おっさん憑依でヒャッハーLORD   作:ししお

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 仕事を増やすとか、マジで勘弁してくれませんか?しかも気づくのが遅れれば遅れるほど増えるとか……どういう虐めかな?

 両脚羊、モモンガが大真面目に意味を知っていたら?
 ネタ元からわかる通りちょいとグロめです


episode.小ネタ1 「やっちゃダメなことworst 5 」

 

「デミウルゴスよ。スクロールの量産に成功したそうだな、褒めてつかわす。ところでどのようなものからの皮なのか、聞いていなかったな?」

 

 ナザリックにてようやく第三階位のスクロールに耐えられる羊皮紙が得られるようになったと、デミウルゴスの牧場より知らされ、それを褒めていたのだがそれはどのような者の皮なのかを聞いていなかったので思い切って聞いてみた。

 普段から俺の知恵は端倪すべからずとかよくわからない言い回しで持ち上げてくるので、図書館で言葉の勉強をする日々だ。

 

「はっ、そのお言葉だけで報われる思いでございます。そうですな……聖王国両脚羊でアベリオンシープなどという名前ではどうでしょう?」

 

「ふむ……聖王国両脚羊(アベリオンシープ)か……」

 

 両脚羊と言えば確か……昔の中国で使われた言葉だったか、家族が病に倒れ、その療養の必要があったが精を付けるための肉が手に入らず、『自身の両脚』を快復するまで食させたという自己犠牲を厭わぬ献身を讃える行為であり、それを耳した時の皇帝が羊や土地を贈ったという故事から伝えられる言葉だったか。

 

「なるほどなるほど……そのような献身的なものがいるとは、となるとこの皮は自身から剥がしこちらに献上してきたということか」

 

「ぇ?」

 

 恩には恩で返すという信条が俺にはある、逆として仇には仇を。時の皇帝を見習って……複数枚を作り上げられたということはそれなりの人数がいるということだな、何か贈り物をしてその者たちには報いねば、時の皇帝に見劣りすると見られかねない。

 デミウルゴスもテレポートを使えたはず、まずは何を望むか聞いてみなければ。

 

「丁度いい、デミウルゴスの牧場も見てみるとしよう。デミウルゴス、案内を任せても構わないな?」

 

 俺は人間にも先見の明がある献身的な者がいると聞いて、それはどのような想いを持ちこちらを受け入れたのか、また骨の身である俺も受け入れてもらえるのか内心ドキワクしていてデミウルゴスからこぼれた小さな声が聞こえていなかった。

 それに思い至れば、普段の俺という苦労もデミウルゴスたちにも伝わったのではないだろうか。

 

「……は、はっ!と、当然でございます!」

 

「はっはっは、そう緊張しなくてもいいだろう?いくら自慢の部下だとは言え部下の頑張りには胸を張るべきだ。それほどの人材を見つけたお前には私も鼻が高いぞ」

 

 カラカラと骨を鳴らしながら笑えば、デミウルゴスはさらに恐縮するのか身体を固くして震えているようにも見える、どこか目も泳いでいるような。

 その意味を知るのはテレポートで、デミウルゴス牧場にやってきて現場の阿鼻叫喚とした血がそこかしこに流れ、悲鳴がバックグランドミュージックに朗らかに仕事をするデミウルゴスの配下である悪魔たちを見てからだった。

 交配実験もしているらしく、グロテスクな無理矢理にも似たものであり猟奇的なものにエロティックさを感じるものでもなければそんなものは欠片もない獣の交わりと言えるものだった。

 

「…………」

 

 右を見る、皮を剥がすために激痛があるのが当然なのだからそれは診察台に寝かされる患者のように寝そべり、手足を拘束された上に叫ばないように猿轡をかまされた人が涙を流しながら背から鮮血を撒き散らしていた。

 

「…………」

 

 左を見る、鼻歌を歌いながら大きい包丁で人を輪切りにしているエントマが、切られる度に虚ろな目をした人は「あ……あ……」と声をあげながらビクリビクリと痙攣するように動く。

 

「デミウルゴスよ」

 

「はっ」

 

 俺の言葉にすぐに返事をしてくれるが、デミウルゴスの声は固い。

 

「両脚羊といったが、お前はどういう意味で使ったのだ?有名どころだと三国志の劉備が村の視察の折、とある村の村長が劉備を持成そうとしたが肉がないので妻を潰して振舞った、というのが比較的よく知られる話ではあるが……」

 

「は、はい。単純に人肉のことと思い……」

 

 俺も最初に見た時はそういうことなのだろうと思ったんだよな。

 言葉の成り立ちに疑問を覚えてもっと調べてみれば、人と書けばいいのにわざわざ羊とかついてるから不思議に思っていたが、同じような時代には籠城中に人を食べて生き延びたと言われる武将もいてそっちは普通に人食いとして恐れられているじゃないか。

 

「うむ。それは俺もそう思ったものだ。だが羊という文字を使う意味が分からず調べてみればどうやら献身を褒める言葉として使われるようでな?ここの扱いはそうではない」

 

「はっ、その通りでございます。誤用をしてしまい大変申し訳ありません」

 

「はっはっは、誤用は気にするなら使う前に成り立ちなどを調べてみるのもまた一興だろう。デミウルゴスの使った端倪すべからず、という意味が分からず調べ初めて知ったのだからな。だがそれを知らず書類に聖王国両脚羊と書いてしまっていたらと思うとぞっとするな……」

 

 書類として提出されそしてそれを承認しているのは俺だ。

 必要な分だけをとアルベドが選別してくれているというのにその量は捌くのに四苦八苦する量であり、書類とは正しくなければならないのだ。

 書類に間違いがあれば訂正しなければならず、それを探す必要もあれば他が間違っていないかの確認も必要になってくる……そう今まで処理してきた書類すべてを精査する必要が出てくるのだ。

 

「気が付いたのがまだ比較的早い時期でよかったと思うべきか、今までの書類の精査を手伝うことで誤用の罰としよう。それとこの牧場では記憶処理や蘇生妨害などはしっかりと施しているか?」

 

「はっ、ありがとうございます。いえ、そのようなことができる者が居らず……できておりません」

 

「ではここは即刻閉鎖を、他のプレイヤーがここを発見し、記憶を覗くことでお前たちを、また蘇生することでこちらを敵視されることを極力避けるとしよう。後始末は任せるぞ」






とまぁ、こんな感じで両脚羊に気づくまで、訂正する書類が増え続けるので……モモンガさんにとっちゃやっちゃいけないことじゃねぇかなと思います
後編が書きあがらなかったのでただの時間稼ぎ用ですが(ォィ
なお人を食べたという武将は程昱だったと思う

この話から分かる通り、デミウルゴスでも誤用している間違いやすい言葉だと思います

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