おっさん憑依でヒャッハーLORD   作:ししお

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前回のあらすじ
モモンガが見たら発狂しかねない小細工を仕込む
ラスボスが遊びに来た
イカ男爵は割と強い
をお送りしました


episode.8「六人party vs 1NPC」

 さて、幼女(ラスボス)蜥蜴人(リザードマン)三人に土下座してコキュートスに……いや、アインズ・ウール・ゴウンそのものに手を出さないように頼み込むしかなかったのははた目から見ればお笑い種だったかもしれないが、この村を纏めていたシャースーリューも加わって手伝ってくれたおかげでザリュースらから先鋒を任せてもらえることになった。

 全員と模擬で手合わせで叩きのめしたのは誰か(幼女三人)の見間違いだろう。

 

「武人建御雷君なら……例え相手が格下でも全力の本気装備で挑んでくるんだろうけどねぇ。ぷにっと萌え君からすれば情報を安売りしてるとかいうんだろうけどね」

 

 朱雀さんの懐かしむような言葉に相槌を打つ。

 

「えぇ、それが武人の矜持と言ってましたね。手加減された舐めプをされて挑んだ相手が納得すると思うのかって……実際、武人建御雷さんを諦めさせるためにたっちさんがわざと負けたら、キレる、でしょうね」

 

「あぁ、そうなったら絶対にキレるな」

 

「本気で挑んで相手が手を抜いてたらそりゃ怒るでしょ」

 

 コキュートスの戦いの場に上る前、相手には聞こえないような小声で会話をし合いながら、改めてコキュートスを見るが持っているのは一振りの太刀だけ。

 コキュートスからすれば武器を持つこともなくリザードマンの村を皆殺しにできるだろうに、武器を一つ持つことで本気で戦うとでも宣いたいのか。

 なるほど、シャースーリューから聞いたアインズ何某の言葉らしい。

 

『勝利の美酒を飲みたいじゃないか』

 

 嘲りと共に吐かれたこちらを弱者の集まりでしかないと驕った考えが透けて見える言葉だ。

 

「(あぁ、なんだ……つまりはそれに否を諫言できないのであればコキュートスに武人建御雷さんの心意気は残っていない、あくまで残ったプレイヤーに従うだけを由としたNPCでしかないわけか)」

 

 死獣天朱雀さんもベルリバーさんもあまのまひとつさんもそう変わらない思いだったのだろう。

 お互いに視線を合わせ一つ頷き、同じプラン名を述べる。

 

「「「「プランDで」」」」

 

 プランAはコキュートスを殺さず負かせるのみでアインズ何某を引かせるつもりだった、約束を守るならばそれで良し、約束を守りもせずに攻めるのであれば全力で殲滅をするのみ。

 プランBはコキュートスを負かした上でアインズ何某を貶めることでNPCを引き釣り出すつもりだった。

 プランCは僅差で勝利したように見せてコキュートスにも花を持たせるつもりだったが……コキュートスが進んでその選択をしたのか、アインズ何某がその選択を強いたのかは関係がない。

 その状態で戦場に立ったのだからは是非は問わん。

 

「―――サテ、アインズ様モゴ覧ニナラレテイルコトダ。オ前達ノ輝キヲ見セテクレ。ダガ、ソノ前ニ〈氷柱〉(アイス・ピラー)

 

 二度繰り返されて使われる魔法により、両者の中間、二十メートル付近に氷柱が二本、水面から突き出して境界でも引いたと言わんばかりに無粋なオブジェ形成する。

 

「戦士トシテココニ来タ覚悟持ツ者タチニハ無礼ダガ、告ゲサセテモラオウ。ソコヨリコチラ側ハ死地。進ムトイウノデアレバ死ガ待チ受ケルト知レ」

 

 まずは六人、ザリュース、ゼンベル、シャースーリュー、クルシュ、スーキュ、キュクーがその境界を越えてそれぞれに武器を構える。

 

「(双剣は身体を軸にした独楽が基本行動。回転を主軸とした円運動が攻撃の要、回避と同時に切りつけることも視野に入れる必要がある……付け焼刃ではあるがどこまでできるか)」

 

