おっさん憑依でヒャッハーLORD   作:ししお

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短いものだけど


閑話 「宿題の答え合わせ:デミウルゴス編」

 管理者の塔が崩れたその後日、部屋でくつろいでいればドアをノックする音が聞こえ続いて来訪者が名を告げてくる。

 

「モモンガ様、デミウルゴスです。今お時間はよろしいでしょうか?」

 

「かまわない、入れ」

 

 何の用だろうかと思いながらも部屋の中へと招き入れる。

 

「先日出された宿題の答えをと思いまして」

 

 宿題?何かあったっけ?などと疑問に思っていれば鈴木さんの声が頭に響いてくる。

 

『忠誠の儀とか言ってた時の奴だな。忠誠を受け取る気はない、なんで受け取らんか考えろって奴だ……答は単純なもんだ、自身に誓うものであり相手に信じてもらうようなもんじゃない。ニグレドから前に送られた映像を見たときサトル君は眉をしかめてたがな、不信を買ったからと狼狽えるような忠なんぞ心底から信じれる物か。ただ自己満足の言葉にすぎんから忠誠としては受け取らんのよ、忠誠とは国家、組織に真心こめて二心なく仕える、服従することを指す……それは相手に信じられようが信じられまいが貫くものだ。受け取ってもらえないからと贋作だというようなものを捧げられてもな、サトル君も困るだろう?』

 

『確かにとも思いますけど、それでも……可哀想では?』

 

『可哀想かもしれんがな、それでも自力で気付けないのならあいつらは自分たちの枷である設定を破ることはできんだろうよ。何よりも受け取らんというだけで誓う事自体は否定してないからな』

 

 からからと笑う鈴木さんに底意地が悪いと思いながらもデミウルゴスに言葉の先を促す。

 

「うん、答えて……あぁ、答えるのは一度だけにしようか。当てずっぽうでぐだぐだになっても仕方がないしな、これだと自信のあるものを答えとして聞くとしよう」

 

 その言葉にデミウルゴスの顔は青くなり、若干震えているように思える。

 

「やはり……そういうことでしたか。やはり私達ではモモンガ様の英知には足元にも及ばず私達では力不足だという事なのですね……力無き者は忠に能わずと……」

 

 こいつは何を言っているのだろう。

 ちょっと会社に置き換えてみようか……社員が不信に思われて不安に思っている。まぁ、これはわかる。

 力不足だから能力足りないから信じてもらえないのだと言っている……それは能力を把握してない上の失態でこいつらの失態ではない、よな?

 というかデミウルゴス達NPCと俺とは在り方そのものが違う筈なんだが、何を基準に力不足だと言っているのか。

 少なくとも能力不足ですと自己申告してくる部下は何ができるかしっかり調べてからじゃないと使えないよな。

 自信を持たせる必要はあるが必要以上に持たせると何をしでかすかわからないのが怖い上にこっちの言葉でどこまで自信をつけてしまうのかがわからない。

 

『なんと声をかければいいのか……』

 

『ここは俺が代わろうか、ちっとひどいがはっきり言ってやるのも優しさってものよ。中途半端にするのは優しさじゃなくて甘さだからな』

 

『すみませんよろしくお願いします』

 

 オーバーロードの骸骨姿になり鈴木さんが表に出てくる。

 

「それがデミウルゴス、お前の答えか……残念ながら間違いだ。そして無能の働き者がどれほどの害悪かはお前も知っているだろう?それを自分からそこに貶めるようなものなど使えるものかよ」

 

 その言葉にデミウルゴスは絶望に沈むように力を無くしていく。

 

「あ…あ……」

 

 それは自分の失態に気が付くものであり、それがどういう意味か示したものだろう。

 

「用が済んだのなら退室しろ」

 

 退室を促されたデミウルゴスは俺から見ても気落ちした様子でとぼとぼと部屋を出ていく。

 

「まったく……気付かんものだな。デミウルゴス位の知恵者なら気が付きそうなものだがな……受け取らんと言っただけで誓うことそのものは否定してないのになぁ」

 

 それだけ受け取ってもらうことは大切なのだろうか……守護者たちにとっては、ナザリックで創られた者たちにとっては自身を認めてもらうようなものなのかもしれない。

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