おっさん憑依でヒャッハーLORD   作:黒龍なにがし

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前回のあらすじ
お墓参り
サキュロント名前だけは無事に出た
香姫王都に到着
ロンデスさん法国から王国兵に就職
以上をお送りしました


episode.6「六将軍出撃」

 マグナム・ブレイクで吹き飛ばされたチョコレートスケルトンはバラバラになりながらその爆発によって起きた熱でとろけ甘いにおいを街にまき散らし、また溶けたチョコレートが白を基色とした街並みをチョコレート色に汚していった。

 

「なんという事だ……後で清掃業者に依頼を出しておかねばな」

 

 その光景にそれを起こしたバルブロは額を押さえ痛恨のミスを悔いる。

 そんなバルブロに近づいてくる三人の男たち、それは気楽に手を振りながら近づき呆れた声をかけてくる。

 

「まったく大将が囮をやるなんざ、普通に考えりゃ他の連中も止めるだろうによ」

 

 近づいてくるのは魔獣の毛皮を複数重ねて加工したハード・レザー・アーマーで身を覆いながらもその体に彫り込んだ動物の刺青が随所にみられる筋骨隆々としたスキンヘッドの男に同意する鍔の広い羽付き帽子をかぶり普通の服のように見えながらそれぞれの急所を守る様に青色に輝く金属板のつけられたブリガンダインを来ている軽薄そうな男はスキンヘッドの男に同意する。

 

「ははは、でもそれがバルブロの旦那のいつものやり方だ。真似したいとは思えねえけども」

 

 フルプレートに身を包み、フルフェイスタイプの兜を被った男も音を鳴らして腕を組んで首肯していた。

 

「やれやれ、六将軍の三人が一緒になって……」

 

「ニューマ」

 

 そんな会話の流れを切るように魔法が発動し、矢が地面に落ちる乾いた音が石畳の上に響く。

 

「マルムヴィストは周辺警戒、ペシュリアンは住民の避難勧告」

 

「気功、気功っと、じゃ俺は突撃して来るぜ」

 

「「了解」」

 

 暢気な会話を即座に切り上げ狼藉者への追跡に入るゼロに、住民の安全確保にすすむマルムヴィスト、伏兵を警戒するペシュリアン、それらを俯瞰するように配置させていくバルブロ。

 その動きには淀みなく精錬された役割分担にも慣れたものだった。

 空を飛ぶ射手に向かうゼロに向かって矢が高速で射かけられるが、その矢を何でもないように掴み取り走り抜ける速度を緩めるどころか、加速させていく。

 

「速度上昇、ブレッシング、エンジェランス」

 

 体の周りに浮かぶ光の玉を警戒しているのか射手は大きな技を使わず、細かく矢を打ち込んでいくがその打ち方に虚が混じっていないのか素直すぎて容易く手玉に取られ足を止めることもできずに加速したゼロに肉薄される。

 

「捉えた。兄ちゃんちぃっと街に被害出しすぎだぜ?」

 

 拳がめり込むのと同時に光の玉が一つ消える。

 

「発勁!」

 

 鉄板に重量物を叩き付けたような甲高い音と共に射手であったバードマンの嘴から吐瀉物が撒き散らかされる。

 実際にはまだ被害そのものは出していないが、遊びの範疇を超えた威力の弓矢であり、もしゼロがその射撃を阻止していなければ例年のような祭りという雰囲気ではなくなっていただろう。

 あくまで祭りの範疇に納める為、衛兵たちも将軍たちですら、こうして街に警備に駆り出されるという祭りとしては少々過剰ともいえる警備が敷かれている。

 それもこれも今回のように毎年暴れられると勘違いをした連中が出現する為である。

 

「こいつで反省しな。アルゼンチン・バックブリーカー!」

 

