現役生活二十六年。疲れたので、バ美肉して野球解説系Vtuber始めます   作:義藤菊輝@惰眠を貪るの回?

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 再編版です。書き直しました。


5/24(日) 第一回 新規参入メンバー対抗ウィアクラ戦争

 5/24(日)

 #ばーちゃりある #ウィアクラ #戦争 #大型企画

【ばーちゃりある】最後に笑うのは、ワテクシ達ですわ【ウィアクラ戦争】

 

 ここまで一か月間頑張ってきた。

 4月14日にこの企画に対する説明会と打ち合わせを行い、同月21日から専用のサーバーへとログインを始めた。

 そこから自分の陣地を同チームとなったメンバーと視察を行い、陣地を形成する気候や地形に合わせた拠点を作るべく、自分たちのチームのメンバーが一堂に会するときまで資材を集め、ウィアクラが得意な3期生の神室木(かむろぎ)アスカ先輩が主導となって地形にあった拠点を作り上げた。

 

 森林バイオームを基本としたマップの外周にある、谷のように形成されている雪山バイオーム。雪の谷の間に挟まれるように、スロベニアにあるプレジャマ城をモチーフにした拠点を作っている間には、敵情視察を行いながら妨害され、地上になぜかあったマグマだまりにハマり、トラップタワーを建築することで自分たちの力を蓄えていく。

 

 まさか、途中で女子会に強制的に参加させられるとは思っていなかったが。

 

「そうですわね。ワテクシ達のチームには現場で指揮をとれるワテクシと、全体を見ることに長けた土鈴先輩がいらっしゃいますわ。確かに決定打を生み出せるほどPvPが得意なものはいませんが、同じ二の舞にはならなくてよ?」

 

 朝比奈さんのチームに向けて行った略奪作戦ことオペレーション・トルネードや、牧野くんのチームの資材を奪うために行ったオペレーション・モンスターストリーム。成功に終わったトルネードと失敗したモンスターストリームから戦闘における作戦も何度も考えた。

 

 コメント欄はがんばれ!! という言葉や、応援している!! といった言葉で溢れており、中には投げ銭機能を使ってくれる洋民までいる。

 

『よし、チーム発表と各チームのリーダーによる決意表明も済んだ。3人にはここで通話から出てもらい、夢走と二人で本放送を盛り上げてく! 3人ともありがとな』

 

『はーい!』

 

『よろしくお願いします』

 

「皆様よろしくお願いいたしますわ」

 

 企画を立てたムジカ先輩の進行に従い、今大会の本放送枠用に作られた通話ルームから退出し、今度は自分たちのチーム、【お嬢一行~パンダを添えて】のメンバーが入室している通話ルームに切り替える。

 

「皆様、よろしくお願いいたしますわ」

 

 このサーバーにログインしてから初めて自分で採掘し、作ったダイヤの剣【東栄四番の釘バット】を右手に装備し、左手には前もって用意していたHP回復用のステーキを持つ。

 

『よっしゃーやるでー!!』

 

 ゲーム画面に出てきていたカウントが0になり、Let's start the CRAZY WAR !! という言葉で大会が始まったことが知らされる。

 

「さて、手筈通りにいきましょう」

 

 和泉先輩は拠点の一番高い塔の見張り台へ。谷に建設した補助的な見張り台には、朝比奈チーム側へ杏と菫の2人。牧野チーム側への見張り台にはパン田とワイバ先輩の2人が持ち場として立つ。

 アマグー先輩は地下から朝比奈チームの拠点を監視するために動き出し、雷音先輩は、ジャングルに隠れるように牧野チームのペンタゴンの方向へと向かった。

 ワテクシと神室木先輩。土鈴先輩の3人は今のところ待機状態。

 

「最後に笑うのはワテクシですわ」

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 

 5/24(日)

 #ばーちゃりある #ウィアクラ #戦争 #大型企画 #企画本放送

【ばーちゃりある】てめーら!! 勝ち鬨を上げろぉー!!【ウィアクラ戦争】

 

『ここまで20分。ムジカさん的にはどうですか?』

 

「うーん。どのチームも様子見をしすぎてるかな? って感じだね」

 

