魔法少女リリカルなのは 平穏に暮らしたい… 作:aizaki
遠見市にある、高層マンションの一室…
フェイトです。
部屋で目覚めたら、アルフが心配そうな顔で覗き込んでいました。
「ありがとう、アルフ」
私は心配をかけまいと、笑顔でアルフにお礼をいいます。
「いいんだよフェイト、それより大丈夫かい?」
ベッドから身を起こし、自分の身体を確認したけど、痛みとか全くないし前より調子がいいくらい。
「大丈夫だよアルフ、私、怪我をしたはずだけど治ってる。アルフが治してくれた訳じゃないよね?」
アルフは回復/治療の魔法を覚えていない。私の手の怪我は手の甲までの酷いものだ。
普通の回復魔法でも短期間でここまで早く治る事はない。
「あの子…あやかといったかな?その子が治してくれたんだよ」
あやか…あの槍を使う魔導師…魔力は低いのに凄く強い。クロスレンジで戦ったら今のままでは勝てる気がしない。
けど、勝たないと…勝って彼女からジュエルシードを奪い取らないと母さんの目的が達成できない…
だけど、私とは敵のはずなのに、なんで治療をしてくれたんだろう?
「フェイト…」
心配そうに、そして何か言いたそうに話しかけてくるアルフに笑顔で
「大丈夫だよアルフ」
とりあえず、何があったのか知らないと…
「それで、あの子がジュエルシードを消滅させた後、何があったか教えてくれる?」
私の問いかけに答えようとする前に、アルフからジュエルシードが差し出されました。
「とりあえず、これを受け取っておくれ」
どうしてジュエルシードがあるのだろう?
「ジュエルシード?確か消滅したはずじゃ…」
「このジュエルシードはさっきのあかやという子が"勝負はフェイトの勝ちだから代わりに持っていけと"渡してくれたものなんだよ」
あの子が…?彼女もこれを集めているのに、なぜ私に差し出すのだろう?
彼女は一体何者?白い子と一緒に居る以上、彼女の協力者のはずだしジュエルシードがあのフェレット持ち物だと言っていた、それにしてはジュエルシードの頓着しない。
彼女はなんの為にジュエルシードを集めてるのだろう?
知りたい事が多すぎて、考えがまとまらない。
「アルフは彼女と何か話をしたのかな?」
「ああ、フェイトがあの白い子と戦ってる時に話をしたよ」
「どんな事を話したの?」
「彼女は私達と協力できないかと思っている事を聞いたよ。それに私達がジュエルシードを集めてる理由を知っていて、フェイトの母親がジュエルシードを何に使うつもりか知っているようだったよ。」
アルフがびっくりするような事を言う。彼女は本当に何者なのだろう?
「そうなんだ…」
あの子は何が目的なんだろう?解らない…
「フェイト?…それで彼女はフェイトの母親と話をしたいと言ってたんだけどどうするかい?」
「母さんに話せるようなら話してみるけど、私達の目的はジュエルシードを集める事だよアルフ」
「フェイトがそう言うならそれでいいと思うけど、なんかひっかかるんだよね」
「とにかく一度、母さんに報告しよう。」
その前に、折角帰るんだから母さんにお土産を買っていこう!