 バードマンを捕まえてアルゼンチン・バックブリーカーの形で落下するが、当然この世界にアルゼンチンという地名も名称も橋もない。

 ただ単にゼロが組技として披露したときにバルブロがその名前を漏らしただけだったりする。

 捕縛技としては手加減もしやすく相手が暴れてもそう簡単にゼロの腕から逃れられないことからよく利用はされている。

 衛兵に関節技も教授しているが俵担ぎの変形であり背骨を極めた状態で移動もしやすい、という理由から実働を許されている衛兵たちはこれを習得しているという。

 今回はそこまでの高さではないが、背骨を極めた状態で着地が待っていた。

 着地と同時に骨が折れる音が響き渡る。

 

「……」

 

「……」

 

 白目を剥いているバードマン、それを頭上で抱えているゼロ。

 そしてそれを目撃してしまった怪しい仮面をかぶった不審人物。

 

「ぺロロンチーノさん!?」

 

 近くにいた衛兵にバードマン、目の前の怪しい人物が呼んだ言葉がこのバードマンの名前ならバルブロから聞いていた性犯罪者予備軍の名前と一致している人物を預けて牢屋にぶち込んでおくように命じておく。

 

「大将から聞いてた要注意人物だ。アダマンの牢屋にぶち込んでおけ」

 

「「はっ!」」

 

「後、女は近づけさせないように。女に目がないそうなんでな、毎日そういったことを妄想しているそうだ」

 

 ゼロから告げられる言葉に連れていくために呼ばれた衛兵は笑い声をあげる。

 

「はっはっは、嫁さんもらったら鳥から猿になりそうですな」

 

「強そうなやつなのにそういったところで引かれてるんだろうよ」

 

 そんな会話を交わしながらてきぱきと槍とマントを使って簡易担架を作り上げてぺロロンチーノを詰め所へと運んで行く様を、怪しい魔術師風の大男は怒りに震えながら呟いてた。

 

「クソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違うクソが違う……違う違う違うぅぅぅぅっっっ!!!」

 

 最後には大声をあげて絶叫をする。

 その言葉は怒りに任せたものでもなく困惑からくる言葉であり、現状を疑問視したが故の叫びだった。

 仮面に手をかけその仮面を力任せに剝がし、地面に叩きつければ茶色い色をした骸骨という珍妙なものが現れ、破砕音とともに叩き付けられた仮面が魔力として霧散する。

 

「此処は我らにお任せをモモンガ様!」

 

 怒りに肩をいからせるモモンガと呼ばれた存在の前に四人の女性が飛び出てきてゼロのモモンガまでの進路を塞ぐ。

 

 

 

 

 ところ変わってエンリの作り直したお菓子を食べている最中に、窓の外にガルガンチュアがいることに気が付いてスズキはサトルに声をかける。

 

『そういや忠誠の儀での異変ってのは正解は出たかい?』

 

「うーん……こう、なんというか違和感はあるんですけどねぇ……」

 

 違和感こそ感じていながら、のど元まで来ていながら言葉にしきれないという感じでサトルは頭を悩ませていた。

 

『その答えってのは、ガルガンチュアそのものなんだよ。『攻城ゴーレムは起動したらギルド外に召喚される』。なのにあの時ガルガンチュアは第六層に来れていた、それこそが異変に外ならんのさ』

 その言葉にサトル自身が「あ」と言葉を零しあの瞬間に存在していた違和感に明確な答えを得る。

 

『だからセバスの忠義の言葉と似ているがニュアンスが違う事にもなるんだ。これは俺の考え方だがな?忠ってのは主とともに道を歩むことなんだと思う。ただ唯々諾々と命じられたことにイエスマンで肯くことじゃなくてな、主が道から外れようとすりゃ注意もするだろうし手を引っ張って元の道に戻そうともしてくれるだろう、居なくなりゃ探そうとしてくれるだろうさ。だが全肯定のイエスマンな状態のNPCだとどうなるか、想像がつくかい?』

 

 忠誠の儀という過剰に美化された自身の像を語られた背筋に冷たい汗が流れるような場面で語られた言葉を思い出しながらスズキが語った例えをサトルなりにかみ砕いて想像をしてみる。

 道とは生き方、在り方。

 道を違えるとは悪逆非道に走ることだろうか?それとも正義に目覚めて聖人君子のような振る舞いを始めることか?