 敷島チームはアルレヒト・マルク・グレイスと雷音導。

 朝比奈チームは道端のたまとエラ。そしてリーダーの朝比奈クル。

 牧野チームは幸田楓花と清水浜真凜。いぬいと中崎花。

 

『もうちょっとバチバチに戦ってほしかった感じですか?』

 

「まあ情報戦で展開するより、殺し合いしてくれる方がリスナー的にもわかりやすいと思うしね。いざとなればおじゃま虫部隊の2人には、何人か殺してもらうことになるかも。大丈夫?」

 

『そこの調整はしないとですね。問題ないですよムジカさん』

 

『はいはいおっけーですよー』

 

 その時はその時で公平になるようにルーレットを回す準備はしている。まずは、今起きていることを見守る必要がある。

 全体的な動きであれば、朝比奈チームが半分を超える6人で敷島チームの拠点の地下に侵入していること。

 

『先頭に立つのはのたま。積極的に掘ってますけど、敷島チームの地下の構造をわかってるんですかね……』

 

 スペクテイターモードを使って6人を見守っているムジカ視点の映像が本放送では流れているが、地下道に出たのたまが何も考えずに右へと走っていったのを見て、分かってないな。と結論をつける。

 

『あ、のたまが落とし穴に引っかかった。うわ!! クルたちも引っかかった!!』

 

 敷島チームの拠点はトラップだらけで構成されている。落とし穴、マグマ、ダイナマイトに弓矢。凶悪すぎるトラップは監査として改修命令を出したが、さすがに把握しきれていないものもある。

 

『リーダーの朝比奈さんを含めた6人は水流とピストンに押されて、ガラスの前、おや、敷島チームのリーダーである敷島洋美の前に……』

 

 Hiromi-S / マグマダイブをナチュラルに弄られた恨み!!

 

「これあれか!! マグマダイブってどんな気持ち? ってやつか!!」

 

 やべえ、おもれぇ。と笑い続け、涙出てきたなんて言うムジカ先輩につられて、本放送に声を乗せている3人も笑い出す。

 

「のたまとか瑠衣とか関係ねぇのにやられてるんだけど。てか、斬られて飛ばされてんのに毎回毎回戻されてるし」

 

 地面は氷、足元は水流。体はピストンによって押し出され、どれだけ後ろに下がろうとしても最終的には洋美の目の前にまで戻され、また攻撃を食らう。

 

 Notama は Hiromi-S の【東栄四番の釘バット】によって 殺された

 ERAAAAAAAA は Hiromi-S の【東栄四番の釘バット】によって 殺された

 KURUKURU は Hiromi-S の【東栄四番の釘バット】によって 殺された

 

 続いて瑠衣、リーゼローズ、鹿子と順番に殺されてしまった。

 

『きょ、凶悪! 凶悪なトラップとしか言いようのない水流トラップで、リーダー自ら朝比奈チームの6人を倒しました!!』

 

 刀義によって石ブロックなどを置いてしまえば押されるのを止められるのでは? と疑問が出てきたが、場所によってはピストンによる圧死の可能性があると加納によって答えが出る。ピストンが作動するための仕掛けもばれにくいように工夫されており、単純に素晴らしいトラップだ。

 

『一気に人数が10人から4人に減ったうえに、ポイントも11から4へと減少した朝比奈チーム。ここからは厳しくなりそうですね』

 

「ここからは試合展開を早めるためにいくつかイベントを起こすつもりなんだけど、叶夢と岳におじゃましてもらったりとかは、ルーレットで決める以上運が朝比奈チームに味方してくれるかが問題だな」

 

 テレポートによって、敷島チームの拠点地下から朝比奈チームの拠点にいた癒子のもとへ飛ぶと、今度は彼女たちはチェストを漁っている。

 

 上位チャット

 コメント:移動するんじゃね?

 コメント:この人数で動いて大丈夫なのか?

