パンドラ役を演じる
ニューロニスト脳みそいじられてた
アウラ仲間を得る
をお送りしました
ちょっと遅れたけど投稿です
(久々にスパロボやってた)
ベッドにサトルが、その脇にエンリが座って
「「「「「「……」」」」」」
全員で窓の外見るのだが、少なくともエ・ランテルの景色が見えることはなかった。
一面銀面に覆われていて鏡のように全員の姿を映し出しているものの色までは判別できない、鋼色とでもいうのか少なくとも質のいい鏡ではないだろう。
「ふむ……実に摩訶不思議な状況だ。まずは状況を整理しよう」
銀面を骨の指先でつつきながら、サトルが貴族になるための書類を用意して持ってきてくれたなどの説明も改めて終えて。
「この辺りでワシ以外が驚いて外が完全に意識から外れたと思うのだが?」
「あ、そこは確定なんですね……で、現実逃避で俺が外を見て気が付いたんでしたっけ……」
「あっはっは。その癖抜けないないんだねぇ。ギルドマスターは」
どうにもサトルはその手の癖があるみたいでその手のことを朱雀さんから言われていたりする。
なくて七癖とはよく言うが目の動きなどはそうそう矯正することはできない、不安に思った時下を向く、思い出そうとするときに視線が上を向くといったものが、気づいたから気を付けようと思っても注意されたからといったところで易々と直りはしない。
その辺りを理解してあえてミスディレクションに織り込むという方法もあったりはするがな。
「むぅ……貴族になっちゃったら知恵を出してくださいよ。皆にも手伝ってもらいますから……で、どうしましょうか?とりあえず部屋を出てみます?」
「そうだね、まずは外に出れるかどうか試してみようか」
「サトルさん。あのアカなんとかコードというので何かわからないんですか?」
ベルリバーさんがサトルの発言に賛成を示し、エンリが疑問を投げかける。
「あー……全然機能してないですね。過去の検索も何もできないです、当然ここが何なのかさっぱりです……あ゛ぁ゛……頭が痛いだけで使う意味がねぇ……」
聞かれたことに試しただけなんだがダメージだけ受けるという切ないことになってベッドの上で項垂れる悟だった。
これ使うたびにこっちも結構痛みが飛んでくるのが中々痛い能力だな。
『恐らくタルタロスだとは思うが、俺もゲームでしか知らんからなぁ』
「あ、鈴木さんがタルタロスだと思うと……」
「知っているのか?」
「ただゲームのことなので……」
「知ってるんですか?」
一気に詰め寄られ後半が他の人の声に潰されて聞こえなかったようで、まずは落ち着けるのに苦労した……そういえばエンリちゃんとデイバーノックはこういう転移とか初めてだものな。
混乱してもおかしくはないか。
「あー……俺はこの世界に来たので一回、管理者の塔で二回、今回で三回目……あとは本の個室でしょっちゅうですしねぇ……」
『三人も似たようなもんだろうなぁ』
「こっちもシアターでたっちに殺されまくっててなんか変なもの見せられてるから異世界転移とか今更だなぁ……」
もっとやばいことになってそうだった。
「え?なにそれ?」
むしろその事実を聞いてサトルが混乱してる、まずたっちは妻子がいるから会おうとするとは思っていたが……殺されまくってるってたっち強すぎないか?人数差で抑え込めると思っていたのだが。
30以上対1で死亡者出るとか訳が分からん。
「多分だけどな?企業の奴らのヤバイ情報手に入れて殺されたのよ俺は。で、やばい内容がたっちさん達の機動隊全員ロボトミ?強化して強化兵にしようぜってやつでなぁ……たっちさんアドレス変えてたからウルさんになんとか渡したんだがそこで殺された」
「は?なんで?」
「わっけわかんねぇよなーって思ってたんだけどさ。死んでこっちに来て話聞いて分かったんだよ……戦争に勝つために強化兵大量生産する計画なんだってよぉ。核で全部吹っ飛んだらしいけどな」
『何やってるんだろうか企業とやらは』
「あっはっは。マジで何してんだろうねぇ、あの糞企業のババアは」
「あまのまさんは企業の親玉と知り合いなんです?」
「あー……企業の外の警備員やってたから社案内で知ってる。で、多分その実験の
「「「リアルがほんと糞じゃねぇか」」」
