現役生活二十六年。疲れたので、バ美肉して野球解説系Vtuber始めます 作:義藤菊輝@惰眠を貪るの回?
今日の配信に使うものを準備する。
手元の資料はもちろんのこと、配信中に映すものが全てあるか。忘れたものはないかの確認も行う。
「あとお茶か」
凭れていたゲーミングチェアーから離れ、少し離れたところに置いてある小さなドリンク用の冷蔵庫からお茶を取り出す。今日は緑茶だ。といっても、緑茶か麦茶しか置いてないのだが。
今日は18時ごろから野球に関する配信を行い、そのままの流れで別枠を作り、視聴者参加型の麻雀を行う予定。最近触れていなかったのでうまく打てるかは不安だが。
「よし、やるか」
デスクトップに置いてある、敷島洋美と書かれたフォルダーを開き、配信に関する全てのアプリを起動する。すぐさま目の前のモニターが、あのホームランを打った時のライトスタンドから配信用の背景に変わる。
ボイチェン。その他もろもろの起動と作動を確認した私は作っていた台本に目を落とした。
8/28(金)
#洋美のプレイボール
【教えて】そもそも、野球がどういうものかご存知?【洋美様】
「はい。皆様ごきげんよう。花金企画の前に、前から要望があった野球講座的なものを始めますわ」
コメント:お、メガネだ
コメント:今日は制服なんだ
コメント:後ろ黒板じゃん
講座企画ということで、学校っぽい。略してガッポイ感じに配信をするかげんで、ネットに転がっていたフリー素材の黒板背景をお借りして配信を始める。
「さっそくですが注意点ですわ。今回の企画は、あくまでもワテクシの配信をみて野球を見始めた方。これから野球見てみたいなぁ。と思っている方向けの、ライトな内容の企画です。なので、こんなんも知らんの? 的な嘲笑うコメント等はしないように。というか、ワテクシより野球に詳しくないのですから、マウント? を取ろうとしたところで無駄ですわよ」
コメント:つよ
コメント:そりゃそうか
コメント:いきりたいだけのやつよりなぁ
コメント:説得力が違うな
「ワテクシと対等に語りたければ央さんか、克村さん。星合さんあたりを呼んできなさいな。良いですわね?」
前置きはこのくらいにして、さっそく始めよう。
「そもそもワテクシの配信。特に試合解説は野球を知っている。見ていることを前提にしているため、用語をある程度使ってますわ。ですので、そういうのを一度取っ払いましょう」
まず野球とは、ということで話すのは、1チーム最低9人以上の2チームで対戦するスポーツであること。表、裏という表現を使い明確な基準の中で攻守を変えつつ行うゲームである。
「この基準というのはアウト三つのことですが、野球は他の多くのスポーツとは違う点があります。何かわかりまして?」
コメント:え?
コメント:違う点か
コメント:なんだろう
「あら、案外気付かないものなのですわね」
他のスポーツと違う点。それは攻守の形態だ。
サッカーにしろバスケにしろ。球を使用する以上攻める方と守る方が居るわけだが、野球と似たソフトボールなんかは野球と同じ形態。
「答えですが、攻撃する側が球を操らない。という点ですわ」
野球はピッチャー。つまりは守る側の一人が球を投げ、それをバッター。つまりは攻める側が打つ。と言う形態で試合が進む。
「この形態が違っていて、ノックのような形で試合が進む。と言う形であれば、打者は10回に3回当てれたら凄い。という感覚は起きなかったと思いますわ」
サッカーもバスケも、ゴールが決まれば入れられた側からのリスタート。1点ずつ、または一回ずつ再開されるが、野球やソフトボールは違う。
「そういった面からも、野球というのは独特で、攻撃側が主導権を握れないのです。これが野球最大の特徴ですわ」
コメント:なるほどな。
コメント:言われてみたら
コメント:そうか。考えたことなかった。
「主導権は守備側にありますわ。ファインプレーや暴投などで流れを掴む、手放す。ことがあっても、ホームラン一本で流れが来るわけではありませんのチーターズのバックスクリーン3連発とかなら話は別ですが」