 

「これさ、セインがバトロワとかしてるけど、エリア縮小が発生するとかなんとかいったのか?」

 

 拠点にいるメンバーは那須癒子、卯月美トト、タルトタルト。そして、牧野チームの拠点に近づいていたセインが、拠点に向って戻ってきているところ。

 

「牧野チームはどんな感じだ?」

 

 視察のみで静観を続けている牧野チームだが、それぞれのチームに二人ずつ送っているだけで、特に何かをしているわけじゃない。試しに先ほど鮮やかな手腕で6人を屠った牧野チームに向った清水浜のところにテレポートする。

 

『セデス先輩が出てきましたね』

 

「真凜は気づいてないな。ちょうど後ろだし……」

 

『セデス先輩が? 清水浜先輩を? 攻撃し始めた! 逃げる逃げます清水浜先輩』

 

 peny-ha-izumi(和泉ペニー) / 我こそは、ピエロ版那須与一なり!!

 

『おおー。当たった当たった』

 

 敷島の拠点にある見張り台の一番上。赤と黒の2カラーの髪の毛をしているピエロが構えた弓が、2発真凜に的中する。

 

 SHIZUHAmarine(清水浜 真凜) は peny-ha-izumi の Hi ! ジョー痔 によって 射抜かれた

 

『倒した!!』

 

「おお! 敷島チームで一番最初に死ぬと思ってたのに。ゲーム慣れしてる真凜倒すとか大金星じゃん」

 

 ゲームが開始してからだいたい25分。これで脱落したのは7人。内6名が同じ朝比奈チームではあるが、だいたい全体の1/3にあたることもあり、運営側も動く。ムジカは既に伝えてあった通りコマンドを操作してくれる。

 

『さあここで、エリア縮小の通達。収縮開始は約5分後、残り時間が30分になれば開始し、その大きさは今の約2/3ほどの大きさ。マップ出ますかね? 出ましたね、こんな感じに縮小します』

 

 各拠点の位置は、だいたいがマップの範囲ギリギリ。特に敷島チームの拠点は一番端。牧野チームのペンタゴンもかなり外周に近い。このエリア縮小は、単純にマップ範囲を狭めることで戦闘が起きやすくするのと同時に、拠点から離すことで持ちうる資源をある程度制限する意味がある。

 

『なぜか動き出していた朝比奈チームに対して、敷島チームは遠隔チェストを使うことで代用しますね』

 

「敷島チームは、事前に作り上げていた塔に伸びる地下通路に行ったな。まあ、あそこは塔の壁が黒曜石だし、中の素材もダイナマイトに関係するものがほとんどだから、あまり大きな戦力補充にはならないが……」

 

 一度この塔を見に来ていたいぬいと中崎花が塔のもとに到着し、しばらくすれば牧野チームの全員が到着する。敷島チームは地下にある塔への入り口の近く。あとは塔内部の階段を駆け上がれば、弓を射るための足場へと到着する。

 そして、牧野チームと敷島チームで先に塔にたどり着いたのは敷島チーム。

 塔の下から様子を見て、屋根に設置されている分配器を御前が気にしている。

 

 PandA / 頭上注意やで?

 violet(命菫) / kiwotukerunojao?

 

 敷島チームで一番に塔を登り切ったパンダが、あらかじめ作っていた回路にスイッチとなるボタンを取り付け、そのまま押す。すると導火線が燃えていく音が聞こえ、塔を取り囲むように8つのダイナマイトが降り注いだ。

 

 牧野の声に反応できたメンバーは塔から離れることができなかった御前だけが、ダイナマイトの爆破に巻き込まれてしまう。

 

「これで朝比奈チーム6人の牧野チーム2人……。よし、ルーレット回すか!!」

 

 ルーレットの内容は、プレイヤーキルやアイテム付与、仲間の追加などがある。プレイヤーのキルや仲間の追加にも人数があるが、結果はプレイヤー1人を殺す。というもの。

 

 上位チャット

 コメント:きたきたきた!!

