episode.1 「一人目」
夜が明けて……地下墳墓であるため日は差し込まないがメイドの一人に揺り起こされ意識はゆっくりと覚醒していく。
「おはようございます。サトル様」
『おう、おはようさん』
「おはよう。今日の予定はどうなっていたかな?」
寝間着を脱がされながら今日の予定を聞くのだが、どうにもこの他人に着替えを手伝ってもらうというのは子供のように世話を焼かせてしまっているようで申し訳なさと羞恥心を覚えてしまう。
「はい。こちらに用意しております」
紙の束には今日のスケジュールと階層守護者たちの設定の書き出した書類、また現在判明している実験結果の報告書。
階層守護者たちの設定の確認は敵対者を出さないようにするためのもので、できうる限り早めにしておくべきだろう。
「お前たちも人間は嫌いか?」
「はい。ナザリックに攻め込んだ者をよく思える者はいません」
ユグドラシルが斜陽となり始める前、ここナザリックへと傭兵NPC含め1500もの人数で攻め込むという事があったがそのことを指しているのだろう。
「そうか……ゲームがリアルにもなればそうなるのは当然か……」
自分のリアルに置き換えてみればそれも仕方がない事ではあるのだろう。
「
「……?」
なにか違和感がある。
もしかして、この子は……名前を思い出せないけど人間そのものは蔑視していない?
「では、お食事をご用意させていただきます」
そんなことを考えているうちに着替えが終わっており、メイドは寝間着を腕に抱えて扉の前でお辞儀をして出ていくところだった。
髪の色は緑がかった碧で肩口で切りそろえているのが見える、他のメイド達に比べるとやや小柄に感じるが気持ち背が低いかも?と思える程度。
メイド達はヘロヘロさん、ホワイトブリムさん、ク・ドゥ・グラースさんの三人がそれぞれ四十一人作っていたはず。
メイド達の名前も把握していかなくては……ナザリックの支配者になるつもりはないが、呼ぶのに名前も知らないとか失礼だものな。
資料の中身を覚えているとそれほど時間は経っていないだろうが、ノックの音が聞こえ、それに応えればさきほどのメイドがカートを押して部屋の中に入ってくる。
カートの上には透き通ったスープにサラダ、切られた……多分パン、ベーコン、卵焼き……だと思う。
『ワカメスープにオニオンサラダ、コーンブレット、ハムステーキ、スクランブルエッグで最後に牛乳な』
『料理の事なんて知りませんよぅ……』
ただそれはそれぞれが二つ分あり、自分の前に多めのものが、メイドの前には少なめのものがひとつ配膳されていく。
ナイフやフォーク、スプーンが並べられるのだがどれからどう使うのがいいのだろうか。
「サトル様、では私の真似をしてお食べください。私は……サトル様がテーブルマナーを知らないことを知っています」
「なぜ……知っている?」
俺の知らないことを知っている、俺だってすべてを知っているわけじゃない、だから知らない事もあるのはわかる。
俺は貧困層での育ちだ、だからテーブルマナーなんて学ぶことはなかった。
ユグドラシルでも食事はアイテムを使用、消費してのしょせんはフレーバー的なものだった。
簡単には知っているメンバーから教えてもらっていたがそれこそ簡単に概略位なものだ……だがなぜ、目の前のメイドはその程度しか知らないことを知っているのか。
「それにはお答えできません。
そういいながらも真直ぐに俺を見る古びた荒地を思わせるような深い黄色の瞳が心の中まで透かすように見られているように感じてしまう。
その瞳から目をそらすように料理に目を落とす。
「お前は……誰の、何の味方なんだ?」
「そんなのは当然サトル様の味方です」
失礼なことを言われたように、腰に手を当ててこちらを睨むようにして憮然と言ってくる。
ぶっきらぼうで失礼な物言いなのに敬語でしかしゃべろうとしない他のNPC達よりもはるかに距離が近い感じがした。
「それよりもお食事はされないのですか?冷めてしまいますが」
ゆっくりと対面の椅子に座り、スープを手前から奥にすくってみせる。
「本来でしたらアミューズ、オードブルがあるのですが、この度は完全な初心者という事で知られてなさそうなスープや肉料理、サラダとなっています」
そんな説明を受けながら、動作についていくので必死で味わうことはできなかったが、切り方が悪かったりするのかうまくハムステーキを切ることに四苦八苦しているといつの間にかメイドが背後に回っており、腕をサポートするように二人羽織りに似た形になるのだが背に柔らかい感触が押し付けられる。
それだけではなく俺の顔の横にメイドの頭部が来るわけで、女性のにおいとでもいうのだろうか料理のようなものとは違う欲を刺激する香りが鼻腔を刺激していく上に、耳に髪が触れくすぐったいような背筋から這い登ってくるようなただの触感とは違う触れ合うとはまた変わった感覚に陥る。