 フロストペインを模して作りだした新しい武器を分割して両手に持って腰を沈めるようにして戦闘態勢をとる。

 ただ戦闘が始まる前に境界のむこう側が騒めきだす。

 ちらりとそちらに視線をやれば幼女三名、それぞれの手に小さな旗をもってこちらを応援するように振っている。

 

「ふーれーふーれー」

 

「がんばえー」

 

「あーう」

 

「「「「「「「……」」」」」」」

 

 境界で仕切られるようにこちらが派手は沈黙が下り、あちら側では若いのから年寄りまで……リザードマンの外見年齢とかよくわからんが、全員が慌てているのがよく見える。

 

「イイノカ……アレハ……」

 

 コキュートスがこちらを心配そうな視線で問いかけてくるが、ゼンベルがその問いを突っぱね返す。

 

「なぁに、嬢ちゃんらに危害が飛ばねぇようにてめぇをとっととぶっ飛ばしゃあ良い。そうだろう?」

 

 肩をすくめこちら側を見る。

 幼女三人はある意味でこちら側に他のリザードマンたちが来れないようにする防波堤にもなっている、退かそうとしても抵抗し退くことはなく、無視して進もうとしても邪魔をして通ることが出来ないでいる。

 

「それもそうだな。さぁ、始めようか?」

 

 グレートソードを構えシャースーリューが勝負を始めることを急かす。

 

「それとも幼女が気になったからと負けた時の言い訳にでもするつもりか?フッ、アインズとやらは随分とお優しいことだな」

 

「キ……キ……キサマァァァァァァァァァッ!!アインズ様ヲ愚弄スルカァァァッ!!」

 

 安い挑発に乗って水音を響かせこちらに駆けてくるコキュートス、怒りに我を忘れているのか大上段に振り上げて威力こそあるものの軌道の読みやすい振り下ろしを高速で行なってくる。

 振り下ろされる刀に左の刃を当てて這わせるように追従しながら肘を折りたたみ体重をかけるよう左に重心を傾けるように左足で踏み込むのと同時に身体を回転させる。

 グレートソードは振り下ろしに合わせるように打ち落としを行い激しい火花と共に沼地に沈められ刀身を踏み台に踏み込み切り上げることで手首の内側を切り裂いていく。

 氷を模した刃は風を纏って切れ味を増しコキュートスの堅牢な外骨格を切り裂き内側の筋肉を断ち切って腕を一本使用不能にする。

 一拍遅れてゼンベルが駆け込み、スーキュがその駆け込みを支援する様に千本を光速で八本それぞれがコキュートスの両腿、四本の腕、尻尾の先端と中ほどに突き刺さることで反撃の勢いを殺しきる。

 

「叩き潰せっ!雷鎚(ミョルニル)っ!!」

 

 帯電する手甲がボルトを内側に収納するごとに勢いを増してコキュートスの胸板に叩き込まれ、内包された多重にかけられた雷魔法が解放される。

 

「ホーリーライト!」

 

 追撃を緩めることなくクルシュからも聖なる光がコキュートスの顔面を覆い視界を奪うことを主目的とした魔法を撃ち込む。

 

「ぜんいん、さがる……」

 

 ゼンベルが壁となり視界を物理的に潰して準備された極大魔法、キュクーの両手は上に広げるように開かれており、その両の掌からは渦巻く閃光が太いアーチを造っていた。

 

極大閃光呪文(ベギラゴン)

 

 前もって打ち合わせていたように全員が退避した瞬間にその両掌はコキュートスに向けられ、轟雷が放たれることでコキュートスの上半身が消し飛ぶ。

 勝負は十秒とかからずあっという間に終わってしまう。




ギラ 出展:ドラゴンクエストシリーズ
閃光呪文系列として知られているが、実はシリーズ第一作のドラゴンクエストでの説明書には雷魔法と説明されている……雷光も閃光だしかまわんよね?
基本的にはグループへの攻撃魔法として活用され、表現として用いられるのは多くが火炎放射の様なイメージだろうか、ダイの大冒険ではポップがギラを収束させてビームのようにしていたが……ライデインが出てきてから属性として分けるのに困る呪文である
火:メラ 氷:ヒャド 爆発:イオ 風:バギ 雷:デイン
一応炎:ギラとなるが……

ティアマトの艦長募集

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