 コメント:間引くのか

 コメント:セデス行こうセデス

 

「コメント欄はセデスを殺してほしいってので溢れてるけど、それもルーレットだな」

 

 ルーレットの結果は、視聴者の要望通りアルレヒト・マルク・グレイスを対象にする。という結果になる。

 

 Kanotomu(加納叶夢)A-M-G(アマグー) にテレポートさせました

 TogiAgo(刀義岳) を A-M-G にテレポートさせました

 

 地下にいたセデスのもとへ二人を飛ばすと、仕事をきっちりこなしてアルレヒト・マルク・グレイスを殺す。ゲーム内チャットでチームメンバーに助けを求めていたが、チームはチームで牧野チームと防衛戦を行っているので助けることができない。

 実際、上から弓を討ち続けていた菫が、下から弓を放っていた幸田の【きたへふ スライダー】によって射抜かれて絶命している。

 

 時間は残り25分。どんどんとダイナマイトを導入し塔が奪われないようにするパン田先輩のほかに、上から三つ又槍などでちまちま攻撃する敷島チーム。と、塔の中の資源や人数を倒したい牧野チームが戦いあう。

 

『オーっと! 突破口を開こうとしたダニエルと中崎が弓矢でいられました!!』

 

「杏も相打ちでやられたな」

 

 防衛線というのは戦況が進みづらく、また攻略側は死んではいけない状況ゆえに攻撃のペースが遅くなる。そんな中で、牧野チームは香取と土鈴。そしてワイバの三人を倒し、敷島チームは中崎とダニエル。蔀の三人を倒す。

 

「残りは何分だ夢走」

 

『そうですね、残りは15分くらいです。そろそろ復活イベントを始めてもいいと思います』

 

 運営が動き始め、おじゃま虫の加納と刀義が予定された場所へと移動する。

 

【復活イベント 深淵の祭壇を見つけ出せ 制限時間 10分】

 

 それぞれのチームリーダー、朝比奈チームには那須癒子に対して【深淵の経典】という名前のアイテムを渡し、指定ポイントに収めに来いと指令を出す。

 もちろん運営側も加納と刀義の2人に侵入を妨害する動きを求める。

 

 朝比奈チームは、2チームから少し離れた位置から地面を掘る。牧野チームは、敷島チームが放つダイナマイトによって開けられた地面の穴へ入ろうと考えているのか、まだ動いていない。敷島チームは、自分のあけた穴を使うか悩んでいる様子。

 

『制限時間は残り15分です!!』

 

「ラストスパートに期待だな」

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 

 5/24(日)

 #ばーちゃりある #ウィアクラ #戦争 #大型企画

【ばーちゃりある】最後に笑うのは、ワテクシ達ですわ【ウィアクラ戦争】

 

 やってしまった。

 そう思わずにはいられなかった。

 

 パン田先輩に作ってもらった中心近くの塔。ここで防衛戦が起きてしまったのは問題ない。展開によってはあると思っていた。なのに、復活イベントのエリアがほとんど真下の地下だとは思っていなかった。

 

「どうしましょう。ワテクシ達のダイナマイトでだいぶ地面が削られていますわ……」

 

 近くには牧野くんたちもいるのだ。

 地下だから。と、ダイナマイトを使って地面に穴を開け続けてY:0まで行くことはできる。幸いにも、XとYの座標位置が違うから、復活ポイントを壊すこともない。

 

『時間が勝負。お嬢、掘るよ』

 

 一度止めていたスイッチを、神室木先輩がもう一度つけ、ドカン! ドカン! と爆発音を発しながらどんどんと地面が削られて行く。

 もともとは、この拠点に侵入されないように威嚇するためのダイナマイト装置だった。なので、備蓄のダイナマイトも大量にあるのだ。アマグー先輩が、トラップタワーを使ってクリーチャーを大量に殺してくれていたから。

 

『牧野くんたちが来てもいいように岩盤に到達したらみんなで降りよう。どこかで水も流れるだろうし、死なないように飛び込んで、ほかのチームが来たら防衛をすればいいから』

 

『せやせや、雷音さんの言う通りやで』

 

 パン田先輩も和泉先輩もこの作戦に賛同してくれる。

 

「それでは、岩盤が見えたら一斉に飛び降りますわ。ですが、飛び降り失敗して死んでも知りませんから悪しからず」

 

『そんな、落下死なんてする奴なんておらんて。僕ならともかく、雷音とアスカはんやで?』

 

 上位チャット

 コメント:1/3って結構デカくない?

 コメント:大丈夫やって

 コメント:パン田、今お前が一番死にそうだぞ!!

