実感したのだろうか、誰が皮切りかわからないが次々と疲れた体が求めたのか全員が座り込みながら呆然とその大穴を見つめている。
「まさか……これが
驚いた顔で隊長の顔を見る隊員たちだが、その大事さが多少なりにはわかっているのか疲れた体を無理やり立たせ国元へと変える準備をしていく。
「サトル殿、破滅の竜王討伐協力ありがとうございます。もしよろしければ連絡先を教えてもらいたい。国からの返事次第になるが報奨などを送らせていただきたいのだが……」
「すまないが目的のある旅でね、そういったものは辞退させてもらおう……もし問題なくそちらの国に行ったときに貰い受けるとしよう」
戦場に駆け付けたときに空に亀裂が入っていたという事は何者かが魔法を使用し見ていたという事なのだが、それにより俺のかけていた情報隠匿用の攻勢防壁が発動してしまったらしい。
確か登録していた魔法は
プレイヤーは何かしらの理由がない限りレベルは100付近だ。初心者が始めて間もなくこちらに転移してしまった、一定レベル以下という縛りを設けて遊んでいた、という例外を除けばレベル100、なくてもレベルは90台。
そんな魔力の魔法をレベル30がせいぜいなのだろうか、と思える人たちに撃ち込んでしまったと考えてしまえばぞっとする。
俺の居たギルド、アインズ・ウール・ゴウンは、初めて入ったクラン、ナインズ・オウン・ゴールは弱者救済を旨としたものだ……たとえそれが運営の指針と真っ向からぶつかるDQNギルドと呼ばれようとも、だ。
『力で蹂躙する者は、更なる力に蹂躙される。その『力の正義』を選んだのはてめぇらだ!さぁ、てめぇらの罪を数えやがれ!』
そういって
うん、そんな馬鹿なこともしていたなぁ……救助者にも笑われてたし。
『そう……悪とは呼ばれていた、DQNとも扱われていた……それでも、PK、PKKギルドとしてその行動を曲げたつもりはない。そもそも設定で人間蔑視を書き込まれていたのは何人だったか……』
それをナザリックの者たちに教えられるのはきっともう俺だけなんだろう。
仲間たちとの思い出を踏みにじってほしくない。仲間たちに失望されるギルマスではありたくない。最期まで守ってきた一線を踏み越えることは許されない。俺の守ってきたアインズ・ウール・ゴウンをただの暴虐の集まりにしない為にも。
だからこれから少しずつでもいい教えていこう、アインズ・ウール・ゴウンの事を。
気が付けば陽光聖典の人たちはいなくなりかわりにガゼフが立っていた。
「サトル殿、助力感謝する。そしてあの狂戦士には手出しできず申し訳ない」
そういってガゼフがミスリルのヘルムを外し頭を下げてくるが、俺はそれを頭を振って頭をあげさせる。
ガゼフはまともな遠距離攻撃の手段を持たずにいたために馬の足の速さを利用した救援と逃げるための足になってもらっていた為に戦闘領域よりも離れていたのだ。
「気にしないでください、こちらのアルベドが一撃で沈んだのです。それになにより『困っている人がいたら助けるのは当たり前』。俺の一番好きな謳い文句なんですよ……何よりも俺もその言葉に助けられた一人でしてね」
「それは、素晴らしい御人なのでしょうな……私も会ってみたいものだ」
それとは方向性は違うが、ペロロンチーノがよく突撃していた時に言っていた言葉を思い出す。
「後はそうですね……『女の子泣かしてんじゃねぇ』なんて自分の欲望に忠実な友人が言ってた言葉がようやくわかった気がしますよ」
なんとなくだけどあの子の涙を見たとき、ペロロンチーノが言っていたこのセリフが思い出せたとき、すとんと胸に落ちた。
「ははは、それは随分と女好きなご友人なようだ。あぁ、だが泣いている者のために戦えるようなご友人なのだな」
朗らかに笑うがそれは共感の伴た笑い方だった、やはりどこかたっちさんに似ている気がする。
「ところで話は変わりますが……カルネ村の徴兵や支援などは国から出るのですか?」
振り返り壊されたり焼かれた家屋をが目に移れば、国からの救援はあるのか確認を取っておく。
「むぅ……私は政事には門外漢なのだが難しいと思う……」
「それはなぜ?王家の直轄領なのでしょう?」
「王家の直轄領ゆえにすでにふれを出して支援をしているからだ。確か税収は五割、後の二割買い上げとしてその売り上げで奴隷を雇い自衛能力を得るようにふれが出されているはずなのだ」
『おおっと……こいつは朗報かね……』
話の間に鈴木さんからの声が聞こえるが、俺は奴隷と聞いて眉を顰める。
「奴隷とは?俺の想像通りのものですか?戦士長殿……」
昔、死獣天朱雀さんに教えてもらった歴史で、奴隷の事も教えてもらったことがある。
日本にもかつて在ったらしくその生存率は絶望的な、人を消耗品の部品のように扱っていたと聞いた……法国の兵が言っていたように王国は腐っているのか?
