ゲッターロボは三人乗りであり既にミランダ、シズが乗っているため他のメンバーにもポケット魔王城に入ってもらい先にその中で危険がないか、またリザードマンたちの安全を確保してもらう。
サトルは三人目としてジャガー号のパイロットスペースに入り込む。
そして緑の渦を抜けた先には広がる闇ばかり、星々は見えず闇の奥、確かに隔てられた薄膜の先に何かが蠢いていた。
それはかつて見た、力を授けた存在とは違うもの。
ただ多様な性質を持っているようには感じられた、力を授けたものは純粋にただ一つを極めたもののように感じられたのに対して、目の前のものはありとあらゆる様々なものに手を伸ばしただ欲したような悍ましい存在。
ただ違和感を感じる。
「なぁ……俺にはこいつが敵に見えるわけだが、何で敵だと思うんだ?」
頭の中に響いてくる。
『殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ』
殺意に満ちた声で頭の中をかき回そうとしてくる。
『敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ敵だ』
敵を剥き出した鼓動が幾何学模様となって表れる。
『壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ』
破壊衝動は翡翠色の光となって機体の中を満たしていく。
「「『喧しいぞ、黙ってろ』」」
「………五月蠅いです」
三者三様、四者四様になんか勝手に動こうとする身体を一喝の元ねじ伏せる。
翡翠色の光はなりを潜め、レバーから伸びていた幾何学模様も手の平程度に収まっていた。
頭の中に響いていた声も止まって、目の前の存在が敵と認識していた意識が薄れていく。
「ミランダさんはどう見ます?」
「んー?格付けはしておきたいねぇ……なんてぇか、力があるばっかりに何も教えられてねぇ子供って感じかねぇ。ガツンとやれるのは知らせておかねぇと駄目だと思うぞ」
そう違和感を感じていた。
そういう存在だからと廃しようとされたことがある俺だから気付けた。
異形種だから殺してもいいとPKされた経験があるからこそわかる、欲し手を伸ばしたのか、知らずそう在ったのか、それはわからないが結果としてゲッター線の生みの親が敵視する現状になったのだろう。
目の前のこいつはゲッター線を、ゲッター線だという理由で恐れた。
「そうですね。それは必要だと思います、こいつは本質的に求めるものでしょう……そこに我慢を教えるに叱れる相手が必要だと思います」
「……はっはっは、いいねぇ。こいつを仲間にしようってのかい」
一瞬、間があったと思えば笑い声と共にこちらの考えを読んでくる。
「えぇ……ゲッター線の思い通りに動くよりは、面白そうでしょう?それとは別に……良く俺の考えがわかりましたね?」
「あぁ、そいつはね。ルカの奴に似てたからさ……あいつも一回誘いを蹴ったのにしつこくてねぇ。部下たちまで引き込んで誘ってきたのよ。そん時に雰囲気が似ててねぇ、なんとなくそんな感じだと思ったのさ」
まるで遠い昔を懐かしむように話を聞かせてくれた。
ルカ、確かルシファナさんの息子さんだったような気がする。
何か重要な立ち位置な人だったのだろうか。
「それとゲッター線の思い通りにさせねぇってのはいいね。進化進化ほざいてながら
何か話の方向が違うところに行っている気がする。
「しゃあねぇ……今こいつに勝つことは出来そうにねぇからよ。この怒りで空間に穴ぶち開けて帰んぞ」
怒りに震えるように力を込められた叫び声がゲッターロボの中に響き渡る。
「ゲッッッタアアァァァァァァァッッ!!」
叫び声に応えるようにゲッター線がゲッターロボを駆け巡り炎のように噴出していた。
「ビィィィーーーーム!!」
空間に撃ち込まれ水面に波紋が広がるように翡翠色の面が広がるのだが、それはサトルたちの元に来た時のそれとは大きさがひどく違っていた。
その大きさはゲッターをはるかに超えゲッターの数十倍という大きさに広がった。
「……ミランダさんとの二人で開けた時よりも広いです。高さゲッターロボの
「とりあえず、帰りましょう」
潜る為に進もうとしたとき、不意に通信が入ってくる。
『待って待って!!ちょっと待って!!ぷりぃーーーーづ!』
それは若い女性の声であからさまに慌てているような様子が聞ける限りでわかるのだが、少なくとも見渡し視認できる範囲では声の主らしい存在は確認できなかった。
その声の主は確認できないまま潜るとリザードマンの村が眼下に映っていた。
ことはなくどこかコロシアムを思わせる円形の闘技場のような場所に出ていた。
「え?何此処?」
「ん、無事戻ってこれたねぇ」
「……無事戻れました。ゲッターQの組み立ても進んでるようです」
『ぬぁぁぁぁーーーーーーん!!ようやく着いたぁぁっ!!』
着地した直後、開いていた孔から放電のような音を響かせながら紡錘形の巨大なものが孔をくぐってきた。
それの色は黒く、漆黒色をした建造物ということだけはわかるものだった。
それを知るものは一人しかおらずその警告は即座に発せられた。
『
それはスズキさんからの声であり俺だけに届く。
「マサキ君!ゼオライマー準備!ミランダさんすぐに戦闘準備を!」
まだすべては出ていないもののそれはただ巨大だった。
20km戦艦・
この世界におけるスーパーロボット大戦が始まろうとしていた。
『しかし、小説ならヘカトンケイルは拠点だったはず……どういうことだ?それに声は無機質なものだったはず、あれはミリィのように聞こえたぞ……』
ミサイルハッチが開き雨のように降り注ぐミサイルをゲッタートマホークで破砕しながら近づこうと試みるが接近を阻むように的確なレーザーで邪魔をされる。
『最低でも惑星一個丸々殲滅できるだけの火力があるはず……なんだこの違和感は……』
「ちぃ!うざったいねぇ!シズスピードでかく乱しな!」
「ちぇんじ、げったーつー」
即座にミサイルの雨を躱しながらゲッターツーの姿に変わり、ブースターを吹かして接近するためにドリルを先に出しながら突撃していく。
スピードでかく乱しながら接近する後ろにゴールが蝙蝠の様な翼を広げそれに追随して来る。
「ふん、巨大な敵。インベーダーの様な星海からの侵略者か!」
爪を伸ばし迫りくるレーザーを切り裂きゲッターの進む道を創り出す。
「ゆけい!我はゲッターに、武蔵に負けたのだ!ならば勝者への道を切り開くのみ!」
火炎放射で後顧の憂いをなくすようにミサイルを撃ち落としていく。
「はっ!流石うちの旦那だ。いくよ二人とも!チェンジッゲッターワン!」
ゲッターワンに変形合体し、ゲッタービームを撃ち出し即座に分離する。
「ちぇんじげったーつー。ドリルハリケーン」
ドリルが唸りをあげて回転数を上げ続けることで翡翠色の光を伴った竜巻が戦艦を揺さぶる。
「チェンジゲッタースリー!グラビティ・メイルシュトロォォォーム!!」
重力の渦がダークスターの装甲を削り取っていく。
『
重力の渦は収束していき、光を飲み込み始め加速度的に周りの物質を吸い込み始めていきその射線からのものを削り取っていく。
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