説明のために喋る度に吐く息も不快なものではなく、むしろ甘美な快感を含むもの。
そんな状態になってしまい食事の味などまともに覚えておらず、辛うじてマナーの手順を頭の隅に入れておくことができたにすぎない。
『あぁ……これ…………あっちは漏れ出した色気だけで国を骨抜きにさせたのがいるしなぁ』
そんなこんながあって食事を終えて、外界の事をもっと詳しく知るためにカルネ村に向かうのでナザリック地下大墳墓を出て見たのだが、そこから見える光景に叫び声を上げる異形がいた。
「緑に覆い茂げ萌える草原!! 青々と瑞々しい輝きを放つ森林の輝き!! 透き通る白雲とのコントラストを飾る青き天!! 汚れた灰に包まれていない生きた茶に肥えた大地ぃぃぃぃ!!! 輝き天に見えるは暖かき太陽うううぅぅぅぅぅぅっっっっ!!! 太陽万歳!!!! 万歳!!!!」
それは太陽に向かって五体投地をする
「ブルー・プラネットさん!?なんでここに!?それになにやってるんですか!?」
俺は頭を混乱させるが、鈴木さんは遥かに冷静に現状を把握していた。
『あの本、勝手に出てこれるのかよ。とりあえず人化の指輪渡しておけ……カルネ村に移住してもらうのもありだろ、森の調査を楽しんでもらうとしよう』
「はは……ハハハハハ!アーハッハッハッハッハッハッハァッ!!風だっ!!草だっ!!土だぁっ!!匂いが!感触が!味が!!もうっっっ最っっっ高ぅっっっだああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
喜んでいることは素直にうれしい事なのだろうがその有様は正に狂気乱舞と言える姿で、本来の字とは何か違うという狂った状況と言える。
俺はアイテムボックスからツッコミハリセンというジョークアイテムとして扱われるネタ武器を片手に装備してブルー・プラネットさんに近づいていく。
「いい加減にしいやぁっ!!」
振るうとともにハリセンからツッコミのセリフが再生されて、乾いていながらも鈍く重くも高く響く打撃音がナザリック地下大墳墓の前で響いた。
「はっ!?僕は一体何を……」
ダメージこそないものの滅多に陥ることの無い異常状態『狂気』を治すことができる武器、それがこのツッコミハリセンであり
「大丈夫ですか?狂ったように拝んでましたが」
「え?僕そんなことを…………してたなぁ。あれは落ち着いて考えると怖いね」
「良かった。そうするのが普通じゃなくてよかったですよ」
落ち着きを取り戻し、周りを改めて見渡すブルー・プラネットさん。
俺はあれがブルー・プラネットさん的に普通の事ではなくてよかったと安堵していた。
「それにしてもここまでの緑、生で初めて見たなぁ……これを見るとユグドラシルで見ていた自然が陳腐なものに見えてしまう」
「日が沈む光景も素晴らしいものですよ。それとこれをどうぞ」
俺はそういって人化の指輪を渡せば、苦笑しながら指輪をはめる。
ブルー・プラネットさんは光に包まれながらトレントで装備していた装備が人間用になったような服装で立っていた。
昔にしたオフ会で見たときと変わらず……若干若返っている気がするけど、無事に人の姿に戻っていた。
巨体に巌のような顔だけどのその瞳は優しさを湛えていて、どこかの絵本に出てきそうな『優しい巨人』というイメージがぴったりくるだろうか。
「それじゃ、カルネ村に行きましょうか……ブルーさんは名前どうします?そのまま行きます?」
「悟君が悟君として生きようとしているのに、僕がアバターに逃げるんじゃだめだろう。何よりも僕も僕として生きたいんだよ、
『なんでだろうな……その名前で某ゲームを思い出してしまうのは』
ゲートを使い早速カルネ村に行こうとしたのだが、それは蒼井さんに止められ、せっかくだから自然の中歩いていきたいと提案されてしまった。
自然をまじまじと見る機会など俺にはなく、昨日はカルネ村へと出向いていたが自然を堪能している余裕などなく、それは本の中から見ていた『みんな』もそうだったのだと教えてもらえた。
「でもあれだよねぇ……悟君、なんで逃げちゃったのさ?あれはひどいと思うよ」
「う……いや……しかしですね……」
しどろもどろになりながらも言い訳を考えるが、いい言い訳が見つからず口ごもっていると鈴木さんからも追い打ちがされてしまう。
『まったくだ。だからヘタレと呼ばれるんじゃないか?』
その追い打ちに俺はさめざめと涙を流した。
茶釜「胸か!?胸なのか!?」
やま「かぜっち。人のおっぱいをもむのやめて!?」
餡こ「ほどほどでも有るだけいいじゃん!」
茶釜「にゃー!?餡ちゃんやめてー」
茶釜 B
やまいこ F
餡ころもっちもち AA
メイド G
エンリ F
ニニャ C
位かなーと考えてます。
メイドシーン~ブルーさん登場までの間にR18シーンを挿入してください
良い子の18歳未満は見るんじゃないぞ