おっさん憑依でヒャッハーLORD   作:ししお

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前回のあらすじ
説教される三人
時天空が何でか宇宙の外にいる
デウッさんついに発見される
をお送りしました


episode.11「帰還までの一幕」

 アインズ・ウール・ゴウンのコキュートスを倒し、その後に約束通りであるのであればアインズとやらが褒美を渡すと言っていたがそんなものはなく残されたアンデッドからの襲撃だった。

 

「やっぱり約束を守る気はなかったみたいですね」

 

『俺たちと違ってあいつはNPCを信頼しきっていたからな。負けた時なんてまともに考えてなかったんだろうよ……臆病者のよくある行動だな、脅威と思ったものを排除しようとする、その為なら前言も撤回するし虚言も吐くんだろう。敗北を受け入れるという器の大きさを見せることもせずにな』

 

「うーん、噂に違わぬ極悪ギルドだねぇ。約束は反故するものという前提に動くなら信用も何もないからねぇ……」

 

 武具の揺れる金属音、骨同士がぶつかり合い乾いた音、沼地に踏み込んでくる水音、巨大なものが出現する駆動音、力の奔流という爆発音、湖から生えいずる無数の肉触手たち、化さなり甲高く響く幼女達の高笑い。

 

「分相応の結果じゃねかなって俺は思うけどねぇ」

 

「あの、それはそれとして……あの子たち?止めなくていいんですか?」

 

「もー楽しそうだし、ほっとく方がいいんじゃないかなー……少なくともあの中に突っ込む勇気はないよ。ぼかぁ」

 

 森林の木が根こそぎ吹き飛びその合間合間に砕けた骨がちらほらとみられる。

 閃光が走ると寸断されたアンデッド、ナザリック・オールド・ガーダーが寸断されて吹き飛んでいく。

 触手が振り回されて骸骨が圧殺されていく様がそこかしこで見ることが出来る。

 黒い雷が幾条も迸り地から天へと昇る地獄と化している。

 

「本来ならスケルトン系って雷撃や暗黒系って無効化するはずなんだけど……もう属性が何かすら考えたくないなぁ……」

 

 サトル自身がその種族であることからその特性を良く知っているのだが、眼前の蹂躙劇はその理解を超えていた。

 

「ふぅむ。あれは地獄の雷(ジゴスパーク)だろうか?暗黒系というか別の系統なのだろう……いうなれば地獄属性とでもいうべきか?」

 

 顎に指を這わせ使われている魔法に属する攻撃をそれぞれに調べているデイバーノック。

 唖然とした様子でこの蹂躙劇を見ているエンリ、あまのま、ベルリバー。

 

「自分で言ったことも守れないなら、どうされたって文句は言えないわよねぇ。悪人に人権無し、本当にいい言葉だわ……アーハッハッハッハッハ」

 

「契約、破る、駄目、絶対。報復、実行……ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ」

 

「このゼオライマーなら!破壊の為じゃない!守るために!今度こそ、この力を守るために使うんだ!」

 

「溜まってるストレスは適度に発散しないとダメね。壊してもいい玩具があるのは本当に丁度いいわ」

 

 暴れる幼女に混じってゼオライマーも骸骨たちをちぎっては投げちぎっては投げと消し飛ばしている様ははた目から見るとどうしてこうなったのか、頭を悩ませるだろう。

 腕の光球から放たれる光線はアンデッドだけを選んでいるのか他を破壊することなく、リザードマンの村を包囲していたアンデッド達の反応が次々と減っていく。

 

「まぁ、マサキ君も……何かしたいことがあるなら手伝いますか」

 

 高笑いの間に聞こえる少年の覚悟の言葉を聞きながら、力に振り回されてきたことはなんとなく想像がつく、その力をこの先貸してもらえるなら何よりだろう。

 俺の力も仮初のものと考えて土台にすることは考えてもその力に振り回されてはいけない。

 帰るころにはスズキさん考案の訓練が始められると思うけど、そこで何か掴めると思いたい。

 

「いや止めてくれないのか……?」

 

 シャースーリューの呆れた様な声が聞こえてくるが、ベルリバーさんじゃないが俺もあれに飛び込んでいく勇気はない。

 

 

 

 そしてしばらく……五分ほど経過したころには湖周りは禿散らかし地肌の見えている地面が広がっている。

 木々はなぎ倒され、ここに来る前まで青々と葉を伸ばし自然が綺麗だったひょうたん湖はたったの五分で見るも無残な木々の瓦礫の山と化してしまった。

 

「……<天地創造(ワールド・クリエイト)>で直しますか……」

 

「あ、以前したことがあるの知ってるから俺にやらしてくれね?超位魔法の仕方も経験しておきたい」

 

「まぁ、これは仕方がないよね……流石にこんな破壊規模に到達するだなんて思ってなかったもん」

 

 そう、目の前には巨大なクレーターがいくつもできており火こそ起きてはいないがそれはもうひどい有様だった。

 木漏れ日のさしてあのリアルからすれば幻想的な風景だったあの森はもう戻ってこないだろう。

 天地創造で作り直すとしても、あくまでその人の想像からしか創り上げられることしかない、剪定を前提とした世界であってもここで暮らしている人たちがいることに違いはない。

 動物たちは戦いが始まる前に逃げていることを願おう。

 ベルリバーさんの周りに魔法陣が立体的に展開されてゆっくりと時間が進んでいく中、湖の上に翡翠色の渦が生み出され、渦はこちらから見て徐々に楕円形の形に固定されていく。

 その中から赤い巨大な指が現れて翡翠色の楕円形を無理やりこじ開けるように力を込めて空間がきしむような音を響かせながら、肉を指で引きちぎるような音を響かせながら広げてゆく。

