九位の理由
アカシックレコードで原作知識を得た
アルベド心底嫌がられる
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テッドがその巨体からは想像できないような繊細な動きで聴診器やら検温系などを操作しながらカルテにこまごまと書き加えていく。
「ガガガ、体力さえ戻りゃもう動けるようになるだろ。しかし、サトルもスズキも無茶をしたもんだな……もう一日は必ず静養しておけよ」
太い指先を胸に突き付けられて最初に言われた静養の言葉を念押しされる。
「流石にわかってるって……」
「わかってるやつはあんな無茶やりゃしねぇよ。働き過ぎて体壊したやつみてぇなもんだからな、わかってりゃ無茶せずにしっかり寝るもんだ」
苦笑いしながらわかっていると答えれば、テッドは呆れた表情でため息をつきながらブラック企業戦士の大丈夫というほどに信用できないと返され、きちんと寝ろと注意された。
エンリもモリガンもすでに目を覚まし、モリガンはいつも通りの仕事にエンリはそばで診察結果を心配そうに聞いていた。
問題なさそうなことに胸をなでおろし、しっかり休むように監視することを決意していたりもする。
ノックの音が扉から聞こえて、手持無沙汰だった悟が入室の許可の声を出す。
「テッドさんから聞いたよ。特に問題はないってね?」
入ってきたのはいつものメイド服に身を包んだモリガンで気楽に声をかけてくれるからこちらも気が楽でいい。
「モリガンさんも結構無茶したって聞きましたけど、大丈夫なんですか?」
「
「う、はい……」
山のように積まれていた報告書の数々を思い出して身構えてしまうのだが、渡されたのは四十枚程度の軽いもの。
「え?スズキさんはこう山みたいに積まれてたのをしてなかったっけ?」
渡された書類の束を手に書類とモリガンさんと視線を交互に見てから首をかしげる。
『いや、それ単純に書類作成してるやつが無能だからだよ。大がかりのプロジェクトをいくつも抱えてるならまだしも、大企業の社長が子会社一つ一つの書類をチェックしたり把握するかね?』
「パンドラとデミエモンが造った奴だからねー。ぶっちゃけ各階層の現状維持費の計上とそれぞれで追加報告事項がないってだけだよ。山みたいに書類が一番上に届くってさ、手が回ってない証拠なんだけど?それよりも一番上だっていうならほかにしなきゃいけないことが出てくるもんだし?貴族にされるんだからこれからはそういったことにも慣れた方がいいよ」
貴族にされる。
そこには拒否権などなくもう決定事項のように話される。
そして俺にはその話は初耳である。
「え?俺ただの貧困層出の小卒よ?それがなんで貴族様に?拒否っちゃダメ?」
「拒否ってもいいけど……その場合エンリちゃんが貴族の爵位贈られる事になるんじゃないかなぁ。エンリちゃんは王国国民で家族もいるから、家族と縁切りして逃避行でもする?」
「え?私が、ですか?」
同様にエンリにも飛び火して驚愕している。
「うん、そう。サトルはエンリを見捨てられないし、エンリは家族棄てれないでしょ?ほら逃げ道がない」
あまりにも唐突なことで二人して顔が青くなる。
「今回のことでも功績積んでるし?この先の戦争でも中核になりうるアインズ・ウール・ゴウンっていう集団の統率者だし?あの王様からしたら確実に狙ってくるって」
そんな俺たちの様子を見てモリガンはけらけらと笑っている。
ひとしきり笑った後に報告されるのもなんだけども、下で死獣天朱雀さん、あまのまひとつさん、ベルリバーさんとそれとは別に頬に傷のある眼光鋭い人М字禿になりそうな人が訪ねてきているらしい……聞いた限りだと法国の陽光聖典隊長さんだろうか。
「ヤのつく自由業の人なんじゃなーい?もしくはトランプ愛好会の人かな?」
「ヤのつく自由業の人はともかくトランプ愛好会って何ですか!?」
訳の分からない愛好会が突然に飛び出してきたので思わずツッコんでしまう。
とりあえずは会ってみないことには始まらないので、その人を先に呼んでもらう……本当なら三人とも早く会って喜びたいのだが、嫌なことから先に済ませてしまうべきだと考えたからだ。
俺の気質からして本来なら先にいいことを、後に悪いことを聞くだろうが悪いことを後回しにするのは喜んでいるところに水を差されるような気がしたから。
モリガンが退室してノック、入室の声かけ、そして入ってくる男性の顔を見て予想した通りに陽光聖典の隊長さんだった。
「先日は名乗ることもできず申し訳ない、スズキ殿」
入ってくるなり綺麗なお辞儀をしてあの戦闘の後急いで去っていった事を謝っていた。