 

 地下を覗く。変わらず爆破し続けるダイナマイトによる効率化はすさまじく、手で掘る何倍も速い。この速さならすぐに岩盤へと到着するだろう。本放送でもムジカ先輩が驚いていた。いや、この施設の目玉なんだからわかっていてほしかったが。

 

『爆破採掘は効率がいい分散らばりますが、現状きれいだろうが汚かろうが関係なくスピードが必要ですからね』

 

『本当に速いな爆破だと』

 

 パン田によって作られたダイナマイトは、ほんの数分で岩盤の近くまで掘ってしまう。

 

 行きましょう。

 誰が言ったのかはわからないが、その一言でワテクシ達は動き出す。カウントダウンを挙げ、1から0へと変わった途端、一斉に皆で飛び込む。もちろんダイナマイトの射出は止めているので、上から打ち落とされることはない。

 

 LionDO は 高いところから落ちた

 Godtomorrow は 高いところから落ちた

 peny-ha-izumi は 高いところから落ちた

 

 ジャボンッ! と着水音を立てて着水したのはワテクシとパン田だけ。雷音導と神室木先輩。そして、ペニーさんは、底に溜まっていた水の上ではなく、少しだけ顔を出していたただの石と激突した。

 

 静まりかえる配信。

 地面に散らかる無数のアイテム。

 顔を見合わせるワテクシとパン田先輩。

 

『これって……僕悪い?』

 

「いいえ、悪くないと思いますわ」

 

 

 

 


 

 

 

 PandA は 爆発に巻き込まれて死んだ

 

『あの……。飛び降りすればいいと言った雷音先輩が真っ先に落下死し、後追いするかのよう神室木先輩と和泉先輩が飛び降りして……。まともに降りられたのがワテクシとパン田先輩だけ。さらには、即席のダイナマイトトラップ作ると言って暴発事故でパン田先輩も死ぬって』

 

「やばいやばい! このままじゃ負けちゃうよ洋美ちゃん」

 

 相も変わらずライトがつかない小さな部屋。

 髪は前までのようにぼさぼさではなく纏まっており、きれいに三つ編みのおさげが作られている。汚れが付着していたままの眼鏡も綺麗に拭き取られ、今はパソコンに映る彼女の大好きなVtuber の配信が反射している。

 

「頑張って頑張って……」

 

 ウィアクラ戦争が始まってもう残りは十分近く。一番人数が減ってしまったのはうっかりミスが立て続けに起きてしまったチーム【お嬢一行~パンダを添えて~】であり、画面を見つめ、両手を握る女の子が応援するチーム。

 

『よし! あのへんな奴がなんでしたっけ……ああ、深淵の祭典? ですの?』

 

 見つけたのは、石のレンガで囲われた小さな空間。中心に台があり、おそらくそこに配布された深淵の経典を設置するのだろう。

 

『え? 弓矢?』

 

 インベントリを開き、手に持っていたたいまつをしまい新たに盾を手に持とうとしたとき、インベントリ画面を開いたときに映る自分のキャラクターの右側頭部に一本弓矢が刺さる。

 

 うわ! 牧野くん! と驚いた声とともに盾を構えるが、敵は牧野だけではなく、彼とともにいた元舞と幸田が寄ってくる。

 

 FU-KA.happy / 迎えに来たよ

 

『うん。普通に怖い』

 

 FU-KA.happy / お姉ちゃんと帰ろ?

 

『こう言うのを何というのでしたっけ……。メンヘラ? ヤンデレ? シスコン?』

 

 上位チャット

 コメント:お姉ちゃん! 妹さんを僕に下さい!

 コメント:ごめん、洋美は俺のだから

 スーパーチャット:これ、婚約指輪 300円

 

「300円の指輪って、絶対露天商の買ってるし! てか、洋美ちゃんは私の……」

 

『かかってきなさい幸田さん! ワテクシには、釘バット……壊れてましたわ。それじゃあこっちの、弓矢【代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン~選手兼任監督~】で攻撃しますわ。きたへふのスライダーなんて打ち返しますわ。同じスライダーですし甘く来ればスタンドインですわ』

 

 体を揺らしながら悪そうな顔をしている洋美に、女の子も思わずニヤリとする。

 

 ricericerice / やあやあやあ! 我こそが、ミルキーウェイが一番槍! 米の元舞!!