 今までのいや、この世界に来てからの記憶を振り返りエンリが目に入ったときにするりと答えが出てくる。

 

「あぁ……それは嫌だなぁ……」

 

 呟いた言葉にエンリは首をかしげるが、出てきた答えに当て嵌めて考えると、あの状態では道を踏み外したとしてもきっと止めることはしないだろう、戻そうともしないだろう、ただただ主が歩く道をついてくる、きっとそれだけになる。

 疑問も持たずに、何を間違えているのかも気が付かずに、きっと外道に堕ちていた。

 そんな道を歩けばかつて同じ道を歩いた仲間から非難されても文句を言えないだろう。

 

 なんのためにあるじのうしろをあるく?じぶんがまんぞくするためさ。

 

 

 

 

「ユリ・アルファ!」

 

「ナーベラル・ガンマ!」

 

「シズ・デルタ」

 

「エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ!」

 

 四人は進路を塞ぎ、ゼロに向かって名乗りを上げる。

 それは勝って当然という心の働きであり、またメイドたらんとする行動からからかもしれない。

 ただそれをゼロは一蹴する。

 

「セイヤァッ!!」

 

 拳で殴る、ただそれだけで四人をユリの拳を横にずらすのと同時にカウンターで顎に打ち込みそのまま首が飛んでいく、ナーベラルの雷撃を回し受けで散らし振り下ろす拳で地に沈め、エントマの呼び出す蟲の猛攻を無視してそのまま正拳で昏倒させる、シズは銃弾をニューマで無力化されて拙い近距離を挑むもあっさりと撃沈。

 

「よえぇ、よえぇな。てめえらの忠ってのはそんなもんか」

 

 それを見てすぐに魔法で迎撃しようと連鎖する竜雷(チェイン・ドラゴン・ライトニング)を放つが魔法の使用に呼応するように、ゼロのがスキルを発動させる。

 

「<金剛>!<パンサー>!<レオ>!」

 

 金剛によって発生する移動速度の低下を自然神官(シャーマニック・アデプト)のスキルで打消し雷撃を拳激で消滅させる。

 捻じり突き抜けてくる拳に合わせ霧散する雷光、赤く昏い双眸と貫くように鋭い眼光が混じるとき、モモンガはのけ反る様に引いてしまったことで拳が通り抜けていく。

 交わる視線は一秒にも満たないのにゼロとの差を見せられたようで心の中の何かがひび割れる。

 

「くっ、撤退だ」

 

 その様子をみてモモンガは即座に撤退を実行する。

 それを見てゼロは衛兵たちを呼び寄せて倒した四人を確保させていく。




ゼロ 出展:オーバーロード
原作では八本指の護衛部門での六腕の頭をしていてセバスのツアレ救出時にあっさりと死亡するキャラ
なんでこんなにも強くなってんの?
ヒューマンLv10
リボーンマンLv3
アコライトLv15(RO一次職)
モンクLv10(リボーン)(RO二次職)
チャンピオンLv10(RO転生二次職)
シュラLv5(RO三次職)
ジェネラルLv10
+α
これらが原作のレベルに追加されてる為普通に強いです、強くなった理由も「元から修羅気質」であるため
強くなるために強いバルブロに教えを乞うこともしますし、強くなる為の努力も惜しまない、ガゼフも同僚なので共に強くなるという好循環も出来上がってしまった
良くも悪くも「強くなるため」に努力を惜しまない者が個人的には「修羅」といえるかな、と

ぶっちゃけナザリック特攻になる人物……ディバイン・プロテクション、デーモン・ペインが悪魔&アンデッド特攻なパッシブスキルでアコライトで所持できる
カッツェ平原がレベルアップに利用されやすい土壌(リポップあり、種族単一)な関係もあり対アンデッド装備も所持

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