打撃だけで流れを掴むのは容易なことじゃない。どれだけ連打を重ねようと、一つ飛び出したファインプレーで変えられてしまう。なんなら、ただのゴロアウトで流れが止まるから。
そういった意味では球を持つ時間に制限のないサッカーなんかよりも難しい部分だろう。自分たちの時間。というものがほとんどないのだから。
「まあ概要はこんな感じですわ。そうですわね……初心者向けの内容。と考えてはいるのですが、どういったものが好まれるのか……何か聞きたいことはありますの?」
もちろん事前に準備しているものがある。台本もある。が、どう頑張っても野球初心者。それこそ野球少年を相手するのとは違う。
コメント欄にいる洋民たちに全てを任せ、一旦コメント欄を見てみる。
「一応、ワテクシなりの解釈ではありますが、用語解説とかを考えてはいましたが」
コメント:用語
コメント:大体わかるしな
コメント:あれは? 本格派と技巧派投手の違い
コメント:わからん言葉……
「あら良いのがありましたわ。本格派と技巧派の違いですわね良い内容じゃありませんの?」
投手を称する用語には、投球方法からオーバー・スリークォーター・サイド・アンダーと四つに分かれている。
言葉通り、オーバーは上から投げ下ろすスタイル。スリークォーターは4分の3という直訳のように、上からのオーバーと横からのサイドの中間。アンダーは……。うん、説明の必要はないだろう。
「本格派と技巧派という曖昧な括りですが、すこし問題を出しましょう。元中報の山元さん。畿通の水走さん。技巧派はどちらだと思います?」
コメント:山元だろ?
コメント:明らかだろ
コメント:そりゃあなぁ
「そうですわね。技巧派は山元さんですわ。変化球を使い打者のタイミングを崩す。他にもありますが、水走さんは直球と縦スラなんかで三振を狙うタイプですわ。あくまでもワテクシの主観ですが、本格派は直球を基本に使い狙って三振を取れる投手。技巧派は変化球の割合が高く三振を狙わない投手ですわ」
直球という変化球というものを聞く機会がないのか、コメント欄が驚いた反応を示している。
まあ、変化するから変化球であり、まっすぐ進むから
「なんと説明するべきか……。直球をストレートとして使える? それも正しくないですわね……。皆様が想像するストレートというものは、縫い目に対して4箇所指がかかり、強いバックスピンがかかることで投げられるもの。ですわ。4つの縫い目にかかる。つまり4シームという表現が海外では使われますわね」
コメント:よく聞く
コメント:1シーム、2シームとかな
「バックスピンがかかるということは、空気を下から上に巻き上げますの。細かいことはワテクシもよく知らないのでネットなどで調べていただけると良いのですが」
ただ、空気を巻き上げる力はバックスピンがかかる回転数と軸に関係したはずで、地面に対して垂直からずれていくほど力が弱まる。どれだけ回転がかかっていても。
そして、投球フォームの最後は手のひらを外に向けるのが基本であるため、回転の軸が地面と垂直から体の内側に寄ってしまう。特にオーバースローの投手は。シュート回転がどうこう言われる原因はこれだ。
「元神奈川の抑えであるマーク選手と今もチーターズで戦っている川藤選手。前者はマックス160であり、後者は155〜6。ただ、軸が斜めのマーク選手よりもほとんど垂直の川藤選手のストレートの方が打ち難い」
いつだったか。確か畿通に移って三冠取った翌年? のオールスターか。
「大傘原さん。ウルフズのアルバート。そして津路嶌の三人をストレートだけで抑えたあの時の衝撃のように、本物のストレートというものは投げ出しから予測される軌道に比べて落ちないという変化を持つ変化球ですわ。ほんと厄介」
本格派はそういった直球の質が良い上でカウントを取れる変化球と三振狙いのウィニングショットを持っている。技巧派は直球よりも質の良いカウントを取れる変化球を数種類持っている。という説明がワテクシの解釈。
「それじゃあ山元さんと水走さん。どちらが直球派で軟投派でしょう」
コメント:え?