 その様子を見て全員が新しい戦いかと身構えながら緊張した様子を見る。

 だがそんな皆とは裏腹に聞こえてくる声は何かに耐える声だった。

 

「はっ!こいつがゲッター線って奴かい!頭の中でギャーギャーうるさいんだよ!黙って、私の下に就きなぁ!!」

 

 叫びと共に割れる音が響けば空間そのものがひび割れて割れた空間には翡翠色で満たされていた。

 その空間の前に空を飛びマントをはためかせて佇む、ゲッターロボを少しスタイリッシュにしたような巨大ロボットだった。

 

「で、全員いるのかい?シズ」

 

「えー…………すみません。リザードマンばかりで見当たりません」

 

「なんだい。それじゃここは外れかい」

 

「「「まってまってまって!?」」」

 

 引き返そうとしているゲッターロボ?に慌てて大声を張り上げて引き留める。

 リザードマンの姿から俺とエンリ以外は変身を解いて異形種の姿に、俺とエンリは人間の姿に戻る。

 

「サトル様とエンリ様、それと死獣天朱雀様、あまのまひとつ様です……そちらのアンデッドは知りませんが……超位魔法の準備に入っているのはどなたなのでしょうか?」

 

「何だ居るんじゃないか。それじゃとっとと……ここはひょうたん湖ってことは……」

 

 ぐるりと周りを見て現在ゲッターロボを操っている女性は言葉を止め絶句する。

 

「今!今、元に戻すための魔法使ってますから!」

 

「本当に戻せるんだろうねぇ……?嘘だったら……」

 

 ゲッターの肩から片刃斧が飛び出しそれを握り締めてこちらに向けてくる。

 

「わかってるんだろうね」

 

 そんな殺気満載の言葉にさらされながらリザードマンたちをポ魔城に入城させ、コキュートスのドロップ品をどうするか頭を悩ませていた。

 普通に落としているアイテムは全く問題はないのだが問題のアイテムが一つ転がっていた。

 

「幾千の刃……」

 

「ワールドアイテムだねぇ……」

 

「設定的に世界に一つのアイテムだからどうしたものだろうか」

 

『生命ならおそらく融合するということは、管理者の塔を出た時に確認済みだが。アイテムはなぁ……設定的に怖いものがあるぞ』

 

 いつの間にそんな確認をしていたのか。

 

「なにが問題なんでしょうか?」

 

「ふむ……唯一無二のものの二つ目が手に入る可能性があるのであれば試してみるべきではないのか?仮に失敗してもどちらか一つが消えるだけではないのだろうか?」

 

『サトル、マサキ君にワールドアイテムの共通の概要を説明すれば、多分教えてもらえると思うぞ』

 

 そんなことを言われても俺にはちんぷんかんぷんなのでマサキ君に素直に説明をしてみる。

 曰く、かつて咲き誇っていた世界樹の葉は一つ一つが世界そのものであり、ワールドアイテムはその葉が変じたものであること。

 曰く、ワールドアイテムはそれぞれ二百存在しており、ワールドアイテムは世界を内包している。

 

「あー……あー……最悪の場合、二つの世界がぶつかり合ってビックバンが起きる……最悪の次点で単純に世界が崩壊します」

 

「マサキ君はそういった知識はどういった経緯で?」

 

「ゼオライマーで戦うために何ができるのかを知る為に調べていたのですが……」

 

 一度言葉を濁して途絶えるが、言いにくい事なのだろう。

 

『ゼオライマーが両手を合わせる行為で爆発させることが出来るんだがな……ビックバンを起こす方法として上げられてるのが反重力装置を互いに合わせることで起こせるという、現在机上ではあるがそういった理論があったと思う。反重力装置が出来てねぇから机上の空論もいいところだけどな。ただ超新星爆発(スーパー・ノヴァ)の理屈は解明されてるから、それの巨大な……それこそ宇宙規模のものがビックバンなんだろうな』

 

「(なんだか難しい話っぽいのが始まった……)」

 

 俺は貧困層出身で小卒の知識しかないんだ、そんな難しい話されても分からんぞ。

 

「ふむふむ、そんな考え方もできるわけだね。それじゃ僕は反対に一票」

 

「なんとなくわかるようなわからんような……ただ失敗のリスクがでかいのは分かったので反対で」

 

「では、俺も反対で」

 

 とりあえず皆が反対しているので便乗して反対に入れておく。

 惜しい気はするけども、爆発オチには巻き込まれたくない……でも、クリムゾン・ノヴァ位ならワンチャン耐えれるんじゃなかろうか……いや、他の人も巻き込むし……俺だけなら拾って帰りそうな気がする。

 反対が今居るギルメンの過半数を超えたので持ち帰らないことに決定。

 

「もしかしたらカルネ村で爆発が起きちゃう可能性があるので私も持ち帰るのは反対させてもらってもいいですか?」

 

 エンリも小さく手を挙げて意見を言ったところで森のあった場所が光に包まれ始める。

 倒れた倒木には苔や堆積した土から根を張ったのか草花が生え始め、荒野に波紋が広がるように木々が成長していき森が再生されていく。

 




ベルリバー=シャースーリュー
あまのま=ゼンベル
エンリ=クルシュ
サトル=ザリュース
デイバーノック=キュクー
死獣天朱雀=スーキュ
この編成でコキュートス戦をしていた
マサキ、ムジナは村で念のための防衛(コキュートス後のアンデッド対策)
幼女が暴れたのでムジナは影に戻っている

ティアマトの艦長募集

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