 

『い、いや、元舞先輩も来るんですか?』

 

 ricericerice / いざ尋常に

 

『幸田さん? せめて元舞先輩が言いきってからにしてあげて!?』

 

 元舞の口上を無言で無視し、ワテクシを攻撃する幸田。

 ただやられるつもりは少しもないので、きっちりと反撃するが多勢に無勢。私1人に対して牧野くんも含めた3人だとどうしようもない。

 

『申し訳ありません皆様。洋民の方も、それ以外の方も……。ワテクシ達の旅路はここまでのようですわ』

 

 Hiromi-S は FU-KA.happy の 赤ヘル衣ちゃんの釘バット によって殺された。

 

「くそ~。まあ仕方ない仕方ない!! こういうときもある!!」

 

 女の子が応援するチームはあともう少しというギリギリのところで負けてしまった。その後は、リーダーのいない朝比奈チームを那須癒子が支え続け、牧野チームがおじゃま虫の刀義先輩に邪魔されている間に深淵の経典を祭壇に設置した。

 厳正なるルーレット復活したのは、序盤でチームの半数以上を殺してしまったトラップへ誘ってしまった「道端のたま」。本人も復活できるとは思っていなかったため、ゲーム自体も落としていたため、彼女がゲームへ再ログインしたのが残り二分の頃。

 

 これで那須、タルト・タルト、セイン、のたまの4人が牧野チームと人数では並ぶ状態になる。

 

『最後の最後で、残り1分のタイミングでバトルが始まった!! おっと!? 癒子先輩とタルタルが? 洋美お嬢がダメージを与えていた元舞と幸田さんを倒して、タルタルも倒されて時間終了!!』

 

 敷島チーム 生存者なし 0ポイント

 牧野チーム 牧野芳墨 雨宮かぐや 3ポイント

 朝比奈チーム 那須癒子 道端のたま セイン・バルディー 3ポイント

 

『チーム【私たちが優勝だよ】とチーム【ミルキーウェイ】はともに3ポイントという結果になりましたが……』

 

『ルールに記載している通り、同じ点数のチームがいる場合、リーダーがいるチームを優先する! よって、第1回ばちゃりあ新人対抗ウィアクラ戦争の優勝チームは! 【ミルキーウェイ】!!』

 

「あー、あの落下死がなぁ、大きかったなあ……」

 

 優勝インタビューを牧野くんが受け、悔しがる朝比奈さん。敷島さんは優しく微笑みながら二人を眺めている。それを司会の迫にお母さんの微笑みと言われてしまった。

 

『とても楽しい経験でしたわ。まったくしたことのないゲームに初めて触れて、仲間とともに、残念な結果でしたが、それでもまたやりたいと思う大会でした』

 

『よし! 第1回のウィアクラ戦争はかなり面白い展開になった。企画した者としてもとてもうれしい』

 

 各チームのリーダーの感想を受け、企画者であるムジカが総評を行う。コメント欄は、ムジカや迫、あと運営側として楽しんでプレイしていた二人にもお疲れ様です。という言葉で溢れかえる。

 

『よし! ここでてめーらに重大発表だ!!』

 

 画面が変わり、ムジカ、迫、6期生の立ち絵が画面から消え、代わりに大きな文字が浮かび上がる。

 

ばーちゃりある新規オーディション開催決定!!

 

『ばーちゃりあるはこれより、新規メンバーを募集するオーディションを開始する!!』

 

 期間は5月の末日まで、5分間程度の音声を録音し提出。

 内容はどんな内容でもよく、アピールなども何もかもを含めての5分。

 

『私たちと一緒に夢を追いかけよう!!』

 

『スタートはいつでも遅くないですからね?』

 

『そうですわ。現にワテクシはアラフィフ。そんなワテクシも、ばちゃりあの一員として楽しませていただいておりますわ』

 

 詳しい内容はこちらからと書かれたURLを私は見て、急いで打ち込む。

 そこには確かに、ばちゃりあのオーディション専用のホームページができていた。

 

「これだ。わたしにできるのは、これだ!!」

 

 女の子は、吹井兆葉(ふくい かずは)は、画面を見つめた。




 しばらく消えます。またすぐ戻ります。

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