「いえいえ、そちらにもそちらの都合があったようですしそこは仕方がないですよ。それで本日はどのようなご用件で?」
「それなのだが……先に法国の現状を伝えておくべきだと思うのでそちらを先に説明させてもらおう」
法国が主導して奴隷を作り出していたこと、ガゼフを殺し帝国に支配させることで更に裏から糸を引いて操ろうとしていたこと、人の死体を集めて何かをしようとしていた等。
「(ごめんなさい、それ全部もう知ってるんです……だなんて言えない!)」
『恐怖公の眷属って便利だよなぁ。そのあと報告が途絶えていることから悉く潰されたみたいだが』
あまりにも非人道的すぎる国のありさまにかつて自分の胸に誓った正義に従って陽光聖典を抜け出してきたんだそうな。
そしてサトルのとった行動、破滅の竜王との敵対こそが正しいと信じて、もしも旅をするのなら同行させてもらえないだろうか、という話だった。
「あいつは天使殺しと呼ばれるそうですよ。私も詳しくは知りませんが……」
「なんと……天使食いではなく天使殺しですか……」
『まってまってまって……シードにカーツウェルならまだ……』
何やら鈴木さんが慌てているからニグンさん(説明の途中で聞いた)に聞いてみよう。
「その天使食いの名前は分かりますか?」
「確か残っている名前の通りだとするのでしたら……ゲンドゥボウという名前だと伝え聞いてます」
鈴木さんが骸骨のまま突っ伏してる姿が脳裏に浮かぶ……つまりダメな人なんだろう。
とりあえずニグンさんには旅の疲れ元ってもらうということでこちらの体力が戻るまでランテルで宿をとってもらうことに、冒険に出るときはきちんと声をかけよう。
『これは本格的に悟君鍛えんとなぁ……多少スパルタでもやっていくか』
なんだか怖いことが計画されている気がする。
ところ変わってここはナザリックの執務室。
今日はパンドラも帰還したということでパンドラが執務室に詰めており、山のような書類と格闘していた。
「いやはや大量の陳情陳情の嵐ですが、その議題だけでアウトとわかってほしいものですなぁ……これをサトル様、スズキ様にアルベドたちが提出していたと考えるとゾッとします」
独り言ちながら陳情の書類はシュレッダーにかけて無駄なく金貨に変えていく。
一枚一枚では変化はしないがこれだけの量なので金貨一枚くらいにはなるだろうという地味な節約術である。
そんな中、執務室にノックの音が聞こえてくる。
「はいはい、どうぞ開いておりますよ」
「お邪魔するわよぉん」
そこに入ってきたのは蛸の様な水母の様な、もしくはその二つを足して割ったような頭部を持ちぶよぶよとした人型の身体を持つニューロニスト。
「おや?どうかされましたかね?」
「んんぅ!サトル様から出されていたしゅ・く・だ・い、出来たからチェックしてもらおうかと思って持ってきたわぁん」
体をくねらせながら提出される一枚の紙、だがそれよりもパンドラが注目するべき部分があった。
それはこの宿題の本質であり、造られた者たちからの盲点。
「(サトル様と確かに呼んだ)」
キャラ作りでつけたキャラクターの名前ではなく、本名を知っているかどうか。
名前を偽られているという猜疑を向けられていることに気が付けるかどうかというこのテストの本質を少なくともニューロニストはクリアしていた。
「なるほどなるほど、では拝見させていただきましょう」
紙に書かれているのは「女性メンバーでの美容とスタイル維持によるオトメ会」と書かれていた。
選考基準は至高の方の名前が書かれているか否か、死して書かれていないとするのであればその理由を問うこと。
理由如何に依っては此処で破棄することになる。
「ふむぅ。この女性メンバーというのは?」
「当ぅ然!お三方様よぅ……結局お名前を知ることは叶わなかったけれどぉん?本来の名前が存在していることは知ってるわぁん。何よりもこの外史はすでに本来の歴史から外れすぎている」
最後の言葉は聞き逃せない。
「どういう意味だ」
普段のおちゃらけた態度とは違う低く威圧案のある声で問う。
「
武器を無詠唱で創り出し構えを取り、再度何者かを問う。
「お前は何者だ」
アカシック・レコード 出展:???
いわゆる世界の記憶、万知の一滴、様々な事を知ることが出来る能力の呼称のひとつ
過去未来現在とあらゆる時間、場所の出来事を知ることが出来る強力な能力ではあるが未来に関しては同じ能力を持つものがいる場合は干渉しあうことで不確かなものになる
この作品でも普通に強力なものではあるが、忘れてはいけない事が一つ
もらった能力です
ティアマトの艦長募集
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