現地のおいしいお菓子なんかがいいかなぁ
夕方、マンションの屋上で私は次元転送の魔法を使って、母さんが居る時の庭園にもどります。
アルフが代ろうかといってくれたけど、すごく調子がいいので私が魔法を使いました。
時の庭園に着いたら、アルフと一緒に母さんのいる広場へと向かいます。
母さんは私が帰って来たのを確認すると
「おかえりなさいフェイト、ジュエルシードは集まったのかしら?」
「全部は集まっていないけど、いくつか回収できたので持ってきました。あと…これ…お土産です。」
「そう…それで、いくつ集めたのかしら?」
母さんの顔が不機嫌そうになります。
「3つ…です…」
「たった3個?これだけの期間をかけて、フェイトはたったそれだけしか集められなかったの?」
母さんの顔が怒りに変わっていきます。
「ごめんなさい……」
色んな事があったけど、全部は私の力不足。母さんの期待に応えられないのは、私が悪いんだ。
「それで?どんな問題があったのかしら?」
「現地でジュエルシードを回収しているグループが居て、その子達と競争になっています。」
私の説明に母さんはけだるそうに答えます。
「律儀に相手のやり方に合わせて回収していたから、たった3個しか集められなかったという事ね」
「ごめんなさい…」
「これはあまりにもひどい、出来の悪い娘には躾が必要ね、アルフ貴方は外で待っていなさい。」
そう言って、母さんは私を他の部屋に連れて行きます。
部屋に着くと私は両手を拘束され宙吊りにされました。
その後、母さんは鞭を取りだし私に向かって振るいます。
叩かれた場所から凄まじい痛みが走りますが、歯を食いしばって我慢します。
「貴方の目的はジュエルシードを集める事、その為に手段をえらぶ必要はないわ」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「他に集めている者が居るのならば、そいつらを叩きつぶしなさい」
母さんは怒りの形相で鞭を振るいます。
「フェイト、貴方は大魔導師プレシア=テスタロッサの娘なの、母さんを失望させるような事はしないでちょうだい」
暫くすると、アルフが部屋に踏み込んできます。
「やめな!」
「何かしら?役立たずの使い魔風情が…」
アルフが母さんを止めようと話をしています。
「あんたにいい事を教えてあげるよ、とある人からの言伝なんだけど、その人が言うには"ジュエルシードを集めてもあんたの目的は達成できない。私なら最も確実な方法を知っている"だってさ」
母さんはその言葉を聞きくと鞭の手が止まりました。
母さんはゆっくりとアルフの方へ振り返り、アルフへ言います。
「私の目的を知らないような奴の言う事を信じろというのかしら?」
「さぁね、ただそいつは私達が言ってもいないのに、ジュエルシードを必要としているのはアンタだという事を知っていたし、あんたの目的も知っているようだったよ」
「一体何者なのそいつは?」
「知らないね、ただアンタと話がしたいと言っていた。信じる信じないは好きにしろとも」
「それで、あなたなら連絡する方法があるというのかしら?」
「勿論知っている。ただそいつも準備が必要だと言っていたからすぐに連れてくる事は難しいよ」
アルフの言葉に母さんは少し考えるとアルフに命令します。
「そう…それじゃぁなるべく早く連れて来なさい、嘘だった場合は…解っているわね?」
「もちろんさ、そいつは何としてでも連れてくる。ただ、そいつがあんたの期待通りかは保証できないけどね」
「構わないわ、どんな事を知っているのか楽しみじゃない。だからさっさと連れてくるのよ」
「はいよ、それじゃぁ行ってくるよ、フェイトを連れて行ってもいいかい?」
「…そうね…さっさと連れて行くといいわ」
そう言うと母さんは私の方に向かって歩いて行き
「フェイト…今の話は聞いていたわね?」
朦朧とする意識の中、私はなんとか返事をします。
「はい…母さん…」
「あなたには期待しているのよ、ジュエルシードを集めるのも重要だけど母さんの願いの為に、今話していた人をなるべく早く私の前に連れて来なさい」
「はい…解りました」
私がそう答えると、拘束が解かれ軽く浮き上がる感覚がした後、私が地面に落ちる前に誰かに受け止められました。
なんとか自分の足で立とうと思ったのですが、意識が遠のいて気を失いました。
今度こそ、母さんを喜ばせられるように頑張らないと…
その後、私はマンションベッドで目を覚ましました。
心配そうにするアルフを嗜め、痛む身体を動かしジュエルシードの探索に出ます。
その日の夕方、また新たなジュエルシードが反応しました。
なんかおかしいと思ったら脚本的な書き方で視点統一できてませんでした。
フェイトを主軸に書きましたので、時の庭園での話はこんなかんじです。