コメント:そりゃあ
「まあ、皆様が答えてくださってる山元=軟投、水走=直球という答えは間違いですわ」
コメント:それは嘘
コメント:んなわきゃねぇ
コメント:水走の方が速いだろ
「そこなんですわ!! 選手の評価は数字。それは正しいことだと思いますが、選手の特徴を数字で決めるのは良くありませんのよ」
山元さんは誰がどう言おうと直球派。カウントを取れる球やスクリューという力のある球を持ってはいるが、それを餌に直球で仕留める。130そこそこの速さが豪速球に感じるのは、しっかりとした回転軸を持つストレートを投げていたからだろう。
逆に水走だが、あいつも確かにストレートが多い。回転数が多いストレートを投げるが、軸は垂直からずれていて、質が良いストレートとは言えない。だからこそチェンジアップを使い緩急差を生み出すリードが必要で、ストレートとチェンジアップ。縦スライダーとカーブの組み合わせを使うことで投球が噛み合う軟投派。
「なんかスパチャが来ましたわね……。えっと?」
スーパーチャット
¥300
じゃあ強打者と巧打者の違いもそう?
「狙ってホームランを打てるかどうか。という意味ならばそうですわね。ヒットの延長がホームランと捉える打者は巧打者寄り。ホームランの打ち損ねがヒットだと考える打者は強打者寄りでしょう。ちなみに、津路嶌は誰がなんと言おうと巧打者ですわよ? 彼のバッティング意識は、フェンスの奥にポテンヒットという意識ですから」
央さんや星合さんのような根っからのホームランバッターとは違う。区別するなら重島さんと同じタイプだ。まあ、あんな人より飛ばすが。
「そうですわね。数字だけで野球を見ると面白くないですわ。たとえば東栄の元坂選手。守備範囲は広いですがミスも多い。けれども彼は、広い守備範囲で動かなければ外野に抜けることもある。抜けるくらいなら内野でエラーの方が、一塁で刺せる可能性が残っている。という考えを持っていますわ」
ホームランを打つからパワーバッター。変化球が多いから技巧派。などと言う明確に見えることだけが選手の評価じゃない。と言うことを視聴者には知ってもらいたい。
「あれですわね。いつか3D配信で野球教室みたいなことしたいですわね」
コメント:野球教室とかやった?
コメント:いいなー
コメント:直接受けてぇ
「野球教室ねぇ……。叔父は中報の頃に数回してましたわよ? 畿通だと一回のお金が少ないからって嫌がってましたが」
コメント:おいつじしまぁ!!
コメント:オメェってやつは!!
「まあ、お金がなさすぎて繁野さんと揉めてアメリカ行かしましたから。誰も文句言えないですわよ……。津路嶌、最後の方の年俸を減らして施設の整備とかにお金使わせてましたからね」
コメント:おいつじしまぁ!!
コメント:オメェってやつは!!
コメント:てのひらクルクルで草
「なんか似たようなコメントが……。まあ良いですわ。それじゃあそろそろこの枠を閉じて麻雀に移行しましょうか。最近配信してはおりませんでしたが、三麻だとランクが上がりましたから」
コメント:四麻は?
コメント:おい
コメント:永遠の初心者
コメント:初心の2だろ
「
雷音導
¥200
三麻だけ強くても初心は初心
「はぁ? あなたも麻雀始めたばかりですわよね雷音先輩。いいでしょう、コラボですわ」
雷音導:望むところだw
「いいでしょう。ボコボコにいたしますわ」
コメント:きたー!!
コメント:突発コラボだ
加速していくコメント欄にワテクシはニヤリと笑みを浮かべる。
「こんな時にお誂え向きの言葉があるでしょう? 皆様言いなさいな。チガサワギマスワ」
コメント:チガサワギマスワ
コメント:チガサワギマスワ
コメント:怖ぇなこれ
コメント:チガサワギマスワ
コメント:芝
コメント:チガサワギマスワ
コメント:チガサワギマスワ
一旦は二日に一話を守っていきたい。
誰と絡んでるのみたい?
-
一期生(卯月美トトや清水浜凛)
-
二期生(セデスや刀義岳)
-
三期生(セイン・バルディーや迫夢走)
-
四期生(エラや七伴瑠衣)
-
五期生(和泉ペニーや元舞修介)
-
七期生(坂口弘樹や雉間小町)
-
その他箱外
-
野球選手(引退した選手のチャンネルで)