だが語られた内容は想像の斜め上をかっ飛んでいたもので、思わず笑ってしまった。
本当なら、そんな発想に至った王様という人物に会って話をしてみたい、そう思えるほどに。
バルブロ王……剣の腕も高く治世にも聡く情報の大切さも知る稀代の人物とはどのようなものなのか、そしてその王を支える妹姫、『
『なるほど、こいつは法国一国、王様一人に嵌められた形か……まるで先が見えて……』
鈴木さんは何か企むような雰囲気だったのに、一度思考の淵に立って雰囲気ががらりと変わる。
『……悟、必ず王様に接触しろ』
それはこちらとしても願ったりな事だが、急にどうしたのだろう。
「ではサトル殿、私はこれで失礼する。王都に寄られた際は訪ねてくれ、盛大に歓迎しよう」
ガゼフは男臭いながらも気持ちのいい野太い笑顔を向けて隊員たちに乗馬を促し、颯爽と
何名かは襲撃をした法国の者たちを半数、馬車に乗せて駆けていく。
そしてこちらも撤退の準備を整えながら突然現れた女性をまずは村長に任せ、ツアーと相談しながら穴を
迎えにいくの忘れてた。
そして西洋だと名前が先で名字が後に来るという事を失念していた。
なぜ気楽に名前で呼んでいるのだろうとは思っていたが……彼らは名字で呼んでるつもりだったのだと今更になって気が付く。
顔を覆って蹲ってしまいたかった。
ナザリックに帰り、鈴木さんに身体の主導権を渡し朝ごはんを戻してから食べていない空腹と先ほどの失態による恥ずかしさを誤魔化しながら今回の作戦の論功行賞を見ていく。
「此度は急な作戦決行、ご苦労。そして俺の我が儘に付き合わせすまなかった」
頭を下げればほとんどの僕たちがざわつきだす。
「そのようなことはありません!どうかそのご尊顔をお上げください!」
悲鳴にも似たアルベドの叫びと一緒にシャルティアを除く階層守護者一同から懇願される。
「どのような我が儘にもお付き合いいたします。どうぞご命令ください……どのような命でも従ってみせましょう。死地であろうとも無謀の極みであろうとも。ですからどうか、お気になさらないでください」
焦るアルベドたちに比べ、あまりにも冷静に臣下の礼を取るシャルティアの姿は僕たちからすればいっそ異様に映っていたのだろう。
その視線には殺気すら籠っているよう……いや、実際に籠めているのだろう。
「その言葉ありがたく受け取ろう。さて、『村の救援』に協力してくれたことに改めてお前たちに感謝をしよう」
顔を上げ作戦そのものの主題を持ち上げれば、顔色を悪くしていないものを探す方が大変だといえるほどの血の気を引いたような場と化した。
間違った命令の元で動けばどのような結果が待っているのか、わざわざ言うほどの事でもないだろう。
「命令を正しく把握していたのは五名しかいなかったのは残念としか言えんがな。後日改めてアインズ・ウール・ゴウンというギルドがどういったギルドであったか教える必要性を教えてもらった」
その言葉の意味、ナザリックの者であれば痛いほどにわかるだろう、自分たちはそれを守っていると思っていた者たちなのだから。
「パンドラ。防衛の方はどうだったか、報告を」
「はっ!おおよその距離しかわかりませんが約20㎞先の上空より何者かに物理的に見られた、と思われます」
超超高高度、成層圏よりも上から見るもの……ドローンのようなものだろうか、衛星写真とかで天気を予想していたとブループラネットさんの天体話で出てきたような気がするけど。そんなにも高性能なドローンはリアルでも聞いたことがない、ならやはり隠密性の高い使い魔のようなものか?
