魔法少女リリカルなのは 平穏に暮らしたい…   作:aizaki

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誕生日前夜の出来事。


第三話

野宮彩華です。

明日は私の誕生日会です。

夜、私はまたあの夢を見ました。

 

気が付くといつぞやの夢の時と同じ、大きな建物の中に私は立っていました。

そしてまた、アルストゥールとの再会です。

 

「久しいな彩華よ」

「貴方に名前を呼ばれる程、親しくなった覚えはありません、そんな事より私にかけた呪縛を解きなさい」

「それは出来ぬ相談だ、そもそも我に命令できるのは我が主のみ、我が主レイリスより受けた命は四天の魔導書の継承者を探す事、四天の魔導書を完成させる事、新たな主が最高の魔導師となる為に手助けする事だ」

要するに、私は継承者ではあるが継承してないので主ではないという事ですね、四天の魔導書とやらを継承するのであれば新たな主として私のいう事を聞くということでしょうか?

「だったら、私の生活の邪魔をするな!私は魔導師になるつもりはないから、そんな嫌がらせをしてもその気にはならないぞ」

「嫌がらせ?何の事だ?」

不思議そうにアルストゥールが尋ねる。

「とぼけるな!私の魔力を根こそぎ奪ったり、魔力を使わなければ指先ひとつ動かせなくなるようにする事だ!」

あれが嫌がらせでなければ、なんだというのだ!

下手をすればまともに生活すらできなくなるというのに…

「ああ、魔導師としての鍛錬の事か」

こいつは、今なんといった?

「た…鍛錬?」

「その通り、魔力吸収に対する対応は魔力の制御技術の向上に、魔力ギブスに対する対応は魔力の運用技術の向上に繋がる。いやはや、やり方を教えてくれと頭を下げてくると思っていたが、自分の力で何とかしてしまうあたり、彩華には天賦の才がある、腐らせるには実に惜しい。」

だめだ…こいつは恐らくプログラム通りに遂行しているに過ぎないから、人の心など解らないのだろう。

資質を持つ者見つけたら鍛え、本人の意思とは関係なく相応しい能力の持ち主として育て上げる。

魔法を使いたいと思う人間にとってはこの上なく便利な存在だが、そうでない私のような人に対してはこの上なく邪魔な存在。

だけど、こいつをどうにかするには魔法をつえるようになるしかない。

魔導師に…なるしかないようですね…

私は覚悟を決めた。

「アルストゥール、聞きたい事がある」

「何なりと答えよう」

「私は魔導師になってもいいと思っているが、最高の魔導師を目指し鍛錬するつもりはない」

「問題ない、彩華の考える最高の魔導師と我の定義する最高の魔導師は異なる。我の定義は彩華が一人前の魔導師となり四天の魔導書を完成させる事」

「四天の魔導書の完成とは?」

「魔導書の999頁を揃える事だ」

「その方法とは?」

「リンカーコアより魔力を蒐集し書に魔力を満たせば、頁は埋まる」

「魔力を蒐集された者はどうなる?」

「吸いつくされた者は死に絶える、吸い尽くさねば死ぬことは無いが、蒐集量に関係なく一人につき一度しかできない」

「それ以外に方法はあるか?」

「ある、それは他者の使った魔法を記録する事」

「前者と後者の違いは?」

「前者は優れた魔導師であれば一度に十数頁埋まる事もあるが、後者は一人につき一頁しか埋まらない事、一人の魔導師に対してどちらかしか選択できない」

な…なるほど…約1000人の魔導師と戦わなければならないという事ですね…

「一人前の魔導師となるには?」

「我の示す鍛錬を行い、全てを修了する事」

「私は人生を魔導師になる為に費やす心算はないけど?」

「そこは…善処しよう。鍛錬の内容とその目的を説明する、彩華はその鍛錬を行う時間を決める」

選択肢は…無いわね、同じやるならまだ自由のある方にした方がいい。

「わかったアルストゥール、四天の魔導書の主になるわ」

「感謝する。彩華」

そう、アルストゥールが答えると、私の目の前に四天の魔導書が現れた。

四天の魔導書に掌を触れると足元に大きな魔法陣が現れる。

色は虹色、上下左右と中心に円があり謎の図形が描かれている。

更には隣り合った円を結ぶように帯が繋がって、向かい合った円同志を繋ぐ帯は中心の円を避けるように2本ずつ、菱形を象った形で繋がっている。

中心の円の中には六芒星が描かれており、各頂点から中心の小さな円に向かって帯が繋がっている。

帯にはよくわからない文字が描かれており、小さな円の中には剣十字が描かれていた。

 

「契約の祝詞だ声に出して告げよ」

アルストゥールがそう告げると、私の頭の中に言葉が浮かぶ

「我は四天の織り為す王、契約のもとその力を解き放て

夜天に広がる無限の空へ

陽天の標となりし黄道より至りて

月天の標となりし白道より戻らん

星天の如く煌く魔導を集わせよ

四天の魔導書、起動」

 

言い終わると共に魔法陣が一層輝きを増して、視界が塗りつぶされる。

光が収まった時には、魔導書は目の前から消えていた。

「四天の魔導書はどこに?」

「汝が願えば汝が元に現れるし、魔導師としての装束を纏う時にも同様に現れる」

魔導書を取りだそうとすると手元に現れ、仕舞おうとすると手元から消えた。

「なるほど、便利ね」

「これにて契約は完了した我が主よ、我は魔法支援機(デバイス)のアルストゥール、四天の魔導書が完成するまでよろしく頼む」

「よろしくアルストゥール、これからはアルスと呼ぶわ」

「了解した、我が主」

「さてアルス、主としての命令です。私にかけた呪縛を解きなさい」

「残念ながらその命令は承服出来かねる、我が主よ」

こ…これって詐欺の手口ですよね?言う事を聞かせるだけ聞かせて、こっちの要求は突っぱねるって…

「誤解しないでもらいたい。我としてもできれば解除したいが、何より主と書を護る為には今はまだ解除するべきではない」

「どうして?」

「それには、まず昔話をしなければなるまい。

今はもう無き古代ベルカと呼ばれる世界に於いて四天の魔導書を元に、四冊の写本が作られた、

書の名前は夜天の書、陽天の書、月天の書、星天の書

夜天の力を持つ書は魔法の蒐集と行使に優れ

陽天の力を持つ書は魔法の解析と魔法式の復元に優れ

月天の力を持つ書は魔法の複写と魔法式の構成解除に優れ

星天の力を持つ書は魔法式の改良と対抗魔法の生成に優れた

書はその作られた目的通り、魔導の発展に大きな力を発揮しした。

しかし、四冊全て力を求める者、悪意ある者により、奪われ・改変され、破壊されて全ての書は喪われてしまった。

ましてや、四天の書はその四つの原書だ、護る術を持たない者が持ち主だと知られた時、持ち主の危険は計り知れない。

その存在を知られる訳にはいかぬ故、今はまだ我が主にかけた制約を解く事はできぬのだ」

「そう、わかったわ。自由になりたいのなら早く一人前になれって事ね」

「それでは、我が主よ、戻るとしよう」

そう、アルスが告げると、私はベッドから目が覚めました。

朝起きて試してみると、魔導書はちゃんと手元に現れますし、アルスは呼びかけに答えます。

 

お父様、お母様、お兄様、彩華は本当に魔法使いになってしまったようです。

 




設定とか呪文とか
みんなよく思いつきますよね、すごいです。
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