あっはっはと三人して笑っているが、朱雀さんにエンリ、デイバーノックがそれを見てドン引いている。
この状況で狂笑上げてるとか怖いものなぁ。
そんな三人をエンリちゃんがいつの間にか持っていたハリセンではたき倒す。
「早くどうにかしましょう」
腰に拳を当てて三人をにらみつける。
「「「はい……」」」
三人は揃って平伏して、突っ伏して返事をする。
「んじゃとりあえず知ってることを説明しておくぞ。穴があっても下手に触れないように、『無』とかいう奴らしく突っ込みゃ即死するらしいからな。アンデットだとか関係なく飲み込まれるから突っ込むなら道具生成で作った棒でも突っ込んでみてくれ。敵として出てくると思われるのはアポトーシスという奴だと思うので全滅させて構わない、恐らく狂っているだろうから会話は不可能だと思っていい。アポトーシスは侵食系のモンスターで外に出すとやばいからな……問題はタルタロスだとして穴の底にダンジョンが形成されるから脱出方法がダンジョンを見てからとしか言いようがないな……最悪脱出が不可能な可能性もある」
特定の扉がどういう条件で開けられるようになるのかが全くわかってないからな。
何でルカが開けられるのか、他のキャラクターには認識すらできない鍵を見つけられる理由、白うさぎの謎、侵食の阻止方法……謎がまだまだ残ってる場所だからなぁ。
「多少は知っているという程度で俺も全容は把握できていない。何があるかはわからないというのは覚悟しておいてくれ」
扉を開き、四角く整えられた金属製の廊下が眼前に広がる。
その廊下は明かりが灯されていないというのに一定の距離までは視認が出来るという物理法則も何もあったものでは無い証明のように奥に伸びていた。
少年は必死に走る。
裸足であるがそんなことを気にする余裕などなく、下半身の衣服を剥がされ破かれた裾が辛うじて隠せるだろうかという程度のものだが少年以外には今のところ追いかけている者しか確認できていない為羞恥などすでにかなぐり捨てている。
「マサキくぅーん」
追いかけてくる声が聞こえてくる。
少年が共にいた少女の声でありながらブリキの人形を思わせるような無機質な声。
「マサキくぅーん」
声はいつからか反響することなくまっすぐにこちらに届いているような気がする。
「(ここは……ここはいったいどこなんだ!?ぼくはゼオライマーと共に死んだはずだ!消える寸前にミクを手放して、一人で死んだはずだ!)」
だから、あれは決してミクであるはずがない。
あんなものがミクであるはずがない。
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
「マサキくぅーん」
同じ声で、同じ言葉が、いくつもいくつも聞こえてくる恐怖。
まるでエコーでもかけたように同時に聞こえてくることさえある。
そんな現実的にありえないこと。
同じ存在が複数いるという生理的嫌悪を伴う非現実的な現状を知覚して理解してしまった少年マサキは吐き気を覚え口を押さえる。
「うぶっ……」
そんな状態で前からも足音が複数聞こえてくる。
鉄版を踵の靴底が厚く作られた革靴の甲高い音を響かせながら何か棒で床を叩くような音と共に、四名の男性と一名の女性、それと信じられないことに動く骸骨と正面から対峙していまいマサキの精神は限界を迎えて意識を失う。
正気度喪失 出展:クトゥルフの呼び声TRPG
いわゆる非現実的な存在、所業を知覚して混乱してしまったり驚愕したりするさまを数値化している状態
程度の酷いものであれば発狂したり、気絶したり、異常な行動に出たりとする
軽度なものを一時的発狂、深刻なものを不定の狂気と呼ばれる
深刻なものであれば精神病のように治らないものとして定着させるプレイヤーも存在したりする
ティアマトの艦長募集
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ダイテツ
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リー
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