「姿形は?」
「申し訳ありません。弐式炎雷様、フラットフット様、ぬーぼー様に変じ調べてみましたがわからず……ニグレド殿にも協力を仰ぎましたが姿を捉えることはできませんでした」
「そうか……彼らの能力を使っても無理であったのであれば相手が一枚上手という事だろう」
ペロロンチーノでも5㎞強が望遠の最大距離だったはず。これはユグドラシルプレイヤーでも遠視における屈指……ソレのはるか先からとなればプレイヤー以外がいる。
「くっくっく……つまりパンドラ。留守組でもあるお前もまた敗北していたか」
「はっ!まったくもって……挑み甲斐のある敵であると愚考いたします」
それは表情の読めないピンク色の卵に三つの穴が開いた顔でありながら、手負いの獅子を思わせる気概にみなぎった表情を思わせた。
俺の息子……そう認めるのは恥ずかしいけど、確かに負けても最後に勝てばいいって感じはそっくりだなとしみじみ思わせてくれる。
「いい言葉だ。さて、まずはシャルティア。此度の褒美何を求める?」
鈴木さんの言葉にシャルティアは一度優雅に礼をして、美しさと可憐さを保ちながらも獰猛な獣の笑みを見せたまま宣言する。
「もしまたあの鎧の戦士と闘うのでございましたら……一番槍を欲します。女性を悲しませることを最も嫌ったのはペロロンチーノ様でございましたゆえ」
……その言葉に俺も鈴木さんもしばらくの間固まっていた。
「……え?」
『女性だったの!?あの声で!?』
地獄の底から聞こえるような禍々しく野太い声だったんだけど、あの声で?
一度咳払いをして空気を入れ替え、シャルティアに問いかける。
「それは本当か?俺はあの鎧の持ち主を知っているが……男だったはずだぞ?」
「いえ、匂いが女性のものでした」
俺は鎧の持ち主を知らないから何とも言えないが、シャルティアはまっすぐ自信をもって答える。
『この根拠はないけど絶対の自信……ペロロンチーノさんそのものだなぁ』
鈴木さんは少し考えるようにして、シャルティアの出した答えに納得がいったのかシャルティアの要求を承諾する。
「そうか、ならばその時は任せるとしよう」
「ありがとうございます」
シャルティアはもう一度礼をして後ろに下がる。
次にセバスを呼び、何を求めるか聞いてみる。
セバスは仕事を求めたために、シャルティアを令嬢に仕立てての王都での情報収集へと向かわせるのでホウレンソウのしおりを書いて渡しておくとして……次に最後まで護衛を務めたハンゾウへの褒美だが何がいいだろうか。
「ハンゾウは確か個人名ではなく種族名だったな……ならば俺がコードネームを与えてやろう」
黒塗りのかぶり笠、確か隠密性能を上げるだけのものだったはず。
その黒笠を手の中で弄びながら、ハンゾウへと視線を向ける。
「お前が兵士たちを殺そうとした理由はなんだ?」
「……」
その問いかけに対してハンゾウはすぐに答えることがなかったが、その様子はまるで言葉の選びに悩んでいるように見えたのはなぜだろう。
「「ちっせえガキまで、斬ろうとしやがって」……やはりか」
ようやく口を開きその言葉を言ったのに、示し合わせたように鈴木さんはハンゾウの言葉に重ねて見せた。
鉢がねとマスクで表情ははっきりと見えないのに大きく目を見開き驚いている。
「やはりこれはお前にこそ相応しいな。これよりお前は『黒笠のムジナ』を名乗れ」
「御屋形様……承知、いたしやした」
鈴木さんにはいったい何が見えているのだろう……少なくとも俺の見ている景色とは違うものが見えている気がする。
俺よりも鈴木さんがこの身体を使う方が……
『馬鹿なこと考えるんじゃねぇよ。悟君、この身体は君のものだ。俺は悟君じゃない。悟君は俺じゃない。其処は履き違えちゃいけねぇよ?』
馬鹿な考えだと一蹴してくれる鈴木さんには感謝しかないが、心の内で映る虚ろに浮かぶ赤い眼光が酷く恐ろしく映ることがある……ツアーとの会話が終わりガゼフと話していたときもそうだった。
「さて、アルベド。お前は何か言うべきことはあるか?」
「はっ!いえ、ございません……」
その問いが何を意味しているのかは俺でもわかる。
「そうか……ではデミウルゴス。今回の作戦、『誰』から後詰を任せる命令をどの様な『言葉』で受け取った?」
「はっ!それは……」
アルベドの身体が小刻みに震える。何を言っていたのか、どのように行動してしまったのか振り返り己の失態を、痛恨のミスを犯したことを理解してしまったのだろう。
「うむ、結構……アルベド、まずはギンヌンガガプの無断所有、此度の失態。沙汰を言い渡す」
青いを通り越して血の気を無くした白い顔色で膝をついてアルベドはこちらを見上げている。
「謹慎七日と守護者統括の任を剥奪、そして衣服を除く所有物の没収を言い渡す。アルベドの仕事の穴埋めはデミウルゴス、パンドラ両名が取り仕切る様に……以上で論功行賞を終りとする」
あれだけの戦いの後だ、晩飯を食べてベッドにダイブすればすぐに眠りに落ちる。
この眠れない身体を精神性をありがたるべきなのか忌諱すべきことなのか……この状況でなければ素直に嫌がるべきなんだろうが、人を同種と見れない、そこら辺にいる虫けらと変わらなく見える、近づく生者を恨めしく思ってしまう。
『あぁ……くそったれが……たかだか一日でここまで呑まれるかよ。俺は人間だ、人間なんだ。『オーバーロードのモモンガ』じゃねぇ』
記憶が飛ぶ、感情が侵食される、感性が塗り替えられる、考える時間を奪われていく。
ツアーという操り人形の繰師と会話しているのは覚えている、戦士長はどんな人物だった?陽光とかいう奴の隊長の名前はなんだ?なぜあの戦闘に踏み込んだ?
『これが『オーバーロード』の能力を得た代償か』
結果から見れば主導権を悟君が握っている限り今のところは問題ない、後はどれだけこの状況を黙したまま続けられるか……完全に切り離すための時間稼ぎと悟君の幸せ、両方追わなきゃならねぇってのが辛いところだな。
ナザリックの連中はまだ使い物にならない、『オーバーロードのモモンガ』として先にこの世界に降り立った、アンデッドの主として。
だからこそ、その思想がナザリックの僕たちの在り方を決めた。人間蔑視が、ナザリック外の生物を蔑視するのが強いのはその為だ。
アルベドは元々嫉妬深く性格付けられている、その上で『モモンガを愛している』だ。
あの時憤ったパンドラと同じくモモンガを捨てたとギルメンの連中を恨むだろう、憎むだろう……が、それはどうでもいい。
それはアルベドの感情で俺の感情ではない、とやかく言うつもりもない。
それよりも階層守護者を元にどう蔑視を無くすようにしていくか、悟君にも説明しなきゃいけねぇから時間足りるのかね……
マーファ
自然であれ、という言葉で教義は現わされている。それは自然崇拝の思想とは違い、人が人として自然であるべき状態を理想と教えている神である。
自衛のための戦いは肯定しているが、それ以外の能動的な戦いは基本的に否定されている。
例外として許されるものは魔族に属する暗黒神群から作られたとされる魔神と呼ばれるモンスターや偽りの命を持ち根本的に生者の敵となるアンデッドに属する者たちとの積極戦闘は許されている。
人間が生きていくために欠かせない農耕や猟を推奨しており、農民や狩人などに信者が多い。
この世界で『も』六大神の一人に数えられており大地と農耕を司る神として信仰されている。
レベルとして(マーファ)と注釈が付くものはこのマーファの声を聞かなければ取得できない。
この声を聞くことで特定レベルで魔法の取得枠を消費せず特殊魔法というものを取得できる。
本文のかすませてる部分がおっさんのネタバレ部分です、読みたい人はコピペして読むといいです